No.490266

Fateなんとなく書いてみた8

Fateオリ主TSハーレム以下略!

2012-09-30 05:27:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8677   閲覧ユーザー数:8299

あれから衛宮邸へと帰った俺たちは居間で先の戦闘について話していた。

というより俺が遠坂さんに詰め寄られていた。

 

「・・・で?退さん?説明してもらおうかしら・・・」

 

「説明と言われてもなんと言えばいいんだ、俺は魔術を知らないから魔術師側がどんなに異常性を感じていても俺はそっちからしたらどこが異常なのかわからないんだから説明しようがない」

 

「ああ、そうだったわね。いい?魔術というのはね・・・。」

 

 

 

 

 

長い説明で正直全部理解できなかったし覚えられなかったがつまりはこういうことだろうか。

 

「つまりは魔術は現代の科学力か何かでも実現可能なものを魔術的要素で成し得たもので、それ以外のもの。時間の逆行とかそういった現代科学か何かでも実現不可能なものが魔法・・・と?」

 

「そういうことになるわね。そして今回この街で起こっている戦い」

 

「今日のバーサーカーとの戦いがそうだったのか?」

 

「そう、聖杯戦争。聖杯という願望器を賭けた魔術師同士の殺し合い」

 

セイバー

ランサー

アーチャー

ライダー

キャスター

アサシン

そしてバーサーカー

 

そして七人の魔術師、それが。

衛宮 白

遠坂 凛

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

残りの正体不明の4人

 

その合計14人が聖杯――万能の願望器――を賭けて殺し合いを繰り広げる。

それが聖杯戦争。

 

なるほど、殺し合うに足る戦だと思う。

何せ何でも願いが叶うと言われている聖杯がこの戦の報酬なのだ。

死んででも手に入れたい宝なのだろう。

しかし解せないことがある。

そんな戦になんで無欲な我が妹まで参加している?この娘が万能の願望器という宝に心揺らぐとは思えない。というより殺し合いを許容するとは思えない。

 

「白、お前が参加しているのはまさか・・・」

 

「ああ、この馬鹿げた戦争を終わらせるためだ!こんなくだらないもの・・・終わらせないと」

 

「何故そこまで必死になる?お前がそういったものを許容できない性格なのはよく知っているつもりだ。だがそれでもだ、聖杯戦争に固執する理由にならない。殺しで言ったら現代の戦争だって殺人事件だって一緒だが、それを止めさせたいとは思うが実行は出来ない。それが当然だし普通だ」

 

「それはそうだけど・・・だけど!目の前で起こっている事なら少しでもあたしは何か出来る!止められるんだ!」

 

こいつは何を言っているんだろうか。

止める?あの体たらくで?先の戦闘で全く戦えていなかったのに?

 

「無理だ、お前のどこにそんな力がある?お前より間違いなく強いであろう遠坂さんだってバーサーカー相手には手も足も出なかったんだ。無論俺もな。バーサーカーに勝てる道理がない。」

 

「そうですね、正直な話私一人でもバーサーカー相手に一人で相手取るのは厳しい」

 

「ああ、私も弓もバーサーカーの前には歯が立たなかった」

 

俺の言葉にセイバーさんとアーチャーが同意する。

それに白は苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

「白、お前は昔言っていたな。己を犠牲にしてでも全てを救う正義の味方になりたいと」

 

「あ、ああ・・・それが?」

 

「きっとその理想に則ってこの戦争に参加しているんだろうが、その理想が酷く矛盾しているというのをお前は解っているのか?」

 

そう、矛盾している。

全てなど救えるはずがない、それはどんな超人であれだ。

どんなに力が、金が、権力があっても全てを救うことなど出来ない。

何故ならば・・・。

 

救われるものがいるということは救われないものがいるということだ。

 

例えば、金に困った男が銀行強盗をし、その事件を白が鎮圧したとする。

そうすれば捕まった者たちは救われるだろう。

だが犯人は?捕まった男はどうなるか?

救われはしない。むしろこれからの人生生きづらくなるだろう。

そこで矛盾が生まれる、全てを救うといったのに全てを救えていないのだ。

しかし、この事件では男は完全に悪だ。どんな理由があれどだ。

ここでもう一つ問題がある。白が目指しているのは正義の味方だ。

 

正義が悪を救ってどうするんだ?

 

救った悪が改心するとは限らないし、逆恨みで襲ってくるなんてことにもなりかねない。

 

彼女の理想は酷く矛盾している。

 

「だけど、それでもあたしは全てを救う正義の味方になりたい!あたしは、あたしは・・・!」

 

「白、俺は別にお前の志を否定はしないし賛成もしない。だがな・・・俺はお前の兄だぞ?」

 

「・・・えっ?」

 

俺はポカンとしている白に笑いかけてやる。

 

「お前は俺の妹だ、最低限の手助けはしてやる。俺も今回のこの戦争はさっさと終わって欲しいからな。いいか白、全てを救うことはできない。これは断言しよう。だがすぐに納得も出来ないだろう。だからこれを踏まえた上でもう少し、お前の理想を見つめなおしてみろ。お前は一人じゃないんだ。一人で考え込むのはよしとけよ」

 

「・・・うん!」

 

俺は少し笑顔が戻った白に苦笑すると、頭を撫でてやる。

白はくすぐったそうにしながら、でも気持ちよさげに目を細める。

と、同時に殺気を感じた。

 

出どころはすぐにわかった。

遠坂さんの傍らに佇む銀髪の弓兵、先の戦いの援護者――アーチャー――からだ。

彼女は執拗に撫でられている白を睨みつけていた。

それはまるで、大事な人を取られて拗ねている子供のようだった。

 

 

 

 

 

 

 


 
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