「作戦終了・・と言いたいが、お前達の無断出撃等については学園に帰ったら、学園の特別メニューと反省文を提出してもらう。」
戦士達の帰還は冷たかった。
すると、真耶は励ますように言った。
「で、でも今回の作戦が完了した事から特別に明日は海での自由時間がありますよ。」
真耶がそう言うと、千冬は言った。
「山田くん、何故BSAAに連絡した?今回の件、委員会は極秘でやれと命じた筈だ。」
真耶がそれに答えようとすると、外から誰かが答えた。
「いや、あれは山田女史の英断だ。」
「連絡を受け、俺たちよりも素早く動け、ISが使えるマドカを先行させて正解だったな。しかもいい動きをしていた。」
「クリスさん!それにジルさん、レオンさんも!」
「先輩!ありがとうございます!」
中に入ってきたのはクリスとジル、レオンだった。
マドカはレオンの誉め言葉に嬉しそうな表情を浮かべる。
「織斑千冬。あなたは今回の作戦、何の疑問もなかったのかしら?」
「・・ジル・バレンタイン、何が言いたい?」
千冬はジルたちに言うがレオンがそれに答えた。
「なぜ子供たちだけで危険で責任重要なこの作戦をやらせた?」
「レオン・S・ケネディ・・専用機持ちだけで事足りるからという委員会の判断に乗っ取っただけだ・・。」
千冬は三人の威圧感に圧倒されながらも答える。
この場にいるのはかつてのラクーンシティの生存者。
しかもクリスとジルはBSAAオリジナルイレブン、レオンは福音をイスラエルと共同開発したアメリカ・・それも大統領直属のエージェントであり、マドカもレオンの部下として同等の権利を所持している。
「ほう、子供たちの命よりも委員会の命令とメンツを最優先したのか。」
「それともうひとつ。なぜガンダム持ちを制限してまで篠ノ乃箒を参加させたのかしら?」
「・・どういう意味ですか。」
箒はジルを睨む。
「・・あなた、自分が浮かれていたことをわかってなかったようね。それにこの場にいるガンダム持ちを除いた娘たちの方が専用機持ちとしての心構え、責任感はあるはず。」
「なのに織斑千冬は命令に従うままガンダム持ちの出撃制限、精神的に未熟であり専用機を手にして浮かれ、数十分しか動かしていない篠ノ乃を出撃させた。」
「委員会の指示を無視して俺たちに連絡、連絡ができなくとも篠ノ乃を除く専用機持ちたちを全員出撃させればもっと早く事が終わっていたはず。明らかにお前のミスだ。」
「ぐ・・。」
ジルとクリスの正論に千冬は何も言い返せず、箒は三人に対して憎悪を燃やしていた。
「織斑千冬と篠ノ乃箒を除いて解散、ゆっくり休め。」
「それとナターシャ・ファイルスの救助、感謝する。」
「いえ、こちらもレオンさん経由でマドカから情報を貰わなければ助ける事はできなかったと思います。」
「あと、全員よく生きて帰ってきてくれたわ。」
芽衣は委員会の福音は無人機だと言ってきた事を疑問に思い、千冬の目を盗んでレオンに連絡していた。
レオンはハニガンにその事を伝えて情報を洗い出してもらい、その情報をマドカが持ち合流、福音は無人機ではないことに気付いたのだ。
部屋には箒、千冬、クリスたちが残った。
「あなたは何をしたかわかってる?」
「な、何の事ですか?」
箒は額に汗を流しながらジルを見るがジルは箒に平手打ちを食らわせる。
「何をするんですか!?」
「エピオンとウイングゼロの記録した映像を見たわ。・・あなた、二度も芽衣を殺そうとしたわね?」
「・・それが何ですか。」
若干開き直りを見せ、自分は悪くないという態度を取る箒にジルはハンドガンを手に取り箒の頭に突き付ける。
「ヒッ・・!」
「・・あなた、犯罪者の見殺しや芽衣を殺す事ができるのにそれが自分になると怯えるなんて最低ね。」
ジルはハンドガンを納め、箒を見る。
「力を持つものにはそれ相応の責任や覚悟を持たなければいけない。・・それに力に溺れる物はいずれ自分に帰ってくる。覚えておけ。」
