No.492200

ベルカ式・恋姫†無双

神余 雛さん

[※注意※]

作者が妄想で書いた行きあたりばったりのご都合主義小説です
プロットもなにもないです
思いついたら書く、といった感じなので矛盾なんてありまくりです

続きを表示

2012-10-04 22:42:03 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1842   閲覧ユーザー数:1669

 

~序章~

 

 

side secret

 

「ふう……今思えばいろいろあったな」

 

 執務室での独白にはこの任務で出会った英雄たちへの思いが込められていた。

 

 想うは『劉・玄徳』

 みんなに周囲に笑顔を振りまく人柄からわかるようにほんわかしているが、決めるところはしっかり決める。

 まさに大徳、義の将。

 

 想うは『孫・伯符』

 戦と酒がなによりも好きで、瞳に秘めた仲間への思いは誰よりも強い。国はみんな家族といつも言っていた。

 江東の小覇王。

 

 想うは『曹・孟徳』

 覇王足らんと日々邁進し、有言実行・信賞必罰は絶対。困難が大きければ大きいほどやりがいがあると言った。

 乱世の奸雄。

 

 そして想うは――

 

 彼女たちは平和を手に入れた。……とはいっても、こちら(・・・)とは比べ物にならないほど小さな平和の灯。

 

「彼女たちは元気にしているだろうか……?」

 

 その問いに答えるものはいない。だが、彼女たちは笑顔でいることにいささかの推測もない。間違いなく、笑顔でいるはずだ、と。

 時には敵で、時には味方で。けんかもしたし、それと同じくらい仲直りもした。そんな、こころから仲間と呼べる人たちがそばにいる。

 だれひとり欠けることなく、みんながみんな笑顔を浮かべる国を。

 みんなが明日への希望をもてる国を。

 そんな夢が叶い始めたばかり。

 それは、間違いなく尊いもので。

 そして、何にも代えがたいもので。

 その夢に向け、乱世を駆け抜けたひとときを思い返し、あぁ、この結末でよかったなって思えて。

 つらいこともいっぱいあった。

 苦しいことなんて、それこそ数えきれないほどいっぱいあった。

 それでも、今は笑っていられる、と声高に謳いあげて。

 

「さて、そろそろ仕上げるか。彼女たちが待ってる……」

 

 書きかけだった報告書に眼をむける。

 最後にもう一度だけ彼女たちの笑顔を想い浮かべ、報告書にペンを走らせた。

 この平和は俺が守るんだ! と、決意を固めて。

 

side End

 

 

 

side 一刀

 

 よお。俺は北郷一刀。

 (せんと)フランチェスカ学園所属で、ベルカ式北郷流剣術の継承者でもある。

 魔導師ランクは空戦Sで、剣の師匠であるシグナム姉さんに指導をしてもらっているところだ。

 ん? どういうことかって?

 まぁ、一応魔導師ランクは俺の方が高いけど、純粋な剣技になっちゃうと、シグナム姉さんの経験には勝てないというかさ。

 それに、俺は本局武装隊に所属している職業魔導師だし、古代(えんしぇんと)ベルカの騎士でもあるんだ。

 それで、同じ古代ベルカ同士、鍛練をしているわけだけれども、いかんせんシグナム姉さんは熱くなりやすいバトルマニアだ。

 最近、ようやく3回に1回くらい勝てるようになってきたんだが、それにしても――

 

「屋内の訓練場だっていってるのに、シュツルムファルケンはなしでしょうよ!」

「あぁ、すまん。少々、熱くなっていたようでな」

「あぁ、すまん。じゃ、ないですよ! どうするんですか、これ!?」

 

