No.464211

超次元ゲイムネプテューヌ Xworld  灰と紅と量子

さん

多分、一番ひどい扱いの紅夜
嫉妬かな……?

2012-08-03 10:34:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:892   閲覧ユーザー数:762

さて、ただいま俺が置かれている状況に付いて述べよう。

上は眩しすぎるほど輝いている太陽、右はデカい雲、左はどこまでも広がる蒼い水平線、下を見れば手に収まりそうな町らしくものーーーつまり今の俺は

 

 

「絶賛、落下中でございまーーーす!!!!!っ」

 

喉から思わず吠える今一杯のツッコミは虚しく空へ溶けていき体を動かすも何も掴めず大気を貫く一つの弾丸となって激しく動く髪を抑えながら、いままでのことを思い出す。

 

冥獄界と億以上のモンスターとギョウカイ墓場を糧にディスペア・ザ・ハードを倒す(結果的に)

               ↓

その最終技の反動で俺は虫の息、もうダメかと思ったらレイスが助けてくれてそのままプラネテューヌの病院に緊急入院

               ↓

ネプテューヌ達にまた無茶したなんたら、なんたらで滅茶苦茶怒られる。

               ↓

鬱陶しく思いながらようやく退院する。

               ↓

不思議な、どこかネプテューヌの面影を思わせる少女と会う

               ↓

          変なワームホールに落ちる

               ↓

       空中に通じていて、俺は重力に従い落下中←いまここ

 

「……………」

 

さて、これらと元に検証するにしたがってとりあえず思いつくのは一つだけというよりこんな明らかに常識外れたことには……あいつが関わっているということは確実だ!

 

「あとでデコピン一発は覚悟しておけよ……空!!」

 

ここにはいない本来の職場に戻った友人の顔を憎みながら限定にエクリプス……できねぇ

 

「だーーーもう!!」

 

空が入院時になんかいろいろ言ってことを思い出しつつ、俺は過去に使っていたブラッディハード(背中だけ)になりバックプロセッサの推進力で地面に接するギリギリの所で止まる。

 

「………寿命が100年ぐらい縮んだ」

 

俺は生死の概念がないので勿論、寿命も減りもしなければ増えたりもしないけど、とりあえず呟きたかった。

周囲を見ると至ってどこにでもありそうな森林だ、さすがに樹木に対しての知識はほぼ無関心だったのでここ一体の木の詳細なんて全然わからない。

 

「…………はぁ」

 

まさか退院のその日にこんな目に会うとか一体誰が予想出来るのだろうか、俺は深淵の如くため息を付きコートのポケットからはやりのスマートフォン似た器具を取り出す。

これは空から何か合ったときように渡されたその名も『神次元どこでも繋が~るスマホ!』と言う名前で、その名の如く世界の壁すらを越えて通信できる明らかにゲイムギョウ界にとってはオーバーテクノロジーの通信器具だ。

勿論普通の携帯としての機能もあるのでこれを貰ったその日(・・・)に、ネプテューヌ達にパクられ帰ってきた時は彼女達のアドレスが入っていた因みにネプテューヌは『いつもあなたにニコニコ幸福を送り届ける女神ネプテューヌ!』……とか無駄に長ったらしい名前で登録されている。

 

「っと、………」

 

スイッチを入れると画面が鈍く光、俺の目前に投影されたディスプレイをタッチ操作で電話帳の最後の手前にある、や行までスライドさせ『夜天 空』にタッチして通話ボタンを押す。

 

「…………」

 

適度に流れるリズムとノイズに染まっている場面を見ながら待つこと数十秒後、………顔より先に怒声が響いた。

 

『だから!!!ここは行列が出来る神相談場所じゃないよ!そういう問題はお兄様……クロウス・ラーズディングに連絡してください!それになんで僕のプライベート番号知っているんだよ!?!?』

 

まず確認できたのは黄金色に輝く綺麗な髪色、いつもは完璧とも呼べる整えられた貌は怒りに震えていた。

 

 

 

『えっ!?また出て行かれた!?それは、ほいほい人間の女性の尻を追いかえるゼウス!お前のせいだ!!!自由恋愛なんて理想はとっとと捨てろ。このたらし!!!』

 

えっと………

 

『へっ!?ウチのヴァルキリー達が可愛いすぎて困る!?ただの自慢かオーディン!?お前なんか腹上死してしまえ!!この知識オタク!!!』

 

…………

 

『はっ!?カーリーが踊り始めた?僕じゃなくてシヴァを呼べよ!僕に踏み続けられるようなM気はないよ!!っとお姉様!?僕は今仕事中で………アーーーー!!!!!』

 

