ガチャ
「ビビ」
ナミがビビの部屋に入る。といっても同室だからナミの部屋でもあるのだが。
ビビは自分のベッドに体操座りで座り、膝に頭を埋めていた。ナミがビビに近づいていき、ビビのベッドの向かいにある自分のベッドに座る。
「ナミさん…私、どうしたらいいの…!?ヤマトさんが言ってる事は正しい。仲間になるんだから受け入れないとこれからやっていけない。でもやっぱり国を陥れようとした奴といきなり仲良くなんてできない!!」
ナミにはすごくビビの気持ちがわかるような気がした。昔の自分と似てる気がしたからだ。ベルメールさんを殺したアーロンの一味に入れられた時の気持ちと似ているだろう。
『今まで敵だった奴と一緒に生活しなくてはいけない』
『仲間』の刺青を彫られた時なんて鏡を見るたびに肩の皮を削ぎたくなった。
「ビビ、無理矢理仲良くなる事なんてないんだよ。そうしてるとすごく窮屈になる。無理して受け入れる事なんてない。これから一緒に過ごしてそんでイイトコを探していけばいい。彼女今まで悪党の下についてたって言ってたでしょ?」
ナミが布団に手をつき、上を見る。
「それって結構大変なんだよ。時には命だって狙われるから安心して夜も眠れない。それを8歳から強いられてるって事は何か事情があったのよ。今回だって彼女の意思じゃない、クロコダイルの下についただけ。そう考えたら許せるんじゃない?」
笑ってビビを見る。ビビがゆっくり頭を上げる。まだ迷ってる様子のビビに笑ってみせる。するとビビもやんわり笑った。
「そうね。私自分の目線からしか物事を見れない癖、直さないと」
「ビビなら直せるわ」
「ありがとう。とりあえず謝ってくるわ」
そう言い立ち上がり、部屋を出て行く。
「これは私がルフィに助けてもらえたから言える事かもな…」
天井を見上げたままつぶやいた。
ナミがビビの部屋に入ってから約5分。俺はサンジが作ってくれた山ほどのみたらしを食べていた。
めっちゃうまい。
ビビが部屋から出てきた。どこかすっきりした顔だった。そしえロビンの方に歩いていく。
「ごめんなさい。自己中な発言だったわ。これからよろしくね、|ロビンさん(・・・・・)」
「ええ、よろしく」
双方軽く微笑む。
とりあえず和解したようだ。ビビの方もコードネームで呼ばなかったという事は一から付き合おうということらしい。
「とりあえず和解したとこでお前らもみたらし食うか?今なら特別にそれぞれ二本ずつやるぞ」
おむおむ団子を食べながら言う。
「頂こうかしら」
ロビンがこっちにこようとする。
コツン
「雨か?」
「雨だったら音なんてしねーよ」
「だよなあ」
「あられか?」
「いや、違う。木だ」
「………え?」
見上げると
空から
船が降ってきたのだ。
これが次の冒険の序章だった。
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にじファンからの転載です。