「だったらあなたたちはどうなんですか!?あなたたちもBOWやテロリストを殺しているくせに!私のやった事は変わらないでしょう!?」
今度はレオンが箒に平手打ちを食らわせる。
「確かに俺たちはBOWやテロリストたちを殺してきた・・!だが人が人を殺すことを正当化してはいけない・・!お前は感情のままに芽衣を殺す事を正当化しようとした・・!この話は終わりだ、早く部屋に戻れ!」
箒はレオンの殺気に充てられ、急いで部屋を後にする。
「あなた、あの娘が浮かれていたことを知っていたのでしょう?」
「・・・。」
「それにさっきジルが言っていたがあいつは芽衣を殺そうとした。こんなことになるまでお前は何をやっていた?」
「生徒の心のケアも教師の大事な仕事だ。時間がなかったからとか教員免許やカウンセラーの資格がないからできなかったとは言わせないぞ!」
「・・・。」
箒に対してのケアが不十分で今回の事件は起こった。
まあ箒も千冬も自分から言うタイプではない。
千冬には相談に来る生徒すらいない。
「軍隊の指導が学園でも通ずると思ったら大間違いよ!教師は生徒を守るためにあるものでしょう!?あなたは委員会のいうことは従い、BSAAには反抗的な態度を取っている・・!・・まあこの話はここまでにさせてもらうわ。」
「委員会が福音の操者がいないと偽って伝えた事は報告させてもらう。アメリカとイスラエルの沽券に関わるのでな。」
「ま、待て!」
千冬は三人を呼び止めるが既にいなかった。
食事の時間、芽衣に女子たちが寄ってくる。
「ねえ、何があったの?」
「ゴメンね、それは言えないんだ。言ったら君に監視がつくことになるけど・・。」
「う~。」
シャルはそれを苦笑いしながら見ていた。
(芽衣なら口を割ると思ってるのかな?)
翌日
自由時間ということで海で遊ぶ生徒たち。
湊と有希も売り子をしながら浜辺を歩いている。
「アイスクリームちょうだい。」
「はいはい、二百円。」
「コーラください。」
「百円。」
芽衣はパラソルの下で昨日の感覚を思い出していた。
(ある人に聞いた話ではあの感覚はXラウンダー特有の物だって言っていた・・。今までそういう感覚はなかった。考えられるのはやっぱり篠ノ乃さんに殺された事で覚醒に至ったのかな?)
あの感覚を持つものをXラウンダーと呼ばれる。
Xラウンダーとは脳内に点在するX領域にアクセス、予知や他者との交信能力、常人以上の反射神経を発揮する一種の超能力者のことらしい。
芽衣がそんな事を考えていると悲鳴が聞こえてきたので見てみるとコマンダーと白のISが暴れていて白のISからダスタードやクズヤミーが産まれる。
「行こうかな。・・変身!」
芽衣は海面にデッキをかざし、ベルトを具現化したあとにデッキをセット。
龍騎に変身して海面からミラーワールドを経由。
それを見ていた女子がいた。
「天海芽衣が仮面ライダーだったなんてね・・。ちょうどいいかな。誰が最強の剣士かを教えてあげないとね!」
砂浜からサソリ型のサソードゼクターが現れる。
(スタンバイ)
女子はそれを掴みサソードヤイバーにセット。
「・・変身。」
女子の体が重厚な鎧に包まれ、仮面ライダーサソードに変身完了。
「うおらぁ!」
「たあぁ!女子は早く逃げろ!」
浜辺ではカブトとディケイドが女子たちを守りながら迎撃していた。
「雑魚は引っ込め!」
少し離れた場所でもオーズ・タトバコンボがメダジャリバーとメダガブリューの二刀流で迎撃。
それを見ていた千冬は信じられない指示を出す。
「諸君、これより私たちは仮面ライダーを攻撃、捕獲作戦を展開する。」
その言葉に教師達はざわめき、真耶は千冬に言った。
「織斑先生!正気ですか!?まだ逃げ遅れた生徒が多くいるのに!」
