第六十五技 裏迷宮へ
キリトSide
「この『黒鉄宮』の裏手に地下水道への入り口があります」
現在俺達はユリエールさんの案内で例の裏迷宮へと向かっている。
ちなみにユイがどうしても付いてくると聞かなかったので連れてきている。
ユリエールさんが俺達とユイの関係を尋ねてきたが、俺はただ「娘です…」とだけ答えた。
ユリエールさんもどこか思うところがあったのかそれ以降は何も聞いてこなかった。
しばらくして、地下水道の入り口に着いた。
「ここが……」
「はい。この奥に迷宮があります」
「装備を確認しよう。ここからは連戦になるはずだからな」
入り口を見やるアスナにユリエールさんが答える。
俺が装備を確認するように言うと二人が頷き、装備やアイテムの確認を行う。
数日間も迷宮から離れたことがないからか、さっきから体が早く戦いたいと疼いているのがわかる。
俺は三人に見つからないようにほくそ笑んだ。
装備の確認も終わったので俺達は地下水道へと入った。
中は薄暗くて水が流れていることから水系またはゴースト系のモンスターが現れるようだ。
「うぅ、なんか出てきそうなんだけど…」
「迷宮だからな。なにかは出て来るだろ」
やはりアスナは幽霊の
そのため、上層の迷宮でもゴースト系のモンスターが出現するステージでは見かけたことがないのを思い出した。
「ユイちゃんは大丈夫ですか?」
「ユイはこわくないよ!」
ユリエールさんに聞かれて元気に答える娘をみて、俺は微かによぎった嫌な予感と不安を振り払おうとした。
なんでこういう時にこの感覚がくるんだよ……。
そんな風に考えていたが、俺は《索敵》に反応があったのをとらえた。
「さて…、敵さんが来たみたいだな。アスナ、ユリエールさん、俺が
血が滾る。この感覚はリアルでも中々ないものだ。
この世界に居すぎてイカレタのかもしれない。
ならこの感覚を大切なものを守るために使えばいい。
「それじゃあ、逝くか……」
そういって俺はモンスターの群れへと突っ込む。
字が違うって? 合ってるだろ。
「ふっ!」
俺は襲い掛かってくるモンスター達へ容赦ない攻撃を行う。
《二刀流》を遺憾なく発揮できるおかげで、殲滅には時間が掛からないと思う。
「疾!」
迫る敵に横薙ぎをして一撃で息の根を止める。
さらに、二体の敵の間に入り込んで腹を『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』でそれぞれ一突きして葬り去る。
この先の事を考えるとスキルは使えないと思っていたが、使う必要すらないな。
「パパ~、がんばって!」
ユイの声援が聞こえた。
世の父親達が子供の声援で力を発揮する理由が少しわかった気がする。
そんな風に考える俺は親バカなのだろうなと思い苦笑する。
「せぇい!」
俺は四体の敵の中心に入り込むと剣のままで《
刀のほうが精度は増すが、剣のほうが威力を出せる。
《霧裂》により敵四体の体が引き裂かれた。
「はっ!」
俺は飛び上がると二体の敵の頭上から剣を振り下ろした。それにより敵は真っ二つになる。
あと数体はいるであろう敵の方を見ると、なぜだか体を震えさせて怯えている。
はて? モンスターにこんなプログラムが組み込まれているのかと思ったが、気にしないでおこう。
俺が一歩近づくごとに敵は震えを大きくしていく。そして……、
「
そういって俺は怯えるような行動を取るモンスターに攻撃を仕掛けた。
後で聞いたことだがアスナ曰く、その時の俺は最高の笑顔を浮かべていたらしい。
「ふぅ…。終わったか…」
数は中々だったが大した強さではなかったな。俺は待っていた三人の元へと歩いた。
「パパ~。カッコよかったよ」
「ありがとう、ユイ」
無邪気に俺に飛びついてきたユイを抱きとめる。一方他の二人は…、
「(ポカーン)」
呆然としているユリエールさんと、
「(ポ~~~)//////」
という風に赤くなっているアスナ。
ユリエールさんの反応はわかるが、アスナお前な…。
「アスナ、終わったぞ…」
「え、あ、うん//////!(いえない…。キリトくんに見惚れていたなんて/////////)」
というふうにアスナが思っているなど俺は知らない。
「本当に驚きました……。これほどとは…」
ユリエールさんは感嘆の声を上げている。
「ありがとうございます。それじゃあ、先に進みますか…」
こうして俺達は迷宮へと進んでいく。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
キリトバーサーカーモードw
まぁ、ちゃんと考えている時点でバーサーカーではないですが・・・。
《霧裂》についての説明はキリトVSヒースクリフの話を参照してください。
次回は死神さんの登場です。
お楽しみに・・・。
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第六十五話になります。
キリトさんが無双しますw
といいますか狂戦士になりそうですねw
ではどうぞ・・・。