No.487622

僕の彼女は暗殺者です

アッキさん

僕、銀林僕には彼女が居る。
彼女の名前は竜王院雪姫。頭脳明晰、運動神経抜群、眉目秀麗と三拍子揃った完璧な彼女である。
ただし、彼女には秘密がある。
そう、彼女は暗殺者だったのです。

2012-09-23 15:34:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:565   閲覧ユーザー数:563

その頃の僕、銀林僕(ぎんばやしぼく)竜王院雪姫(りゅうおういんゆきひめ)について直接見た事は数度しかなかった。ただ、僕は噂で色々と聞いていた。

 

 

曰く、勉強では1位しか取らないほどの成績。

曰く、スポーツをすれば他が羨むほど運動神経。

曰く、男女問わず見惚れてしまうほどの美貌。

それが知る竜王院雪姫と言う人物だった。

 

 

目の前に居る人物は、確かに噂通りの人物である。

肩まで流れるように伸びる黒髪、透き通るような白い肌、吸い込まれそうな青い瞳。

女神が光臨したかのようなスタイル抜群の身体つきに、その身体に合わせて作られたかのような白の制服。

 

 

 

そしてそんな僕の目の前に居る彼女、竜王院雪姫は手にクナイを持って、そのクナイを僕に向けていた。

 

 

「え、えっとボクは僕の事が好きです! どうか付き合ってください!」

 

 

「は、はい?」

 

 

な、何を言っているの、この人は? 『ぼくはぼくが好き』? ど、どう言う意味だよ?

と言うか、なんでこの人、顔を赤らめながらクナイをこっちに見せないでくれます?  何かクナイに毒々しい毒が付いているんだけれども……。

 

 

「えっと……伝わってないようならばもう1度ちゃんと言います。

ボク、竜王院雪姫は銀林僕の事が好きです。もしよろしければ付き合って、駄目ならばこのクナイで……」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

 

な、なんでLove&Dead!? どうしてこんな状況に!?

今日朝、下駄箱にラブレター、しかもあの竜王院雪姫からと浮かれていたのに……。どうしてこんな事に……。

 

 

 

「ねぇ、僕……。どうして早く教えてくれないの? 早くしてくれないと私、あなたの事を……」

 

 

と、僕が考えている内に彼女はその毒付きナイフで僕を殺そうと……! ちょ……! し、死んじゃう!

 

 

「大丈夫。私、暗殺者ですから。軽ーく、痛みも感じない内に……」

 

 

「なる! 大丈夫、恋人になるから安心して!」

 

 

と、僕が安心させるように言うと、

 

 

「う、嬉しいわ……! ありがとう、僕! ボク、絶対にあなたを幸せにして見せるから……!」

 

 

「と、とりあえず、『僕』はややこしいので、『ギン』でお願いするよ……」

 

 

「分かったわ」と雪姫は言って、こうして銀林僕と竜王院雪姫は恋人となった。

この時、僕は予想してなかった。彼女が僕が予想していたよりも嫉妬深く、そして暗殺者と言うのが本当の事と言うのも。


 
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