少し前、銀の福音が見えて攻撃を仕掛ける四人。

一夏はマシンキャノンで牽制、芽衣は福音の隙を見つけてヒートロッドを振るい、鈴はファティングサイトで情報を読み取る。

 

(鳳に遅れを取るものか!この赤椿はガンダムに匹敵する性能を持った最新鋭機!これで一夏に認めてもらうんだ!)

 

箒も負けじと福音に攻撃を仕掛ける。

芽衣はビームソードを展開すると、福音に切り掛かった。

 

「ハァ!」

「ラ・・!」

 

甲高いマシンボイスが響くと、福音は後ろに引いて回避するがこれは芽衣の目論見通りだった。

 

「ゼロが君の行動を全て教えてくれる・・!」

 

そこに箒が追撃に入った。

 

「甘いぞ!ハァッ!」

 

箒が刀剣の形をした赤椿の主力武器、雨月と空裂の二刀流で福音に斬撃をくらわせた。

 

「これは・・!?」

 

するとゼロシステムが芽衣に未来を見せた。

そこで皆に通信を入れる。

 

「皆、船が入り込んだ!攻撃は一時中止!僕と鈴は護衛に回るから残りは福音に弾幕を張って!」

「天海!?」

 

芽衣の指示に箒は驚く。

 

「任務変更了解・・!船を安全領域に逃がすために弾幕を張る!」

「了解!」

 

芽衣と鈴は船の元に向かい、一夏は両手に持ったツインバスターライフルとマシンキャノンで弾幕を張った。

 

「天海!どういうつもりだ!?犯罪者などを庇うなんて!そんな奴等など・・!」

 

箒は芽衣に文句を言う。

ついに芽衣はキレた。

 

「君は何様のつもり!?専用機を持ったら神様気取り!?人の命を自由にできる権利なんかあるわけない!」

「!?」

 

更に鈴も箒に言った。

 

「アンタ、前に芽衣に言われた事や自分が他の人の命を犠牲にしそうになった事を忘れたの!?」

「・・まれ!」

 

芽衣、鈴の正論に箒は顔を下に向けながら憎悪を燃やす。

 

「犯罪者でも善人も命は一つしかないのよ!そんな簡単な事も分からないなんて・・アンタには専用機を持つ資格は無いわ!」

鈴の言葉に箒の憎悪が爆発した。

 

「黙れぇ!一夏を寝取った泥棒猫がぁ!」

 

すると赤椿があるシステムを起動、空裂で鈴に斬りかかる。

 

「そんな・・!絶対防御を越えるなんて・・!」

 

するとシェンロンの絶対防御を越えて鈴の腕にキズが入った。

 

「ふ、ふふ。見える・・!鳳の動き、天海の動きが全て見える・・!これが赤椿のワンオフか・・!」

「クソ!まさかゼロシステムが積まれていたか!?こいつを作った企業は独自の理論でゼロシステムにたどり着いたのか!?」

「しかも全武装リミッター解除の初期型・・一夏、密漁船と鈴を連れて離脱!・・危ない!」

 

箒が鈴を突き刺そうとするが芽衣が鈴を突き飛ばし、空裂が右肩を貫く。

 

「貴様等が・・一夏を・・一夏を!」

「赤のISに協力し、残りのISを殲滅。」

「早く!エピオンでも箒と福音を食い止められる時間は限られているから!・・くぅ!」

 

芽衣は右肩の激痛に耐えながら箒と福音の攻撃を捌く。

 

「・・すまない!少しの間任せたぞ、相棒!」

 

一夏は鈴を背負って密漁船を引き連れて離脱。

そこへビームが襲いかかる。

 

「・・・!?」

「あれは・・。」

 

ビルゴ二体が現れ、芽衣にビームキャノンで攻撃。

 

「フハハ!死ねぇ!一夏の隣に相応しいのはこの私だ!」

「う・・あ・・。」

 

箒はそれを好機と捉え、雨月で芽衣の胸を貫く。

ISが解除され、力なく落下していく芽衣。

 

「ふん、犯罪者などを庇うからこんな・・!?」

 