 

俺は無言で空との電話を辞めて、スマホをポケットに仕舞った。

 

 

「さて、行こう」

 

俺は何も見なかったし、何も聞かなかった。以上だ

 

 

 

ーーーーーーーー○●○ーーーーーーーー

 

 

森林を歩き続け見たことがある雰囲気がある町へ到達する。

白を中心とした街並み、所々に並ぶタワーそしてその中心に聳え立つのは雲に手を伸ばす勢いのプラネタワー……だよな?。

空から修行時にいろんな世界に連れて行かれているのでもしかして似たようなものが合った可能性がある、もっと言えばゲイムギョウ界には並行世界があると聞くので後者の確率の方が高いのか?いやーーー変な違和感を感じる例で言えば映画を見ているような造られたものを見ているような………とりあえずこの地がどんなところか誰かに聞く必要があるなこれは

 

「…………」

 

とりあえず町に入る。

雰囲気と言い身に覚えと言いやはりここはプラネテューヌか?さきほど俺が入院していたプラネテューヌ総合病院もあるし………今の現状を整理しようと反対側を歩いた時、思考を深くし過ぎたのか前の人を意識できずぶつかってしまった。

 

「っと、すまん」

「……っ、ああ。悪いなこっちこそ」

 

ぶつかったのは俺より少し下ぐらいの少し目つきの鋭い印象を受ける青年だった。

青年は警戒するように俺の服装やらに目を運ぶ、少なくてもこんな漆黒のコートの姿を怪しむのは当たり前か……?

いや、この青年は似たような服装だし……そもそもこの青年には、なんというか少なくても人間じゃないような気がする。ただの勘だけど

 

「ええと……」

「あ、ああ……悪い。ちょっと、な」

 

さすがにこんな道路の真ん中でじろじろ見られるのはいい気がしない。

困った声を零すと青年は気を察してくれたのかあっさりと引いてくれた。っとこんなことを思っている暇じゃなくてこの街にいるならここのことを知っているかもしれない

 

「……ちょっといいか?」

「な、なんだ?」

 

少し怯えたような声音……俺そんなに怖いか?

顔を見せるようになってからは熱い視線が主になったけど、やっぱり常識的にこんな真っ黒のコートはありえんか普通……っというかこっちは質問する側であるのにどう質問する?多分俺、かなり恥ずかしいこと聞く気がする……

 

「つかぬことを聞くんだが……ここはどこだ?」

「どこ、って……プラネテューヌだろ?」

 

そうか、それじゃここはもしかしてゲイムギョウ界の並行世界なのか………もしかして空が昔頼んできたイエロハートがいるゲイムギョウ界なのか?

いや……そうだとしたらあの謎の女の子の存在が引っ掛かる。空の知り合い……と言う線も可能性があるがさすがのあいつもいきなりこんなことを連絡しないというのはあいつらしくない。そもそもさっき電話した時があれだから俺に連絡できるような余裕もない

 

「プラネテューヌ……ということは、ゲイムギョウ界か?」

「そうだと思うが」

「……そうか」

 

とりあえず大事な情報が手に入ったとはいえ、これからの方針を決めるには圧倒的に不足だがな……

 

「どうしてそんなことを聞くんだ?」

「ん?」

 

しばらく、考えていると青年が話しかけてきた。

そうだ、念には念のためと言う奴だ聞いてみよう……

 

「なんだ、どうした?」

「念のため訊くが……あの女の子の仲間じゃないな?」

「は……?」

 

ゾクッ、と嫌な予感がした。

俺はどうやら監視されているかもしれない厄介ごと決定ーーー、うれしくねぇ……

 

「俺の名は、零崎紅夜。お前は?」

「俺はテラだ」

 

テラ……テラか一瞬体を奪われて残留思念となった鍵剣使いが浮かび上がったがとりあえずカット、俺の目の前のいるテラ

は反応からしてあの女の子の仲間じゃないな、もし嘘をついていたならなんとなく分かる、これでも負の神だからな。感情の流れには敏感な方だ

とりあえず、俺は素早くテラの手を掴み一瞬だけ空間を斬る(・・)、レイス直伝の技だ。

勿論、病院生活だったから試したのもこれが初めてだし、まだ実戦じゃ使えるほど完成度はない。ただこれで一瞬だけど俺達の気配は消えるその間にどこでもいい、人目のつかない場所にーーー!!!

 

「どういう意味だ? 女の子って誰のことだ」

「……俺が『こっち』の世界に奇妙な女の子に会った。薄紫の長い髪の女の子で、これといった大きな特徴はないんだが、見ただけで何か感じるものがあった」

 

近くに会った路地裏に潜り込むように場所に駆け込んだ俺達、監視されているような妙な気配はしない撒けたか?

