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奈々子宅
『それで?高須君とはどうなったのよ告白したの?』
帰宅して荷物を整理し、シャワーを浴びてしばらくすると親友から電話があった。
「……一応気持ちは伝えたつもりなんだけど」
『え、なに?まさか振られたの!?』
「違うわよ!なんていうか保留みたいな感じ」
『えー、なにそれ。奈々子はそれでいいわけ?』
「色々事情があるのよ彼にも。必ず返事はするって言ってくれてるし私は信じてるわよ」
『あーはいはい、御馳走様。高須君も悪い人じゃないってのはまあなんとなくわかるんだけどさ
奈々子がそこまで夢中になるわけってなによ」
「そう言われるとなぁ……まあ強いていうならさりげない優しさかな?うふふ」
『はぁ……こりゃまじね』
そして新学期
4人はそれぞれの思惑を胸に秘めて動き出そうとしていた。
竜児は一人で通学路を歩いている。
どこぞの小さな虎はいくら呼んでも朝飯にすらこないし
いつもの交差点には待ち人はいないし
新学期だというのに竜児の心は晴れてはいなかった。
「高須君っ!」
「うおっ!!って香椎か、びっくりさせんなよ」
「うふふ、びっくりしてもらわなきゃ!高須君を驚かせるためにまってたんだし」
「お、おう。そうなのか。あ、ありがとうでいいのか?」
「あのー、二人の世界に入ってるとこ悪いんですけど……
一応私もいるんだよねー、おはよ高須君」
「あ、ああ悪い気付かなくて、おはよう木原」
こうして孤独な漢の世界から一転
両手に花となった竜児は教室に入った途端に
能登等に尋問されることになるのだがそれはまた別のお話。
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23です。
よろしくお願いします。