No.477788

IS《インフィニット・ストラトス》 SEEDを持つ者達 第29話

Lさん

第29話です。

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2012-08-31 02:56:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8105   閲覧ユーザー数:7869

一夏が駆け付けた事によりシャルロットは福音から解放され今は一夏に抱きかかえられていた。

 

「一夏っ、一夏なの!? 怪我はっ!」

「大丈夫だ、問題ねえよ」

「よかった……本当に、よかった……」

 

シャルロットは嬉しさのあまり涙を流していた。

 

「泣くなよ、シャル」

「だって……だって……」

 

一夏は困った顔をするが、何処か嬉しそうでもあった。

福音は一夏とシャルロットに狙いを定めたのか銀の鐘(シルバー・ベル)を乱射してきた。

今、シャルロットを抱えているままの一夏では銀の鐘(シルバー・ベル)を避けるのは難しい。

キラ達は銀の鐘(シルバー・ベル)を射ち落とすが残ったエネルギー弾が一夏に迫っていく。

 

「一夏、逃げろ!」

 

だが、一夏は左腕を翳す。

 

「雪羅、シールドモード!」

 

翳した左腕の掌から深緑のシールドが現れ、銀の鐘(シルバー・ベル)を完全に防いだ。

 

「あれは、零落白夜!?」

「まさか、零落白夜の力をシールドとしても使えるのか!?」

 

白式の新たな能力に簪達はただ驚くのであった。

銀の鐘(シルバー・ベル)が効かないと理解した福音は瞬時加速(イグニッションブースト)で一夏に接近する。

しかし、キラのドラグーンから放ったられたビームによって一夏から引き離された。

そして、一夏の隣にキラ、シン、千冬が隣に来た。

 

「キラ、シン、千冬姉!」

「一夏、戦えるんだね?」

「ああ、その為に来たんだ!」

 

キラの言葉に一夏は答える。

一夏の目を見た千冬は薄っすらと笑みを浮かべた。

 

「言うようになったな、一夏」

「千冬姉」

「私の暮桜の残りのエネルギーでは零落白夜は使えん」

「僕達で福音を動きを止めるから」

「一夏は福音に零落白夜を叩き込め!」

 

キラ、シン、千冬はは福音に向かっていく。

すると、いつの間にかラウラ達と落とされたセシリア、鈴が一夏の隣に来ていた。

 

「すまん、回復に手間取った」

「さあ、反撃のお時間ですわよ!」

「ラウラ、セシリア!」

「一夏、さっさと片付けちゃおうよ」

「エネルギーは充分、私達の心配はいらない」

「鈴、簪!」

 

ラウラ達はまだ戦えると笑みを浮かべていた。

福音に吹き飛ばされた箒も一夏の隣に来た。

 

「一夏……」

「箒、無事だったか」

「心配は無用だ、今は福音を止めるぞ!」

「ああ!」

 

そして、一夏はルナマリアに近づいた。

 

「ルナマリア、シャルを頼む」

「分かったわ」

 

一夏はシャルロットをルナマリアに預けるとシャルロットは心配そうな表情であった。

 

「一夏……」

「大丈夫だ、今度こそ、福音を止めてやるよ、シャルは待っていてくれ!」

「一夏、これだけは約束して絶対に……絶対に負けないで!」

「ああ、行って来る!」

 

ルナマリアを残し、一夏達は福音に向かって飛び出していた。

一夏達の後ろ姿をただ見送る事しか出来ないシャルロットであった。

 

 

箒達が加わった事で激戦となっていた。

ラウラ、セシリア、簪、キラは射撃で福音の動きを封じ、一夏、箒、鈴、千冬、シンが接近戦で仕掛けダメージを与えていく。

ダメージが溜まったのか福音の動きが鈍り始め一夏は、零落白夜を発動させる。

 

「うぉおおおおおおおお!!!」

 

勝負を決める為、瞬時加速(イグニッションブースト)で福音に接近して零落白夜を叩き込もうとするが、避けられてしまった。

 

「やばい、エネルギーが……!」

 

