3人称side
遊星と十代が、765プロのプロデューサーとして活動してから半月が経った頃、とある街中で、3人の男女が歩いていた。
1人はまだ中学生と思われる少年。誰が見ても不思議な髪形をしている少年の名は『九十九遊馬』。デュエルチャンピオンを目指す、成長途中のデュエリストである。
1人は15歳と思われる少女。休日にも関わらず制服を着ている少女の名は『渋谷凛』。961プロ所属のアイドルで、アイドルグループ『シンデレラガールズ』のリーダーを務めている。ちなみにこのグループは、総勢100名以上いて、その中で『キュート』・『クール』・『パッション』の3グループに分けている。凛は『クール』に所属しており、トップクラスの実力を示しており、『クール』のリーダーでもあるが、本人も知らぬ間に『シンデレラガールズ』の看板になっているため、実質的『シンデレラガールズ』のリーダーともなっている。
1人は既にトップアイドル級のオーラを纏っている青年で、名は『天ヶ瀬冬馬』。961プロ所属のアイドルで、3人組ユニット『ジュピター』のリーダーを務めている。短期間で圧倒的な知名度を上げているので、強大ユニットの一角とされている。
「それにしても、昨日の凛姉ちゃんと冬馬兄ちゃんのデュエル、マジで凄かったぜ!」
「ありがと、遊馬。まあ、私達も良いセンスだったでしょ?」
「俺はいつでも問題0だ!可能性を見出すのが、デュエルってもんだろ?」
昨日の事になるが、どうやら冬馬と凛は生放送でタッグデュエルを行っていたそうだが、全く問題ない、素晴らしいプレイをしたとか。
「俺もあんなデュエルしてえな!」
「安心しな遊馬。俺達がいる限り、お前にしっかりデュエルを教えてやるからな!」
冬馬がそう言うと、遊馬は眼をキラキラさせる。実を言うと、遊馬は冬馬のデュエルに強く憧れを持っている。実力もそうだが、何よりデュエルに対する思いやり、カードに対する信頼等、全てにおいて冬馬に引かれている。
「そう言って、ドジだけはしないでね」
「お前に言われたくねえぞ、凛」
ちなみに、凛と冬馬は幼馴染の関係。まあ今の会話通り少々仲が良くないのだが、幼馴染故に仕方ないかもしれないが。
『この二人も、相変わらずだな。遊馬』
「まあ、凛姉ちゃんと冬馬兄ちゃんもあれぐらいが良いかもな」
遊馬の隣にとある生命体が現れ、日常のような会話をしている。名は『アストラル』。遊馬の前に突如現れた、謎の生命体。記憶を大半失っていたが、デュエルに対する知識と経験は豊富。それ故にどこか頭が抜けている部分もある。言わば天然である。そしてデュエル脳。ちなみに、アストラルは遊馬にしか見えないため、他の人から見ると、独り言を言っているかのように見える。
「そういや凛姉ちゃん、今日はどこに行くんだ?全く知らされてないで一緒に来ているけど」
「ああ、まだ言って無かったね。今日は黒井社長から『765プロの様子を見に行って来い』って指示があったんだよ。私と冬馬もやる事がなかったから、丁度ね。折角だし、遊馬も一緒にね」
「そうだったんだ。にしても、黒井さん、何で765プロって所に執着してるんだ?」
疑問に思った遊馬だが、冬馬がそれを結論付けた。(ちなみに、遊馬は961プロの面々とは既に知りあっている)
「俺も詳しい事は知らないんだが、お互いの考え方が合わないから、対立しているらしいんだ。ま、追及する気はねえけどな」
「そんな理由で動く私達の身にもなってほしいね…」
少々うんざりしているが、既に慣れているかのような振る舞いをしている。要するに「考えるな。感じろ」かもしれない。
さて、3人+1名(?)は765プロのイベント会場にやってきた。ちなみに凛と冬馬は変装していない。あくまで私服そのものである。
「それにしても、ここ最近765プロの名前も上がってきたな」
「新しく入ってきた、プロデューサーの腕前が良いって噂を聞いてたけど、どうやら本当みたいだね」
3人の目に映っているのは、今や人気急上昇している765プロのアイドル達の姿が映る。まさに、きらめく舞台でアイドル達が活動している…そんな光景だ。
『これが765プロの輝きか…人とは可能性を無限に生み出す、未知なる生き物。まさに、今の彼女達に打ってつけの言葉だな』
「そりゃそうだぜ。俺たちだって、諦めなかったら何でもできるからな!」
