No.477424 IS学園にもう一人男を追加した ~ 74話rzthooさん 2012-08-30 12:44:15 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1200 閲覧ユーザー数:1183 |
投稿者SIDE
コンピューターが立ち並ぶフロア。
ウッド
「ふふふっ、いいぞぉ。もっと私を楽しませてくれ・・・」
一つ一つの画面には、基地に備えられているカメラが各々の戦闘風景を映し出していた。その映像を眺めていたウッドは椅子に背中を任せ、金歯を露出するように笑みを浮かべていた。
ウッド
「思ったより『R』は使えん奴だったな」
一つはラウラに抱えられた『R』の映像。
ウッド
「スコールは・・・状況が分からないか」
一つはカメラの回線が切れて、砂嵐状態。
ほかにも、一夏とマドカが映っている映像。通路で佇んでいる箒と本音の映像。本音を逃して動力炉に戻ってきた『B』が不機嫌そうに頬杖をついている映像。制御ルームにいる山田とユウキの映像。画面がクモって状況が分からない映像。
ウッド
「ふむふむ。『No.40』は十分に働いているようだな・・・それにしても、オータムと博士がいない、か。博士には保険を備えているから心配はないが・・・」
ウッドは手元にあるキーボードを叩き始めると、画面がコロコロと変わりだす。その一つには、海底の映像もあった。
ウッド
「ん? 『W』め、のん気に寝ているのか・・・? まぁいい。客人はどうせ、中に入れるつもりだったしな・・・"おまけ"もいるが」
またキーボードを叩き出し、画面には【MARIONETTE】の文字が。
ウッド
「ついでに、IS学園には『バザード』を出すとするか。作戦の主旨とは遠くかけ離れてはいるが、私がいればチャンスはいくらでもある」
ウッドは口元を最大限まで吊り上げて、エンターキーを押す。
ウッド
「さて、そろそろ脱出の準備を始めるか・・・」
[海の底]
W
「ん・・・もど、らない、と・・・」
海の中で眠っていた『W』はのっそりと起き上がる・・・その瞬間
[~~~~~~~~~]
W
「っ!?」
『W』の『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』の7片目から頭に向かって"キ~ン"と超音波が駆けあがり・・・
W
[ガクッ]
気絶してプカ~とクラゲのように浮かぶ。だが、海中で漂っていた『W』はピクピクと指を、そして肩から順に動き出す。そして、海底から基地に通ずる隔壁に向かう。
W
『・・・』
まるで、本物の"操り人形"のように・・・
箒SIDE
箒
「・・・塞がってるな」
本音
「そうだね~」
"あの穴"に戻ってみれば、シェルターみたいなもので見事に塞がれていた。この基地の壁と同じ素材で出来ているとすれば、破壊は無理か・・・
箒
「しかたない。別の場所を探そう」
本音
「お~!」
"お~"って・・・ここがどこだか分かっているのか? 私も分からないが・・・
そして、左も右も分からぬまま、歩き続けていると、"ゼロ戦【零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)】"一機がギリギリ入りそうな場所に行き着く。
本音
「・・・?」
箒
「ん、どうしたんだ?」
本音
「あそこから物音が・・・」
急に立ち止まった布仏は、かなり大きいシェルターを指差す・・・いつもの制服じゃないから、新鮮に感じるな・・・
[・・・ドン]
箒
「?」
確かに物音が聞こえる・・・
[ドン・・・ドン、ドンッ、ドンッ!]
硬い物を拳で殴る音。しかも、その音は徐々に大きくなっていて、頑丈そうなシェルターにもボコボコと跡が出来る。
[ドンッドンッドンッドンッ!!!]
本音
「ホーホー・・・」
怯える布仏は、私の背に隠れて顔半分を出す。
箒
「・・・[ゴクッ]」
シェルターから目を逸らさず、唾を飲んだ・・・その時っ
[ドカンッ!]
箒・本音
「っ!?」
電子シェルターだったのか、シェルターが破壊された瞬間、黒煙が私達を襲う。私は『紅椿』を展開し、"空烈(からわれ)"でモクモクと立ち込める煙を斬り裂く。
箒
「い、一体、何が起こっt」
W
[ビュンッ!!]