箒はゼロシステムの未来を見てこのまま落下するものだと思っていた。

そこへ乱入者が現れる。

 

「ふぅ、間に合った。」

「ったく、貸し一つだからな。」

 

芽衣を拾ったのはマシントルネイダーに乗ったDアギト。

 

「力の意味を履き違え、憎悪に飲み込まれ仲間を襲い、犯罪者の命を見捨てようとしたお前にお仕置きだ。」

「何を!今の私を倒せると思っているのか!?仮面ライダー!」

「止めてやるさ、通りすがりの仮面ライダーがな!」

 

箒の斬撃を避け、福音の弾幕、ビルゴのビームキャノンを芽衣を抱えつつアクロバティックに避ける。

 

「どうした、ガンダムに匹敵する力を持ったISのはずだろ?」

「バカな、なぜ当たらない!システムの予測は完璧なはず!」

「未来は決まっていない!人は未来を変えることさえできるのさ!・・さて、おとなしくしてもらおうか!」

 

オーズは左腕のタジャスピナーのレバーを引き、連続でスキャン。

 

(ギン!・ギン!・ギン!・ギン!・ギン!・ギン!・ギガスキャン!)

 

タジャスピナーにエネルギーが溜まり、ビルゴが直線に並び、その先には箒がいる。

 

「いい位置だ・・!・・セイヤァー!」

 

セルメダル七枚のギガスキャン技・セルバニッシュを放ち、ビルゴはプラネイトディフェンサーを展開するが軽々と破ってビルゴを破壊、箒も空裂の斬撃波を振るうが簡単に打ち消され、それが当たる。

 

「バカな・・!ガンダムに匹敵する力を手に入れたこの私が・・!?」

 

ビルゴ二体に当たったのとプラネイトディフェンサーで威力が落ちたため箒のISが解除して気絶、福音はその場を後にする。

少しして一夏が戻ってきた。

 

「お前ら・・。すまない。」

「気にしないでくれ。こいつのISと襲撃タイミングがあまりにも重なりすぎてて胡散臭く感じていたから。」

「急いで芽衣を治療してやれ。あとお前も休んでおけよ。」

 

Dアギトから芽衣を受けとり一夏は海に落ちた箒も回収して飛び去り、Dアギトたちも宿舎へと戻る。

一夏は宿舎に戻り福音と戦闘を行い、作戦失敗を伝えた。

報告を終えた所で芽衣が寝込んでいる部屋へと向かう。

襖を開けるとシャルが芽衣の手を握っていた。

 

「芽衣・・。」

「シャル・・すまない。俺が箒を見なかったから・・。」

「・・ううん、一夏は悪くないよ。・・僕もああなるのかな・・?」

「シャル・・?」

 

シャルは魘されている箒を見ながらサンドロックにゼロシステムのコピーを搭載した事を話した。

自分も箒みたいに見境がなくなり、味方を攻撃するようになるのではないかと不安に駆られていた。

 

「できるさ。お前は力に溺れ、自分を見失った箒と違って力に溺れることなく、優しさの中に芯の強さを併せ持っている。」

「・・うん、やってみるよ。」

 

一夏の励ましを受け、シャルはゼロシステムを使うことを決意。

一夏は少し仮眠を取るために芽衣の部屋を後にする。

三十分後、ラウラの部隊が福音を捕捉。

千冬に内緒で出撃することになり、体力が回復した一夏とシャルは芽衣の部屋にやってくる。

 

「相棒、今から福音とあのISを倒しに行く。早く目覚めてくれよ。」

 

一夏は芽衣の頭を撫で部屋を出る。

そしてシャルは芽衣の唇にキスを落とし優しい顔で語りかける。

 

「芽衣・・僕らのガンダムもパワーアップしたよ。芽衣に見せたかったけど、今は福音を止めるのが先・・。早く目覚めてね・・。」

 

シャルも部屋を後にする。

部屋を出た後、芽衣の指がピクッと動いた・・。

???

