No.470577 魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~ゼロ・スパークさん 2012-08-15 18:32:00 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2619 閲覧ユーザー数:2526 |
第三章 過去との邂逅
第二十九話「ホテル・アグスタ2」
オークション開始まであと数時間。
ティアナ達フォワードは、会場の外で待機していた。
「(でも今日は八神部隊長の守護騎士団全員集合かぁ)」
「(そうね)」
だだ待機しているのが辛くなったのか、別の場所で待機しているスバルがティアナへ
念話で話し掛ける。
話の話題ははやて率いるヴォルケンリッター達の話しだった。
六課に配属されてから今日までで八神家が総出で出動した事がない為、自然と話しの中心となる。
「(そういえば、アンタは結構詳しいわよね?八神部隊長とか、副隊長達の事)」
「(う~ん。父さんやギン姉から聞いたことくらいだけどね)」
スバルはティアナに八神家の自分が知っている限りの情報を教え始める。
はやてが使用する魔導書型デバイス「夜天の書」の事。
そして、インフェルノ組を除いた副隊長2人とシャマル、ザフィーラ、リインの5人がはやての
所有する特別固有戦力で、全員それえば無敵の部隊になると最後だけがわりと大雑把な気がするが人が理解するには十分な内容だった。
「(まあ、隊長達の詳しい出自とか能力の詳細は特秘事項だから私も詳しくは知らないけど)」
「(・・・レアスキル持ちの人はみんなそうよね)」
念話中特に表情を変えなかったティアナの表情が一瞬だけ曇る。
「(?ティア、何か気になることでもあるの?)」
「(・・・別に何でもないわよ)」
「(そう?じゃあまた後でね)」
その言葉を境に念話が終わる。
(アイツは気楽でいいわね)
念話越しだというのに、さっきまでのスバルの笑顔が頭の中に現れ呆れ半分羨ましいく
思えてしまう。
そして先ほどのスバルから聞かされた話しと六課の保有戦力を考える。
(機動六課の保有している戦力は明らかに以上だ。部隊長がどんな裏技を使ったのかは
知らないけれど、隊長は全員オーバーSランク。
副隊長でもニアSランク・・・・・他の隊員達だって、前線から管製官まで全員未来の
エリート達だ。
フェイトさんの秘蔵っ子であの歳でBランクを取っているエリオと、
レアな竜召喚士のキャロ。危なかっしくはあっても、潜在能力と可能性の塊で、
優しい家族のバックアップもあるスバル・・・・)
本当に誰を抜いても、六課は他の隊と比べたら優秀を通りこして無敵に見えしまう。
そして特に・・・・・
(管理局の中でも特に異質な部隊・・・特務殲滅部隊インフェルノ・・・その中から派遣されて来た管理局と次元犯罪者の双方から「赤き狂戦士」と恐れられている最狂最悪の管理局員・・・・
ヴァン・ハートネット・・・)
やる事なす事全てが他の人間を超えている。
正直、最初に彼を見た時ティアナは本当に人間なのかと思ったりした。
それもそうだろう最初の出会いがいきなり襲われてとなれば、コイツ、イカれてるんじゃないかと
思ってしまう。
(そしてそのヴァン副隊長と共に六課にやってきた、ハーナ副隊長もそうだ。
あの智将と呼び名があるインフェルノ部隊長カリス・カーティス少将の実の妹で、実力もあり
インフェルノでは実戦部隊長であるヴァン副隊長の副官でもあり、サポート面でも
エキスパート・・・・)
やはりこの2人が、ただでさえ強大な六課の戦力をさらに大きくしている。
悪く言ってしまえば肥大化させている。
これだけの戦力があるのなら、自分なんて必要ないのではないか?やり場のない感情がティアナの
頭を駆け巡る。
「やっぱり、うちの部隊で凡人は私だけか」
