No.477590

Sonic・the・hedgehog 【Running out of control ――― EMERALD】(5)

こたさん

いつものようにソニックとエッグマンは戦っていた。ソニックが七つのカオスエメラルドを使いスーパーソニックへ変身し、誰もが勝負はついたと確信した… しかし、異変は起こった。 突然暴れ出し、ソニック達を攻撃するカオスエメラルド。一体カオスエメラルドになにが起こったのか? そして、禍々しい暗黒色のハリネズミ――「ダーク・ザ・ヘッジホッグ」。彼の目的は?そしてその正体は? ソニック達の新たな冒険が始まる!――― どうも、こたです。別のサイトで書いていたので知っている方は知っていると思われる作品を読みやすくリメイクしたものです。現在執筆中の『超次元ゲイム ネプテューヌmk2 ~Blue wind~』の方もよろしくお願いします!

2012-08-30 20:21:21 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1485   閲覧ユーザー数:1481

カタカタカタカタカタカタ――――

 

少し薄暗く狭い部屋で小さなモニターを前にエッグマンは真剣な表情でキーボードを叩いていた。

「確かここら辺にあったはずじゃが……」

そして小さく呟く。

 

ブワンッ!

 

モニターに赤い文字で『CLOSE』と出た。

「あった!これじゃ!」

 

カチッ!

 

エンターキーを押した。

すると小さな文字が並び長い文章を作り出した。

「…………」

エッグマンはその文章を黙読する。

「………!!!」

そして眉を吊り上げた。

 

 

 

 

 

 

 

プシュ―――ッ!

 

司令室のドアが開く。

「あ、おかえり~。」

入ってきたハイクを見るや否やテイルスは笑顔で声をかけた。

「おうッ!皆もう帰ってきてたのか?」

ハイクは室内を見渡す。

「ううん、ソニックとシャドウがまだだよ。」

その言葉通り彼ら二人の姿は無かった。

「あ~!ソニック~!」

「うわぁッ!?」

いきなりエミーが抱きついてきた。

「もぉ~!待ってたのよ!?すぐにどっか行っちゃうんだから!」

グリグリと頭を寄せてくるエミーから逃れようとハイクはもがく。

「ちょっ……俺はソニックじゃないって!」

「えッ?」

エミーは頭を離しハイクの顔を見つめる。

「あッ!ごめんごめん!あなたソニックにそっくりだから~。」

「あ……いや……」

テヘヘと照れ笑いするエミーの顔を目前に自らも少し赤くなった。

すぐにエミーは離れたものの、ハイクの心はしばらくの間ドキドキしていた。

周りを見渡すと、ナックルズとシルバーはそれぞれ離れて壁に寄りかかっていた。

「……ん?あのヒゲのおっさんは?」

ハイクは司令室の中を歩き壁に寄りかかる。

「エッグマンならさっき司令室を出ていったよ。調べ物でもしてるんじゃないかな?」

 

プシュ――――ッ!

 

「Hey guys!」

テイルスが話し終えるとソニックが帰ってきた。

「あ、ソニック!」

「今度こそソニックね~!」

そして先程と同じようにエミーがソニックに思い切り抱きつく。

「おわっ!エミー!?」

 

ドスンッ!

 

不意をつかれエミーに抱きつかれたままソニックは尻もちをついた。

テイルスも安堵した表情でソニックに歩み寄る。

「よっ!ダークの生み出した化け物って言うからちょっとは期待したけどさ~、あんま大したことなかったな。」

ソニックはエミーを強引に押しのけ立ち上がり少しつまらなそうに言う。

「そうかなぁ?僕には手に負えなかったよ……でも流石ソニックだね!」

テイルスが困ったように腕を上げた時だった。

 

プシュ――――ッ!!

 

「大変じゃあ―――――!!!!」

ダカダカと重々しい足音をたてながらエッグマンが司令室に走り込んできた。

ソニックをはじめ司令室にいた全員が一斉にエッグマンを振り返る。

「What’s up?」

ソニックは冷静に尋ねる。

「思い出したんじゃ!ダークのことを……!!」

「思い出した?」

ソニックは聞き返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

ボシュオォォォォォォォ………!

 

目の前で黒い影が消える。

残ったのはキラキラと輝くマスターエメラルドの欠片。

「フン……口ほどにも無かったな……」

シャドウは欠片を拾い上げる。

そして遥か彼方にまで広がる青空を見下ろす。

 

―――――そう、ここは雲の上だったのだ。

 

シャドウは天にも届きそうな程高い山の頂上まで来ていたのだ。

(もうここに用は無い。一度ドクター達と合流するか……)

 

ザッ――――

 

そう思い、下山しようと足を踏み出したが――――

「……………」

彼の上空にその足を止める姿があった。

シャドウは顔を上げる。

「シャドウ………」

その姿―――――ダークは静かに名を呼ぶ。

今まで嫌というほど見てきたあの姿―――何度見ても不気味であった。

「――――カオススピア!!」

シャドウは躊躇せずにダークに光の矢を放つ。

 

スッ――――

 

しかしそれはダークをすり抜ける。

「……!」

そのままダークより更に高い場所で爆発を起こした。

「残念だったな……これは俺の幻影だ。」

ダークの姿がまるで煙のように揺らいでいた。

「幻をよこすとは……少し会わない間に随分と臆病者になったようだな。」

「何とでも言え。その臆病者に貴様等は消されるのだからな。」

ダークの不敵な返答にシャドウは鼻を鳴らす。

「相変わらず口先だけは達者だな。」

「口だけかどうか……証明してやろうではないか……一ヶ月後にな……」

「今回は何の用だ。さっさと答えてもらおうか。」

シャドウは真剣な表情で問う。

「……俺は一ヶ月後、都で人類滅亡を開始する……もし、貴様等に止める勇気があるのなら来るがいい……」

「用件はそれだけか?」

ダークはゆっくりと頷く。

「そうか……ならば僕の問いにも答えてもらおうか」

「問い……か?」

「貴様が以前僕に言った『兄弟』とはどういう意味か教えてもらいたい。」

その言葉にダークはゆっくりと顔を上げる。

「……そんなことか」

そして両手を大きく広げた。

シャドウは黙ってダークの次の言葉を待った。

 

