No.478798 いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生したたかBさん 2012-09-02 11:06:45 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:8370 閲覧ユーザー数:7526 |
第五十七話 落ちろ!無限極へ! 注:言っているのはアサキムではありません
みなさん、こんにちわ。
前々回、アリシアにファーストキスを奪われて…。
前回、危うくそれをファイナルキスに変換されかけた男の子。沢高志です。
このフレーズも久しぶりですね。
クリスマスでの激動からあけて次の日。
あの事件に関係したメンバーでアリサの実家。バニングス邸へと向かう。
…でっかい家である。
ひたすらにすげえと思った。
だって、転生する前から今に至るまで一度足りとてこんな豪邸に入ったことなどないのだ。
廊下に絨毯が敷かれているんだぜ。この絨毯、俺がいつも使っている布団よりふかふかしている。
アリサがお嬢様だというのは知ってはいたがここまでとは…。
昨日より少しだけ元気になったなのはが言うにはすずかの家も似たような物らしい。
考えてみるとここにいる少女たちは何かと資産家だよな。
なのはの家も店と道場がある。売ったらいくらになるんだろう。
金はある所にはあるのだ。
そして、こんな豪邸のお嬢様に学校では無礼を働いている俺。
裏社会の人間に殺されたりしない?
「こいつを
いやいや、さすがにそこまでしないだろう。…やだ、不安になってきちゃった。
落ちつけ俺。あのツンデレさんだぞ。
「お嬢様でツンデレな人間がそこまで酷いはずがない!」
「誰がツンデレか!」
俺は皆が待っているだろう扉の前で思っていたことを口に出してしまっていたらしい。
すると、部屋の奥にいたアリサがすぐそばにあったクッションを投げつけながら叫ぶ。
「あなたでございます。ニンニク姫」
「女の子のあだ名に対して失礼すぎるわよ!」
「失礼いたしました。アジサバお嬢様」
「あんた私をなんだと思っているの!」
「心のオアシス」
俺のボケに気持ち良く突っ込みを入れてくれる女の子です。
いや~、本人を目の前にするとついついボケたくなりますな。
「な、なななに言ってんの、馬鹿じゃないの!」
心の底からそう思う。
いや~、この娘からかいがいがあるわ。
「これが年上で知的で美人でぼんっきゅっぼんっ。ならもう告白していたんだけどな~。…はぁ」
「私の外見を全否定かこらぁ!」
「YES!その通りでございます!性格は満点なんだけどね。…それだけに惜しい」
「…う」
「ほらほら。二人共言い争ってないで早くこっちで話そう」
何か言いたげなのかアリサは顔を真っ赤にして睨んでくる。別に怒ったり怒鳴るのを我慢することなどないだろうに…。
そんな俺達二人を見かねてすずかが早く部屋に入るように言ってくる。
中には既になのはとフェイト。はやてにアリシアが既に部屋の中に設置された椅子に座っている。
…ここに入っていいんでしょうか?
だって、俺、小市民だもん。
こんなお嬢様のお茶会みたいな。いや、実際そうなんだろうけど…。なんか座りづらい。
まあ、なるようになるだろう。
それからなのはがフェイトとの出会いを話した。
フェイトも自分がこの町に来た理由を話した。その時、俺は良心の呵責の所為か涙した。
アリシアはフェイトに抱きついて「頑張ったね。偉い、いいこ。フェイトいいこ」と、頭を撫でまくっていた。
次にはやてが今回の事件の顛末を話した。
と、なると必然的に…。
「高志君はどうやってアリシアちゃんを助けたの?」
「それは禁則事項です」
すずかが俺とアリシアについて聞いてきた。
一応、スフィアは準ロストロギアだから一般人に教えるわけにはいかない。てか、ロストロギアそのものだと思うんだが…。それに、
事故って生き返らせました♪
なんて言えないよな…。
「お兄ちゃんが世界に一つしかないものを私に渡しちゃったから…」
…アリシア。確かに『傷だらけの獅子』のスフィアは世界に一つしかないだろうけど、どうして頬を赤らめて言うかな…。
