あの爆発事件の後、いろいろ大変だった
ルイズ姉さまが母上に叱られたり
カトレア姉さまが体調を崩したり、水メイジが右往左往したり
服を着替えたりするので大変だった・・・
ともかく、それ以降、ルイズ姉さまの魔法の練習を覗き見ることはやめにして
余はカトレア姉さまや、一番上のエレオノール姉さまの魔法を見たりして
来年の余の魔法の練習への予習や、使用人たちの仕事を覗き見て鍛冶技術を覚えようと駆けずり回っていた。
まあ、見て覚えても、実践しようとすれば、周囲の人間に止められるので、知識は蓄積できても、実技面では一切進歩していないのだが
屋敷の中をあっちこっち駆けずり回る故に、体力だけは無駄についてしまった。
たま~に外から爆音が聞こえるたびに体がビクっとするのは、まあ愛嬌と言うことにしておこう
「ネロ嬢様、だからと言って私のスカートの中に入り込まないでいただきたいのですが・・・」
むぅ、ならば如何すれば良いのだ、余の最も安全な位置といえば、此処しかないのだが・・・
「むぅ、何にせよ、このままではいかんな、この前父上が余に下さった「召還されし書物」に記されていたあの守りの法を習得しなければ」
たしか、その守りの法の名は―――
「『カリスマガード(仮)』ですか、今のネロお嬢様では精々出来て「かりちゅまがぁど」と言った所ですね」
「ぐぬぬ・・・帽子さえ・・・あの帽子さえ完成すれば・・・!」
かと言って、自分で作ろうとしても危ないからと言って止められる・・・
やはり問題は山積みか、いや、だからこそ面白い・・・!
「ふんす・・・!」
「私のスカートの中で、何やら気合を入れているところ申し訳ありませんが、そろそろお昼寝の時間です、お部屋へ戻りましょう」
「・・・余と一緒に寝てくれるか?」
見よ、余の涙目上目遣い!・・・真っ暗で何も見えん・・・
「スカートの仲で上目遣いをされても・・・その、困ります」
解せぬ・・・
「カリスマガード(仮)」を完成に近づけた事以外、特に大きな事件があるわけでもなく、役一年の月日が経過した――
つまり、4歳の誕生日を迎え、魔法を習うことが出来るようになったということだ。
余の杖は、トネリコと言う樹から作られたタクト型の杖だった。
初めの頃は大抵、タクト型の杖と契約するのだそうな。
余も例に漏れず、と言う事だな・・・契約は人によって時間が掛かったり掛からなかったりするらしい。
余の場合は僅か一時間で契約が完了した。
理由としては、 カンスト神の加護 と、 安価神の加護 の相乗効果によるものと断言出来る
選択肢として杖との契約パスの最短かつ最高効率、最高同調率の可能性を選び取り
カンスト神の加護でその効果と結果を最大にして発現させるに至った結果・・・ということになる
ともあれ、これで魔法を使えるようになる条件の一つが揃った
しかし、あまりの完了早さに、教師を呼ぶ暇も無かったようで・・・
結果、
正直、逃げ出したい事ではあるものの、安価神の加護により、それは死亡フラグであると警告が発せられておる。
故に逃げ出すことも出来ず、十三階段を上るような面持ちで、母上の待つ訓練場に足を向けているのだが・・・
・・・この重苦しい雰囲気を如何にかせねば、余の胃がディストラクションフィニッシュされてしまう・・・!
「・・・のう、アンナよ」
「如何なさいましたか?ネロお嬢様」
うむ、アンナは何時も余の傍に控えておる、隠れスカートの術を何時でも発動できるのは安心出来るというものよ
「ネロお嬢様、私のスカートの中にお隠れあそばされた場合、今日から三日間のおやつの保障はいたしません」
なっ―――ならば・・・!
「ならばカリs――」
「カリスマ(笑)ガードもダメです、ルイズお嬢様の魔法の練習に同席していただきます」
なんと恐ろしいことを・・・!余に死ねと申すか!
「ダメか?」
「ダメです・・・」
ぐぬぬ・・・ならば喰らうが良い―――必殺!
「余がこんなに頼んでもダメなのか?」
スカートのを掴んで上目遣いウルウル攻撃!!
「はい、ダメです―――失礼、鼻から溢れ出る忠誠心が・・・」
無駄にスキルを使って高速で
・・・余はお前が何処に向かっているのか、最近よくわからなくなってきたぞ・・・
ああ、無駄に凄い鼻血処理技能を覚えてしまったではないか・・・!
「・・・逃げて良いか?」
「ネロお嬢様のお言葉を借りるとすれば、ネロお嬢様は謎の鉄仮面騎士に追い詰められ、いくえふめいになります、ああ、おいたわしや・・・」
あばばばばばばばば鉄仮面怖い鉄仮面怖い鉄仮面怖い・・・!
「に、逃げなくて良かった・・・!余の選択は間違ってはいなかった・・・!」
安価の神様ありがとう・・・!この恩は5秒くらいで忘れるぞ・・・!
「――訓練場に到着しました・・・ではお嬢様、御武運を・・・」
えっ――――
「なにそれこわい」
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しばらく巻きでいきます。
プロット切れたら即興という罠