凛と冬馬は舞台に目に集中しているため、遊馬とアストラルの会話は耳に聞こえていない。
「それにしても、誰でも良いから一度765プロのアイドルとデュエルしてみたいな。強くなるにも、やっぱ多くの人とデュエルしたいしな」
『凛と冬馬も、シャークやカイトに匹敵するデュエリストだが、そろそろ他のデュエリストとデュエルをした方が良いかもしれないな』
「一応、卯月や楓さんとか勝ち星上げてるけどな」
『あの二人は、961プロの中でもまだまだ初心者に近い状態だ。まあ、当時の君よりは随分マシだが』
「お前な…」
言っておくが、当時の遊馬のデュエルは酷いとしか言えない。せめてもう少しデュエルの知識を身につけておけば…まあ、ZEXALは初心者でも問題無く見れるアニメだからな。超展開・合体・マジックコンボ・鈍感・おい、デュエルしろよ・どういう…事だ?・デュエルマッスル・悔しいですね・ホー○―スラッシュ等一杯あるけど、遊戯王なら良くあることだし、まあ良いか(おい)
「ううーん…何とかならないか?」
『…なら、冬馬達に相談してみたらどうだ?何かしろ手を打てる筈だ』
「お!その手があったか。おっしゃ!早速相談だ!」
遊馬は早速冬馬達にこの事を相談しに行く。最初は唖然としたが、数分して。
「成程な。確かに、いつまでも俺達でのデュエルもあんまり良くないからな」
「他の人のデュエルも、良い経験になるからね。だったら、この後確か会場の人とデュエルすることが決まっているそうだから、そこで遊馬が参加すれば良いと思うよ」
デュエル世界において、ファンサービスは当然。アイドルとのデュエルは何より良い事だ。実際私もしたいが(DA☆MA☆RE!)
「参加条件とかあるのか?」
「時間も限られてるから、精々1~2回ぐらいだろうな。そして、選ぶのはあいつら自身だ」
「となると…選ばれる確率めっちゃ低いじゃん!」
少年よ、これが絶望だ…
『焦るな遊馬。君自身が諦めたら、彼女達とデュエルすることは不可能だ』
「そりゃそうだけどさ…」
『君なら、無限の可能性を生み出せる。そう、君の可能性を見せつければ良いんだ』
「可能性…そうか。その手があったんだ!」
「「??」」
アストラルの言葉が聞けない凛と冬馬にとって、遊馬の独り言は??状態であるが、もう慣れているのか、特に気にしてない。
そして歌の方も終了し、いよいよデュエルの時間になる。
ステージの前に立つアイドル…天海春香はこう言う。
「さあ!最後を締める時が来ましたよ!そう、デュエルですよ!デュエル!これから私が、会場の皆さんの中から一人選んで、私達の誰かとデュエルを行います!さあ、今日は誰にしようかな?」
春香が選び始めた。これを逃す手は無い。そう思った遊馬が取った行動…それは。
『遊馬、行くぞ!』
「おう!一気に行くぜ!」
遊馬は一気に走りだす。そう…自分がステージに立ってデュエルをするアピールを立てる。何とも分かりやすい内容…だが、遊馬にはこれしか頭に思い浮かばなかったとも言える。
「って、遊馬!お前まさか真正面から行くのか!?もうちょっと別の方法でも良いだろう!?」
「追いかけるよ!」
凛と冬馬も遊馬の後を追う。これを気に、会場内は少々ざわつく展開になる。
「(?何処からざわついてるけど、どうしたんだろう?)」
春香が不思議そうに思っていると。
「かっとビングだ!!俺!!」
遊馬が大ジャンプして、ステージ内に辿りつく。流石、身体能力の高さもお手の物。
「そのデュエル!俺が挑戦するぜ!」
高々と宣言する遊馬。こんな事を平然とやれる事は、普通じゃできない。
「え、えーと…この場合、成立で良いのかな?」
「まあ、良いんじゃない?変に決めるより、自分から出て参加するのも、悪くない判断よ(プロデューサーに密かに連絡したけど、こっちで対応しても大丈夫って指示を受けたから、これくらい良いわよね)」
伊織の代弁で、取りあえずデュエルが行われる事になる。まあ、遊星のおかげだけど。
「おいおい、まさかこんな展開になるなんてな…」
「まあ、良いんじゃない?変に考えるより、自分自身で動いた方が良いと思うし」
冬馬と凛も見つからないよう、密かに隠れながら遊馬の事を見ていた。今見られると色々とやばいので。
「だったら、君の挑戦は、ボクが受けるよ!」
遊馬の対戦相手を決めていると、一人の少女が前に出た。765プロのアイドル、菊地真が名乗り出た。
「おう!俺は誰でも構わないぜ!」