こいつ等が誤解したらどうする。て、小学生だから誤解するはずが…。
「「「えっ?!高志(君)、まさか…」」」
誤解しよった。
お嬢様は意外とエッチでございます。
あと、はやて。微妙に笑っているという事はお前が差し金だな。
「…はぁ。アリシアの冗談に決まっているだろう。むっつりお嬢様。あと、家康。お前は鍋にする」
「ちょい待って!なんでうちだけ扱いが酷いん?!」
「どうせお前の入れ知恵だろう」
「どうしてばれたん!?」
「アリシアが最近、変な漫画を見ているからプレシアも困っているんだ。アリシアが漫画を見れるところと言えば図書館。図書館と言えばお前。そして、図書館がお前の本能寺だ」
「それじゃあ、うちは信長やで!」
「家康…。お前は長く生きすぎた」
「まだ九年とちょっとしか生きてないで!」
「はやてちゃん、ごめんね。お兄ちゃんに『お嬢様危機一髪!復讐執事ジョージの野望』をこの間取られたばっかりで…」
「「…え」」
アリシアの発言でお嬢様の二人が俺から遠ざかる。
俺が借りたわけでは無いのに…。
「大丈夫やアリシアちゃん。あれは布教用や。取り上げられても私のうちに来れば保存用の本があるで」
「本当に焼き入りに行ってやろうか?」
そんないかがわしい本なんか片っ端からに燃やしている。
「お兄ちゃん、せめて『お嬢様危機一髪!復讐執事ジョージの野望3 ザ・セカンドリベンジ』までは読ませて!」
何回失敗しているんだジョージ。
「大体、あれだけの超大作やで!来月にはシリーズナインが発売されるんやで!」
どんだけ復讐に失敗しているんだ?諦めようよ、ジョージ。
「知ったことか。あとでシグナムさんとリインフォースさんに伝えて処分するように言っておこう」
シャマルさんは何となくはやてに悪乗りしそうだし、ヴィータだと言った瞬間に潰されそうだ。ザフィーラは忠犬だからな。きっとはやての「駄目」には逆らえないだろう。
「…むー」
「なんだ、なのは?俺の方を見て?」
「なんだか、高志君の喋り方が変と言うか…。私達を子ども扱いしていない?」
「あ、それは私も思う」
なのはとフェイトが俺の方を見て俺の評価を下す。
まあ、確かに周りの子どもに比べたら落ち着きがある所とかあるんだろう。伊達に中身が成人男性じゃありませんから…。
「…言われてみるとそうよね。なんというか、学校でも何かとはぐらかそうとしていたし…。馬鹿はやるけど、他のクラスメートとは違うし…」
「確かに高志君は時々大人っぽい雰囲気を出すというか…」
ははははは。
…空しくなんかないんだからね。
「まあ、確かに周りの男子と比べたらそう見えるかもしれないけど俺は一般小学生だぞ」
「というか、私達と普通に話せている時点でおかしいわよ」
「まあ、確かにブルジョワのお前等と話せているのはおかしいと思うけどさ…」
「せやなー。まさにギャルゲー展開やな。高志君ハーレム希望?」
ふしし。と笑う狸の口にお茶うけのクッキーを投げ入れる。
それを喉で受け止めたはやては、げほげほとむせながらも口の中に放りこまれたクッキーを歯で砕き紅茶で胃に流し込んだ。
「あほなことを言うな。俺の理想の人は年上知的美人でかわいい系のお姉さんだ。お前等は好みの範囲に含まれん」
「ぶー。いいじゃん、年下でも…」
アリシアが半眼になって俺を恨みがましく睨む。
俺の好みはあくまで年上知的お姉さんだ。
そうなるとトップはリンディさんとリインフォースさん。
リンディさんは未亡人だから無理。
リインフォースさんは俺に何かと恩義を感じているだろうから手を出せない。
だって、恩義を感じている人に「恋人になって下さい」て、言っても相手側は恩があるから…。なんてことを考えるかもしれないじゃん。だから、今のところは無理。
時点でシャマルさんになるんだけど…。俺の何かが言っている。あの人には何かあると…。
若くなったプレシアやシグナムさんもいるんだけど…。トラウマがあるんで無理です。
うう、鞭が。鞭がぁあああああ…。
「…タカシ。顔が青くなっているよ」
「うん。大丈夫。精神的には危ないけど大丈夫」
「そう。それなら…大丈夫なの?」
