No.473964

真・恋姫†無双 ~死神代行異世界救出編~4

第4話です。

2012-08-22 22:04:57 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:17473   閲覧ユーザー数:16376

桃香「私達に力を貸してください!!」

 

一護「・・・・・・・・は?」

 

一護は頭に?マークを浮かべて間抜けな声をあげた。

とりあえず一通りの話を終えた一護は今度は自分に置かれている状況を整理すべく桃香達に今の世の中の情勢を聞き終わったところだった。

一護の話はとても信じられるような代物ではなくそれこそどこぞのファンタジーのような話だったが、三人は驚きはしたものの一護の話をすんなり受け入れた。まぁ間近であんなものを見せられれば信用せざるを得なかったかもしれないが、

だがそんな三人の驚きとは裏腹に一護自身もまた驚きを隠せないでいた。

三国志の歴史上有名な武将、関羽、劉備、張飛。

この三人が女の子だったのだ。

今まで数々の体験をしてきた一護でも目のまで語る少女達を歴史上の偉人達と認識するのはいささか困難であった。

そんな一護であったがいつまでも現実逃避をしていても始まらないのでしぶしぶながら目の前の現実を受け止め彼女たちの話を聞いていたのである。

話をする前は最初こそ、ただの女の子の目つきをしている三人だったがいざ話を始めるとその目つきは鋭くなった。

一護は話を聞き終えて改めて自分が三国志と言う戦乱の時代にきてそして、彼女たちが本当にあの、関羽、劉備、張飛なのだと認識したのだった。

そして今の会話の冒頭にいたる。

 

桃香「一護さん・・私達に貴方の力を貸してください」

 

一護「・・・・・・・はい?」

 

一護は再度首をかしげた

 

桃香「もう~!だから一護さんの力を貸してほしいんだってば~」

 

一護「いやそれはわかってるって・・・・・俺が言いてぇのはなんで急にそんな話になったかだよ」

 

桃香「一護さん、私は世の中に住んでいる人達が・・皆が笑って暮らせる国にしたいの」

 

そう語りだした瞬間、桃香の目はさっきのような優しい目ではなくまっすぐで鋭い目つきに変わった。

 

一護「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「しかし、先ほど申した通り我々三人だけではもう力不足なのです」

 

鈴々「鈴々達がどんなに頑張っても違う所で賊がいっぱいでてくるのだ」

 

桃香「私達の力じゃどんなに頑張ったって限界があるの・・・だから一護さんの力を借りたいの。私達はこれからも旅を続けてく・・・そして仲間を増やしていく・・私達の理想を叶えるために」

 

一護「その第一歩として俺を仲間に加えたい・・そういうことか?」

 

桃香「・・はい」

 

桃香の話を聞き、一護は眉を潜めながら桃香につぶやいた

 

一護「・・・一つ聞いてもいいか?」

 

桃香「え?」

 

一護「お前はさっき皆が笑って暮らせる国にしたいって言ったよな・・・その中には今までお前等が殺してきた賊は入ってるのか?」

 

桃香「そ・・それは・・・」

 

一護の質問に対し、言葉を詰まらせる桃香。

今の桃香の話掲げる思いはそれは確かに立派なものではある。しかしそれは同時に間違いもはらんでいる。桃香は言った皆をと・・・・・ならばその中には桃香達が今まで殺めてきた賊も入っていなければならない。

賊の中にだって仕方なく賊をしなければならない者や、その国の治安が悪すぎて賊になるしかなかった者達も少なからずはいるはずなのだから・・・・。

 

愛紗「何を言っているのです黒崎殿!民を襲い奪い殺す奴等など人ではない!ただの獣です」

 

鈴々「そうなのだ!鈴々達はそんな悪い奴等からいろんな人達を護ってきたのだ」

 

一護「じゃあお前ら二人はそんなことをしてきた奴等だから殺されるのは当たり前ってそう言いてぇのか」

 

愛紗「当然です!人の心を持たない賊など・・・」

 

愛紗がここまで賊にこだわる理由、それは幼いころ肉親を賊によって殺されているからなのである。だから愛紗は人一倍賊が憎くそして誰よりも賊から民を護りたいという意識が強いのである。

 

一護「じゃあお前等が言ってる皆ってのは誰なんだよ」

 

桃・愛・鈴「・・!!」

 

一護の一言に対して三人は黙ってしまった。

 

一護「お前等はさっき圧政のせいで苦しむ民がいるって言ったよな・・その圧政のせいで賊になっちまった奴や生きる為に賊になった奴は?それこそ家族を守るために養うためにしかたなく盗みをしてる奴はお前等の“皆”の中に入ってねぇのかよ」