『今の遊馬なら、相手が誰でも問題なさそうだな』
やや目的がずれてきたが、取りあえずデュエルは行われる。遊馬と真は定位置に着き、向き合う。
「もう知っていると思うけど、ボクは765プロの菊地真。君は?」
「俺は九十九遊馬!よろしくな!」
「遊馬だね。今日は良いデュエルにしようか」
2人はD・パットとD・ゲイザーを起動させる。同時に春香達はD・ゲイザーを装着し、観戦の準備は整った。
『ARビジョン、リンク完了』
「「デュエル!!」」
九十九遊馬 LP4000 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ15
菊地真 LP4000 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ15
「先行はボクから行くよ。ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34
勢い良くドローする真。その姿からして、最早王子様そのものです。ありがとうございます。
「ボクはモンスターをセット。カードを1枚セットして、ターンエンド」 手札6⇒4
定番とも言える戦法。てかこれが一番安定する戦法でもある。
「行くぜ!俺のターン、ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34
『まずはあのモンスターを確認する必要がある。遊馬、『ドドドウォリアー』を召喚だ』
アストラルが指示を出す。当初遊馬は、アストラルの指示を無視してデュエルをする事が多かったが、最近ではアストラルの指示に従ってデュエルをする事も増えてきた。
「おう!俺は『ドドドウォリアー』を召喚!」 手札6⇒5
ドドドウォリアー 地属性 戦士族 ☆6 効果モンスター OCG
ATK 2300 DEF 900
このカードはリリースなしで召喚できる。
この方法で召喚したこのカードの元々の攻撃力は1800になる。
また、このカードが攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで相手の墓地で発動する効果は無効化される。
「レベル6のモンスターをリリース無しで召喚!?」
真もそうだが、春香達も驚く。だが、凛と冬馬は当たり前の表情をしている。
「何であのカードの効果を覚えてないんだよ。あれは元々の攻撃力を1800にする事で、リリース無しで通常召喚できるモンスターだぜ。少し前に出たパックの1枚に普通に封入していただろ」
冬馬はそれを言う。遊馬も『ドドドウォリアー』の効果を説明し、納得させる。
ドドドウォリアー
ATK 2300⇒1800(元々の攻撃力)
「行け!『ドドドウォリアー』!裏守備モンスターに攻撃!『ドドドアックス』!」
『ドドドウォリアー』が真っ先に裏守備カードを破壊した。セットされていたモンスターは『荒野の女戦士』。
荒野の女戦士 地属性 戦士族 ☆4 効果モンスター
ATK 1100 DEF 1200
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから攻撃力1500以下の戦士族・地属性モンスター1体を自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
「戦闘で破壊された『荒野の女戦士』の効果発動!このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の戦士族・地属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できる。この効果でボクは」
「おっと!そうはさせないぜ!『ドドドウォリアー』の効果発動!こいつが攻撃を行った時、ダメージステップ終了時まで、相手の墓地で発動する効果は無効になる!よって、『荒野の女戦士』のリクルート効果も無効だ!」
「え!?」
『ドドドウォリアー』が放った斧の衝撃波が、真のフィールドに影響を齎し、墓地発動を無効にした。
『やはりリクルーターだったか。最初のターンで壁モンスターを出すのは、基本は能力値が低いモンスターを出す。そしてリクルーター・サーチ効果のモンスターであることが十分高い。それを潰せたのは正解だ』
