17弾
もう切れた、どうやって調べたかは知らないが、取り合えずこいつはかんなの仇だ。だから倒す、捕まえる。
俺は、一直線に理子に飛びかかる。
そしてそれを見たアリアが、一緒に動いた。
ぐらり
急に機体が揺れた。俺は一瞬早く跳んだから影響はなかったが、キンジは銃を落としていた。
「ほんとに回避能力すごいんだね。かんなの言った通りだ」
ダダンッ
「とりあえず、黙れ」
ふざけたことを言う理子の足もとに弾を撃ちこむ。
「アリアも含めて4丁かぁ。ま、いいかな。。
そういった後、理子の髪が不気味に動き始めた。その光景に思わず足を止めてしまった。
「アリア、お前の。
理子は、背後に隠していたナイフを髪で取り、アリアと俺に襲いかかる。
「アリア!避けろ!」
キンジの声がした、その声にアリアの方を見ると茫然として動かないアリアがいた。
「アリア!」
「くふふ、どうしたのかな?アリア」
ザシュッ
「うあっ!」
側頭部を切られ、血がほとばしる。
「くっそ」
また守れなかった。また、何度目だ?いったい何度目だよ!
「キンジ!アリアを連れて逃げろ!時間ぐらい稼いでやる!」
「瑞樹、よそ見してる暇はないよ!」
「瑞樹!」
「心配すんな。この程度見なくても避け切れる」
「何で…何で当たんないんだ!」
理子が焦ったような怒ったような声を上げる。
それも当然だろう、なぜなら2本のナイフ、2丁の銃の攻撃をすべて、横を見ながら、一切理子の方を見ないで完全によけきっているのだから。
「キンジ早くしろ!手遅れになる!」
「分かった」
「何で当たらない?」
「さあねお前の腕が悪いんじゃない?」
落ち着け、落ち着け。
焦れば時間稼ぎもできなくなる。そうすればほんとに助けられなくなる。
落ち着け、落ち着け。
ほぼ無心になって理子の攻撃をすべて避け切る。
ダダンッ ダダンッ
「くっ」
「これで多少楽になるかな」
ある程度時間を稼ぐことができ、体勢に余裕ができた瞬間、2丁の銃で理子のツインテールを撃ちぬいた。そして理子に向かって銃を向ける。
「やれるかわかんないけど、多分お前の攻撃をよけながらでも俺はあてられるぞ」
「だよねー。でもこれならどう?」
ダンッ ぐらり
飛行機が揺れた、それを理解する前に俺の体は横に跳んでいた。
「瑞樹を倒さなくても私の勝ちなんだよ?くふふ」
そう言い、理子は逃げて行った。
こいつ、この飛行機操ってんのか。
「逃がすかよ」
理子の逃げ足は思ったよりも速かったみたいで、追い着いた時にはもう追いつめられてるとこだった。
「キンジ!よかった間に合ったみたいだな」
「ありゃりゃ瑞樹まで来ちゃったんだあ。これじゃあほんとに追い詰められちゃったな」
「何言ってるの?もうチェックメイトよ」
また揺らすつもりか。
ぐらり!
ただ揺らすだけだと思っていたが、今度は大きく傾け、急降下させてきた。
それでも体勢を崩してしまうことにはならなかったが、アリアは、完全に体勢を崩してるし、キンジも倒れないようにするだけで精一杯みたいだ。
「ばいばいきーん」
そう言い理子は脱兎のごとく逃げて行った。
「ああもう!俺は今日一日で何度同じ手に引っ掛かるんだ」
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~武偵殺し編~
一般校から武偵校に転校してきた瑞樹。
初心者なのにSランクになったり、事件に巻き込まれてしまう。