 

「それで……『こっち』の世界ってのはどういうことなんだ? さっき訊いてきたあの質問の意味と関わってくるのか?」

 

……その質問に俺はもの凄っっっっく、冷や汗を掻いた。

いやだってここは俺の知っている世界じゃないとか、どう考えても危ない人だろう!!!でも事実として俺にはそれしかないし……俺は覚悟を決めて口を開いた。

 

「ここはもしかすると俺の元いたゲイムギョウ界じゃないかもしれない」

「元いたゲイムギョウ界じゃない……? どうしてそんなことを思うんだ?」

 

あれ?以外にすんなり、いや真面目に答えてくれた。テラももしかして似たような境遇なのか?だとしたら話は一気に進むが……とりあえず俺は路地裏から見えるプラネテューヌの街並みを見る。

 

「分からない……半分直感なんだ。この景色を見たとき、奇妙な違和感に襲われた」

 

まるで造られたような錯覚のこのプラネテューヌを元にしたこの世界……ちっ、空ならともかく俺は自分の守護地、冥獄界がないから調べようがない。

 

「でも……そうなると俺達は、一体どこに来てしまったんだ?」

「俺、たち? お前も別のところから来たのか?」

「恐らくな」

 

まさかの同じ境遇者ですか……、そうなるとーーー!

 

「!」

 

突如とした嫌な悪寒に遅まれたさっきの監視されているような感覚じゃない!これは………獲物を見つけた獣のような視線!

 

「今のは……?」

「上だッ!」

 

魔力を足に集中する暇は、ない!。

自分の身体能力を信じ、後ろに跳ぶ!その刹那で俺の目の前の地面が粉砕された

 

「なんだってんだ……ッ!」

「お? 避けましたねぇ」

 

煙からは確認できないが、テラの声の動揺した声が聞こえる、ということはあちらも避けたか。

 

「誰だ!」

 

さきほどの攻撃をしてきた方向ーーー真上に視線を送るとそこにはどこか可愛らしい印象を受けるがその視線には明らかな狂気が見える瞳をしていて、その肩には死神を思わせる鎌を担いでいる。

 

「誰だと訊かれりゃ、答えまさァ。俺の名はエスター!」

 

エスター、ーーそう名乗ったそいつはアニメなどで使わそうなキメポーズを決めた。……良くわからん奴だな……

 

「って、およよ? 二人ですかい?」

 

この場には俺とテラ、確かに二人だが俺はあいつを知らない。もしかしてあの女の子の仲間……?

 

「ひぃ、ふぅ……やっぱり二人ですねぇ」

 

煙は消え、俺とテラは視線が交わる。……テラの知り合いってところじゃなさそうだな

 

「何者だお前は! どうして俺達を攻撃する!?」

「うえぇ~、これじゃどっちがどっちか分からねえし……」

「話を聞けッ!」

 

激昂するテラを見ながらこの少年とテラは無関係……演技じゃなそうだしそもそも利益が無い。

どうする、この距離なら紅曜日を出して直ぐに切りかかれば終わりだけどあいつもテラと同じく人間でない気配がある。だとすれば……

 

「ま、こいつらの内、どっちかは人間じゃねえんだし……」

 

ーーー来る!

 

「両方殺しちまえば、正体くらい分かりまさァ」

 

エスターから俺たちを殺す気が放たれる。

直ぐに攻撃に移ろうとするが俺の横にいるテラはエスターの殺気で怯んでいるし、ここでテラに向けて先ほどの攻撃が来れば確実に当る……となればやることひとつ!

 

「ほんじゃ、失礼してっと……」

 

増幅していく殺気、それはもはや人間が浴びれば気絶するレベルだ!。

耳に響く轟音を無視し、俺は足に魔力を流して強化してそのまま一気に跳ぶ!

 

「どっちかが女神に関連する力を持っていることは分かってまさァ。ですから、関係ない方には悪いですが、死んでくだせぇ!」

 

再び、放たれる謎の攻撃

俺はテラを吹き飛ばし俺自身もその方向へと瞬時に移動する!