 そうなのだ。

 シグナム姉さんは1回負けるなら仕方なし……と思っても、2回以上負けそうになると、遠距離からのシュツルムファルケンを放ってくるのだ。

 遠距離固有魔法を持っていない俺としては、近づくこともできずにやられる。だから、10回やろうが20回やろうが勝てるのは1回だけなのだ。

 そんなところはさておき、今はまわりの状況だ。

 屋内の訓練場は、戦技披露会の時のようにオブジェクトを出現させているわけでもなければ、広いというわけでもない。

 つまり、シグナム姉さんがシュツルムファルケンを放つと――

 

「シグナム~今の爆発音はなんや……って、どないすんねん、これ!? かずくん家の道場の壁がなくなってもうてるやん!」

「あはは、一刀くんもシグナムさんも、熱くなりすぎちゃうからね」

「一刀、どうするの?」

 

 そう、壁が吹き飛んでしまうのだ。

 

「八神部隊長に高町教導官、ハラオウン執務官じゃないですか。っと、ヴォルケンのみなさんもいるんですね。それで、これ……どうにかしたいのは山々なんですけど、私的訓練だったので、武装隊に申請してないんですよ。だから、経費で落ちなくって……」

「かずくん、今はもう部隊長やあらへんって。それに、今は私有時間や。堅苦しいのは抜きにしてな」

「そうそう。一刀くんだって、私的訓練って言ってたでしょ」

「わかりました。はやてさん、なのはさん、フェイトさんもこんなところによくいらっしゃいました。お茶の一つも出せないのが心苦しいところですが……」

「いいよ、気にしなくて。でも、どうするの? 経費で落ちないんでしょ?」

 

 私的訓練のいいところは教科書通りの決まった動きではなく、自由に攻撃も迎撃もできるところだ。だが、対応を一歩間違うとこうなる。そして、私的訓練だから、公費では何もできないのだ。

 つまり、何が言いたいのかというと……シグナム姉さんの自腹で直してくださいm(_ _)m

 

「そうですね……シグナム姉さん、自腹切って直してください」

「まぁ、妥当やな」

「そうだね。一刀くんの言うとおりなの」

「だからシグナム、一刀と訓練に行くって言ったときに熱くならないようにって注意したんです」

 

 俺を含めたみんなから非難がましい視線を浴びるシグナム姉さん。ざまぁみろ。俺ん家の道場を来るたんびにぶっ壊すからだ!

 ふっふーん。たじろいてやがるぜ、シグナム姉さん。主であるはやてさんに詰め寄られてら。なんか、すごい剣幕だし。シグナム姉さんも、大変だな。そんなことより、なんて言ってんだ?

 んー、なになに……?

 家計の事を考えろ? もっともだな。はやてさんの言うとおりだ。

 今月何回目? そうだな、まだ一週間たってないが、道場の壁を破ったのは3回目だ。

 お小遣いから天引き? 当然だな。ま、いいじゃないか。いっつも使い道がないって、言ってたし。ここいらで経済を回してくれ。

 んでもって……

 

「はやてさんが来たのは分かるんですけど、お二人はなぜここへ?」

「なに? はやてはよくて、私たちは来ちゃだめなの、一刀?」

 

 うぐっ!? それを言われると苦しいじぇ。それにしても、このポーズは……スタイルのいいフェイトさんのナニが強調されて、視線が下を……

 右のひとさし指を立てて、左手は腰にあて、軽く上目遣かい気味に体を前に倒すと、二つのお山が迫ってくるぅぅぅ……

 

「そんなこと言って、からかうのもやめにしなよ、フェイトちゃん。一刀くんも毎回からかわれて、困ってるじゃないの」

 

 ふぅ。なのはさん、ナイスです。

 これ以上迫られてたら、俺の理性ががが。

 

「そうですよ、フェイトさん。からかわれる身にもなってくださいよ」

「ごめんね、一刀。私、一刀に会うと、どうしても昔のクロノに会った感じになっちゃって……」

「にゃはは。フェイトちゃん、クロノくんのこと、よくからかってたもんね。クロノくんってば、からかいがいがあったみたいだったし」

 

 クロノ提督、ご愁傷さまです。……ん? すでにエイミィさんと結婚してるから、こんなことはもうないのか?