今こんな事を思いながら、任務にあたっている事を自分が嫌いなハチャメチャ上司に知られたら
どうなるか。
多分きっと鼻で笑われた上に笑い者にされてしまうだろう。
(あんな奴に私は戦い方を教わっている・・・けど関係ない。
私はアイツの力を少しでも多く盗んで自分の物にする・・・!!それが私の・・・いや、
ランスターの弾の強さを証明する事に繋がるはずよ)
自身の「力」を証明するやり方を今一度己の心の中に深く刻み込み、その瞳に静かな闘志を宿す。
だが、その瞳に宿る物は何故か強固な物には見えず、ひどく脆く見えてしまう上に危うさすら
感じられる。
そしてほどなくして、一つの通信により今回の任務での出番が訪れた事を彼女は知り、
更に彼女の思いはより強くなる。
「・・・さぁ行くわよ」
--------------
ホテル・アグスタのロビーではガジェットが出現したという知らせを受け、
ホテルマンとオークション実行委員が情報ができるだけ漏れないよう機動六課の指示を元に忙しい
動きまわっている。
そんな中、それを興味がないような感じでソファーに座り見ている者がいた。
「ようやく動き出しましたか・・・思ったより遅かったので中止にでもしたのかと思いましたよ」
青髪の青年---カインは笑みを浮かべながらガジェットの襲撃を素直に喜ぶ。
彼は変装の為にその紫の自毛をウィッグで隠し、伊達メガネをかけてホテル・アグスタに
潜入している。
顔バレはしていないとはいえ、彼は一応次元犯罪者だ。
変装ぐらいはしなくてはならない。
今回彼はガジェットの制作者からのたれ込みでわざわざこのホテル・アグスタに足を運んだのだ。
大方何か企みがあるのはわかっているが、とても愉快な事になると感じあえてその情報にカインは
乗ることにしたので、彼は退屈を我慢しながらも半日ここで動かずにいたのだ。
「まぁしかし、ヴァン様がおられないのは話と違いますが・・・」
スカリエッティからもたらされた情報にはこのオークションで機動六課が警護の為配備される事と、ガジェットが襲撃をするという二つだ。だが、ヴァンがまさかここに来ていないのには流石に
予想外で、部下からヴァンが来ていないという報告を受けた時は思わず面を食らっていた。
「彼のデバイスの修理がまだ終わっていないのか、インフェルノからの呼び出しか・・・さてどちらでしょうか?」
後者は十分考えられる。
管理局で特務隊に位置するインフェルノは局の部隊の中でも特に権限が高い。
表向きは異動となっているヴァンでも権限内で例え六課の任務中でも呼び出しは可能。そして前者
はあり得る事ではあるが、それでも完璧に直せる時間は十分ある。
いくらヴァンのデバイスが普通のデバイスと違うとはいえ、ここまで時間はかかる事は考えにくい。
なら・・・
「新たなデバイスか改修で手間取っているかのどちらかでしょうね」
それならどれだけ最高な事か。
彼の力を目覚めさせるのが自分の役割ではあるが、正直そんなものはどうでもいい。
自分はただ彼と戦いたい為にアレース教団の教祖にまで上りつめたのだ。
姿すら見た事のない老害長老共の忠実な手ゴマになってまで彼はヴァンとの戦いを強く望む・・・・
些か滑稽にすらも見えるが彼は全く気にしていない。
彼曰く、人が趣味で多額の金を積み込んでまでそれを楽しむ事と同じ事らしい。
「セツラ」
「はっ、カイン様」
カインの背後に突如、地球の国の一つ日本で戦国時代で活躍されたと言われる忍者のような姿をしたショートカットの黒髪の女性が現れる。
黒い装束に鼻まで完全に覆い隠したバイザーで怪しさ抜群。
監視カメラの死角にいるとはいえ、よくここまでこれたものだなとカインはそんなセツラを
心の中で関心してしまう。
「ヴァン様の動きは?」
「監視班から既に六課からは移動を始めたとの報告が入っています・・・ですが・・・」
「ん?」