大丈夫だよ~。フェイトに比べればあれくらいのお仕置きなんて内容を三割引きでならあと一回は耐えられる。
心配してくれるフェイトに続いて、次はすずかが質問してきた。
「それで…。クロウ君についてなんだけど…」
――しん。
と、一瞬でこの場の空気が暗くなったのが分かった。
クロウはここにはいない。
今現在。アースラにいるという査察官に心理検査を受けている。
クロウはブラスタを返せと言うがまた暴走して俺を襲いかねないから取り上げと拘束の状態だ。これをクロウの友人をしていたアリサとすずかに言うべきかどうかと悩んでいたが、以外にも切り出してきたのはなのはだった。
「クロウ君はちょっとあの後で危ない事をしたの。今はそれの取り調べ中で…」
「え、あのクロウ君が!?どうして!?」
「あいつはいつもへらへらしながら私達に近寄って来たけど、とてもそんなことをするような奴じゃないと思うわよ」
アリサとすずかの反応を見てフェイト、アリシア、はやての三人が反論する。
「あのさ、クロウはその力を使いすぎておかしくなったというか…」
「いいんだよあれぐらいやらないとつけあがるから!フェイトにも怪我させたし!」
「私もそう思うな…。未遂とはいえ、高志君に発砲しようとしたんやもん」
「どういうこと?」
アリサの質問に俺とはやてが説明する。無論、スフィアについては触れない方向で。
(事情説明中)
「つまり、クロウが逆ギレして高志に銃を向けたことについて取り調べ中という事ね」
「クロウ君が…」
アリサの方はそれほどでもないがすずかの落ち込みようはなのは程ではないが相当凹んでいるように見えた。
「…すずかちゃん。嘘みたいだけどこれが本当なんだ」
「なのはちゃん…」
二人の少女は手を取り合いながら涙を流していた。
「…ねえ、アリサ。もしかしてすずかって」
「ええ、なのは同様にクロウに惹かれていたんでしょうね。それがこんな風になるなんて…」
フェイトの質問にアリサが答える。
幼馴染の二人の失恋。いや、この場合はクロウへの不信を見て、アリサはやるせない顔をして二人を見守っていた。
「…まあ、そんなわけだから。俺達は魔導師なんだ。だから、それらしいことに遭遇したり見たり聞いたりしたら俺達に連絡してくれれば、すぐに解決に向かうから。決して近づかないように」
…俺はどうなんだろう?
ガンレオンと言う鎧と巨大な工具を振り回して戦っているだけだし…。
あ、ペイン・シャウターは
他はアナログっぷりが酷いけど…。
「なによ。その言いぐさじゃまるでまたこの町で何か魔法関係が起きるかもしれないって、言っているみたいじゃない」
「そうならない事を願いたいけど、ジュエルシードに闇の書。と事件が続いているからな。あと一年は様子見が必要なんじゃないかとリンディさんも言っているし…」
それにリインフォースの事もある。
リインフォースは暴走体が這い出てくる際、自分を構成する組織を暴走体の中に落としてきた。というよりも拾おうとしたが早く出ないと出れなくなる。その時に必要だったもの以外の機能を残して脱出。暴走体が吹き飛ぶのと同時にそれも消えた。
今、彼女を構成しているのはボロボロになった魔法の体とそれを支える『悲しみの乙女』のスフィア。
はやてからの魔力の供給とスフィアから溢れ出る力でどうにか顕現できているらしい。だが、今の彼女だとあと一年もしないうちに自然に瓦解してしまうそうだ。
一応、プレシアを助けた時に使った
ある意味不老不死に近い現象だから、これもばれたら俺はミッドに強制連行される恐れがあるらしい。
これを使ってプレシアを助けた時は彼女のリンカーコアが破壊された。代わりにプレシアの体は健康的で若々しい体になった。
リインフォースさんの場合。これを遣ったらどうなるか…。はやてとの魔力ラインを断ち切られてスフィアに取り込まれる。もしくはスフィアに何らかの影響を与えるか…。
とにかく、時期と場所がまだ決まっていないとはいえ、諦めるのは早い。様子を見ながら目下検討中だ。
「そう。それじゃあ、クロウは…」
「うん。たぶんだけどミッドでいろいろと社会奉仕させられると思う。ブラスタは取り上げたままだから一般局員としてだろうけど…」
