No.476014

白き面の恋姫無双 第壱刀

アザトクさん

これは決して後世にまで語り継がれるような英雄の話ではない――――――ただ一人の、世界に翻弄され続けた悲しい男の物語である。

2012-08-27 01:12:31 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2751   閲覧ユーザー数:2553

どうも初めましての方もお久しぶりの方もこんにちわ

 

 

この作品は主人公がオリ主、強いて言えば BLAZ BLUE (ブレイブルー)という作品のキャラクターであるハクメンです。

 

 

この作品は『ある意味』でオリ主化しております

 

 

また、原作のキャラとは違ったキャラになる可能性のキャラもおりますので

 

 

そういうのが苦手な方は戻られるのをオススメいたします。

 

 

では、でそれでも構わない方はどうぞ本編へお進みください。

 

 

 

城の中では大勢の人たちが駆けまわっていた。

 

「…………」

 

そんな光景を城壁の上から見る人影が一人。

全身を真っ白な鎧で覆っている人物だった。

 

「おお、白面。どうしたのだ、そんなところで?」

「……夏候惇か。いや、なに……少々、物思いにふけっていただけだ」

「ほぅ、貴様にもそのようなことがあるのだな」

 

珍しいものを見たような表情で見る夏候惇

心外だと内心で思いつつ白面は続ける。

 

「あぁ、自分自信でも懐かしく感じている。このような感覚はな。ところで夏候惇」

「なんだ?」

「貴様はどうしてここにやってきた?」

「それはお前に華琳さまからの伝言を預かって来たからだ」

「なに?」

「なんでも兵站の帳簿を取りに行ってほしいらしいぞ」

 

一瞬、なにか重要なことかと思って身構えたが至って普通の命令で肩の力が抜けた。

 

「了解した、夏候惇も自分の仕事に戻れ」

「ふん、言われんでも分かってるさ」

 

 

 

 

上から見ても凄かったが、実際に降りてみるともっと凄かった。

流れる川の如く、白面のことを避けて走っている。

それを気にせず、白面は足を進める。

目的の場所に着くと白面は辺りを見回す。

その一角に猫耳のフードをした一人の女性を見つけた。

白面は夏候淵の話ていた人物と一致するのを確認して、話しかける。

 

「おい、そこの猫耳軍師」

「………………」

「聞こえているのだろう化け猫、こちらを向け」

「………………」

「仕方あるまい」

「きゃあっ!?」

 

いくら呼んでも反応が無いので、猫のように首をつかんで持ち上げる。

 

「なにするのよ!?」

「貴様が、無視するからだ」

「なんで私が男なんかに反応しな……きゃ……」

 

捕まれつつ、こちらを睨んできた少女。

しかし同時に顔が青くなっていく。

 

「我が主、曹孟徳からの命だ。兵站の帳簿を取りに来た」

「こ、これは白面様、失礼いたしました!!」

 

白面から解放されると即座に少女は頭を下げて謝罪をする。

 

「構わん、それよりも帳簿はどこだ?」

「はっ! こちらに!!」

 

少女が差し出してきた帳簿を確認する白面。

それを見ながら少女は焦っていた。

 

「(まさかこんなところにこの男が来るなんて……予想は出来ていたけども、なんたる失態かしら)」

「化け猫」

「…………あ、は、はい!」

 

一瞬、誰のことを言っているのか分からなかったが、少女は返事をする。

 

「問おう、貴様の名は?」

「はっ! 荀彧と申します!」

「そうか―――――――――――」

 

気が付いた時には首筋に剣を当てられていた。

 

「――――荀彧よ、貴様……我が主を試しているな?」

「はい」

 

即答する、荀彧。

 

「我が主は他人から試されることを快く思われない性格、それを知っての上でか?」

「当然です」

 

これにも即答。

じっと二人が沈黙し、約数秒。

白面は武器を引いて、背負っている鞘へと刀をしまう。

 

「ならば問題なし、武運を祈っておこう」

 

それだけ言って、白面は去って行った。

 

 

 

白面が居なくなって、荀彧は大きく息を吐いた。

 

「もう、何なのよ一体!!」

 

なによあれ、怖すぎるわ。

噂には聞いていたけども、実際に合ってみると迫力があった。

武を嗜んでいない私でもわかる、あれは相当な実力者だ。

しかも帳簿を見て、私が曹操様を試すとまで当てた。

どうやら知の方もそれなりにあるらしい。

 

「くっ、男のくせに……」

 

強がってみるが、あれは正直言って敵に回したくはないわね。

でも今回の件で、心象はあまりよくないだろうし――――――

若干、将来が不安になってきた荀彧であった。

 

 

 


 

 
 
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