No.467453

IS学園にもう一人男を追加した ~ 69話

rzthooさん

・・・

2012-08-09 00:55:20 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1421   閲覧ユーザー数:1396

千冬SIDE

 

 

W

「っ!」

 

千冬

「くっ・・・簡単には行かせてくれないか」

 

相手は素手と海を操作して私の行く手を阻む。例え彼女を抜いたとしても背中を突かれてしまうだろう。だが、一瞬だけでも隙が出来れば突破できる。

だが、相手はその隙を一切見せない。彼女は完璧私を足止めするのに徹底している。攻めず、追撃せず、一歩も引かない・・・これじゃ"ブリュンヒルデ"の名が泣くな・・・

 

W

[グイッ!]

 

何度か打ち合い、彼女が私を海の中に引きずり込む。海水を操作して海流の流れを変えて、私を海流の檻に閉じ込めた。すると、彼女は一仕事を終えたように一息ついている。だが、(メタリックな)片目の眼光が私を見つめる。

これぐらいの海流なら"雪片"で突破できる。そのタイミングがくれば・・・

 

W

「っ・・・」

 

千冬

「?」

 

彼女が"何か"に反応した。だが、このチャンスを待っていた!

雪片の『零落白夜』を発動して海流の流れを無理矢理断ち切る。すると、彼女はワンテンポを遅れて反応したが、左腕に装備された荷電粒子砲で牽制しつつ海から脱し、島の森林に隠された隔壁を破壊して基地内に入った。

すると、彼女は私の追撃をやめた。

 

『ちーちゃん、その先にISの反応があるよ・・・ちーちゃんが所望した"あれ"が」

 

千冬

「・・・そうか」

 

なら、さっさと連れて帰るとしよう・・・覚悟しろよ。帰ったら特別補習を受けさせてやる。朝霧・・・

 

 

 

 

 

 

投稿者SIDE

 

 

W

「逃げ、られた・・・だ、けど」

 

『W』の視線の先にはボートで向かってくる楯無と本音。『W』がクイッと腕を上げると、水柱がたってボートは複雑な海流に進路を阻まれる。

 

楯無

「本音ちゃん! しっかり掴まってて!」

 

本音

「はーい!」

 

真剣な楯無に比べ、本音は相変わらず間延びした返事で答える。どうやら、この状況を楽しんでいるようだ・・・

まぁ、それはともかくとして、楯無は『ミステリアス・レイディ』のナノマシンでボートの周囲の海を掌握し、まるで海がボートを運ぶかのようにボートは波に乗って『W』が掌握した海域を脱出した。

『海神』の水圧カッターも見事な操縦テクニックでスラリスラリと避けて・・・

 

楯無

「・・・そういえば、"ブレーキ"ってどこかしら?」

 

本音

「ブレーキなんてありませんよぉ」

 

楯無

「え? じゃあ、どうやって止めるの?」

 

本音

「会長さん? もしかして知らないで操縦してたんですかぁ?」

 

楯無

「実を言うと、初めてで・・・」

 

本音

「ええぇ!?」

 

とんでも発言が出た間にもボートと岸との距離が縮まって・・・しまいには乗り上げてしまった。

 

本音

「わぁあ!! 空飛んでる~!!」

 

楯無

「何、楽しんで・・・っとっとっとっと!?」

 

本音が浮遊旅行に楽しんでいる間に、楯無は地面から出てきた巨大掃除機に吸い込まれていく。楯無を吸い込んだ掃除機は役目を終え地面に戻っていき、本音は近くの茂みに落下した。草木がクッションになって、大した怪我にはならなかったが・・・

 

W

「っ」

 

本音

「わわっ!?」

 

『W』の追撃を受けることに・・・

 

本音

「おっとっとっとぉ・・・!」

 

水圧カッターが草や枝を切り裂きながら本音を襲う。だが、ご都合設定で本音には一発も当たらない。

 

本音

「は、ハナちゃん! 私どうすればいいのぉ!?」

 

ハナ

『策はあります。ですが・・・』

 

本音

「ふぇ?」

 

 

 

 

 

 

W

「とま・・た・・・?」

 

森のせいで視界には写らないが、熱センサーで本音を捉えている。だが、さっきまで逃げて走っていた動きがピタッと止まり、そこに水圧カッターを放つ。

大木は倒れ、枝が細かく切り裂かれていく。一際大きい大木が倒れて、そこから姿を現す本音。だけど・・・

 

本音

『対象を確認。捕獲します』

 

その瞬間、『海神』の装甲に大量の鎖が巻きついた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏

「・・・鈴は?」

 

「命に別状はないそうだ」

 

一夏

「そうか。良かった」

 

「だが、問題は鈴本人よりも・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴SIDE

 

 

保健室・・・右腕をギプスに支えられ、ベットで腰を落ち着かせている。

だけど、腰は落ち着けど心は落ち着くドコロかどんどん荒ぶっていく。

こういう時こそ、一夏を締め上げれば良いんだろうが、そういう気分にならない。

 

「・・・」

 

アタシの手に乗っているのは『甲龍』の待機状態。

だが、もう『甲龍』は動かない。

 

 

獅苑?

『ブリセット』

 

「え?」

 

 

アタシはあの戦いで力を失った・・・現実的に言うと、ISコアを破壊された。今、セシリアとシャルロットと簪が山田先生を通じて何とかしようと頭を悩ませてくれている。

ISコアは篠ノ之博士しか作れない。つまり、直すのも篠ノ之博士にしか出来ない・・・いや、決め付けるのは駄目だよね。だけど、その可能性はかなり高いだろう。

 

「・・・鬱になりそう」

 

みんなは確実に強くなっていってる。だけど、アタシだけが置いてけぼり。箒とシャルロットは新しい機体を授かって、ラウラの実力は1年の中で転入からずっとトップ2で、簪だって色々と努力して、セシリアも一夏に負けて悩んでいたけど乗り越えた。一夏にいつか抜かれるかもしれないほど成長が早い。

それに比べてアタシは・・・

 

「・・・ああもう! 悩み事なんか、一夏絡みだけでいいのに~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無SIDE

 

 

楯無

「・・・ここは?」

 

巨大掃除機に吸われてみれば、大ホールぐらいの広い場所に落とされた。てっきり檻とかに閉じ込められるかと思ったんだけど・・・

 

楯無

「そろそろ、姿を出したらどうなの? 『亡国企業(ファントム・タスク)』のスコール・ミューゼルさん」

 

スコール

「あら、もう本名まで知られちゃったのね・・・なら、後の事を考えると、あなたには消えてもらうしかない。いいわね、更識家17代目楯無さん? 『ベル』」

 

ISの名を呟いたスコールに金色の装甲が展開され、背部に蝶のような四枚羽がゆっくり広がる。私も『ミステリアス・レイディ』を展開させて・・・

 

楯無

「昔と同じだと思わない方がいいわよ。何てったって、今の私は恋する乙女だから♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬SIDE

 

 

獅苑?

「・・・」

 

ラン

「ワンッ!」

 

ルン

「zzz・・・」

 

ロン

「ぐるるるるっ・・・!」

 

千冬

「・・・」

 

何で、犬がいるんだ・・・?


 
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