絡まる無数の糸　僕は捕らわれている

出口がない部屋　僕は逃げないんだよ

輝きを失ったダイヤは過去の産物（もの）

もはやタダの石ころでしかないんだから

誰に汚された　誰に砕かれた

価値を失った宝石に名誉を取り戻す術などない

ホラご覧よ哀れなキジが殺された

啼いた啼いたか細い声で

自分の容姿を自慢したいが為に

世界に黒い槍が豪雨の如く降り注ぐ

夢を紡いだ愚かなキジは

冷たい槍に貫かれたのさ

たったそれだけのことなんだ

ホラご覧よ次から次へと不幸が襲う

泣いた泣いた涙が溢れる

刺され腫れあがった顔は別人のもの

世界に黒い槍が豪雨の如く降り注ぐ

この身を守ろうと足掻いた結果

血もない槍に止めを刺された

たったそれだけのことなんだ

羽ばたくことすら理解しなかった禽が

羽を毟られ禽でいる必要がなくなった

空を飛べないなら地を這いずり回れ　

永遠の眠りに胸焦がせ

薔薇（そうび）が誘う甘い夢に

溺れてしまえ

絡まる無数の紅　僕は捕らわれている

出口がない殻　僕は逃げられない

輝きを失ったダイヤは過去の産物（もの）

もはやタダの石ころでしかないんだから

浅はかな汚物　掘り起こすだけ無駄

夢を失った宝石に愛を取り戻す術などない

磨り硝子を統べる紅牡丹

隔たりの其の向うを追求（お）う毎に

切っ先の其の向うを乞う毎に

永遠の眠りに胸焦がせ

薔薇（そうび）が誘う甘い夢に

溺れてしまえ