 まぁ、みなさん初等部からの付き合いだし、みんなしてクロノ提督のこと、からかってたんだろうな。あぁ、不憫だ。

 

「なのはママ、フェイトママ……」

 

 ん?

 変な考えに没頭していたおかげで、何やら声を聞き逃したようだ。

 ずいぶんかわいらしい声だったが、どこからだ?

 

「あ、そうだった。紹介するよ、一刀くん。ウチの娘の高町ヴィヴィオです。ほら、ヴィヴィオも、一刀くんに自己紹介」

「……高町ヴィヴィオです。よろしくおねがいします」

 

 目線のかなり下からだったか。

 なのはさんやフェイトさんも背は高い方とは思うが、やっぱり男の俺よりは少し低いしな。

 それに比べて、この少女は見た感じ初等部くらいか?

 小さくて当たり前か……

 

「おっと、これはこれは、かわいらしいお嬢さんだ。ではこちらも自己紹介をば。俺は北郷一刀。こちらこそよろしくね」

 

 そう言って、頭をなでてあげる俺。テラ紳士。……やべ、なで心地がいい! 目を細めて気持ちよさそうにしてるし。何このかわいい生き物は? おっと、これ以上やると、変態の烙印を押されかねないな。ここいらでやめとくか。

 

「うん。ヴィヴィオもすっかり一刀くんに懐いたみたいだし。今日の目的は果たせたかな?」

「そうだね。……ヴィヴィオ、さっき入ってきた入口のところにザフィーラがいるから、この辺りを案内してもらってきたらどうかな?」

「うん。行ってきます!」

「「はい、行ってらっしゃい」」

 

 そう言って、走り去るヴィヴィオ女史。かわいい。

 

「それでね、一刀。ヴィヴィオは今年の秋……あと半年もすれば、St(ざんくと).ヒルデ魔法学校に入学することになってるんだ」

「そして、フェイトちゃんも、もう少ししたら海――次元航行部隊――の方に上がっちゃうし、私もできるだけヴィヴィオの時間に合わせて仕事を入れるつもりだけど、緊急任務とか入っちゃうと、どうなるかわからないんだよね」

「だから、暇な時でいいから面倒を見ろ……ってところですか?」

「さすが一刀くん。そこまでわかっちゃうか。ってことで、お願いできないかな?」

 

 なのはさんのお願いとな? むろんできる限り聞きましょう!

 ヴィヴィオちゃんのおもり? 利発そうな娘じゃないか。おもりくらいなら、全然苦じゃないだろう。

 さいわい、St.ヒルデならそんなに遠くないし、迎えに行くのも、こちらに来てもらうのも、初等部の足で15分くらい。大変な距離じゃないだろう。

 

「俺もうちも大丈夫ですけど、ヴィヴィオちゃんの方が大丈夫ですかね? 半年後とはいえ、今日知り合ったばかりのうちに抵抗とかないもんなんですか?」

「うーん……ヴィヴィオの様子を見る限り、そんなに気にしなくても大丈夫だと思うよ。一刀も暇がある限りは、学校が始まるまで遊んでくれるんでしょ?」

「遊ぶのも構わないですし、そのつもりですけど、女の子らしい遊びなんてからっきしですよ?」

「大丈夫大丈夫。一刀くんなら魔法の訓練も任せられるし、ストライクアーツもできるでしょ?」

「えぇ、それぐらいなら大丈夫ですけど……」

「じゃあ、大丈夫。女の子らしい遊びも必要だとは思うけど、それは学校とか、私たちでなんとかするから。それに、一刀もヴィヴィオといっしょなら、訓練で聖王教会の場所も借りれるよ?」

 

 な、な、なんですとー!?

 聖王教会の場所を借りれる?

