No.470927

超次元ゲイムネプテューヌXworld 紅闇の獣腕

さん

ものすっっっごく遅れて申し訳ありません!
色々、考えてこれでして……キャラ崩壊あるかもしれません!ほんとごめんなさい

2012-08-16 13:20:54 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1103   閲覧ユーザー数:958

『私の夢はね!すごい女神なること!!』

霧のかかったような朧朧な意識の中で草原が見えた。

遥か彼方まで続いていく水平線を見続けている『僕』に薄紫色の幼い少女が明るい声で話しかけている。

『人々の為にね。優しくて、強くて、逞しい女神になるんだ!!』

子供のような無邪気と向日葵のような笑顔を浮かべて両手を大きく広げ『僕』に夢を語っていた。

『だから……』

愛らしい笑顔に影が映りながらその娘は『僕』に縋るように抱き着いて

『だから……』

哀しみが込められた声音でその娘は只管に『僕』を真っ直ぐ見つめて

『そんなつらそうな顔しないでよ……』

決して叶わない願いを呟いた。

 

 

意識が反転してまた別の場所が見えた。

そこを一言で現すなら地獄と言う言葉が似合うだろう。

『うわぁぁ、あぁぁぁ……!』

灼熱の海に沈んだ町だったらしき広場の真ん中でそれなりの年頃の少女が血だらけで泣いていた。

その周囲には潰れたトマトのような惨状と体が粒子になって消えていく三人の少女があり互いの手には殺し合った思われる武器が転がっていた。

『なんで……、なんで……!』

少女の嘆きを消し去るように町中で肉の焼けるような音と異臭が充満していく。

『なんで、私が生き残っているのよ……!』

火だるまになり水、水と叫ぶ人だった者や聞こえてきた産声は、竜巻のように渦巻く獄炎が一瞬にして飲み込む。

ーーー女神様

ーーー女神様

ーーー女神様

火の海から湧き出るように救いを求む万死一生の人々の謳歌は、壊れたラジオのような生気のない言葉がその空間を埋めていくが、

『ーーーおめでとう』

仮面を被ったような怡悦の声音と共に人々の声も、燃えたぎる音も嘘のように消えて変わりに『僕』が彼女に歩み寄った

『空様……みんな、みんなぁ……』

『君が女神だ』

『僕』を見た少女は涙と鼻水で汚れた面を上げて、縋るように体を動かそうとしたときに『僕』が放った言葉で少女は動きを止めた。

『やっぱり、競争相手は造っておいて正解だったね。まぁ、君が生き残るなんてちょっと意外だよ。僕の予想では君が一番最初の脱落者かと思ったのに……』

感情の込められていない声音で『僕』は良かった、良かったと地獄の惨状に中で呟きながら少女に近づく『僕』に無造作に転がっている屍が足に当ったその時、『僕』は見下すような冷たい眼光でその屍を蹴り飛ばしワンアクションで袖から白銀に輝く細身の剣を取り出し突き刺す。

『さぁ、これからは君がゲイムギョウ界唯一の神だ』

粒子となった元女神の屍とプロセッサユニットは完全に彼女に吸収されていき、彼女の意思とは無関係に獄炎の地獄を照らす神々しい形状に、まるで人々を救済するために舞い降りた天使のようなプロセッサユニットへと進化した。

『あぁ、心配しないで使えそうな人間はこちらで助けておいたから』

完成した彼女には『僕』の言葉は届いてないだろうか、俯くその表情には闇があり見ることが出来ない。

『あぁぁ、あぁぁぁぁああっぁ!!!!!!』

獣の咆哮にも似た叫びと共に白き双翼は分散し、砲口を開いて一斉に灼熱を断ち切る一閃を放った。

『!ーーっと』

『僕』は少しだけ驚いた表情を見せて槍のような閃光を体を捻り躱した。

『なにが不服なことがあったのかな?……君は選ばれたのに』

神々しいプロセッサユニットは穢れない清い光を放ちながら悪を裁かんと再度その砲口を『僕』に向けた。

そして彼女は、表を上げた先ほどと同じように涙と鼻水で本来あった美貌は形無く崩壊していた、なによりその瞳は絶望と憤怒が複雑に合わさり修羅めいた表情へと豹変している。