目にも止まらぬ速さで、"空色のIS"が煙中から殴りかかってきた。
箒
「うっ!」
危機感を感じた私の体は無意識的に"空烈"で拳を防ぐ。そのぶつかる瞬間がスローモーションに感じて、ぶつかった風圧で周りの煙を吹き飛ばした。
意識がスローモーションから解放された時、敵の殴り雨が激しくなり、私は布仏を抱えたまま攻撃を防ぐ。
箒
「くっ・・・! 布仏、すまん!」
本音
「ふぇ?」
布仏が身に付けているのはISスーツなので、掴める箇所がない。だから・・・
本音
「うぇっ」
首を"優しく"掴んで、そこらへんに放り投げた・・・
W
『っ!』
それと同時に敵の攻撃がますます激しくなり、"雨月(あまづき)"も展開しても抑えきれずに、後退しながら反撃のチャンスを伺うしかなかった。それは同時に、布仏をその場に置いていく事になる・・・
通路上に逃げ込んだ私だが、敵の攻撃は止む事なく、私に襲い掛かる。
[・・・ミシッ]
箒
「っ!?」
"空烈"から鈍い音・・・。もう刀が・・・!
W
『っ!』
箒
「ぁ・・・」
敵のストレートを防いだ"空烈"の刀身は、くるくると宙を舞って床に落ちる。
W
『っ! っ!』
箒
「がっ! ぐふっ!」
腹部に膝蹴りが決められ、ヒビが入った紅い装甲から細かい破片が飛び散る。壁に投げつけられた私の髪を敵は、軽々と掴み上げた。
箒
「うっ・・・」
こいつ、私の髪を・・・この髪だけは・・・!
箒
「触れるなぁ!!」
心は真っ赤に燃え上がり、感情に出せるのは"怒り"だけ・・・
【条件をクリアしました。枷を解除・・・"一朝之忿(いちょうのいかり)" 発動します】
箒
「はぁああああああっ!!!!」
W
『っ!?』
眼前に映るのは"敵"
一夏が褒めてくれたものを汚そうとする"敵"
私が倒さなければいけない"敵"
敵・・・敵、敵敵・・・敵敵敵敵敵敵敵テキテキテキテキテキテキテキテキテキテキテキ!
箒
「はぁああああああっ!!!!!」
W
『っ、っ・・・!』
テキ・・・テキは・・・テキは!!
W
[・・・ガクッ]
箒
「テキハ、ワタシガ・・・ワタシガ・・・」
"雨月"・・・テキヲ・・・
箒
「キレ!」
ぐったりしているテキに振り下ろされる"雨月"
?
「はーい、ストップ!」
だが、刀身はテキに届く事無かった。
箒
「・・・ダレダ?」
私の腕を押さえていた"マジックハンド"の根を目で追うと、そこには作業着を着た女性が。
箒
「オマエモ、テキカ? テキダナ」
レーア
「ちょ、ちょっと、決め付けるの早くない?」
箒
「テキ・・・テキ・・・」
レーア
「はぁ・・・」
ISを展開したレーアは、両手にはブレード、背部ユニットのマジックハンドには巨大な盾"テアトル"を持つ。
箒
「テキハ、ワタシガ・・・」
この力・・・ツカイタイ! モットツヨイチカラヲ!!
箒
「ガァアアアアッ!!!」
【学園】
[南西]
三年生徒
「せ、先生! もう防衛線が持ちません!」
真耶
「数が多すぎる・・・専用気持ちチームは!?」
先生
「あちらも手詰まり状態で、応援は期待できません!」
真耶
「せめて、専用機一機がいれば・・・」
先生
「3機、突破された!!」
真耶
「しまったっ!」
真耶達の上空を通過した『ドラッツェ』は、機体を赤く発光させ始め、さらに加速しだす。その現象が"爆破のカウントダウン"って事が一瞬で理解できた真耶は、即座にスナイパーライフルを構え、スコープの中心に『ドラッツェ』を入れる。
真耶
「私だってっ!」
大口径スナイパーライフルの銃弾が『ドラッツェ』を貫通。バランスが崩れた機体は、隣接してたもう1機に衝突して機体内のエネルギーが暴発した。
真耶
(あと、一機・・・)
再度、スコープを覗いて、中心に『ドラッツェ』を合わせる。
真耶
「っ!」
息を呑んで、握り返したトリガーの引き金を引く。完璧な射撃。真耶自身も手ごたえを感じて、スコープから目を離す・・・ただ、相手は"自律ミサイル"だ。
ドラッツェ
『っ・・・』
身を翻し、直撃を避けた『ドラッツェ』。完全に気を抜いた真耶は、ワンテンポ遅れてライフルを構えるが、さきほどの冷静さと集中力が欠けて、それ以上の弾丸は『ドラッツェ』には当たらない。
真耶達の位置から、赤い閃光が遠ざかっていく。心のどこかで諦めかけていた真耶は、自分の無力さを噛み締めながら、ライフルを撃ち続ける。
真耶
(やっぱり、私じゃ・・・織斑先生のように)
スコープ越しで『ドラッツェ』らしき赤い斑点を狙い続けていた真耶だが、ライフルを握る手が弱まり、スコープから目を外そうと・・・
真耶
「・・・ん?」
もう一度、スコープを覗く。
真耶
「・・・」
・・・~~~
[ビュンッ!]
