それは奇麗な歌声だった。
白く透き通った声は天まで響き、誰もが二人を振り返った。
そして歌が一つ終わるたびにため息のような歓声が、歌い終わった二人をやさしく包んだ。
「ありがとうございますっ!!」「頑張りますっ!!」
二人は笑顔だった。周りの観客をも巻き込んで笑い合った。
そんな二人をただ、立ち尽くして見ている人がいた。
そいつはじっと自分の手を見つめ、こう言った。
「僕には無理だ。諦めよう。」
どこにでもいそうな、帽子を深くかぶった人だった。
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五分小説です。
なるべく読みやすいように書いてます。
騙されたと思って、ほらっ。読んでみてください。
追記//前が書いてみたくなったので書いてみました。→http://www.tinami.com/view/47236