 そんな魅力的な話を断ってなるもんですか。聖王教会の訓練場を使えば、シグナム姉さんに道場を壊されたりしないし。なにより、あそこの喫茶店のお菓子とお茶、おいしいんだよね……

 

「わかりました。そこまで言うなら、よろこんで引き受けます。ただし、ヴィヴィオちゃんが納得したなら、ですけどね」

「それは分かってるよ。でも、一刀くんなら、心配はないとおもうけどな」

「そうそう。一刀なら問題ないよ。ヴィヴィオも安心して任せられるし、ヴィヴィオもすぐ心を開くと思うよ」

「そうですか。そう言っていただけると、ありがたいんですけどね。そういえば、さきほどはなのはさんとフェイトさんのことを『ママ』と呼んでいたようですが、どういった関係で?」

「んー。前に一刀くんに言ったこと、覚えてる?」

「前? いつ頃かにもよりますが、だいたいは覚えてると思いますよ」

 

 えぇ、覚えてますとも。O☆HA☆NA☆SHIされた時とか、訓練と称して、星の光を撃ち込まれた時とか、全部ね!

 ……今思えばさ、なんか、理不尽じゃね?

 どうして、新しい発射シークエンスに改良したからって俺が撃ち込まれるの?

 壁とかに試射すればいいやん!

 なんで俺に撃ち込むの!?

 っと、これ以上考えていて、バレたらO☆HA☆NA☆SHIするはめになるからな。自重しよう。

 

「JS事件の時にさ、私となのはが子供を保護したって言ったじゃない? その時に保護した子がヴィヴィオなんだよ。前にも説明したし、虹彩異色で気がついたとは思うけど、ヴィヴィオは聖王オリヴィエのクローンなわけだしね」

 

 おぉ、その話か。そういえばあったな、そんな話。詳しくは後日でって話だったから、忘れてたぜ。

 ん? ってことは、保護者がなのはさんで、保護責任者がフェイトさんってことか?

 なんというか、最強じゃね?

 

「一刀くんはそんなことないって分かってるんだけど、出自に関していろいろあってね。ヴィヴィオをヴィヴィオとして見ない人も少なからずいるの」

「……あぁ、それは分かる気がします。ヴィヴィオちゃんを通して聖王オリヴィエを見ちゃう人がいるんですね」

「そうなの。騎士カリムやはやてのおかげで、表立って態度に表したりはしないんだけど、そういう人たちはなにをするかわからないからね。小さい間はどうしても不安になっちゃうし、その点、一刀がいてくれれば心配もなくなるから」

 

 あぁ。母親って偉大だな。ついこの間――といっても、もう5年前だが――まで、一緒に聖祥大付属に通っていたとは思えん。

 まぁ、ひとつ上の先輩なだけあって、もともと大人っぽいなぁとは思っていたが……

 で、小学校、中学校時代の思い出に浸るのは後にして、

 

「了解しました。そういうことであれば、つつしんでお引き受けします」

 

 そういって締めくくる。うん。俺ってば、マジ紳士。

 

「ん? なんや、もうお話は終わってしもたん?」

「うん。はやてちゃんもお説教は終わりなの?」

「それで、はやてとシグナムは、この壁をどうすることにしたのかな?」

 

 ようやくお説教タイムは終わったようだ。

 こころなしか、シグナム姉さんがげっそりしてるような……

 うん。気にしたら負けかなって思ってる。

 

「そら、決まってるやん。シグナムのお給料から差し引いてもらうんや。かずくんの道場を壊したんはシグナムやからな。当たり前や」

「うっ……一刀、すまん」

「いいですよ、シグナム姉さん。直していただけるんならそれで。ま、これからは聖王教会の訓練場を借りることの方が多いと思うので、そちらなら気にしないで鍛練できると思いますしね」

 

 ま、そういうことでなんで、気にしないでくださいな。

 これからは、聖王教会が負担することになるんでね、ふっふっふ。

 

