No.465197

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 257

soranoさん

第257話

今回のBGNはVERITAの”約束の剣、VERITA ver”です♪

2012-08-05 01:31:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1114   閲覧ユーザー数:1033

~ブライト家~

 

「…………よし!」

鏡に写っている自分を見たエステルは頷いた後、部屋を出た。

「あら、エステル……?…………フフ、似合っているわよ。」

「わあ………前もそうだけど、今もとっても似合っているよ、ママ!」

リビングに降りて来たエステルを見たレナは一瞬驚いた後、微笑み、ミントも頷いた。

「えへへ、そうかな?………じゃ、行くわよ、ミント!」

「うん!」

エステルに言われたミントはエステルと共にレナを見て笑顔で言った。

「「いってきます!!」

「フフ、いってらっしゃい。」

そして2人はブライト家を出て、集合場所である空港に向かった。

 

~ロレント発着所~

 

「お待たせ、みんな!」

「あら、エステル。それにミントもようやく来たわね………え!?」

「まあ…………!」

「お、お姉ちゃん………!?」

エステルとミントに気付いて振り向いたシェラザードはエステルを見て驚き、クロ―ゼやティータも驚いた。

「フム………髪型を変えたみたいだね、エステル君。一体、どういう心境があってその髪型にしたんだい?」

オリビエはシェラザード達が驚いた理由――ツインテールから、ラピスそっくりの髪型に変わったエステルを見て尋ねた。

「えへへ………もう、みんなも知っているけど、あたしの中にはラピスとリン………2人がいるの。だから2人とずっと一緒に生きて行くって言う意味でこの髪型――ラピスの髪型にしたんだ。リンはあたしより髪型が短いから、これしかなかったんだけどね………似合っているかな?」

オリビエの疑問にエステルは答えた後、苦笑した。

「フフ……前より大人しげに見えていいんじゃないかしら?」

「とてもお似合いですよ、エステルさん。」

「う、うん……!前より大人っぽく見えるよ、お姉ちゃん!!」

「えへへ……そっか。」

シェラザードとクロ―ゼ、ティータの言葉を聞いたエステルは照れた。

「…………どうやら、間に合ったようですね………」

そこにプリネ、ツーヤ、そしてリタがエステル達に近付いて来た。

「あれ?プリネ。どうしたの??」

「はい。………エステルさん達の旅のお手伝いをさせてもらおうと思って、ここに来ました。」

「へ!?なんで!?」

プリネの話を聞いたエステルは驚いて尋ねた。

 

「……エステルさん達には今回の件でお世話になりましたから、”私個人”としての恩を返したいですし……何より、エステルさんとヨシュアさんの力になりたいんです。」

「プリネ………ありがとう!」

「ハハ。心強い仲間が増えたな。」

プリネの話を聞いたエステルは笑顔になった。また、ジンは笑いながらプリネ達の加入を快く迎えた。

「フフ……また一緒に旅ができるね、ツーヤちゃん!」

「うん……また、よろしくね、ミントちゃん。」

ミントは嬉しそうな表情でツーヤに話し、ツーヤも微笑んで頷いた。

「フフ……それにレンが大分迷惑をかけてしまったようですし、姉としての責任もとっておきたかったから、お礼なんて良いですよ。……本当ならリフィアお姉様やエヴリーヌお姉様も手伝いたかったようなのですが、お2人はユイドラの件の会議でお忙しくて……」

「あ、あはは……プリネが気にする事ないって!それにリフィア達だって、色々あるだろうし、別にいいわよ。あ、そう言えば、プリネ。一つ気になったんだけど。」

申し訳なさそうな表情で話すプリネを見て、エステルは苦笑した後、ある事が気になり、尋ねた。

「なんでしょうか?」

「ツーヤの叙任式でプリネ、自分のミドルネームで”K”ってあったけど、あれって、どういう事??以前名乗った時はミドルネームなんてなかったよね?」

「………ええ。少し事情があって、ある名前の頭文字だけを今、名乗る事にしたんです。」

「ふ~ん………それでその名前って?」

「……今は言えません。ですが、いつかは教えますので。」

エステルに尋ねられたプリネは一瞬辛そうな表情をした後、凛とした表情で答えた。

「プリネにも事情があるのね………わかったわ!それでツーヤはわかるけど、なんでリタまで??」

プリネの答えに頷いたエステルはリタを見た。

「…………私にはある事情があって、この世界に来たんです。」

「ある事情って??」

そしてリタはエステル達にゼムリア大陸に来た理由を説明した。

 

「し、死した魂が集まる場所、そして”冥王”………まさかこっちの世界では幻想みたいな存在があるなんて…………神や天使が実在するといい、異世界はなんでもありね………」

「こ、こんなガキがその門番って……し、信じられねえ………」

リタの説明を聞いたシェラザードは驚いた後疲れた表情で溜息を吐き、アガットは信じられない表情でリタを見ていた。

「フフ……私はこう見えても、”幽霊”ですから数百年は生きていますから、子供ではないですよ?」

「ふ、ふええええ~!?リタちゃんって、幽霊さんなの!?」

リタの話を聞いたティータは驚いた表情で尋ねた。

「フフ、できればそんなに怖がらないでもらえるとありがたいです。幽霊といっても理性や自我はありますし、皆さんと同じように飲んだり食べたりすることもできますよ?」

「ほう…………どうやら普通の幽霊とは違うようだな。……見た所、槍に座っているようだが、その槍で戦うのか?」

リタの説明を聞いたジンはリタが座っている槍――”魔槍ドラブナ”に目を向けて、尋ねた。

「ええ。それと冷却魔術も使えますし、戦闘ではお役に立ちます。皆さんの足手纏いにはなりませんので、どうか同行を許してくれませんか?」

「そんなのこっちが頼みたいぐらいよ!これからよろしくね、リタ!それとあたしの事は”エステル”でいいよ!……まさか幽霊の友達までできるとは思わなかったけど。」

「フフ、ありがとう、エステル。私も貴女の”友達”として、貴女の力になるね。”魔槍のリタ”、これより貴女達の旅を助力させて頂きます。」

エステルの笑顔を見たリタは可愛らしく微笑んで頷いた。

「ハア……闇夜の眷属に精霊、幻獣、竜に天使、魔神、そしてついには幽霊とも親しくなるなんて、あんたは一体どれだけの種族と親しくなるつもりよ………この様子だと、その内”神”とも親しくなるか、契約をするんじゃないかしら?」

「フフ……それがエステルさんなんでしょうね。」

疲れた表情で溜息を吐いて呟いたシェラザードの言葉にクロ―ゼは微笑みながら答えた。

 

ボース方面行き定期飛行船、まもなく離陸します。ご利用の方はお急ぎください。

 

「さて………出発の時間が来たようね!みんな、行こう!」

離陸の放送が聞こえたエステルは仲間達を促して、飛行船の中に入って行った。エステル達が飛行船の中へと入り、その場にはプリネしかいなくなった。

「………………ヨシュア。…………レーヴェ。………………絶対にあなた達を闇から救って見せる…………!」

決意の表情で空を見上げて呟いたプリネは、その後飛行船の中へと入って行った。

 

そしてエステル達は次なる目的地、ボースへと向かった…………………

 

 


 
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