 

愛紗「う・・ッ!・・・それは・・・」

 

愛紗はここではい、そうです。と肯定はしなかった、いやできなかった。

なぜなら愛紗はこの時気づいてしまったから、自分達の矛盾に。

 

愛紗は更に顔を曇らせる見れば愛紗だけでなく桃香や鈴々も皆同じ表情をしている。おそらく桃香達も気づいたのだろう。

 

一護「俺が言いたかったのはそういうことだ」

 

桃香「・・一護さん・・」

 

一護「劉備お前に今必要なのは力や人じゃあねぇ・・“覚悟”だ」

 

桃香「・・覚悟・・?」

 

一護「お前もさっきの話で気づいただろ、お前の救いたい奴の中にはお前が今まで倒してきた賊も入ってるんだよいや入ってなきゃいけねぇんだ」

 

桃香「・・・・・」

 

桃香は黙って一護の話を聞いていた。桃香だけではなく愛紗と鈴々も同じように一護の話を聞いていた。

 

一護「でも苦しめられてる人達を救うには賊を倒すしかねぇ・・・だったらそいつ等を犠牲にしてでも自分の理想を必ず叶えてみせるっていう覚悟を決めろ」

 

桃香「私の・・・覚悟・・・・」

 

一護の声には力がこもっていた。

いやもしかしたら一護は昔の自分と桃香の姿を重ねているのかもしれない。

 

一護「世の中そう簡単になるもんじゃねぇお前の夢は確かにすごい。だが夢と現実は違う・・お前が救いたくたって救えない人達だってたくさんいる・・・そんな人達の前でただ救えなかったことを嘆くだけじゃダメなんだ・・前を向いて進んでいかなきゃならねぇ」

 

愛紗「一護殿・・」

 

一護「だから劉備覚悟を決めろ」

 

一護は自分の思いを込めて桃香に言い放った。

 

桃香「・・・そうだね・・・」

 

愛紗「桃香様」

 

桃香「愛紗ちゃん、私ねいまさらになって気づいたよ・・私の理想は甘い考えだったんだって・・・・人を救うって事はこんなにも大変な事なんだって・・一護さんに言われた通り私に必要なのは覚悟だったんだね」

 

鈴々「お姉ちゃん」

 

桃香「でも私はこの理想をあきらめない・・・だから私は覚悟を決めるよ・・・どんなになっても私はこの理想を夢を叶えてみせる・・・だから愛紗ちゃん、鈴々ちゃんこんな私だけどまた着いてきてくれる?」

 

桃香は二人を見た。

先ほどとは違い二人の目には輝きがあった。どうやら答えはもう出ているようだ。

 

愛紗「我が身は貴方様と共に、どこまでもお供いたします桃香様!」

 

鈴々「鈴々一生ついていくのだ!」

 

二人は桃香に返事を返した。三人の絆はよりいっそう深まったのであった。

 

桃香「一護さんありがとうございました」

 

一護「別に俺は何もしてねぇよ・・決めたのはおまえ自身だろ」

 

桃香「はい!私は絶対にこの夢を叶えて見せます!!」

 

一護「あぁ」

 

一護小さくうなずき笑みをこぼした。

 

その目には今までの桃香の姿は無い。あるのは自分の覚悟を持ちそしてそれでいてなお自分の理想を追い求める一人の『王』の姿だった。

 

その場はまるで今までのどんよりした空気が嘘のように晴れ晴れとした空気が漂っていた。

 

劉備は成長する事が出来た。これは最初の一歩に過ぎないかもしれない。だがこの一歩を忘れない限り彼女は立ち止まる事は無いだろう。

 

 

桃香「それで一護さん・・あの・・「うし、じゃあこれからどうすんだ?」え?」

 

咄嗟に一護は立ち上がり桃香に尋ねてきた

 

一護「え?じゃねぇよ、これからどうすんだ?」

 

愛紗「一護殿私達に力を貸して下さるのですか」

 

一護「さっきはあぁ言ったけどお前等から人を救いたいって気持ちはすげぇ伝わった・・・俺だってお前等と一緒さ目の前で困ってる奴見過ごすほど出来た人間じゃねぇ・・」

 

桃香「~~!一護さん!!」

 

ガバ!!

 

そこまでだった。

一護がそこまで言った瞬間桃香は我慢できなくなったのか一護に飛びつき一護に抱きついたのだった。

 

一護「うおいッ!!」

 

よほどうれしかったのだろう桃香は一護を強く抱きしめた。

 

一護「ば、馬鹿いきなり抱きつく奴があるかよ」

 

桃香「だってうれしいんだもん」

 

ムギュ~!!