「それにしても、かずくんと知り合って、もう10年になるんやな」

「そうだね……一刀と一緒に、闇の書の闇と戦った時のこと、今でも覚えてるよ」

「一刀くんのおかげで、みんな無事なんだしね」

「そうだな。私たちだけでは、主を守ることはできなかったかもしれん」

 

 そんな古いことを掘り返して褒めるなんて、照れるじゃないっすか。

 やべ、今、顔赤くなってるだろうな……

 

「そんなことないですよ。あれは偶々ですって。それに、俺の方こそ管理局や聖王教会に橋渡ししてくれて感謝してますよ。それに、フランチェスカのことも。本当は、一生、地球のほかに次元世界があるなんて知らなかったはずですし、出るつもりもなかったんですから」

 

 そうなのだ。なのはさんやフェイトさん、はやてさんとヴォルケンズのみなさんがミッドに移り住むっていうから、俺もミッドに来たわけですし、管理局にも入局できた。

 まぁ、クロノ提督のおかげもあるんだけどね……

 それより――

 

「あ、ヴィヴィオちゃんが帰ってきたみたいですよ。そんな昔話は置いといて、お昼ごはんにしましょう。今日は、シグナム姉さんのためにって作っておいたんですよ。少し人数が増えはしましたが、問題ない量だと思いますし」

「そうやな。じゃあ、ごちそうになろうかな。シグナムもそのつもりなんやろ?」

「えぇ。もともと言っておいたので、いつものごとく、ご相伴にあずかるつもりでした」

 

 ふぅ、話をそらすことができたみたいだ。

 これ以上昔話をされると顔から火がでるわ。割とマジで。

 

「やったね、フェイトちゃん。一刀くんのごはん、おいしいんだよ」

「うん、噂では知ってたけど、実際に食べるのは初めてだから、楽しみ」

「ヴィヴィオー! 今日は一刀くんのところでお昼ごはん食べるからね」

「うん! 一刀お兄ちゃん、ありがとう」

「はい、どういたしまして」

 

 あぁ、やっぱりかわいいな、ヴィヴィオちゃん。笑顔がまぶしいぜ! それに、お兄ちゃんだってよ! お兄ちゃん!

 っえ? 俺はロリコンじゃないやい。ただ、小さい娘が好きなだけだい!

 

「今日は一刀のところでごはんなのか!? 一刀のごはんはギガうまだしな! 早く食べよう!」

「私たちもいいんですか、一刀くん?」

「大丈夫ですよ、シャマルせんせ。ヴィータさんも、もう少し待ってくださいね。すぐ準備しますから。あ、ザフィーラの分もちゃんとあるからね」

「かたじけない」

 

 ふっふーん。俺さまは完璧なのだ。少々人数が増えたところで、へでもないのだ!

 はっはっは。

 そういや、やたらヴィヴィオちゃんが俺の腕に絡まってくるな。そんなに懐いてくれたのか?

 やっふー!

 

「さて、みなさん、リビングにおいでください。料理を仕上げて、すぐ持っていきますから」

 

 そういって、移動する俺。ついてくるみなさん。抱っこされるヴィヴィオちゃん。はっはっは。今、俺の手の中にはヴィヴィオちゃんがいる!

 今日は手を洗わないで寝よう。

 

side End

 

 

 

 

side 一刀

 

「「「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」」」

「はい、お粗末さまでした」

 

 ふう、無事ごはんイベントを済ますことができたな。

 みんな、おいしそうに食べてくれたようで、よかった。

 それと、ヴィヴィオちゃんとヴィータさん。机のまわりを走らないでください。アイスはちゃんと買ってありますから。

 っとと、危ない危ない。棚の上に置いてある鏡が落ちるところだったよ。

 まぁ、揺れてるだけで、落ちないみたいだからいいけどさ。

 

「さて、それで、みなさんはこれからどうするんですか?」

 

 さて、どうなるか。

 ここで、みんなで戦闘訓練なんかだと笑えないが、それはないだろうし、買い物とかかな?

