No.484237

武装神姫「tw×in」 第十二話 初ライド×バトル=

風麦梟さん

上木も新たな神姫を手に入れ、まわりの人物も複数持ちになろうとしていく。
そうなったことで、起こっていくのは……やはり、実際にはあり得ない、この作品ならではの物。

まぁ、まだ当分先の話ではありますけどね。

2012-09-15 17:06:48 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:497   閲覧ユーザー数:488

「おっはよ〜」

朝、いつも通り真南が挨拶がてら机の前へ、肩にはもちろんミズナを乗せてやって来た。

「さぁさぁ、今日こそは一緒に来てもらうからね!」

「そんなに言わなくても、昨日約束したじゃないか」

昨日はコナユキのバトルトレーニングの為に断ったから、今日は真南と共にゲームセンターへ行くことになっている。

「あれからどう? ポイントは貯まった?」

「それがねー、まだ全然足りないんだ」

「え? 後少しじゃなかったっけ」

でも、なぜか予想出来た。

「下見に行ったショップで新しい武装なんて買うからですよ」

やっぱりか。ミズナの嘆息ぶりを見るに、たくさんポイント使ったな。

「昨日の成果は?」

「うーん……ちょっと待って、計算するから」

「加減して400ちょいでしたよ、プラス武装3つ」

3つも買ったのか。

「新発売だったんだよー、まだ持ってる人少ないんじゃないかな〜」

「だからって、使い方がよく分からない武装買わんで下さいよ、あたしは今の武装で充分事足りてるんですから」

「今日はこれ使って宗哉とバトルするからね!」

「ちょ、言ってる側から使用宣言しないで下さいよ」

「ちなみに、その武装の名前は?」

「えっとねー……何だっけ? ミズナ」

「粒子ブラスター、とか書いてありましたね。三種類有ったからって一つずつ買わなくてもよかったじゃないですか」

粒子ブラスターか……確か、発射後相手の周囲に光を飛ばす銃器だな。

新しい武器の為、レールアクションはもちろん、ダブルレールアクションというプログラムが他の武器よりも多く、2つセットされているとか。実際に持ってないからよくは知らない。武装カタログ情報だ。