『好きだった……』

だが、一瞬にしてそれらは収まって『僕』を見てきた。

『頭を撫でてたくれた時、凄く温かった。料理とか失敗しても頑張れ、頑張れと応援してくれて嬉しかった。なにをやっても失敗ばかりして泣き虫の私を抱きしめてくれたーーーあなたが大好きだった!!!』

彼女は全ての思いを『僕』に伝えた。

僕はもう見たくなくなったこれは全て過去の出来事なのだから、だけど感覚が無い幽霊的になっている僕はただ傍観することしかできない。

『ーーーそれが?』

そしてこの『僕』は彼女の想いをたった一言で切り捨てた。

『もう、ダメなんだね。私はもう……あのころに戻れないんだね』

諦めたように彼女は呟いて、無造作に両手を未だ全てを焼き尽くす如く立ち上る灼熱に向ける。

そして先ほどと同じ、憎悪と憤怒の瞳が前回まで同時に焔は龍のように渦巻き『僕』に向けて竜巻となって襲い掛かる。

『………また、失敗か』

落胆した『僕』の声と同時に僕の後頭部にものすごい衝撃が走り僕の意識は無理やり覚醒した。

 

 

 

「…………なにこれ?」

目が覚めると僕は瓦礫の下敷き(・・・・・・)になっていた。

おかしいと、僕は少し前のこと順序良く思い出していく。確か、書類整理をレイスと一緒にしていてそれからつい眠気に負けてしまって寝たところあんな過去のことが夢に出てきて、なぜか僕の豪邸が瓦礫の山になって僕はその中………意味分からん。

「おーい、レイス~~」

とりあえず、近くにいるはずの友人の名前を呼ぶと僕の背中を掴み一気にひび割れた青空まで引っ張られた。

「大丈夫だったか?」

「肉体的には問題ないけど、精神的には大ダメージです」

まだ、新築して一日目なのにこんな可哀そうな、瓦礫の山となっているなんて……うぅぅ

「そうか、問題ないか」

「いつの間にスルースキルを会得したの?」

「ついこの間だ」

恐らくレイスも抜け出したばかりで砂埃が銀髪に付いている。

レイスは自分の服装である漆黒のコートやら体中に付いた砂埃を取ろうとぽんぽんと体を叩く。

「なにが合ったの?なんかこの世界崩壊寸前だけど」

「アザトースとくうちゃんがじゃれ合っているんだ。まぁ、ほどほどにとは言っていたけど無理だったようだな。ははは」

その、他人事みたいな笑いが物凄く腹だ立つのは気のせいじゃないはずだ。だから、収まれ僕の左腕ここで開放するのは悪手だ。

「ところで魘されていたけど、嫌な夢でも見たのーーっ!」

互いに嫌な予感がしてそこから飛び出るように移動する。

その刹那、想像を絶する魔力の放流が僕の立っていた大地を無に還した。

「えっと……頑張れ」

「out……」

跡形もなく消滅した我が家を見ながら僕は地面に膝と手を付けた。

書類の中にはお姉様に押し付けられたものもあるんだこれをどうあの人に言い訳しろと…?。ダメだ僕の未来はいい笑顔で縄をしならせるお姉様しか思いつかない……!

「えぇっと、ほらこの世界崩壊寸前のギリギリを保っているからあいつらをしっかり手加減しているよ」

「それ、フォローのようでフォローじゃないよ」

「………魘されていたけど嫌な夢でも見たのか?」

「強引すぎる!………まぁ、ちょっとね」

並の神なら近づくだけで死亡する常識を超えた魔王と神殺しの頂点のじゃれ合いを見ながら僕はいつ、壊れてもおかしくないこの空を見ながら呟いた。

「嫌な予感がするよ……」

 

 

 

 

 

新たな仲間、クァム・ユネィを迎えた俺達パーティーは特に目指す場所も思いつかないままゲイムキャラに別れを告げてバーチャフォトレスを抜けようと歩いていたが、突如としてモンスターの群に襲われて応戦状態へ突入している。