 

「ふむ、それじゃあ、腹ごなしに戦闘訓練でもするか」

「いいですね、シグナム。そろそろ、貴女と決着をつけたいと思ってたんですよ」

 

 さすがはバトルマニアのシグナム姉さんにフェイトさん。

 だが、しかし! みんなは反対のはずだ!

 

「うーん、そうやな。かずくんのごはんはおいしくて食べすぎてもうたし、少し運動せなあかんな。私ものったで」

「はやてがやるなら、あたしもやる!」

 

 っお!? 思わぬところに伏兵が。はやてさんにヴィータさんもか……

 あとはなのはさんとシャマルせんせにザフィーラだ。……大丈夫だよね?

 

「みんながやるんなら、私もやろうかな?」

「はいはーい。私は医療班として、待機してますね」

 

 っな!? 最後の牙城、なのはさんまで参戦宣言だと!

 しかも、シャマルせんせまで遠まわしに主戦派!?

 

「では、数を合わせるために参戦しよう。お前もやるのだろ?」

 

 ザッフィー!! お前もか! お前もなのか!

 っく、ここまできたら、もう俺に拒否権はないんだよな。

 こうなったら笑うしかないな。ははは。

 

「どうせなら、ティアナとスバルも呼ぶ? あの娘たちの出向は明後日からだし」

「じゃあ、エリオとキャロも呼ぶね」

「なのはちゃんもフェイトちゃんも六課終わったのにスパルタやなぁ」

「フェイトちゃん、アルフも呼んであげたら?」

「そうですね、シャマル先生」

 

 おいおい、俺のあずかり知らぬとこで、話が大きくなってるぞ?

 

「とりあえず、地上本部の訓練場に行きましょうか?」

 

 ま、現実逃避しよう。それに、後で考えればなんとかなるさ!

 しかも、まだ、ティアとスバルにエリオ、キャロは来るとは限んないしな。

 あっはっは。

 

side End

 

 

 

 

side 一刀

 

 そう思ってた時期が、俺にはありました。

 

「おひさしぶりです、一刀さん」

 

 元気だねぇ、スバルよ。

 

「でも、これだけ揃うのはすごいんじゃない?」

 

 その通りですよ、ティアくん。俺は君たちが来るとは思ってなかったし。

 

「キャロ、がんばろうね!」

「うん、エリオくんも!」

 

 エリオもキャロもやる気だね……これが高町教導官に1年間鍛えられた精神力なのか?

 

「ヴィヴィオはこっちで私たちと見学よ」

「うん!」

 

 シャマルせんせ、少しは止めてくれてもいいんじゃないっすか?

 

「なのはたちの模擬戦か……久しぶりだなぁ」

「ユーノ先生もかい? ボクも戦技披露会以来さ」

 

 なんで、あんたらもいるんだ! どっから湧きやがった!? ユーノ司書長にアコース査察官!

 

「だんな、なんで俺、呼ばれたんすかね?」

「…………」

「なんか言ってくださいよ……」

 

 ヴァイスの兄貴まで……ってか、沈黙が怖いっすよ、ザフィーラさん。

 

 で、結局総勢何人よ?

 

 チームA なのは、フェイト、アルフ、スバル、ティアナ、キャロ、ヴァイス

 チームB 一刀、リインinはやて、シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、エリオ

 見学者s ヴィヴィオ、シャマル、ユーノ、ヴェロッサ、その他武装隊の面々

 

 なんてこった。

 機動六課どころか、ある意味管理局最強メンバーがみんないるじゃねーか。

 こんなメンバーで模擬戦なんかやったら、俺死んじゃうよ……

 ま、シグナム姉さんがいないんなら、1vs1だけなら俺最強だし。

 なんとかして、全員を1vs1にもっていければ勝つる!