「追跡の最中に何者かの襲撃を受けそれに応戦した結果、対象をロスト。襲撃者は監視班と数分戦闘をした後、撤退したとの事です。
あとこの不足の事態での負傷者は0との事です」
「襲撃者は1人だけですか?」
「監視班の前に現れたのは1人だけのようですが、襲撃者が離脱する際に遠方からの魔力弾による攻撃があったとの事で、状況からして直接現れた襲撃者を含め、最低でも二人は仲間がいたのではないかと思われます」
「私も同感です。それにしてもこの鮮やかとも言える動き・・・襲撃者の正体は彼らでしょうね」
「カイン様のお考えの通りでしょう・・・間違いなく・・・」
「インフェルノ・・・ヴァン様が自身の部下を用いたという事か」
こちらの動きを感付かれていた事にも驚きだが、監視班に負傷者が出なかった事が特に驚きだ。
インフェルノは管理局の部隊の中でも非殺傷設定が通常時でも設定可能な非情の部隊。
それが負傷させるどころか誰一人も殺さないというのは奇妙なものだ。
「監視員の中にも一応Aランクはいたはずでしたよね?」
「正確にはA+です。後の二名はCランクほどですが・・・」
「奇襲とはいえA+交じりの3人の監視員を退ける能力・・・やはり彼らは優秀ですね。つくづく楽しませてくれる。ムフフフ」
インフェルノの隊員達とはいつか戦いたい所でらあるが、やはり彼の本命はヴァンだ。
例え全インフェルノ隊員と戦えるとしても、彼は迷いなくヴァンと戦う事を選ぶだろう。
それほどまでにヴァンの戦闘能力は高いのだ。
インフェルノ隊員が束になっても適わない程に・・・
「襲撃者の事はともかく今はヴァン様のお出迎えの事を考えなくてはなりませんね。
監視班が見失ったとなれば彼がいつここに来られるかわかりません・・・」
「自前のバイクで移動をしているはずなので、早くてもコチラに着く時間はまだかかるかと・・・・」
ヴァンの事を考え気分が高揚しているカインに申し訳なさそうに話すセツラ。
六課隊舍からホテル・アグスタまでバイクで移動するとなるとそれなり時間が掛かる。
早くても二時間は掛かるはずだ。
「あの方を侮ってはなりませんよ。何せ彼は我々人類の頂点に立つお方ですからね」
「・・・それが貴方をそこまで駆り立てるあの方へ挑む理由・・ですか?」
「そこは内緒でお願いしますよ~」
「・・・立ち入った事をお聞きして申し訳ありません」
一瞬横から見た彼の目が据わったような気がしたセツラは即座にカインに許しを斯う。
「別に私は怒ってなどいませんよ?それよりアナタは早く姿を隠しなさい。
その怪しさ抜群の格好では六課隊員以前にここの警備員に見られても怪しまれますよ」
「・・・・・・・」
「だから私が用意したドレスを着るとよかったのに」
実はカインはセツラの為に、わざわざオーダーメイドまでして用意した自身の髪色と同じ紫の
ドレスを用意していたのだ。
バイザーで隠れて見えないがセツラの顔と全体の容姿はモデル顔負けのプロポーションである。
その証拠として彼の今着ている忍者服・・・いわゆるくの一服だが彼女の細い身体のラインが浮き出て正直目の毒でもある。
「・・・私にはあのような衣装を着る事は許されていません。私はただ陰でアナタを補佐するのが私に与えられた使命でごさいます」
「はぁ・・・わかりました。もう下がりなさい。そろそろ本当に不味い」
二人の耳に入るハイヒール特有の足音。階段を使ってコチラに向かっているのだろう。
「承知・・・」
背後にいたセツラが始めから誰も居なかったかのようにその場から姿を消す。
それから1分もしない内にハイヒールの音の発生源であろう女性が階段から降りて来て、
カインの視界に入る。
(おや?・・・あの女性は・・・)
階段から現れた白を基調とした肩紐のあるタイプのロングドレスを着た、思わずカインですら
声を掛けたくなる程の美貌を持った女性。