 

「こ、紅夜ッ!?」

 

テラは何が起きたか分からない様子で俺に吹き飛ばされ体制を崩し、地面を手に付け腰を地面にぶつけた。

 

「何が起こった?」

「不可視の真空刃を飛ばしてきたんだ」

 

最初は念動系の攻撃かと思ったけど微かに風を斬る音からそれは無い、なによりも地面に残った切った後のような傷跡からそれは予想できる。

それに似たような斬撃を飛ばすようなことは空が模擬戦で普通にしてくるからな……

 

「少しだが見える。たぶん普通の人間の眼なら見えないだろうな。……あとはほとんど勘に頼ってる」

 

再度、放たれた不可視の真空の刃を飛んで避ける。

先ほどより更に鋭く、速くなっていく……一瞬、ブラッディハードになろうと思ったが直ぐにやめた。

退院ばかりのこの体に無理をさせるなと空に何度も言われているし、なにより俺はこいつを倒す理由がない。

 

「これでも見えるんですかい? ……つーことは、可能性的にはそっちの兄さんの方が高そうでさァ!」

 

再び迫りくる不可視の刃、そこら辺を飛び回り躱していく。ぶっちゃけ空の雷撃魔法の方がエゲツナイほど速い、これなら今の俺でもなんとか避けれるが攻撃が激しくて反撃の隙がない、あの真空刃の嵐に突っ込むという策はダメだ。

これだけがエスターの能力だとは確定できない……誘われて近づいたところで強烈な技が来るかもしれない無知の相手にそれは悪手だ

 

「ッええい! 厄介でさァ!」

「やめろッ!」

 

エスターがさらなる攻撃に移ろうとしたとき、テラはどこからか自分の背以上はある斧剣を出現させて壁を走り登りエスターに切りかかった!

 

「お前は何者なんだ!? どうして女神の力を狙う!」

「邪魔、しないでくだせぇ!」

 

っーーー!俺に向けて放たれていた乱撃が止まった。

だが、テラはエスターの真空刃の嵐を喰らってしまい全身を切り刻まれた

 

「ッ、ぐああッ!」

「テラ!」

 

瞬時に両手に緋壊螺を取り出し、エスターに向けて魔力の弾丸を放つがエスターは鎌を持っていない左腕を無造作に弾丸向けて手を伸ばすと弾丸は目標を見失ったように明後日の方向へ飛んで行ってしまった。

だが、切り刻まれているはずのテラは攻撃が来ていない様に動き、再度エスターに向けて剣を突き立てるが弾かれてしまう。

それを狙い、エスターがその手に持つ鎌を振るう緋壊螺で狙うが間に合わない!最悪の光景が過ったときにテラは自身の手を伸ばす暗い、光を喰らうような闇の壁を造りエスターの一撃を守るが吹き飛ばされた。

 

「って……!」

「ふぅん……そっちの兄さんも妙な力を持ってるようでさァ」

 

……なんだ、さっきのは闇の力は努力や資質で人間にも使えるようにはなるがテラのさっきの普通の扱いより根本的に違う。

 

「さすがに俺でも人外二体相手取るのは面倒でさァ。どこぞの大連続狩猟クエストじゃねーんですから、罠なんか幾つも持ってねえでさ」

 

俺の思考をよそにエスターは体を放り投げるように地面に倒れこんだ。

さきほど、放出した全てを飲み込み喰らう勢いの殺気は嘘のように消滅していた。

 

「ま、次はしっかり準備して狙いにきてやりまさァ。罠も爆弾も回復薬もしっかりと用意して……ね」

 

そんな次も来ると宣戦布告に似た言葉を残して、軌跡も残らないほどの速さでエスターは姿を消した。

 

「なんだってんだよ……っ」

「……」

 

あいつの発言、それに言動からして恐らく女神に深い憎しみがあると読める。

女神に関連する力……俺は対極だから違うから、いやしかし関連と言えば関連するのか?

 

「なんだってんだよ……っ」

「……」

 

完全に途絶えたエスターの気配に俺はとりあえず安心して緋壊螺を消す。

奴らの目的が今一つ見えてこない。単独か、それとも集団で、なにをしたいのか……

 

「見覚えある奴だったか?」

「まさか」

 

だろうな、これでもそれなりの実力者になったんだ二人が手を組んでいるならとっくに気づいている。少なくてもエスターのあの殺気は心の底から俺たちを殺す気だった。

 

「あいつ、女神関連の力がどうとかーーーって言ってたよな?」

 

尋ねるように聞いてきたテラに頷く。

テラの顔は徐々に深刻な顔になってきたそれはまるで家族の行方を気にするような心配そうにするな、しかしどこか混乱しているようにも見えた。

 

「気になるのか?」

「……まだここが俺の世界じゃないって言う確証もない。もしかするとここは俺のいるべき世界で、何らかの異変が起こってるんだとしたらこの違和感にも説明はつく」

 

異変……ね。確かに俺はあの不思議な女の子に餌とか呼べていたし、その後にこれだから関係は必ずあるよな……

 