「これで次の展開に影響が出るな…やるね、遊馬」
「へへ。それほどないさ。俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!」 手札5⇒4
2ターン終了。フィールド状況。
九十九遊馬 LP4000 手札4 デッキ34 墓地0 除外0 エクストラデッキ15
モンスターゾーン 『ドドドウォリアー』(ATK1800(元々)…攻撃表示
魔法・罠ゾーン リバースカード1
菊地真 LP4000 手札4 デッキ34 墓地1 除外0 エクストラデッキ15
モンスターゾーン 無し
魔法・罠ゾーン リバースカード1
「ボクのターン、ドロー!」 手札4⇒5 デッキ34⇒33
さて、次に真はどのような戦術を取るか。春香達も期待している表情を取っている。
「それじゃ、行くよ!永続罠『リビングデッドの呼び声』を発動。墓地から『荒野の女戦士』(ATK1100)を特殊召喚。更に、『H・C エクストラ・ソード』を通常召喚!」 手札5⇒4
H・C エクストラ・ソード 地属性 戦士族 ☆4 効果モンスター OCG
ATK 1000 DEF 1000
このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。
●このエクシーズ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
「『エクストラ・ソード』!?あれって、ゴーシュが使うカードじゃ!?」
『…今まで私達は、私達の所では使われてなかったカードを、彼女達は使う事が出来るようだな』
少々不思議な事を言うアストラル。それは後ほど…
「ボクは、レベル4『荒野の女戦士』と『エクストラ・ソード』でオーバーレイ!2体の戦士族モンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!来い!『H-C ガーンデーヴァ』!」 エクストラデッキ15⇒14
H-C ガーンデーヴァ 地属性 戦士族 ランク4 エクシーズモンスター
ATK 2100 DEF 1800 OVU2
戦士族レベル4モンスター×2
相手フィールド上にレベル4以下のモンスターが特殊召喚された時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、その特殊召喚されたモンスターを破壊する。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「今度は『ガーンデーヴァ』だって!?」
「その様子だと、内容は知っているみたいだね。でも、その前にカード処理効果があるよ」
「何かあったっけ?」
頭に?マークを出す遊馬。そこでアストラルが解答する。
『『エクストラ・ソード』だ。あのカードの事を忘れたのか?』
「…やべ、効果忘れた」
『はあ…『エクストラ・ソード』は、このカードをエクシーズ素材としたモンスター・エクシーズの攻撃力は、1000ポイントアップする効果だ。以前の変則デュエルの事をもう忘れてどうするんだ、君は』
「あ、あははは…」
すっかり忘れてた遊馬。そんな事言っている間に『ガーンデーヴァ』の攻撃力は上昇する。
H-C ガーンデーヴァ
ATK 2100⇒3100
「更に、手札から永続魔法『一族の結束』を発動!墓地のモンスターの種族が1つしか無い時、ボクの場に存在する、同じ種族のモンスターの攻撃力は800ポイントアップする!」 手札4⇒3
一族の結束 永続魔法
自分の墓地に存在するモンスターの元々の種族が1種類のみの場合、自分フィールド上に存在するその種族のモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
H-C ガーンデーヴァ
ATK 3100⇒3900
「攻撃力が3900も!?」
「バトル!『ガーンデーヴァ』で『ドドドウォリアー』に攻撃!『ストライク・ショット』!」
『ガーンデーヴァ』や弓を取り、矢を『ドドドウォリアー』に向けて放つ。見事にヒットし、『ドドドウォリアー』を破壊した。
「うわああ!!!!」 LP 4000⇒2100
吹っ飛ばされるが、すぐに体制を立て直す遊馬。本当良く吹っ飛ぶね。
「いてて…まさか一気に攻撃力を上げてくるなんてな」
『だが、まだ私達にも手はある。デュエルはこれからだ』