 

「ここは・・?」

 

芽衣が目覚めるとそこは試験場だった。

 

「う、うう・・!」

「こ、これは・・!」

 

芽衣がウイングゼロ、一夏がエピオンを装着してゼロシステムを起動。

一夏はビームソード、芽衣はツインバスターライフルを手に取る。

 

「一夏ぁ!君の姉さんがあんなことを起こさなければ・・!父さんと母さんは・・死なずにすんだ!」

 

芽衣はツインバスターライフルを連結させて最大出力で放つ。

一夏はそれを避け・・。

 

「俺だってあいつがあんなことを起こし、あいつが栄光を掴んだから・・!誰も俺を俺として見てくれなくなった!自分だけが被害者だと思うな!このやろう!」

 

一夏はビームソードを最大出力で振るう。

それにより試験場がズタズタになっていく。

 

「二人ともやめなさい!」

「システムに飲み込まれたか・・!」

 

ジルは二人にやめるように呼び掛けるが無視して戦闘を続ける。

 

(そうだ、僕らはひたすら憎悪をぶつけ合った・・。でも好きな人が頭に入ってきて・・。)

 

「う!?・・鈴?」

「くぅ!?・・シャル、そんな顔をしないで・・。」

 

しばらく全力の戦闘が続いていたが不意に二人の頭に恋人が写り、攻撃をやめる。

そして地上に降り立つ。

 

「一夏、ごめん。君がやったわけじゃないのに押し付けてしまって・・。シャルに助けられたよ。」

「芽衣、それを言うなら俺もだ。あいつが起こした事で・・栄光を掴み続ける事で自分だけが苦しい思いをしていると思っていた・・。鈴が俺を止めてくれなかったら・・。」

 

二人は互いに謝罪。

二人の頭に写った鈴とシャルの顔は悲しい顔をしていた。

そしてISを解除する。

 

「一夏、それ僕が使うよ。変わりにこれを使って。」

「わかった。俺にはこいつは合わないみたいだ。」

 

そしてウイングゼロとエピオンを交換して装着、再びゼロシステムを起動する。

 

(僕はもうあの事を引きずったりしない・・!過去を見るんじゃなく、未来を見るんだ・・!そしてこの力でシャルや大切な物を守る・・!)

(俺は俺にしかなれない・・!俺はあいつみたいに無責任に力を振るうんじゃなく・・鈴を・・大切な物を守る!これはそのための力だ!)

 

二人は決意を新たにし、システムを受け入れた。

するとウイングゼロとエピオンから青と赤の波動が放たれる。

二人の様子が変わった事にジルたちは驚く。

 

「まさか使いこなした・・!?」

「どうやら一皮向けたようだな。あいつらはもうシステムに飲み込まれる事はない。」

 

二人はゼロシステムに飲み込まれずシステムを使いこなした。

ほんの少し芽衣が早く適応した。

 

(そうだ、僕にはシャルという守るべきものがいる・・!)

 

芽衣が目覚めると右肩と胸の傷が消えている事に驚く。

 

「何で・・?・・とにかく今は福音の元へ行かないと!」

 

芽衣は海岸へ出てエピオンを展開。

飛行形態に変形すると今までよりスムーズに変形ができ、反応速度も向上していた。

 

「エピオン・・外見や武装は変わってないけど僕に合わせてくれたんだ・・!」

 

実際芽衣は少しエピオンの反応速度が遅いと感じていた。

なのでこのパワーアップはありがたかった。

赤椿に積まれていたのはなんとゼロシステムだった!

 

しかしそのゼロシステムは搭載したISの全武装のリミッター全解除という危険なもの。

 

その気になればBOWなどを圧倒できますが敵味方見境なく破壊する武装した生体兵器と化します。

 

簡単にいえば劇場版アギトのG4のように操者は生体パーツみたいになってしまいます。

 

ウイングゼロとエピオンに搭載してるのはリミッター解除が必要とあれば自らの意思での切り替えが可能な改良版です。

 

過去では憎悪を激しくぶつけあい、二人の恋人のおかげでゼロシステムを克服しました。

 

次は出撃しなかったパワーアップしたガンダムのお披露目。

 

感想待ってます!


 
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