「テラ、突っ込め!」

「ーーーあぁ!!」

どこから取り出した斧剣でテラは次々、モンスター達を叩き切り捨てていく。

俺は緋壊羅でクァムはまたどこから取り出し方不明だがスナイパーライフルでモンスターを足止めしていきテラはその隙に重い一撃を決めていく。

「実はこのパーティー最強じゃね?」

「最強はともかく、バランスはいいだろう」

クァムの遠距離と俺の遊撃、テラの接近戦と言った具合に出来ればロムちゃん達のような魔法を使える人材が居れば文句なしだけど、願っても落ちてくるわけないしな。

「これからどうするんだ?」

「俺は一度、プラネテューヌの宿屋で休むのを提案する。今日は色々あって疲れた……」

「俺はお前たちに付いていくぜ!」

恐らくこのメンバーで最年少のクァムは元気に親指を立てる。

奇妙な和服から普通の服装に変わった彼は、どこにでもいそうな普通の男性をイメージする人へと変貌している。だが、肩に担いでいるスナイパーライフルが原因で違和感を感じるがまぁ、そのことはどうでもいいとして……

「それしても、お前たち強いな!」

「「……鍛えているからな」」

クァムの言葉に一瞬でテラと俺は視線を合わせ、シンクロ率100%で答えた。

この二人をそれなりに信用しているが、さすがに本性を話すほど俺は心を許してない。……というのは建前で俺は女神を大切に思っているが、俺と言う存在は女神に害する存在なのだから下手すればこいつらと即戦闘する可能性もある。

「そういえば、紅夜は左は見えているのか?」

「あっ?……あぁ見えているが」

「見えているのに…?」

………あっ!?しまった!!そう思ったときは既に手遅れテラとクァムは一歩、後ろに下がり痛い子をみるような目つきでこっちを見てきている!

「左腕も普通に動かせているのに包帯でグルグルだし……これはちょっと……」

「あぁ、これは……」

「これには正当な理由があるんだーーー!!!!」

「「……正当な理由……ねぇ?」」

うわぁ!?、そんな冷たい目をしないで!俺だって好きにこんなことしてないから!

「それじゃ、どんな理由なんだ?」

「ぐっ………」

テラの当たり前のように考えられる質問に俺は思わず口を噛む、左顔を覆っているのは冥獄神の証と言って禍々しい刺青で負を感知できるものだけどこれは人に不快感を与えるもので、左腕は俺の無謀な行動によりモンスター化してしまった腕なんだ他人に見せていいようなものじゃ……

「ーーーちっ、また来たぞ」

テラが構えたその先には土煙を上げながら迫りくるモンスターの群れ

「さっきより多いな、けどまとめて狙い撃ってやるぜ」

クァムは余裕の表情で再びスナイパーライフルを構える。

「---いや、俺だけでやる」

「「はっ?」」

「この異変で恐らく、お前たちとは長い付き合いになりそうだ。だから…見せておく、隠したままだと胸糞悪いからな」

そう言って俺は、左腕の包帯に手を掛けて結びを解いていき、それは姿を現した。

「---っ!?」

「な、なんだよ。それ…!」

人ならず邪悪の手、赤黒い血のような鱗それは強固で禍々しく、見る者を恐怖させる化物を象徴させた異形の腕、それは同じ種族を歓迎するかのように不気味な妖気を放ちながら、俺の周囲には幻影のような紅い剣が構築されていく。

「モンスター化してしまった腕となんだ。結構、便利なんだーーーぜ!!!」

異形の腕を振るう。

同時に魔力で構築された紅い剣は獲物に飛びつくようにモンスターに襲い掛かり、モンスター共は断末魔を量産させ仲良く絶命した。

「まぁ、こんなもんだ」

「すげぇ……」

「…………」

クァムはそれに驚き、テラは鋭い目つきで俺の左腕を睨んでいる。

「紅夜、お前は一体何者なんだ?」

俺は左顔を覆っている包帯も取り除き、左目を中心に怨嗟が形状化したような禍々しい刺青を露出してテラたちにこういった。

「過去---冥き途の玉座に座っていた獄吏の神様だよ」

 

 

 


 
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