
昔あるところに女の子がおりました。
笑顔が素敵な女の子でした。
夏の晩の事です。
女の子はお母さんとおばあさんに言いました。
「きょうはね、ようちえんで大人になったころの話をしたのよ
わたしね、大人になったらおばあちゃんになりたいの
だっておばあちゃんはおりょうりもおさいほうも、できるんだもの
わたしがおばあちゃんになったら
ママはひいおばあちゃんで、おばあちゃんはもっとひいおばあちゃんでしょう
そのころは、ちょうちょ結びもできるかしら」
その可愛らしい話を聴いた女の子のおばあさんは、女の子をそっと撫でながら言いました。
「貴女がお祖母さんになる頃には、おばあちゃんやママは死んじゃってるのよ」
すると女の子は泣き出してしまいました。
「そんなのやだよ」
お母さんにぎゅうとしがみついて泣いている女の子を見ると、
一部始終を見たお母さんとおばあさんはにっこりと笑いました。
その優しく目を細める様子は、二人とても良く似ておりました。
・・・
「ね、まるで今のあなたみたいでしょう
ずっと昔に、ママも同じ事をお話していたのよ」
「でもママは死なないよね」
それは病室での夜のこと、
ふとした拍子に泣いてしまった男の子と、まだ若いお母さんとのお話でした。
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きっと誰にでも憶えのある、幼いゆえの愛しい願い。少女の願いは大好きな人たちとずっと共に過ごすことでした。