第六十七技 演武する漆黒
キリトSide
「てえぇぇぇぇぇい!」
裂孔の声と共にヴァルが武器で高速の突きを繰り出す。
それが大鎌に直撃して鎌の位置をずらし、〈The
その隙にシャインとティアさんが俺達の元へ駆け寄った。他の五人は死神と戦闘を続ける。
「わるいキリト、遅れた!」
「キリト君、大丈夫ですか!?」
シャインは倒れる俺達の前に盾を構えて立ち、ティアさんはアイテム欄からすぐに回復アイテムを取り出し、
俺はそれを受け取り飲み干した。少しすれば全回復するだろう。
「はぁ、はぁ…。助かった、ありがとう…」
「ありがとうございます! でも、どうしてみんなが…」
「黙っててごめん、アスナ。実はここに来る前に皆にメッセージを飛ばしておいたんだ」
「そうだったんだ…」
俺が礼を言い、アスナも礼を述べたが疑問に思ったようだが、俺が答えると納得した。
俺は保険のためにみんなに連絡をいれておいたのだ。
裏迷宮ということで何が起こるか分からないからな。
来れる者だけでいいと送ったのだが、まさか全員くるとは。
「まあ、そういうわけだよ。それより、戦えるなキリト?」
「ああ…。あれが相手ならこっちも本気でいくさ…」
シャインの問いに俺は笑みを浮かべて答えた。
ウインドウを開き、装備欄を操作して『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を装備から外し、
新たに二本の剣を装備する、聖剣『セイクリッドゲイン』と魔剣『ダークネスペイン』。
この二本は片手剣の中でも最上位に位置する剣で、これらを越える片手剣は恐らくこのゲームには存在しないだろう。
それにこれらの剣は非常に珍しい属性付きの武器である。
魔剣は奴には効きにくいかもしれないが、聖剣の攻撃力はかなり高い。
故に俺はこの二つの剣で奴と戦う。
「アスナ。ユイとユリエールさん達を頼む…」
「でも、んむ…///」
俺は反論しようとするアスナの唇を自分の唇で塞ぐ。
「頼んだぞ…」
「もぅ…。こんなことされたら、うんとしか言えないよ…//////」
「あっついね~」
「ふふ、そうですね」
シャインとティアさんがワザと俺達に聞こえるように声に出していい、アスナは赤くなるが俺は気にしない。
「それじゃあ、いくぞ!」
「おう!」
「ええ!」
俺とシャインとティアさんは、ボスと交戦中の五人の元へと駆け出した。
「はあっ!」
俺は聖剣と魔剣を同時に振り下ろして、死神に攻撃を仕掛けた。
俺に気付いた奴は鎌の
すかさずにハジメが、あいた脇の下に入り込みソードスキル《抜刀》を使用した。
「ふっ!」
《抜刀》は《断空》の上位スキルで収めた刀を抜き放つと同時に相手を斬りつける、速さと威力のあるスキルだ。
加えてハジメのユニークスキル《断空》の特性も発動して、
《抜刀》による斬撃で斬りつけた奴の体の一部から一直線に衝撃が駆け抜ける。
―――GAAAAAAAAAAA!!!
ハジメの一撃で奴のHPバーが10分の1程度だが減少した。
これで少しは勝利の兆しがみえてきたな。しかし奴も90層相当のモンスターだ。
すぐに鎌で横薙ぎを繰り出してきた。
俺達はしゃがんで躱すが奴は振った鎌をさらにそのまま横薙ぎにする。
どうやら奴はそれで俺達の動きを止めようとしたつもりのようだがそれは不可能だ。
ヴァルが体勢を低くしたままで走り出す。すると一瞬で奴の足元にまで辿り着いた。
ユニークスキル《神速》だ。
その能力は超高速での行動を可能にする。
ヴァルはこれに通常の速さを加えて緩急をつけて戦闘を行うのだ。
ヴァルは奴の足元でランススキル《レイン・スクエア》を使用して八連撃の突きを繰り出した。
―――GYAAAAAAAAAAA!!!
さらに減る奴のHP。ヴァルが一度こちらにバックステップで戻ってきた。
「……さすがに厄介な敵だな」
「そうですね…。僕達の攻撃でも、あの程度しか減っていない」
ハジメとヴァルが言葉を交わす。
「それでも、HPは減っているんだ。いくぞっ!」
「「「「「「「おう(ああ)(はい)(ええ)!」」」」」」」
俺は仲間達と共に死神に向けて再び駆け出した。
キリトSide Out
To be continued……
オリジナルスキル説明
ソードスキル《抜刀》
《断空》の上位スキル。鞘に納めた刀を抜き放ち斬りつける技。一瞬の攻撃の威力は高い。
ランススキル《レイン・スクエア》
降り注ぐ雨の如き八連撃の突きを繰り出す槍の上位スキル。
原作では『SAO』の世界内で発動する武器のスキルはすべてソードスキルとなっています。
ですがこの作品において自分は『片手剣』・『両手剣』・『細剣』・『刀』以外は別の表現で表す事にしました。
例
ソードスキル…剣系統(刃が長いもの)、刀など
ダガースキル…短剣、ダガー、ナイフなど
ランススキル…槍系統、薙刀など
サイススキル…鎌など
ハンマースキル…ハンマー、破砕球など
アックススキル…斧など
ロッドスキル…棍系統、棒など
カウンタースキル…盾、または盾と武器か体術
投擲スキル…投擲武器・投剣など
という風になります。
他にも
そして『自然属性付加』もあります。
本文でキリトが言っているように一部の珍しい武器に属性が付いています。
光・闇・炎・氷・雷・風という感じですが、基本『黒衣衆』の武器以外では自然属性武器は登場させません。
以上が追加設定です。
後書きです。
ついに始まった死神戦。
この作品でのオリジナルの設定もありますので、できればそこは大目に見てください。
そろそろユニークスキルの細かい設定も書こうと思っています。
それでは・・・。
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第六十七話です。
ついに始まる死神との戦闘!
果たしてキリト達の運命や如何に・・・。
どうぞ・・・。