第二形態の白式は、シールドエネルギーの消費が悪くなっており、シールドエネルギーは限界に近づいていた。

その時だった、一夏の隣に箒が来た。

 

「一夏! これを受け取れ!!」

 

近づいてきた箒が一夏の手を取ると、繋いだ手を中心に黄金の光が二人を包み込み、白式のシールドエネルギーが完全に回復した。

 

「なんだ? エネルギーが!?」

「一夏、奴を倒すんだ!」

「……おう、行くぞ!!」

 

一夏と箒は再び福音に向かっていく。

箒は福音に切りかかりながら動きを封じていく。

 

「一夏! 今だ!!」

 

箒の合図で一夏は雪片・弐型を構え福音に向かっていく。

だが、福音を押さえつけていた箒は福音の銀の鐘(シルバーベル)を至近距離から受けて吹き飛ばされてしまった。

福音は向かってくる一夏に銀の鐘(シルバーベル)を放つが一夏はギリギリで避ける。

 

「ラウラ! 頼む!!」

「任せろ!!」

 

一夏の指示で地上で福音を待ち伏せをしていたラウラはレールカノンを放つ。

放たれたレールカノンに福音は掠め、動きを止めてしまう。

 

「はぁっ!!」

 

その隙を狙って切りかかった一夏だが、避けると、次々放たれるレールカノンも次々と避けていた。

福音はラウラに銀の鐘(シルバーベル)を放つとラウラは砲撃体勢に入っていたため避ける事は出来ず防御をするが、レールカノンは破壊されてしまった。

しかし、福音がラウラに向けて銀の鐘(シルバーベル)を撃っている背後からセシリアのビットから放たれたレーザーが直撃する。

 

「私がここにおりましてよ!!」

 

セシリアの方を振り向こうとした福音に、鈴が放った衝撃砲が直撃して、福音はよろめく。

 

「一夏! もう一回よ!!」

 

だが、福音は再び瞬時加速(イグニッションブースト)で上昇し、銀の鐘(シルバーベル)を鈴に向かって放った。

衝撃砲の発射体勢であった鈴は避ける事が出来ない。

すると、キラと簪が鈴の前に出ると銀の鐘(シルバーベル)をマルチロックオンで全てロックする。

そして、キラはドラグーン・フルバースト、簪は山嵐でロックした銀の鐘(シルバーベル)を全て撃ち落とした。

銀の鐘(シルバーベル)を射ち落とした事で発生した煙が福音を覆った。

 

「シン、千冬さん、今だ!!」

 

キラの言葉に千冬は上から、シンは下から最大戦速で福音に接近する。

煙で視界が悪くなっていた福音は接近するシンと千冬に気付くのが遅れてしまった。

そして、シンと千冬はアロンダイトと雪片で福音の翼を切り落とすと福音は海に堕ちていく。

その隙を一夏は見逃さず、瞬時加速(イグニッションブースト)で接近する。

 

「今度は逃がさねぇ!!!」

 

零落白夜を発動させ、福音に叩き込んだ。

それが止めになったのか、装甲は光の粒子となって消え、意識を失ったパイロットだけが放り出された。

 

「危ない!!」

 

一夏はパイロットを抱きかかえた事で事無きを得た。

 

「……終わったな」

「ああ、やっとな……」

 

一夏に、近づいてきた箒が労いの言葉を掛けた。

それに一夏も返すと、キラ達の方に向く。

 

「ありがとうな、皆」

「ふん、まだまだ詰めが甘い……まあ、なんだ……よくやった」

 

そっぽを向く千冬だったが、確かに声に出して一夏を褒めた。

すると、シャルロットを抱えたままのルナマリアが近づいてきた。

 

「一夏!」

「シャル、約束は守ったぞ!」

「うん!」

 

笑みを浮かべるシャルロットに一夏も笑みを浮かべた。

 

「さあ、帰りましょう!」

「そうだな、山田先生に司令室を任せっきりだ」

「帰って、ゆっくり温泉にでも浸かりますか!」

 

福音との戦いは終わり、一夏達は旅館へと戻るが、キラはその場に止まり、岬の柵に腰掛ける"兎"を睨みつけるのであった。


 
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