「………簡単なことだ―――

 

――――俺もプロフェッサーにつくられた………ただそれだけだ」

 

 

 

ソニック達は司令室の大きなモニターに映し出された文章を読んでいた。

「……ダークはジェラルドが作った究極生命体!?」

テイルスは驚き声を上げる。

「……ジェラルドって誰なんだ?」

ハイクは少し分からないような顔をしていた。

「……世紀の天才科学者と呼ばれたワシの爺さんじゃ。」

エッグマンはソニック達に背を向けて問いに答えた。

「でも一体どうして!?なんでジェラルドがあんな存在を!?」

テイルスはエッグマンに尋ねる。

 

――――ピッ

 

エッグマンはモニターの前にあるキーボードのエンターキーを押す。

 

 

 

 

 

 

「……貴様がプロフェッサーによって作られた二体目の究極生命体……!?」

シャドウは目を見開いた。

「―――あの日……ジェラルドの大事な孫娘―――貴様にとっても大事な女だったあの娘、マリアがGUNに射殺されたのを知ったジェラルドは人類を酷く憎んだ。ジェラルドは貴様の記憶を弄っただけでなく人類を滅亡させるためだけに新たに究極生命体をつくった。」

「それが君ということか。」

「そうだ。」

 

 

 

エッグマンがエンターキーを押し、モニターに映し出された文章にはこう書いてあった。

 

『………おのれ、人間どもめ。私の大切なマリアを奪った愚かしい人間どもめ。貴様等が起こした過ちを私は許すことが出来ない。私に残された時間は少ない。だが、このまま死んでは死んでも死にきれない。私は最後にもう一つ究極生命体を作ることにした。』

 

「こりゃあ、随分とお怒りだな。」

ソニックは真剣な眼差しで告げる。

「以前ワシがアークに行ったときに偶然見つけた爺さんの秘密の日記じゃ。

この中にダークについての記述があったのじゃ。」

「続きには何て書いてあるの?」

テイルスの言葉にエッグマンは再びキーを押す。

 

パパパパパッ!

 

再びモニターに長い文章が流れ出す。

 

『――――私はふと我に帰った。私は一体何をやっているのか?いくら我を忘れていたとはいえ私は取り返しのつかないことをしてしまった。

 

――――史上最悪の究極生命体「ダーク・ザ・ヘッジホッグ」を地球に向けて発進したのだ。

 

人類を許すことは出来ない。だが、マリアはこれで喜んだだろうか?シャドウの記憶も弄った。「ダーク」と「シャドウ」……これらの二つの生命体が地………』

 

文章は途中で切れていた。

「恐らくここでGUNに捕まったんじゃろう。」

 

プツンッ

 

エッグマンはモニターの電源を切る。

「なるほどな、奴が人類滅亡をもくろむ理由が分かったぜ。」

ナックルズは呟いた。

「……貴様らが何をすべきか、言わなくとも分かっておるな?」

エッグマンはゆっくりと振り返る。

「おう!」

ナックルズは力強く答える。

「もちろんだよ!」

テイルスも頼もしい笑顔で答える。

「ダークを倒して世界を救うってことか!」

ハイクも答える。

「二度とあんな未来を作らないためにも……」

シルバーは胸に何かを秘めているかのように拳を握る。

「あいつを悪い夢から解放してやろうぜ!」

ソニックが全員に言った。

 

プシュ――ッ!

 

ドアが開いた。

全員が振り返る。

「「シャドウ!?」」

そしてその名を呼ぶ。

シャドウは何も言わずに司令室に入ってくる。

「シャドウ!ダークの正体が……!!」

「分かっている。」

テイルスの言葉を遮り、シャドウが答える。

そして無言で欠片をナックルズに渡す。

「僕達も!」

テイルス達も同じように欠片をナックルズに手渡した。

「これで直せる……!」

ナックルズは欠片を集めて形を作っていく。

「直ったぜ!!」

 

ピカ―――!!

 

マスターエメラルドが復活した。

「後は一ヶ月後の戦いに備えるだけじゃ!必ず奴を倒すのじゃぞ!」

エッグマンがソニック達に告げた。

「ねぇ、ハイク。」

テイルスはそっとハイクに話しかける。

「なんだ?」

「欠片を探す前から疑問に思ってたんだけど、どうして僕達を手伝ってくれるの?」

その言葉にハイクは顔を曇らせ、俯いた。

「……何でだろうな。実は俺も良く分からない。お前等に助けてもらったってのもあると思うんだが、

なんだろう?

―――俺の心が悪を許すなと訴えてきてるように感じるんだ。それが俺を動かしているのかもな。」

「―――?」

少し怪訝そうな顔をするテイルスにハイクはフッと笑顔を見せる。

「ま、要するに勧善懲悪―――ってとこかな?」

「じゃあ、僕にそれを手伝わせてもらっていいかな?」

「?どういう意味だ?」

「ハイク、君の銃を一旦全部貸してくれないかな?」

「俺の銃をどうするんだ?」

「えへへ、それはお楽しみだよ!」

「?」

 

――――闇は、すぐそこまで訪れていた―――

 


 
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