「カードを1枚セットして、ターンエンド!」 手札3⇒2
それからデュエルは続き(時間都合上のため省略)
11ターン経過。フィールド状況。
九十九遊馬 LP500 手札2 デッキ26 墓地? 除外? エクストラデッキ13
モンスターゾーン 無し
魔法・罠ゾーン 無し
菊地真 LP1200 手札2 デッキ20 墓地? 除外? エクストラデッキ10
モンスターゾーン 『H-C エクスカリバー』(ATK3600 OVU2)…攻撃表示
魔法・罠ゾーン 『一族の結束』×2枚
御覧の通りになっている。遊馬の場にカードは無い。一方真の場には、切り札でもある『H-C エクスカリバー』が存在している。ちなみに現在は遊馬のターン(ドローフェイズ)
『彼女にこれほどの力が備わっていたとは…名残惜しいが、このターンのドロー次第で、勝敗がつく』
アストラルも、真の実力を正直侮っていたが、ここまで長く続くデュエルとは思わなかった。そして同時に、このデュエルの勝敗の流れも、予想する事もできる。
『遊馬、我々のかっとビングを見せよう!』
「ああ。ここまで来たら、やるしかねえ!(あれさえ引けば、まだ分からねえ。頼んだぜ!)かっとビングだ!!俺!!ドロー!!!」 手札2⇒3 デッキ26⇒25
ドローした遊馬。そして、そのドローカードを見た時、彼の眼が大きく開く。
「来た!来たぜ、こいつを待っていたんだ!」
「(この状況でそのセリフ…逆転のカードでも引いたの!?)」
真は遊馬の表情を見て、逆転のカードを引いたと考える。
「俺は、『ゴブリンドバーグ』を召喚!」 手札3⇒2
ゴブリンドバーグ 地属性 戦士族 ☆4 効果モンスター OCG
ATK 1400 DEF 0
このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる。
この効果を使用した場合、このカードは守備表示になる。
「『ゴブリンドバーグ』のモンスター効果!こいつが召喚に成功したとき、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する事が出来る!現れろ!『ガガガマジシャン』!!」 手札2⇒1
ガガガマジシャン 闇属性 魔法使い族 ☆4 効果モンスター OCG
ATK 1500 DEF 1000
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動する事ができる。エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルとなる。
「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
このカードはシンクロ素材とする事はできない。
「そして、効果を使った『ゴブリンドバーグ』(ATK1400⇒DEF0)は守備表示になる」
すぐに守備形態になる『ゴブリンドバーグ』。そして、遊馬の場にレベル4モンスターが2体。
「行くぜ!俺はレベル4の『ゴブリンドバーグ』と、『ガガガマジシャン』でオーバーレイ!」
2体のモンスターが属性に包まれたオーラになり、上空へ飛ぶ。そして遊馬の場に銀河の渦が現れる。だが、通常の渦とは異なる動きをしている。そこに、2体のモンスターが渦に飛び込む。
「2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
渦から光のような大爆発(ビッグバン)が発生。そしてそこから、1つの塔のような物が現れる。
「現れろ!『No.39 希望皇ホープ』!!」 エクストラデッキ13⇒12
No.39 希望皇ホープ 光属性 戦士族 ランク4 エクシーズモンスター OCG
ATK 2500 DEF 2000
レベル4モンスター×2
自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする。
このカードがエクシーズ素材の無い状態で攻撃対象に選択された時、このカードを破壊する。
変形したその姿は、『希望』そのものであり、それを象徴するかのような戦士の姿を現す。左肩に「39」の数字が刻まれている。
「な、『No.』!?」