「リミッターもつけてだけどね…。あいつ何しでかすか分からないもん」
「厳しいわね、アリシア」
「それはそうだよ。私のお兄ちゃんを殺そうとしたんだもん。それにフェイトにも怪我を負わせたし」
「…アリシア」
「ふと、思っていたんだけどアリシアのお兄ちゃんが高志なのよね?」
「そうだよ」
「で、アリシアはフェイトの…妹?」
「お姉ちゃん。私がお姉ちゃん。フェイトが妹」
「…じゃあ、高志君はフェイトのお兄さん?」
クロウの事を未だに引きずりながらも、ふと思った事を口にした。
すずかの一言を聞いたフェイトが目を丸くして、俺とアリシアを見る。
「…え?」
「そうなるな」
「だね」
アリシアが俺の事を『兄』と言うのなら、フェイトもそうなるだろう。
もう一人妹が増えてももさほど変わらんだろ。まあ、フェイトは今の調子だとテスタロッサの子にはなるだろうが、それとは別にアリシアとの姉妹関係の強化も狙いたい。
「さあ、フェイト。まずは試しだ。俺をお兄ちゃんとお呼び!」
「あ、ずるいっ。私も私も。お姉ちゃんって、呼んで♪」
俺とアリシアがフェイトにそれぞれ兄。姉と呼ぶように要求する。
フェイトはおろおろとしながらももごもごと口を動かす。
「…ぶはっ」
アリシアが急に鼻血を出して倒れた。
どうした何があったんだ?!
その時、俺は目を逸らさなければいけなかったのだ。
海外のホラー映画だと登場キャラが見てはいけない場面に遭遇した。もしくは出くわそうとする状態に近かった。
…見てはいけない。
…聞いてはいけない。
なのに…。それなのに…。
「…タカシ…お、兄ちゃん」
頬を赤く染めて口をもごもごと動かしながらも泣きそうなのか目元を潤ませたフェイトが、俺の目の前に現れた。
アリシアはこれを見て倒れたのだとすぐに分かった。
「…グゥッ」
な、なんという破壊力!
俺が、年上知的美人でなかったら…。アリシアで耐性がついていなかったら…。
もし、俺が同年代。中身的は大人なのでロリコンだったら一撃で鼻血を出して倒れていただろう。
…ふ、ふふ。まだだ、まだやられはせんよ!
だが、フェイトの攻撃はそれだけでは終わらなかった。
「…は、はぅううう。や、やっぱり恥ずかしいよぉ…」
両手を汲んでもにゅもにゅと何かをもみこむかのような仕草をする。
上気した頬。潤んだ瞳。そして、思わず抱きしめたくなるようなか細い声。
落ちろ!
「…いや、まだだ!まだ終わりはせんよ!」
というか、今の風景をアサキムが知ったらぬっ殺されるよ、俺。
「鼻血を出しながら何を言っているの…」
アリサの言葉で俺は鼻元を抑えると鉄の匂いが…。
…馬鹿な。この、俺が…、(鼻から)血を流している…だと…。
俺はロリコンじゃない!お姉さん好きだ!
「高志君。認めるんや…」
「…違う。違うんだぁあああ!」
「昔の変態紳士は言いました。YESロリータ。NOタッチ。これを守れば世間の皆さまからも冷たい目で見られることはないで」
…クロノ。お前はこれをこれから味わうというのか…。
お前はこの快感。じゃなくて、苦痛を味わうというのか!
「…そして、今の幼女は言う…。…YES、お兄ちゃん。要タッチ…」
はやての言葉に続いて息も絶え絶えなアリシアがやや改変してきて言葉を繋ぐ。
自分が幼女と言う自覚はあったんだなアリシア。
…なるほどあちら側からなら許されるのか。…許されるのか?!
それから魔法関係は出来るだけ秘匿にするように説明しながら俺達は談笑をした。
しかし、純粋無垢なフェイトからお兄ちゃんと呼ばれるのはかなりクルものがある。アリシアは悪戯元気娘のイメージが前押しにしているからそこまでクルものが無かった。
そして、その翌日。
「おはようございます。お兄様」
と、はやてからギャップ萌えを教えてもらったアリシア。
それを見た俺とプレシアは一緒にアースラの医療キット(主に頭の検査に使う)の中にアリシアをぶん投げたのは余談である。
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第五十七話 落ちろ!無限極へ! 注:言っているのはアサキムではありません