 

桃香はそういいつつもわざとやっているのかその豊満な胸を一護に押し付けた。

 

一護「(だぁ~胸があたってんだよ///ちくしょうこんな誘惑には屈しねぇ!断じて屈しねぇ男だぜ俺は!!)」

 

なんだか前にもこんな感じのこと無かったか?と思いしつつも必死に誘惑と戦い続ける一護

 

一護「ってお前等見てねぇで何とかしろよ」

 

鈴々「お姉ちゃんばっかりずるいのだ!鈴々もするのだ~」

 

ムギュ~!!

 

一護「ちょッ!!待てって・・うぉお」

 

助けを求めた筈なのに状況は更に悪化した。

 

愛紗「こら鈴々!桃香様もよしてください」

 

二人を止めようとしていた愛紗だったが、その姿には微笑が浮かべられていた。

あってわずか数刻、自分達の事を少し話しただけなのに目の前の男は桃香を変えた。いや桃香だけではない彼は自分達も変えてくれたのだ。

 

この時、愛紗は不思議な感覚に見舞われていた。

長年連れ添った自分が桃香を成長させたのではなく、目の前の男が桃香を成長させた事に嫉妬心を抱いていなかった自分に。

愛紗は思ったもしかするとこれは運命だったのではないかと、そう今この瞬間この男にあったのは偶然ではない決められ定められていた必然でそしてこの男が桃香を変えるのもまた必然だったのではないかと・・・

 

愛紗「(天の御遣い・・・)」

 

自分では到底適わないくらいの武を持ち力を持ち、そしてその目には揺ぎ無い魂が宿っている。人を助けることを生きがいにしているこの青年は助けるだけではなくその人さえも変えてしまう。

愛紗は彼が・・黒崎一護が本物の天の御遣いなのだ改めて確信したのだった。

一護「ぜぇ・・ぜぇ・・あぁ~」

 

桃香「一護さん・・だ、大丈夫?」

 

鈴々「本当お兄ちゃんあんなに強かったのに今はものすんごいへたれてるのだ」

 

一護「(誰のせいだと思ってんだよ!!)」

 

一護は汗だくになっていた。

あれから桃香達はなかなか離してくれず、力ずくで離そうとしたものの女の子独特の香りと桃香の豊満な胸の柔らかさに力を込めるより誘惑、煩悩と戦う事に。

そして後ろでは鈴々が一護の背中に抱きついて首に手をまわしており、

これもいったいその体のどこにこんな力があるのかと言わんばかりの怪力で抱きつかれ離す前に昇天しそうになっていたのだ。

 

愛紗「大丈夫ですか?一護殿・?」

 

一護「そう思うんだったら止めてくれよ・・」

 

愛紗「うぅ・・・・申し訳ありません・・」

 

愛紗はバツの悪そうな顔をした。

 

一護「で、これからどうすんだ?俺はまだこの世界に来たばっかりだからいく宛どころか方角もわかんねぇし、お前等について行くしかねぇんだが」

 

桃香「あぁそうだね、それじゃあ」

 

桃香の目つきは先ほどの鋭い目つきに変わったその瞬間周りの空気がしびれた気がした。

ここからだ、ここから一護の壮絶な旅の第一歩が。

 

桃香「・・・これからどうしよう?」

 

バタン!!

 

途端に一護は大きく転げ落ちた。

ギャグでは毎度使われている芸の如くそのこけ方はとても綺麗に音を立てていて一種の芸術のようだった。

 

一護「って何も決めてねぇのかよ!」

 

桃香「あぁーん、ごめんなさい~・・#」

 

こんなんで大丈夫かと一護はため息を小さく吐いた。

 

愛紗「桃香様、この近くには公孫賛と言う者が義勇兵を募っていたと聞いています。まずは義勇兵に参加しそこから功績をつみ人材を増やしていくのがよろしいかと」

 

桃香「あぁ~この近くって白蓮ちゃんが治めてるんだっけ?愛紗ちゃんよくしってるねぇ♪」

 

愛紗「いや桃香様が仰られていたのですよ「白蓮ちゃんすごいねぇ!!私達も負けないように頑張るぞー」と・・」

 

桃香「あれ、そうだっけ?」

 

愛紗「・・・・・・・(苦笑)」

 

一護「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

鈴々「はにゃあ?」

 

一護「(不安しかねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)」

 

一護の心の叫びがこだまする。

一通り叫び終えた後一護はまた今度は大きなため息を吐くのだった。

 