『No.』が場に出ると、春香達が動揺する。この世界の『No.』は都市伝説みたいな存在で、持っているだけで様々な不可解な現象に巻き込まれるカードの事である。例えばデュエル中に様子がおかしくなるとか、精神面等に変化在り等、色々である。ただ、この事は一般には伝わっておらず、アイドル企業に関わる者ぐらいしか知らないと言う、隠された存在の事でもある。
「(ど、どうなってるの閣下ちゃん!?何であの子が『No.』カードを使ってるの!?)」
『…こればっかりは分からないわ。ただ、あの子が『No.』に憑依されている感じはしない。寧ろ逆に操っている感じがするわね。あの子、何者かしら?』
閣下もおかしいと感じている。『No.』は確かに強力な効果を持っているが、それを操るのは通常は不可能。閣下でも、制御するのが正直な限り精一杯でもある。
だが、遊馬はそれを普通に使いこなせている。一体どういう事なのか、この時に閣下、いや、この場に入る全員、理解不可能でもある。
『勝利の方程式は、全て揃った。遊馬、これで決めるぞ』
「ああ!行くぜ『ホープ』!『エクスカリバー』に攻撃!!『ホープ剣・スラッシュ』!」
『ホープ』の腰に差している、2本の剣の内、一本を抜き、『エクスカリバー』に向けて突撃する。
「なあ!?『希望皇ホープ』の攻撃力は2500。『エクスカリバー』の攻撃力は3600なのに、攻撃を行う!?」
「狙いは…これだ!『ホープ』(OVU2⇒1)の効果発動!OVUを1つ取り除き、モンスター1体の攻撃を無効にする!『ムーンバリア』!」
『ホープ』のOVUが消えると、盾を召喚し、攻撃を止める。これでは何をしたのか分からない状態になる。
「攻撃を止めても、『エクスカリバー』を倒すことはできないよ!」
その通り。これではダメージおろか、『エクスカリバー』を倒すことはできない。だが、遊馬の表情…あれは勝利を目前とする表情。そして、その口から発した言葉。
「それはどうかな?」
「!?」
「俺はこいつを待っていたんだ!手札から速効魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動!モンスターの攻撃が無効になった時、攻撃力を2倍にして、もう一度バトルができる!」 手札1⇒0
「え!?そんなカードが手札にあったの!?」
ダブル・アップ・チャンス 速効魔法
モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を選択して発動する。
このバトルフェイズ中、選択したモンスターはもう1度だけ攻撃する事ができる。その場合、選択したモンスターはダメージステップの間攻撃力が倍になる。
No.39 希望皇ホープ
ATK 2500⇒5000
「攻撃力が5000!?」
「行けえ!!!『ホープ』!!『エクスカリバー』にもう一度攻撃だ!!」
『ホープ』は腰に差してあった、もう一本の剣を抜き、2刀流の構えになる。遊馬とアストラルは、『ホープ』の攻撃名を高々に宣言する。
「『『ホープ剣・Wスラッシュ』!!!!』」
まさに一閃…『ホープ』が放った一撃は、『エクスカリバー』を貫き、破壊される。
「うわああああああああ!!!!!!!!」 LP1200⇒0
遊馬 WIN 真 LOSE
「マジかよ…遊馬の奴、まさか勝っちまうなんて」
「それだけ、遊馬も強くなってきた証拠だよ。これは、私達もウカウカしてる暇はなさそうだね」
見守っていた凛と冬馬も、遊馬の成長に深く感心していた。
それから遊馬は凛達と合流し、会場を後にした。
「それにしても遊馬。良くあんなところで『No.』を出すよな。少なくても、明日の記事はお前の事で中心になるぞ」
「…あ」
「はあ…」
『観察記録出張編その20 無暗に『No.』は出す物じゃない。記憶しておこう』
先はまだまだ長い。遊馬の成長はこれからだ。謎めく現象と共に、これからの明日はどうなっていくのか。
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大変長らくお待たせしました。第8話です。
この長い空白の中、制限改定が出ました。そして私はリアルにこう言いました。「ブリューナク、トリシューラ共々帰ってくるな。そして未来融合、何でお前が!!!!!」
こいつは酷い。これが絶望か。KONAMI…
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