「それに、この世界が俺の世界でなくとも……女神が殺されるところなんて見たくない」

 

テラのその凛とした顔と決意の双眸に思わず笑いそうになった。

あぁ、多分俺もネプテューヌ達の前に立つときはこんな顔になっているんだろうな……

 

「俺はあいつらを殺させるわけにはいかない」

「同感だな」

 

あいつらのとの日々は平和だった。予定ではこれから味わうはずだったけど、こんな事態だ。楽しみは後に残しておこう

 

「俺も……あいつらは大切な仲間だ。それが別の世界の存在であれ、見過ごすなんてできそうにない」

「お前も……?」

「ああ」

 

それに、ここがゲイムギョウ界の並行世界なものだったら空の最後の気がかりだったイエロハートという女神に会えるかもしれないしな

 

「すげえ偶然」

「まったくだな」

 

あのエスターという奴も再び刃を合わせることにもなりそうだ。

出来れば穏便に済ませたいがあいつがもし女神に刃を向ければ是非もない徹底的に抗戦する覚悟だ。

 

「とにかく今は動かなきゃ始まらない」

「そうだな」

 

これからどうするのか……この世界の女神に合う?ダメだいきなり女神に会わせてほしい、とか言っても相手にされない下手をすればスパイ扱いされる可能性がある、同じく教祖も同じ理由で断念だ、残る手は……結構運頼みだけど

 

「行こうぜ、紅夜」

「ああ、了解だ。テラ」

 

目指すはバーチャフォトレスだな。

 

 

 

 

ーーーーーーーー○●○ーーーーーーーー

 

 

ということでやってきましたバーチャフォトレス、入り組んだ森林にアリの巣状に繋がっている不思議な建造物は並行世界といっても同じだ。

空すら隠す様に生い茂った樹木達は日光を隠し、どこか不気味な雰囲気を醸し出す。

 

「紅夜。どこに向かっているんだ?」

「ゲイムキャラに会いに行くんだ」

 

古の女神が作ったとされるゲイムギョウ界の秩序と循環を司る存在、マジェコンヌとの戦い時にネプギア達に力を貸してくれた心強い存在だ。……並行世界といってもそんな貴重な存在がないというのはありえないだろう!……多分

 

「ふぅん、どこにいるのか分かるのか?」

「……………」

「おい」

 

だって仕方ないだろう!ここ俺の知っているバーチャフォトレスだけど道が全然違うし!そもそもここにいる保証もないけど、何もわからないよりはマシだろ!?

 

「……はぁ」

 

呆れられたため息を付かれた詳しくにはこんなやつに付いて行って大丈夫か?みたいな……うぅぅ、俺のガラスのハートにハンマーが振り下ろされた気分だ。

 

「この年になって迷子は勘弁してくれよ……」

「大丈夫だ!」

 

いざとなればブラッディ・ハードになって空を飛んで強制的に戻ったらいいことだからテラはその時、抱えるなり運ぶなりすれば全てオールOK!……自分で言うのもなんだけどこれは迷子前提だけど。

とりあえず『左目』を使う、完全な負の神となった俺は負は混沌なのでその逆である秩序と循環の場所がなんとなく分かるはず……この手は使ったことないので何とも言えないけど、理論上では可能のはずだと自分に言い聞かせバーチャフォトレスの奥へと向かっていると……

 

「生き倒れか?」

「さぁ、外傷がないから多分……」

 

俺たちの目の前に一人、奇妙な着物を着ている人物が倒れていた。

 

「Zzz………」

 

寝ているな見ているこっちが気持ちいいほどに、とりあえずテラと俺は目を合わせる。

結論的には起こすことにした、ここって一応ダンジョンだしモンスター出るしさすがに発見してしまった以上は起こすなりしないと危ない。

 

「おーい、おーーーい」

 

とりあえず、ベタに頬を数回叩いているとそいつは黄緑の瞳を数回開いて大きな欠伸を一つして起き上がった。

見てみると俺やテラに比べて幼い、歳で言うならば多分ネプギアと同じくらいだろうか?

 

「あー、あんたたちは?」

 

頭部を掻きながら半開きの瞳で俺たちを見て来た。

 

「俺の名前は零崎 紅夜だ」

「俺はテラだ」

 

謎の少年は自分の着物に付いた埃を払い真っ直ぐ立った。

ゆらゆらと動く束ねた髪と普通そうに見えるその貌もどこか威圧感があり、こいつは只者ではないと俺の直感が訴えている。

 

 

「俺は自由をモットーに生きるクァム・ユネィだ。よろしくな!」

 

 

 

 


 
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