「山田くん、これはIS委員会からの最重要命令にして一番に優先すべき事だ。また仮面ライダー捕獲の際には人質等どんな手段を使っても構わないと言われている。」
指令に疑問を持たず、淡々と言う千冬。
そんな千冬の態度と言葉に真耶の何かがキレた。
「もう我慢できません!教師は生徒を守らないといけないのにそれを放棄してまでそんな命令なんて絶対聞きません!」
そう言うと真耶はISを展開してアサルトライフルを乱射。
「山田先生、援護します!」
「ガンダムならあの程度の敵なら迎撃できます!」
一夏と芽衣を除くガンダム持ちが真耶を援護。
「貴様ら・・委員会の命令に背くのか!?」
「現状を見ないでその命令をするあなたの神経が信じられないですよ!」
「そうだ!教師は生徒を守るのが当たり前だろうが!生徒を放ってまで命令を優先するてめぇは教師失格だ!」
千冬は怒りの言葉を発するがドラゴンハング内蔵の火炎放射でダスタードを迎撃している鈴とバスターシールドでクズヤミーを貫くアリスが反論。
「各員散開!山田女史たちと仮面ライダーたちを援護!」
「「「了解!」」」
そこへBSAAが合流、真耶たちの援護と仮面ライダーの援護のチームに別れる。
龍騎とディケイドはコマンダーを相手にしていた。
コマンダーは強化アダプターを使っていて仮面兵士の強さもアップしていた。
「無駄な事を。」
「無駄じゃない!僕らは彼女たちを守る!」
龍騎はコマンダーの放つミサイルを避けながら次々産み出してくる仮面兵士に肉弾戦を挑み、ディケイドはあるカードを取り出してセット。
(ファイナルフォームライド・リュリュリュウキ)
龍騎の両腕にドラグシールド、手にはドラグセイバーが握られ、ディケイドがやって来る。
龍騎はXラウンダーの直感からくる物に冷や汗が流れる。
「(ドクン)ま、まさか・・。」
「・・逝ってこい♪」
「字が違ぁぁう!」
龍騎はディケイドにトンと叩かれると龍騎の叫びと共に契約モンスター・ドラグレッダーを模したリュウキドラグレッダーに変形。
そのプロセスを見た女子たちは哀れみの視線をリュウキドラグレッダーに向ける。
「帰ったらケーキ奢ってもらうからね!」
リュウキドラグレッダーはそういい残して仮面兵士たちを攻撃していく。
ディケイドはカブトと背中合わせに立ち、あるカードをちらつかせる。
「久しぶりに音速の競演と行こうか。」
「ふ、いいだろう。」
カブトはゼクターホーンを起こし、ディケイドはカードをセット。
「キャストオフ!」
(キャストオフ)
(フォームライド・ファイズ・アクセル)
カブトは装甲を飛ばしてライダーフォームに、ディケイドは夢の守人・仮面ライダーファイズの超加速形態・アクセルフォームに変身。
(チェンジビートル)
「二人とも姿が変わった!」
それに驚く女子たち。
「クロックアップ!」
カブトは腰のスイッチ、Dファイズは腕のリストウォッチ型ツールのファイズアクセルのスタートアップスイッチを操作。
(クロックアップ)
(スタートアップ)
「消えた!?」
「なんというスピードだ・・。」
二人は姿を消してクズヤミーやダスタード、白のISを倒していく。
(クロックオーバー)
(タイムアウト)
二人は向かってきた敵を一掃。
Dファイズはディケイドに戻る。
長くなりそうなので分けます。
芽衣はとある人からXラウンダーの話を聞きました。
そして芽衣を狙う仮面ライダーサソード・・。
リュウキドラグレッダーに変形させられる不幸とカブトとファイズアクセルの音速の競演。
果たしてどうなるのか?
感想待ってます!
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十六話・・http://www.tinami.com/view/473894
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