No.481254

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 事情ーSituationー

ザルバさん

部屋に戻った一夏。ボディーソープをシャルルに渡そうとしたが・・・・・・

2012-09-08 11:40:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3233   閲覧ユーザー数:3108

「山田先生、あのビーストは・・」

『はい。地中に潜って消えました。』

「あの飛行体は・・」

『ものすごい波動を出していたせいでしょうかISが不具合を起こしたため追跡できませんでした。』

「そうか・・・・」

 千冬は電話を切った。

「一体・・・誰が・・・・あそこに居たんだ・・・・」

 

 IS学園の学生寮、1025室。一夏はベットに腰掛けていた。

 まずかった・・・あの時倒れこんでなければ確実にバレていた。だが・・・いつまでだ。いつまで隠し通せる・・・

 その時バスルームから音がした。

「ん?シャルルか?そういやボディーソープが切れてたな。渡してやらないと困るだろう。」

 そう言って一夏はボディーソープを手に取りバスルームへ向かうが・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・一夏?」

「え・・・・・・・・・・・・・」

 お・・・落ち着け。シャルルに胸がある=女の子

「お・・俺は出るからな。」

「う・・・うん。」

 そして一夏はバスルームから出た。そしてバスルームからジャージを着たシャルルが出てきた。

「何で男のフリをしてたんだ?」

「それは・・その・・・実家の方からの命令で・・」

「実家てデュノア社のことか?」

「うん。僕の父がそこの社長。その人からの直接の命令なんだよ。」

「命令って・・・親だろ?なんでそんな・・・・」

「僕はね、一夏。愛人の子なんだよ。」

 一夏はそれを聞いて驚愕する。

「引き取られたのは二年前。ちょうどお母さんがなくなったときにね。父の部下がやってきたの。それで色々と検査をする過程でIS適応が高いことがわかって、非公式ではあったけどデュノア社のテストパイロットをやることになってね。父にあったのは二回くらい。会話は数回くらいかな。本妻の人に殴られたときはびっくりしたよ。『泥棒猫の娘が!』てね。参っちゃうよね。お母さんもちょっとくらい教えてくれたら・・あんなに戸惑わなかったのにね。」

 だが・・・だから言えなかったんじゃないのか。可愛い実の子にそんな残酷なこと言えるはずがない。

「それから少し経って、デュノア社は経営危機に落ち込んだんだ。」

「第二世代でストップしてるからか?」

「よく知ってるね。そのとおりだよ。それで政府からの通達で予算を大幅にカットされたんだ。そして次のトライアルに選ばれなかった場合は援助を全面カット。このままだとIS開発許可も剥奪されてしまうんだよ。」

「それで注目を集めるために広告塔のために・・・」

「それともうひとつあるんだ。同じ男子なら登場した特異ケースと接触しやすい。可能であれば・・・」

「データを盗めるってことだな。」

「そう。あの人に盗んでこいって言われたんだよ。」

 話を聞く限りだとシャルルは今まずい立場にある。なぜなら・・・

「とまあ、そんなところかな。でも一夏にばれちゃったし、僕は本国に呼び戻されるだろうね。デュノア社は・・・まあ他企業の傘下に入るか、どのみち今までのようにはいかないだろうけど、僕にはどうでもいいことかな。」

「本当に・・・」

「え?」

「お前は本当にそれでいいのか。そんな勝手な大人にこき使われた挙句に豚小屋行きなんてそんなのあんまりだろ。親がいなきゃ子は生まれない。そりゃそうだろう。だからって親が子供に何をしてもいいなんて、そんな馬鹿なことがあるか!生き方を選ぶ権利は誰にだってあるはずだ。それを・・・親なんかに邪魔されるいわれなんてないはずだ!」

「ど、どうしたの一夏?なんか変だよ。」

「シャルル、俺と千冬姉は・・・両親に捨てられたんだよ。」

「あ・・・その・・・ゴメン。」

「気にしなくていい。俺の家族は千冬姉だけだからな。別に両親にいまさら会いたいなんて思わない。それよりシャルルはこれからどうするんだ?」

「どうって。どうしようも・・・」

「IS学園特記事項第二十一、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外交的介入は原則として許可されないものとする。つまり少なくとも三年間は安心ってことだ。」

「一夏・・・よく覚えられたね。特記事項って五十五個もあるのに。」

「勤勉なんだよ、俺は。」

「ふふふ、すごいね。あ!ねえ一夏、聞いていい?」

「なんだ?」

「あのビーストが来たとき一体どこにいたの?」

「あ~え~と、それはだな~」

 コンコン

「「!」」

「一夏さん、いますか?」

 セシリアが扉をノックしてきた。

「一夏、どうする?」

「その格好じゃあまずいからベッドで演じろ。」

「なにを?」

「こっちで何とかするから、早く。」

「う、うん。わかった。」

 セシリアが部屋に入ってくる。

「一夏さん。一緒にお食事・・・て、あら?シャルルさんどうかしましたの?」

「ああ、どうやら風邪引いたみたいでな。今寝かせてんだ。」

「う、うん。ゴホッゴホッ。」

 シャルル、それはやりすぎだ。

「まあ、それは。シャルルさん、お大事に。では一夏さん、一緒に食事を。」

「ああ。じゃあシャルル。行って来るな。」

「う、うん。それじゃあごゆっくり。」

 そして一夏とセシリアは部屋から出て行った。

 

 


 
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