一護「それじゃその・・こう・・公そ・・「公孫賛です」・公孫賛のところで決まりだな」

 

桃香「うん!!」

 

愛紗「わかりました」

 

鈴々「ガッテンなのだぁ~」

 

次の行く所が決まり一護と三人は気合が入った。

黒き天の御遣いを仲間に加えた劉備たち。次なる目的地は義勇兵を募っている公孫賛。

 

一護「うし、じゃあ行く「待って一護さん!」・・どうした?」

 

桃香「私達の真名を預けたいの」

 

一護「・・・いいのか?真名ってのは大事なもんなんだろ?」

 

一護は劉備に念押しした。

関羽と張飛の真名を間違えて呼んでしまった一護はその時真名の重さを十分に心得ていたからだ。

 

桃香「うん!私達の仲間になってくれるわけだし、それに・・・愛紗ちゃんと鈴々ちゃんの命を救ってくれたから」

 

一護はやれやれ降参だと言わんばかりに手を振った。

 

一護「・・わかったよ。ありがたく預かるぜ」

 

桃香「じゃあ改めて・・性は劉、名は備、字は元徳、真名は桃香これからよろしくねご主人様♪」

 

一護「おう、桃香・・・・・てご主人様ぁ?」

 

一護はまさかのご主人様呼ばわりにたじろいだ。

 

一護「何だよご主人様って!!」

 

桃香「ふぇ、だって一護さんは私達の事実上主になるわけだし」

 

一護「はぁ~?ちょっと待てよ主になるなんて「じゃあ愛紗ちゃん次お願い」・・・聞けよ!!」

 

愛紗「はい桃香様、性は関、名は羽、字は雲長、真名は愛紗、桃香様の一家臣よろしくお願いいたしますご主人様!!」

 

一護「・・・・」

 

鈴々「次は鈴々なのだ!!鈴々の真名は鈴々だから鈴々って呼ぶのだ!!お兄ちゃんはお兄ちゃんだからお兄ちゃんって呼ぶのだ!!」

 

一護「・・・・・もうなんでもいいよ」

 

全く話を聞いてもらえなかった一護。

恋姫プレイの方は当たり前、蜀ルートで名前は厳禁!ご主人様ルートは確定なのだ。

 

一護「さっきも言ったが名前は黒崎一護、死神代行だ。これからよろしく頼むぜ桃香、愛紗、鈴々。」

 

桃、愛、鈴「「「うん(はい)ご主人様!!(お兄ちゃん)」」」

 

一護「・・・・・・・・・」

 

この時一護の恥ずかしい値はマックスに上っていた。

予断だがこの後一護は恥ずかしさのあまりご主人様をどうにか変えてもらおうと力説をしたのだが、「コイツ何言ってんの?」という風に首を傾げられ失敗した。

最後の最後でもう無理と一護の方が断念してしまったのは言うまでも無い。

 

 

一護「そういやぁ桃香はその公孫賛と知り合いなんだよな」

 

桃香「うん♪白蓮ちゃんは小さいころからの友達で私塾も一緒だったんだよ!」

 

一護「ふ~んそうか(真名の呼び方からして公孫賛も女なのか?まさか将全員が女なんじゃ・・・いや考えすぎか)」

 

一護「どんな奴なんだ?」

 

桃香「う~ん一言で言うなら“普通”かな?」

 

一護「はぁ?なんだそりゃ」

 

桃香「とにかく会えばわかるよ」

 

一護「(普通ねぇ・・・)」

 

 

 

 

???「ッ・・へっくし!!」

 

兵士A「どうなされました?公孫賛様?」

 

白蓮「いやぁなんだか誰かが私の噂をしてるような気がしてな・・・なんか“普通”って言われたような・・」

 

兵士A「はぁ」

 

ここは桃香達がいた町から数里離れた城内。

そこで赤髪の女性がくしゃみをしていた。この女性兵士から敬語を使われているから察するにこの城の主なのだろうが如何せん何かこう表しにくいものがある。

城の主ゆえにそれ程の者なのかと言われれば確かに統率力はあるのだろうがしかし、劉備、孫策、曹操といった者達のようなカリスマ性というべきか、そういう物があまり見えない。

そう例えるならゲームやラノベ漫画などに出てくるヒロインの大親友、の隣にいる友達だ。

いいアドバイス、セリフを言うかと思えばそこまで多く出番が無い。画面上には映っているが話を降るコマンド要員に入っていない。かといって出番が全く無い訳ではない。忘れられた頃に登場し「あぁそういやぁいたな」と思われるタイプ。