しかし、カインはこの女性の素性をよく理解していた。ヴァンほどではないがカインが警戒しなくてはならない人物・・・・機動六課部隊長、八神はやてだ。
(少々面倒ですね・・・ヴァン様と戦った際はジャミングで私の姿は撮られないようにしていたとはいえ、警戒しない訳にはいきません・・・)
八神はやて・・・その名と彼女の実績は彼らアレース教団にも情報は入っている。
自分の立ち振舞いは一般人を装っているがそれが彼女に通じるかは正直カインにもわからない。
このまま過ぎ去ってくれるのが嬉しいが・・・
「あのぅすみません。少しお話をお伺いしてもよろしいですか?」
どうやらカインの願いは無駄に終わったらしい。こうなったからには仕方ない。怪しまれぬよう彼女と当たり障りのない話をする以外他あるまい。
「どうされました?私に何か御用で?」
「いえ、オークションの開始時間が延期されたとはいえ、どうして早々とロビーにいる貴方が気になりまして」
軽く職質を含めた質問と感じ、カインは笑顔ではやてに接する。
「少し気分が優れなくてですね・・・まだオークション会場にすら足を入れてないんですよ」
「そうなんですか?」
「今日は私の友人の代理でここに足を運んだんですが、私はああいった人込みがあまり好きではないんですよ」
「ああ、私も同じです。賑やかな雰囲気は好きなんですけど、大勢の人が集まる場はどうも合わなくて・・・」
「ではアナタも?」
会場警備でここまで来ていると知ってはいるが、それを口に出せば彼女の素性が始めからわかっていたという事になってしまう。今彼女の素性を知っているのはこのホテルの関係者と六課隊員達だけだ。
「ええ。でもそれもありますが、ちょっと人を探してるんですよ」
「お連れの方ですか?」
「いえ、一度しかお会いした事ないないんですよ。今日はその人がここに来るっていう噂が耳に入ってもうて、居ても立ってもいられへんくなってそれで・・・あっ」
「その口調でも構いませんよ。私はありのままの姿の方は嫌いではありませんよ」
丁寧語からいつもの関西弁へと変わるはやて。自分の失敗に気付き赤面になってしまう。
「お、おおきに」
「それで貴方が探されている方は、貴方の様子からしてやはり男性ですか?」
「そうなんです~。もう私の心を射止めた罪な人なんです~」
すっかり関西弁に戻ったはやて。その様子からして本当にその人物を探しているのだろうとカインは警戒を緩める。
「ほう、貴女のような目麗しい方の心を奪ったその男性・・・気になりますねぇ」
「もう、上手い事言いはりますね~。あっ!私を口説こうしてるなら無駄ですよ?私、これでも一途なんですから」
「これは残念。結構本気だったので少しショックですね」
にこやかな顔でそうはやてに告げるカイン。念話でセツラから現時刻を聞き、話を切り上げる事を決める。ここで話込み過ぎればいざヴァンが来た際直ぐに彼と戦えなくなる事があるからだ。そるにいい加減彼女と話をするのも飽きてきた。警護中に何自分の意中の男の話を盛大にしてるんだと内心思ってもいた。もうここら潮時だ。最後は適当に話をしこの場を離れる事にした。
「それで、その貴方を虜にした罪深き方の特徴は?もしかしたら私が見ているかもしれません」
「えっとですね・・・」
指を顎に当て、背中をカインに向ける。考えこんでいる様子を見て、話す内容を間違えたと少し後悔してしまう。
「・・・まぁ特徴は後回しにしてその人が私にした事をいいますと」
再びカインに向き直り笑顔で彼に話し始める。
「・・・始めてこの私の得物を壊した上に、堂々と背中向けて勝ち逃げした相手でなぁ。もう殺したくて殺したくて仕方のない人なんよ」
「・・・はい?」
笑顔でそんな事を当たり前かのようにカインに話すはやてに思わず間の抜けた声で返事をしてしまう。自分の聞き間違えかと思い聞き返そうとするが、はやてがそのまま話しを続ける。
