~地上~
「ふん!………せぇい!」
「…………」
大剣を持っているにも関わらず素早い攻撃をして来るミュラーの攻撃をヨシュアは冷静に双剣で捌いていた。
「そこっ!」
そこにジョゼットが銃でミュラーを攻撃した!
「ハァァァ!!」
「!!」
「う、嘘……!攻撃が効いていない!?」
攻撃が命中したにも関わらずヨシュアを攻撃しているミュラーを見て、ジョゼットは驚いた。
「な、なら!………」
驚いていたジョゼットが気を取り直してオーブメントを駆動させたその時
「させんっ!」
ミュラーが懐から小刀を出して、ジョゼットに放った!するとジョゼットのオーブメントに命中し、駆動をしていたオーブメントは駆動を止めて、止まった。
「う、嘘!?アーツが使えなくなっちゃった!」
魔封の小刀を相手に放ち、オーブメントの駆動を妨害し、さらにアーツを一時的に放てないようにするミュラーのクラフト――ミラージュエッジを受け、アーツが妨害された事と、アーツが使えない事にジョゼットは焦った。
「……アーツは多少厄介だからな。封じさせてもらった。………はぁっ!!」
「う、うわっ!な、なにコレ………!」
さらにミュラーは武器から剣気を発生させ、剣気で離れた敵を間合いに引き寄せるクラフト――ラグナバインドを放って、ジョゼットを自分の間合いまで引き寄せ
「行くぞっ!はぁぁぁぁぁ!せりゃぁ!」
華麗な剣舞で敵に大ダメージを与えると共に惑わせるクラフト――ブレードダンサーをミュラーはジョゼットに放った!
「あぁっ!……もう、ダメだよ………」
ミュラーのクラフトを受けてしまったジョゼットは悲鳴を上げて、地面に蹲った。
「……クロックダウン!!」
「何!?」
そこにジョゼットを攻撃している隙を狙ってオーブメントを駆動させ始めたヨシュアのアーツが発動し、ミュラーの動きを遅くした!
「絶影!!」
「ぐっ!」
さらにヨシュアはまた、オーブメントを駆動させ始め、クラフトを放ってミュラーにダメージを与えた!ヨシュアの攻撃を受けたミュラーは一端、距離をとった。
「セラス!!」
そしてヨシュアのオーブメントがまた、発動し、戦闘不能になっていたジョゼットの傷を少しだけ回復した。
「っつ!今度はそう簡単にやられないんだから!」
ヨシュアのアーツによって復活したジョゼットは身体に伝わっている痛みに顔を顰めながらも、またオーブメントを駆動させ始めた。
「好きにはさせん!」
しかしそれを見たミュラーはクラフト――ミラージュエッジを放って、ジョゼットのアーツをまた封じようとしたが
「せいっ!」
ヨシュアがジョゼットの前に出て、双剣で小刀を打ち払った!
「さっきのお返しだよ!……アースランス!!」
そしてジョゼットのオーブメントが駆動し、アーツによってできた地属性の槍がミュラーの足元から生えて、ミュラーを襲った!
「ぐっ!」
ジョゼットのアーツが命中したミュラーが呻いている所を
「朧!!」
「ガッ!?……やるな。」
ヨシュアは一瞬でミュラーの背後に移動し、ミュラーの背中を斬りつけて、また元の位置に戻った。ヨシュアのクラフトを受けたミュラーだったが、それでもまだ武器を構えていた。
「はあ…はあ……。な、何で倒れないのさ!?」
「達人(マスター)クラス……。しかも姓がヴァンダールか。オリビエさんの正体。大体、見当がつきましたよ。」
戦闘不能にならないミュラーに息を切らせながらジョゼットは焦り、ヨシュアは冷静な様子でミュラーに言った。
「それを言うなら君の正体もなかなか驚きだ。『ハーメル』の遺児、ヨシュア・アストレイ君。」
「!!!」
「え……?」
ミュラーが口にした言葉にヨシュアは目を見開いて驚き、ジョゼットは何の事か訳がわからなかった。
「やはりか……。あのお調子者のカンもたまには当たるらしい。」
ヨシュアの様子を見たミュラーは真剣な表情で呟いた。
「………………………………」
「ヨ、ヨシュア!?」
一方ヨシュアはミュラーを睨み、すざましい闘気を身体に纏わせ、その様子を見たジョゼットは驚いた。
「聞かせてもらいましょうか……。どうして貴方たちがそれを知っているのかを……」
「どうやら本気にさせてしまったようだな……。ならば俺も全力で応えよう。」
怒りと闘気を出しているヨシュアの様子を見たミュラーはヨシュアと同じようにすざましい闘気を身体に纏った!
「ちょ、ちょっと……!」
2人の様子を見たジョゼットが焦ったその時、『山猫号』が動き始め、離陸しようとした。
「準備完了だ!2人とも飛び乗れ!」
「うんっ!」
飛行船のハッチから出て来たキールの言葉に頷いたジョゼットは飛行船に飛び乗った。
「ほら!何やってんのさ!」
飛行船に飛び乗って来ないヨシュアに気付いたジョゼットはヨシュアを注意した。
「………くっ………………」
ジョゼットの言葉に口を噛みしめたヨシュアは離陸し始めた飛行船にジョゼットと同じように飛行船に飛び乗った。
「な……!」
「に、逃がすな!」
「はわわ~、シャッターチャンスです~!」
そこに兵士達が駆けつけて発砲し、ジョゼットはシャッターを何度も切っていた。そして『山猫号』は飛び去った。
「くそっ!」
「隊長殿はどうした!?」
「ハーケン門に連絡を取れ!」
飛び去った山猫号を確認した兵士達はせわしなく動き始めた。
「あれれ~……?今の男の子ってどこかで見たことあるような~。」
一方ドロシーは一瞬見えた見覚えのある人物に首を傾げ、カメラをチェックした。
「はわわっ、どういうこと~!?ナ、ナイアル先輩に相談しなくちゃっ……!」
カメラをチェックした時、映っていたヨシュアを見たドロシーは慌てていた。
「命拾いをしたのは果たしてどちらの方か……。ふふ、まだまだ俺も未熟だな。」
一方ミュラーは階段を降りながら独り言を呟いていた。
「しかし『ハーメル』か……。どうやらあのお調子者の手伝いをするしかなさそうだ。」
こうしてグランセル、ボースを騒がせた夜は開け、翌日……………
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外伝~山猫号奪還作戦~後篇