No.465440

恋姫的外史 第10話

らぱんさん

三国知識も武力もない… いわゆる普通の一般人である主人公が恋姫世界で生きていく物語です ちなみに一刀くんは魏ルートです

2012-08-05 15:35:27 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:784   閲覧ユーザー数:754

 

持たざる者

 

第10話

 

あれから二人は黙々と歩き続け、気付けば日はだいぶ傾いてきていた

今の時期は夏場だと仮定して、現在の時刻は5時前後だろうか?

 

「デクさん、そういえば二日歩くっていうのは、日が出ている間歩けば二日ってこと?」

 

この時代の感覚をいまいち掴み切れていないので、ふとした疑問を聞いてみた

 

「そうなんだな、とりあえずもう少し日が暮れてきたら、休憩して寝る場所を探すんだな」

 

「なるほど、了解しました」

 

あれから荒野を突き進んできたが、周辺は草が少し多めに生えているくらいで、特に劇的な変化が現れるコトは無かったが、遠くに木々がポツポツ生えているのは確認できたので、あの辺りでちょうど夕方になるだろうことは予想できた

 

「私が一緒に着いてきて、予定は順調?それとも遅れてるのかな?」

 

私がいるせいで、デクさんが考えていた工程に遅れを取っているのではと今更ながら不安になってきた

 

「ん~…ショウも頑張って歩いてくれてるから、そんなに遅れてはいないんだな」

 

(一人で歩くのよりは遅れてるってことか…その少しってどれ位なんだろう?)

 

旅に慣れていない私に配慮して返事をしてくれたので、口から出かけた言葉を飲み込んだ

 

なにより心配なのは水の補給である…瓢箪の残りは4分の1を切ってしまっていた

ドライフルーツや干し肉等の食料は心配ないが、また明日半日歩くとなると、水はどう考えても足りなかった

 

「とりあえずは…あの木の下で今日は休むことにするんだな」

 

あの木と言って指差す方向へ眼をやると、5km程先に数本の木々が生えていた

 

そのずっと先の方では、だんだんと木々の間隔が狭くなっていて、林が続いたその先は森へとなっていた

 

「暑くて大変だったけど、よく頑張ったんだな」

 

私よりもデクさんの方が大粒の汗をかいているので、見た目的にはデクさんの方が大変な気がした

 

「それをいうなら、荷物を背負ったデクさんの方がすごいですよ」

 

中身は分からないが、190cmはある様な体格に匹敵するような大きく膨らんだ荷物はパンパンに膨らんでいる

 

「行きより随分減っているから帰りは楽なんだな」

 

中身はお土産やら日用品が大半で、かさばる物が多いそうだ、意外と重量はないらしい

 

「村の皆さんは、デクさんの帰りを楽しみに待っているんですね」

 

「早く帰って、みんなに届けたいんだな」

 

そう言うデクさんはとても嬉しそうな顔をしていた

 

「なら今日はゆっくり休んで疲れを取りましょうか」

 

そんなコトを話していると、目的の木までそう遠くない距離まで近づいてきていた…

 

 

 

 

 
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