要するに普通だ。影が薄いともいえる。

 

白蓮「ぶぇッくッし!!」

 

兵士A「だ、大丈夫ですか?公孫賛様」

 

白蓮「あ~・・・ジュル・・今度はなんか的確に私の事を説明されたような・・・・・へッくし!!」

 

兵士A「(大方また誰かがこの方の影の薄さをぼやいているのだろう・・それにしても本当運の悪いと言うか損なお方だなぁ)」

 

言葉には出していないが兵士にすら思われる始末。

しかしこんな事を思いながらもここの兵士達は白蓮の事を信頼している。

普通で影こそ薄いかもしれないがそれでも公孫賛が歴史上の偉大な人物には変わりないのである。

 

白蓮「へッくッし!!」

 

しかし何というかやはり残念な将である。

 

兵士B「報告します!」

 

とそんな時一人の将兵が血相を変えて入ってきた。

 

白蓮「何事だ」

 

兵士B「それが・・・・・」

 

将兵は息を整えてから白蓮に賊討伐の報告をした。ここ最近では賊が増加し白蓮の部隊では少々きつくなってきていた。今回も近くに確認された小規模ぼ賊を討伐しに言ったのだが・・・・状況からはあまりいい報告をいする雰囲気ではない。

 

白蓮「・・・・・・またか・・」

 

兵士B「はい・・また切り裂かれた賊の死体が見つかったそうです・・・討伐に向かった我が群の部隊も同じ傷口だと思われる死体が確認されました」

 

白蓮「生き残りは?」

 

兵士B「数名です。今は意識が戻ってないので療養中です。運び出す途中兵士に何があったのか尋ねたのですが・・・」

 

白蓮「・・・白い仮面の化け物か・・」

 

兵士B「はい・・どの兵士も白い仮面の化け物に襲われたと・・」

 

白蓮「全くどうなってるんだ」

 

白連は小さく頭を抱えていた。

ここ最近妙な事件が多発している。賊が何者かに殺されていると言う事件だった。

事件の発端は討伐隊が到着した頃にすでに賊が死んでいたというものから始まった。当初は賊狩か何かに打たれたのかと考えられていたが、賊の死体の傷がいささか奇妙だった。

刀傷のような切り口ではなくまるで何か動物の爪のような物で切り裂かれた死体や何かに食いちぎられたような歯型のついた死体が散乱していたのだ。

獣というせんもあったが獣なら単体なら賊全てを殺す事は流石に出来ない。群れで行動しているにしろそれなら自分達の餌のだけですむので皆殺しにする必要が無い。まぁ中にはそんなものもいるかもしれないが、そもそもそんな獣がいるという報告は受けてはいない。

 

白蓮達はこの事件を調査しようとしたが情報が限りなく少なくまたこの奇妙な事件もこの時はまだ多発してるわけではなかったので調査は困難を強いられていた。

しかしこの事件がまたもや勃発。しかも今度は賊の生き残りがいたのだ。そしてその生き残りが語ったのが“白い仮面の化け物”であった。

その化け物は人間を遥かに超える巨体を持っており白い仮面で顔を覆っており突然音もなく現れそして消えたという。

白蓮達も最初は信じられなかったが事件での生き残りが出るたび全員が同じ事を言っていたのだ。

そして今回も続く事件と全く同じ状況なのである。

 

白蓮「突然現れて音も無く消える・・しかも痕跡を残して折らず居場所も特定不可能・・・」

 

兵士A「やはり妖の類なのでしょうか?」

 

白蓮「もしそうならお手上げだぞ・・」

 

まったくとため息を吐き白蓮はまた頭を抱えた。

 

白蓮「この事を遠出している星にも伝令で伝えておいてくれ」

 

兵士B「はッ!」

 

白連は兵士を下がらせると一息つき、日が落ちかけている夜空を眺めた。

 

白蓮「(嫌な雲行きだな・・・・)」

 

 

 

夕日の光をかき消すように空は曇り雲によってゆっくりと闇に染められていくのだった。

 

 

 

                             To be continued

 

どうも皆様長らくお待たせしてしまってすみません。

え?待ってないって・・・はっはっはわかってますよそんなことは(涙)

えぇ~実はこのたび風邪をこじらせて、書く事が困難になってしまい今も熱ある頭で考えつきやり遂げたしだいですます。

はっきり言って今回も駄文ですが温かい目でみていただけたら幸いです。

なお元気になりましたらイラストもかければ公開していこうかなと思っておりますのでなにとぞよろしくお願いします。

感想、意見どんどんお待ちしております。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
6
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択