「そういえば、コナユキちゃんのトレーニングはどうなったの?」

話を急に変えて真南が訊ねてきた。

「あぁ……最初は、前途多難だと思ったんだけど…」

「けど?」

「……やっぱり、前途多難だったよ」

コナユキのバトルトレーニングは予想内であったけど、まさか予想の通りだとは思わなかった。

コナユキのアルトレーネ型は、戦乙女型神姫の名の通り大剣と小剣の扱いに長けていたので、まずは大剣の練習したら、すっぽ抜けて段ボールに刺さった。

続いて小剣の練習をしたら……また同じように段ボールに穴を開けた。

その後は銃器を避ける練習の為、スレイニに練習弾を装填したハンドガンで撃ってもらうと……何故か避けた先は弾丸の飛んでくる場所で、全弾命中。

バトル初心者の神姫よりも動きが悪い気がしてきた。

「うわー……大変だね」

「でも、それで終わりじゃないんだ」

前途多難という言葉の通り、最初こそドジ連発のコナユキは、慣れてきたのかよく動けるようになった。

まだ焦ると大剣だけは投げてしまう(癖になりつつある)が、弾丸も避けれるようになり、一般の行動は出来るようになった。

「後はライドしてからの動作だけかな」

「へぇ〜、さすがにバトルする能力はもう身に付いてるんだね」

「それだけじゃ、ないと思うんだけどね」

「へ? どういうこと?」

トレーニングの最後に、ルミアとの組み手を行った。

それを見ていた時、コナユキの動きが誰かのそれに似ている気がした。

そう、ミルートが作ったアルトレイネスに。

もらった時、コナユキにはすでにCSCチップが入っていた。おそらく、どこかに名残のようなものがあって動きに出たのだと思う。ミルートが聞いたら喜びそうだな。

「だから、後は実践で覚えていくだけかな」

「なるほど〜、ならゲームセンターで同じくらいの新入りさんを探せば実力的にちょうどいいかもね」

それが確かに好ましい、いきなり上級者とやって怯えられたら大変だ。少なからずオレの経験で戦いは出来るかもしれないけど。

しかし、

「そう都合よく初心者はいないと思うけどね」

「だよね〜」

そう簡単に初心者は……

「いい方法がある」

急に聞こえた声の主は、机の横にいた。

「あ、ゆいちゃん、おっはよ〜」

「ん、はよ」

ひら、と手を挙げて木部は軽く応えた。

いつも気配無く現れるから、最初の方は驚いていたけどもう慣れてしまった。

「いい方法って?」

なので普通に今の言葉の意味を訊ねる。

「要と戦えばいい」

「かなちゃんと?」

そこで思い出した。

「そういえば、天野は新しい神姫を手に入れたんだよな」

「そう、一昨日、ワタシも一緒に行ってた」

じゃあ天野とその新しい神姫もオレとコナユキと似たような感じか。

「まだ日が浅い者どうし、いい勝負になると思う」

「そうだね〜、宗哉、かなちゃんとバトルしなよ!」

「うん、確かにちょうどいいかも」

「なら、要にはワタシから言っておく、時間はどうする?」

「そうだな…」

 

 

こうして、コナユキの初バトルの相手は、天野の新たな神姫に決まった。

 

 

 

 

 

学校が終わり、帰宅してからゲームセンターへ。

コナユキの初バトルということで、全員を連れてきた。

入り口で真南と合流する。

「かなちゃん達少し遅れるって、その間に練習してようよ」

「うん、そうだね」

真南の提案によりオレ達はバトル筐体の並ぶ場所から少し離れた所にある、一人練習用筐体の並ぶ場所へ来た。

空いている一つを見つけてそこへ向かい。台に鞄を置いて四人を出した。

「おぉ〜! それがコナユキちゃんか〜!」

コナユキを初めて見た真南が興奮して目を輝かせる。

「は、はじめましてなのです。マスターのお友達ですか?」

「はじめましてコナユキちゃん! わたしは水飼真南、よろしくね!」

「よ、よろしくなのです」

「で、こっちはわたしの神姫のミズナ!」

「はじめまして、ミズナです」

「はじめましてなのです、ミズナさん」

真南達との挨拶も終わり、

「ふわぁ……すごいのです、ここがゲームセンターなのですか?」

コナユキは初めて来た場所に興味津々のように辺りを見回した。

「コナユキ、見学の前に時間があまり無いから先に済ませちゃうよ」

「ほぇ? 何をですか?」

「とりあえず、ここに入って」

「ひょっとして、ライドオンというやつなのですか」

「うん、いけるかな?」

「もちろんなのです! わたしにどーんと任せてください、なのです!」

えへん、と胸を張ってやる気満々のコナユキ。やる気なようでなによりだ。

最低限の武装を付けて―――

 

 

 

Ride on!

 

 

「うわぁ……! すごいのです! コレが神姫バトルのステージなのですね!」

場所は練習用筐体ということもあり神姫実験場。

もちろん初めて見るコナユキはゲームセンター同様にステージを見回している。

『楽しそうでなによりだよ』

「ふわぁ!? マスターの声が聞こえたのです! どこにいるですかマスター!?」

『落ち着いて、コレがライドオンの状態だから』

「そ、そうなんですか」

『まずは落ち着いて、身体を動かしてみるから』

「はいなのです」

やはりライドする感覚には驚くんだな。

というか、久しぶりだな、この感覚。

初めてゲームセンターに来た時、初めてライドした時、初めて身体を動かした時、ルミアもエンルもこうして驚いていた。スレイニは、驚いてはいたけど二人ほどじゃなかったかな。

『よし、異常は無いね』

大体の動作確認完了。

『さて、よろしくね、エンル』

「はい、任せて下さいマスター」

前には本来ならトレーニング用の神姫が立っているが、設定することにより自分の神姫を練習相手として立たせる事が出来る。今も、前にはエンルが武装をして立っている。この場合は、相手の神姫(と言っても自分の神姫)にも声を送れる。

「ご指導よろしくお願いしますなのです、エンルさん」

「! ……は、はい! 頑張りましょう!」

エンル、本当に先輩になったのが嬉しいみたいだ。今も表情が緩んでいる。

『コナユキ、まずは武器を使ってみるんだ』

「はいなのです」

 

 

 

 

それから数分、コナユキはフィールド上での動作を一通り確認した。

「ふわぁ……レールアクションは驚いたのです。体が勝手に動いた感じがしたのです」

「最初はみんなそうなりますから、徐々に慣れればいいんですよ」

『一応一通りはしたけど、何か復習しておきたいことはある?』

「大丈夫なのです、すでにやり方は記憶済み、なのです」

『エンルはどう思う?』

「私も、コナユキがいいと言うならいいと思います」

『そっか、それじゃあそろそろ戻るよ。もう天野達が待ってるかもしれないからね』

 


 
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