第五十六技 噂の怪談…
アスナSide
―――ピピッ、ピピッ、ピピッ
目覚ましのアラーム音が鳴り響いたのでわたしは目を覚ました。
時刻は7時50分。
隣にはわたしの大切な人、キリトくんが眠っている。
彼はすごく大人びていて余裕もありどこか掴めないところもあるけれど、
優しくて頼りがいのある人で少し年上と感じることもある。
だけど、いま隣で眠っている彼はあどけない表情をしており年下とも思える。
そんなキリトくんの寝顔を少しばかり見つめてしまう。
「キリトくん…大好きだよ……」
彼の頭を撫でて顔を近づけようとしたら…、
「ぅん…、アス、ナ……?」
「!?」
キリトくんが目を覚ましてしまったので、何故かベッドに正座してしまった。
「あ、えと…。お、おはようキリトくん」
「ああ…。おはよ、アスナ…」
少し寝ぼけたような表情をしている。ちょっと可愛いと思った。
彼曰く、朝は弱いらしい。
「わ、わたし、朝ごはんの準備してくるね!」
「あ、アスナちょっと…」
焦って逃げようとしてしまったわたしをキリトくんが引き留めてきた。
「えっと、なに? キリトく「チュッ」ふにゃ/////////!?」
「改めておはよう…。朝の日課、まだだったから…」
キリトくんにキスされてしまいました。
「あにょ、そにょ…。ご飯作ってきます/////////!」
あまりの羞恥と嬉しさに部屋から逃げてしまいました。
幸せすぎて死んじゃいそうです///
アスナSide Out
キリトSide
「ちょっとやりすぎたかな?」
逃げたアスナのニヤケ顔をおもってそうでもないかと思い至る。
ここに引っ越してきてもう六日がたった。
最近では湖でよく釣りをするようになった。
筋力のパラメーターが高いので意外と釣れるものだ。
ただ、一つだけ全然釣れない大きな湖があったりした。
そして、今日も一日が始まった。
「今日はどうしようか?」
「そうだね~。ん、そうだ! 探検しようよ♪」
予定を聞いてみると、無垢な笑顔で答えてきた。
こんな風に笑顔で言われたら反論のしようがないな。
「そうするか…。そういえば、昨日村でこんな噂を聞いたんだ」
「噂?」
俺が話題をふると、首を可愛らしく傾げてきた。
「ああ。実はな、少し行ったところに森があるだろ? そこにでるらしいんだ……幽霊が…」
「幽霊って、モンスターじゃないの? その、バンシィとかアストラルとかそういう…」
俺は首を振って否定する。アスナの表情は硬くなり、少し青くなっている。
「折角だから探してみようぜ」
「え!? いや、あの……」
俺の提案にアスナは言葉を濁らせている。
どうやら怖いらしい。なら、のせてみるか…。
「なんだ、怖いのか? かの【閃光】アスナともあろう者が…」
俺がそういうとアスナはムッとした表情をした。そして…。
「いいわよ、行きましょ!」
俺はニヤッと笑ってアスナに言う。
「言ったな?」
「あ…」
幽霊捜索に行く事が決まった。
「それじゃあ、行くか」
「女は度胸よ…。こうなったら幽霊の正体を暴いてやるんだから」
どうやらアスナは恐怖心を抑えるために意気込んでいるようだ。
「よし! キリトくん、肩車して」
「なぜに肩車?」
いきなりそんな事をいうものだから、思わず聞き返してしまった。
「いいから、いいから」
「はぁ、わかったよ…」
俺はしゃがみ込んでからアスナが乗るのを確認すると勢いをつけて立ち上がった。
「きゃ~、すごいすご~い! いつもと違った景色が見えるよ!」
「それはよかった。しっかり掴まってろよ」
「うん!」
こうして俺とアスナは探索へと向かった。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
怪談調査の正体は・・・・・・みなさんご存じあの子ですけどw
今回は少々短めだったと思います、すいません。
しかし次回もお楽しみいただけたら嬉しく思います。
それでは・・・。
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第五十六話になります。
新婚編が終わり、今回からは新たな話になります。
怪談から始まる話といえば・・・・・・。
どうぞ・・・。