「いやぁ~やっぱり勝ち逃げはアカンわぁ。しかも始めからそうする気みたいやったからなおムカつくわぁ」
「・・・・・・・・」
目の前のはやてに最初抱いた以上の警戒を始めるカイン。それもそうだ。カインははやてか言っている事に対して見に覚えがあるからだ。
「・・・人間人それぞれやけど・・・全殺しと半殺し・・・どっちがええかな?」
その言葉と共にはやてから放たれる雰囲気が一変し、カインすら恐れるほどの殺気を帯びた恐ろしいものへと変わった。
「・・・・どうなん?」
「っ!!」
距離を取ろうと身体に力を入れる、だが・・・・
「・・・・なぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カァァァインくゥゥゥゥゥン!!」
はやての顔が狂気の物へ豹変、両手を広げてカインへ迫る。この変化と今の彼女の顔は恐怖映画物だ。そう思いながらも距離を取ろうとしたカインは実行できずにはやての拳が彼の鼻っ柱に見事命中。その感触を感じたはやてはニヤッと笑い、拳にさらに力を込めカインをガラスの方へ殴り飛ばす。
「くっ!!」
ガラスが割れ、ロビーにガラスの悲鳴が響き渡る。
地面に落ちる瞬間に両手を地面に付け力を入れ、その勢いで身体を回転させ、着地する。
「へぇ・・・なかなかやるんやないかぁ。私に殴り飛ばされる瞬間に後ろに飛んでダメージを軽減したんか。絶妙過ぎるなぁホンマに」
相変わらずその顔に似合わない狂気的な笑みで膝を付くカインを見下すはやて。カインはスーツの内ポケットに手を入れ、ハンカチを出し鼻血を拭き取る。
「全く・・・やってくれますね。折角のスーツが台無しです。どうしてくれるんですか?」
スーツに飛び散った血を見ながらあくまでも紳士的な態度を取るカイン。はやては割れたガラスをの場所を気にせず通る。その際ドレスが割れたガラスに引っ掛かり破れるが気にも止めない。
「スーツの汚れより自分の鼻の心配した方がええんちゃう?それ、確実に折れてるやろ?自分・・・今度こそ終わりやで?」
左肩の袖を掴み一気に上に振り上げる。はやてが着ていた白いドレスが彼女とカインの間を舞う。そして次にカインの目に映ったのははやてではなかった。
「やはりアナタでしたか・・・いや、すっかり騙されましたよ」
「この間の仕返しや。そう思っとき?・・・ってもうこの話し方でなくてもええンやった・・・ってまた言ってしまったァ」
はやての関西弁が染み付いて元の口調で話せない事に驚いている人物。その声は明らかに男性のものだ。
「やはりアナタは最高です。たれ込みを信じて来た甲斐がありました」
「何、ちょっとしたマジックだぜェ。ってなワケで今からカインくゥゥゥン・・・君には今から俺様の新マジックの初体験者になってもらおうかァ」
『Set Up』
そんな声が聞えたと共に目の前の男の姿が赤を基調とした服装へ変わっていく。
「いやァ、コイツはいい体験だぜェ?何せ臨死体験とかいうなかなか味わえない事が体験できンだからさァ、思わずそのまま天国に逝っちまうかもしれねェーなァ」
まるで今から遊園地に行く友人に新しいアトラクションは最高に楽しかったと以前自分も体験したかのように、感想を語るかのように話す赤い男。
「まァ、そンなワケだからオマエ・・・とりあえず臨死っとけ」
絶対に触れてはいけない逆鱗に触れた事と、この目の前の恐ろしい存在と戦える高揚感に打ち震えるカイン。これがカインが今まで求め続けていた戦いだ。
この願いはやはり目の前の赤い悪魔---ヴァン・ハートネットにしか叶えられないと改めて悟る事になったのだった。
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時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?