真耶
「・・・え?」
『ドラッツェ』が真耶の隣を"音速"のスピードで通り過ぎ、ほか『ドラッツェ』を巻き込んで爆発。真耶は今起こった出来事を冷静に捉えることが出来ず、テンパリ始めたが・・・
鈴
「いてて・・・つい右で殴っちゃった」
真耶
「ふぁ・・・凰さん?」
いつの間にか、真耶の隣にいた鈴。右腕をさすり、背部に取り付けられた対となっている三種類の武器のうち、左手でハルバードを肩に抱える。
真耶
「凰さん! まだ怪我が」
鈴
「大丈夫大丈夫。右が使えないだけですから」
"あははっ"と、鈴は笑い、また通り過ぎようとした『ドラッツェ』を瞬間移動じみた加速でハルバードで叩き落す。
鈴
「まぁあ、片腕が使えなくても関係ないよね。今のあたしは無敵だから!」
傍若無人にハルバードを片手で振るい、次々と『ドラッツェ』を叩き潰していく。
『ドラッツェ』のAICは接近戦に対して、効力が薄い。それをカバーするように"数"と"機動性"があるのだが、第二移行した『甲龍』の機動性が群と上がっている。推進力が全て衝撃砲の応用で持続性はないが、瞬間的に白式と同じくらいの加速を生む。
鈴
(だけどねぇ・・・)
まだ完璧に『甲龍』の第二形態『奮迅(ふんじん)』を扱えきれず、ただ敵を叩きのめしているだけで、あまり浮かばれない鈴。
鈴
(結局、自分の事を『甲龍』って言ってた奴について何も分からなかったし・・・しかも、あんな説明で分かるわけないじゃない)
甲龍
『主よ。我を使いこなすなら、感情のままに武器を振るえ』
鈴
「いや、何であたしがレクチャーを受k」
甲龍
『武器をその手に感情を奮いたてよ』
鈴
「無視すんな! ってか、実際あんた何者なのよ!?」
甲龍
『我はシェンロn』
鈴
「それは前の話で聞いた。そうじゃなくって・・・えーと、何て言えば・・・そうよ! 何で一度、壊れたコアが」
甲龍
『壊されたの間違いでは?』
鈴
「はいはい、次言ったら殺すから」
気の抜けた表情に隠された殺意・・・この"小娘"、さらに出来るようになっ[ザシュ]ぎゃあああああああ・・・!!!
甲龍
『御意・・・では、その事についても我が知る範囲を教えよう』
鈴
「・・・」
甲龍
『・・・』
鈴
「・・・」
甲龍
『・・・』
鈴
「知らないってオチじゃないよね?」
甲龍
『オチではない。ネタです』
鈴
「余計、タチが悪いわ!!」
甲龍
『褒め言葉として受け取りましょう。では、我の知っている事を申すと、一度、我は・・・『甲龍』のコアが破壊されたのは事実。だが、そこに何者かの介入があり、我の存在を鮮明にし、修復の兆しにした」
鈴
「・・・ゴメン。話が見えてこない」
甲龍
『簡潔に申すと、コアが壊された瞬間、我の存在はより鮮明になり、主の感情がキーとなって我は修復されたのだ』
鈴
「・・・なるほどねぇ」 ←(棒読み
甲龍
『理解出来ましたか?」
鈴
「全っ然!」
鈴
「あらかた終わったわね・・・」
真耶
「あれが、『甲龍』の第二形態・・・」
三年生徒
「斧一本で全滅させるなんて・・・」
先生1
「・・・っ! 山田先生! 巨大な機影が海中から接近してきます!」
[ザッパァーン!]
バザード
『~~~~~』
真耶
「飛行ユニット・・・また無人機ですか!?」
鈴
「だったら、スクラップにしても問題ないよね・・・ふふ~ん」
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