 でも、俺が1vs1最強なのはみんなが知ってることだし、相手チームのみんなもそのことを視野に入れて作戦を立ててくるだろうし、どうしよっか……?

 

「はーい、じゃ、作戦会議を始めるよー。チームBのみんなは私のところに集まってなー!」

「じゃあ、ミッド式のみんなも集まろうか! はやてちゃんたちには負けないよ!」

 

 はやてさんとなのはさんを中心に集まる俺たち。はぁ、今頃俺をどう痛ぶるか考えてるんだろうな……

 

「はい、じゃあ、チームBの作戦を発表します。基本はかずくんを囮につかって、相手メンバーを各個撃破していきます。でも、それは相手も予想してることやから、あえて序盤は考えへんでもええです。まずは、主砲のなのはちゃんをじゃなくて、ティアナを墜としてから、殲滅戦に入ります。なのはちゃんに集束の時間を与えたら、一網打尽にされる恐れがあるわけやけど、相手もそれを見越してくるはず。そこで、ティアナをシグナムとヴィータで最初に撃墜すること。数の均衡を取りにいきます。ザフィーラはその間、2人の盾役、よろしくな。そして――」

 

 はぁ、ほら、言わんこっちゃない。

 俺を囮に各個撃破だってよ。俺、死んじゃうって。一応、フェイトさん同様の高速戦が売りだけれども、装甲は紙なんだぞ? なのはさんの砲撃をひとつでももらったら、お終いなんだかんな!

 

 ……早く終わらないかな。

 

side End

 

 

 

 

side 一刀

 

「か~、いてぇよぉ~……」

 

 模擬戦は終了した。

 やはり、というか当然のごとくチームBの勝利だ。向こうも最初になのはさんが墜とされると踏んでいなければ、もう少しもったんじゃなかろうか?

 まぁ、終わったことだが。

 ん?

 俺の戦績か?

 俺は、最初にヴァイスの兄貴とエリオを墜としたあと、フェイトさんに高速戦を挑んでからくも勝利したところで、なのはさんの星の光を喰らいました。はい。

 これはあれか?

 ヴィヴィオちゃんのあたまをなででしまったのがダメだったのか?『Yes,ロリータ.No,タッチ』を守らなかった俺への罰なのか?

 ……そうか、なら仕方がないな。

 

「ふぅ、やっと着いた。ようやく家だ~」

 

 こんな姿みせたら、またなのはさんに訓練つけてあげると言われかねないな……

 ボロボロなんで、勘弁してください。

 

「風呂入って、寝るか」

 

 ん?

 なんか落ちてるな……これ、ヴィヴィオちゃんの髪留めのゴムか?

 なのはさんか誰かが予備に持ってきたのが落っこったんだろうな。うん。

 明日にでも返してあげるか。それにしても、なんで2こも落っこってるんだろ? しかも、いつもリボンで留めてるのに、こんな赤い玉が付いた装飾付きのゴムなんて落ちてるんだ? 誰も使ってないよな?

 これはあれか。 髪の毛を留めるのはその時の気分や雰囲気によって変えるのか?

 うーん……女の子が考えることはよくわからんな。

 まぁ、いいか。とりあえず、この棚の上に――

 

「あっ」

 

 やべ、昼にヴィヴィオちゃんとヴィータさんが走り回ってたせいで、鏡が落ちそうになってたの忘れてた……

 あー、これは割れたな。うん。もう、間に合わないな。

 ってか、こんなに考えられる時間があるなら間に合いそうだけどな(笑)

 

 バリーン

 

「あー割れちゃったよ。やっぱり。はぁ、破片を片付けるか……っ!?」

 

 何だよ? なんで光ってんの、これ?

 うはー、意味わかんねー。

 うお、地に足付いてないみたいな、浮遊感だな。

 

「あ……あっ……あっ――――!?」

 

to be continued

 

 

 

 

 
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