アナトリア
「うっ、ここは」
アレックスが目を覚ますと、知らない部屋にいた。とりあえず、周りを見渡すと、ここはどこかの病室だとわっかた。
「俺は確か新型ACにやられて、その後は・・・そうだ、俺は」
アレックスは思い出した。あの新型ACにやられあと、誰かに助けられたことを。それを思い出した時だった。病室のドアが開く音がした。アレックスはドアの方を見るとシュートヘアの金髪の女性がいた。
「あっ、よかった、意識が戻ったんですね。今、医者を呼んできますから待っててください」
そう言って、シュートヘアの金髪の女性はどこかに行ってしまった。そして、アレックスは。
「今の子、可愛いかったな」
一目惚れしたのであった。
しばらくして、先程のシュートヘアの金髪の女性と白衣を着た男性が入って来た。
「ふむ、目が覚めたようだなアレックス・オルフェウス君」
「なぜ、俺の・・・」
そこまで言ってアレックスはまたあることを思い出した。助けられた時に誰かに名前を聞かれてついうっかりと自分の名前を言ってしまったことに。
「失礼、自分から言ったな」
アレックスの言葉を聞き、シュートヘアの金髪の女性と白衣を着た男性は驚く。
「まさか、意識が余りない状態の事を覚えていたとは。おっと、まだ自己紹介していなかったな。私はクルト・イェルネフェルトだ。で、この子が私の娘の・・・」
「フィオナ・イフェネルトです」
フィオナは満面の笑顔で言った。アレックスはその笑顔に見とれてしまったがすぐにハッとして首を振った。
「あの、大丈夫ですか」
その様子を見ていたフィオナは心配そうにアレックスに聞いてくる。
「ああ、大丈夫だ」
「そうですか、具合がわるかったらいつでも言ってくださいね」
「本当に大丈夫だ」
アレックスはそう言うがフィオナは今だ、心配そうな顔をしている。アレックスはそんなフィオナの顔を見とれてしまいそうになるが何とか耐える。
「さっそくだが、いくつか質問していいか。クルト・イフェネルトさん」
「クルトでいい、で、何が聞きたい」
「まずは一つ目、此処は何処だ」
「ここは、コロニーアナトリアだ」
アレックスは少し驚く。
「知っているのか」
「ああ、レイヴン達は大抵知っている。ここの自然と空気はとってもよくって癒されるとな」
「それは初耳だな、そんなにもいいのか此処は」
「ああ、依頼がない時は大抵のレイヴン達は此処に来る。まっ、俺は今日初めて来たんだけどな」
「なるほど、ここはレイヴン達が羽を休める所だったとは。あとオルフェウス、始めて来たうじゃなくて救出されて此処に来たほうだ」
「確かにそうだな、それとアレックスでいい」
「わかったアレックス。で、次の質問は」
「俺が助けられて何日経った」
「今日でちょうど三ヶ月だ」
「そんなに寝ていたのか。よほど俺の怪我は酷かったのか」
「ああ、全身に打撲と刺し傷。そして、刺し傷による大量出血。さらに、内臓一部破損。まったく生きてるほうが不思議だ」
それを聞いたアレックスは思わず苦笑いして。
「本当だな、自分が生きてるほうが不思議だな」
アレックスは自分がやられた時のことを思い出す。あの時、あのレーザブレード付き新型はアレックスのACのコアにマシンガンを向けられたことを。そこで、アレックスはフッと思った。おそらく、外から見ればアレックスのACのコアは蜂の巣になっているだろう。そうなればコックピットを見ない限りパイロットは死んだと思われるだろう。一体誰がアレックスを見つけただろうか。アレックスはそれを聞くことにした。
「しかし、よく俺が生きていることに気付いたな。俺がやられた時、敵は俺のACのコアを蜂の巣にされたと思うが」
「ああ、それか。それならフィオナに感謝するのだな」
「どういうことだ」
「確かにお前のACのコアは蜂の巣になっていた。しかも、コックピットにも弾着のあとがあった。俺もパイロットは駄目だと思った」
じゃ、なぜ俺はここに」
「言ったらう、フィオナに感謝しろって。フィオナはパイロットまだ生きているかもしれないと思って、僅かな可能性に掛け、コックピットを見た。そうしたらコックピットを守る最終装甲板が破られてなかったことに気付き、ハッチを開けたら瀕死の重傷のお前を見つけたわけだ」
「あの時は無我夢中で」
フィオナは照れくさそうにいった。その結果アレックスは見とれそうになる。
「そ、そうかフィオナは俺の命の恩人てわけか。ありがとう、フィオナ」
「いえ、それほどでもありません。私は僅かな可能性があるなら最後まで諦めませんから」
フィオナは再び満面の笑顔を浮かべる。その笑顔で完全に見とれてしまうアレックス。その光景を見たクルトは、アレックスがフィオナに一目惚れしたことに気付いた。クルトはとりあえずアレックスを元に戻すためわざとらしく咳をする。アレックスはその咳を聞き急いで次の質問を聞くことにした。
「つ、次の質問、していいか」
「ああ、いいぞ」
「企業と国家、どっちが勝っている」
その質問を聞いたクルトは真剣な顔になる
「やはり聞いて来たか。いいかよく聞け。企業と国家の戦争は・・・二ヶ月前に企業の勝利で終わった。全ての国家は解体された」
「なん…だと…」
アレックスは茫然とした。アレックスが国家に雇われたのは企業が宣戦布告した次の日。その二日後にあの戦線に入って、離脱し、四日後に俺はあのレーザブレード付き新型ACに落とされ意識をなくした。そして、意識が戻るまで三ヶ月。つまり、企業と国家の戦争は僅か一ヶ月たらずで企業が勝利したことになる。
「事実だ。国家などはもうこの世界にはない」
国家が企業に一ヶ月たらずに負けるわけがない。だが、アレックスは国家が一ヶ月足らずに負けた理由はすぐにわかった。あの新型ACだと。
「そうか」
「まっ、もっともネクストがあったこその勝利だがな」
「ネクスト?なんだそれは」
クルトが言ったネクストという聞きなれない言葉を聞いてアレックスは疑問そうに言った。
「ああ、君を落とした新型ACの事だ」
「あの新型ACこと何か知っているのか!」
「まあな。ネクストには俺が開発した技術が入っているからな。すまない、フィオナ。外に行ってくれないか?ここから先はアレックスと二人きりに話がしたいのだが」
「わかったわ。じゃ、先に家に帰るわ」
「わかった」
フィオナは病室から出っていき、それを確認したクルトはアレックスのほうを見る
「じゃ、話そうかネクストについて」
そして、クルトがネクストのことを語り始めた。
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第3話