◆ 第17話 初めての魔法戦 ◆
どうも、ご主人たちが戦っている間に似非人生相談をしていたみぃです。
うん、その、なんだ、一応反省してるんですよ?
でも、ユーノの結界が…ですね……はい、いい訳ですぅ。
「うん。反省してるならいいの」
ご覧の通り、ご主人からのお説教です。
要約すると、戦って欲しいわけじゃないけど
自分たちががんばっているときに遊んでるのはどうかと思うの、ということなのだ。
遊んでたわけでなく、アリサ嬢との仲直りを画策していたんですぅ……
とか言うわけにもいかず、嘘を教えています。
むぅ、でもこのまま怒られっぱなしなのも悔しいのでちょっと反撃してみます。
(うぅ、ご主人……怖いです)
「えっ、あ、ごめんね? そんなに怒ってるわけじゃないんだよ?」
あわわとか言いながらぬこを慰めるご主人。
ふはは、ぬこにお説教とか効きません! 逆手にとってやんよ!
「……みぃ君?」
(ごめんなさい)
調子に乗った結果がコレだよ!
三日天下どころか三秒天下ぐらいでした。
それから再びお説教タイム。ぷんすか言いながらご主人はぬこを叱っています。
怒ったご主人も可愛いとか思ってしまうぬこは末期ですか? そうですか。
「あれ? どうしたのなのは? 今日は早起きだね?」
「あ、お姉ちゃん。うん、今日は早く目が覚めちゃって」
そうなのです。
ぬこはなぜか早起きをしたご主人について行った道場でお説教をされていたのです。
なんか落ち込んでたから心配してついていったんだけど……ご覧の有様だったのである。
で、そのままご主人と美由希さんの練習……というか鍛錬? の見学をすることに。
と言いつつ、ご主人はユーノと念話してる模様なので代わりにぬこがしっかり見ておくことにする。
使っているのは小太刀、それの二刀流。どこぞの御庭番衆の頭と同じですな。
回転剣舞六連ッ!! とかやってくれないかなぁ……とか思ったりします。
ここの人達は本当にできそうで怖いです。
でも、基本ぬこは斉藤さんの牙突零式の方が好きだったりする。
とまぁ、そんなことをつらつらと考えている内に終わってしまっていた。
結局ぬこもほとんど見てなかった件について。いや、ごめんね、美由希さん。
◆
まぁ、そんなことがあった日の夕方。
ぬこはいつものように翠屋で働いて、いつものように暇になったんで
ちょっと公園へと散歩に出かけたわけですが……現在、絶賛後悔中であります。
なぜかと申しますと……
「■■■■■■■ァァッ!!」
なんか目の前に人面樹的な物体がぬこに襲いかかって来ているのである。
ぬこは飛んだり、バリアを張ったりと大立ち回りをしてるわけである。
ユーノから魔法を習っててよかったでござる……こんな場面に遭遇したくはなかったけど。
ってぇ!? そんな場合ではない! 破れる、バリア破れちゃう!?
(ぎにゃーーッ!? ごしゅじーんっ!! フェイト嬢でもいいから何とかしてーーッ!?)
根っこを鞭のようにしてバリアに叩き込んできくるのを、必死で防ぐ。
ユーノの結界が張られたから近くにはいると思うんだけど……このままじゃぬこ持たないかも!
「みぃ君下がってッ!」
(へっ? うわっ!)
そんなご主人の声が聞こえて、桃色の光がぬこに襲いかかってくる枝や根をなぎ払い、そのままご主人の魔法が人面樹に直撃!
しかし人面樹はマジックバリアを唱えた。防がれちゃいました。
そしてその爆風に飛ばされるぬこ。
(あ~れ~……むぁ?)
「まったく。世話の焼ける子だね」
「大丈夫?」
間抜けな声を上げながら風に流されるぬこは、どうやらアルフさんに受け止められた模様。
ナイスキャッチです。
(おぉ、助かりました)
「危ないから、離れたほうがいいよ?」
(むぅ、それもそうなんですけどねぇ、ぬこも一応使い魔なんでね。
アルフさんみたいにとまではいかないけど、ご主人の役に立ちたいわけなんですよ)
「そっか……がんばってね」
(ういうい、そっちもがんばってくださいな)
というわけで、ご主人の近くまで飛んで行くことにすると。
「みぃ君! 怪我しなかった!? ごめん、ごめんねっ。私がもっと気を付けてたら……」
と、我らがご主人はぬこを抱きしめて、こんな感じで自虐気味に謝るのであった。
……まったく、しょうがないご主人様である。
ぽふんと前足をご主人の口に当てて、なおも謝ろうとする御主人を止める。
(ご主人ご主人。ご主人のおかげで助かったんですよ? 何で謝ってるんですか?)
「でもでも、私のせいでみぃ君が、みぃ君が……っ」
(ご主人のせいじゃないんです、ご主人のおかげ!
ほら、ぬこは見て通りピンピンしてるんですよ? だからありがとう、ご主人)
「みぃ君……うん、どういたしまして!」
やっといつものご主人に戻りましたよ。
ちょっと強引だったけど、笑ってくれたならこれでよしとする。
(さて、問題はアレをどうするか、ですよ)
「うん、そうだね……」
まぁ、とりあえずばかすか撃つしかないんじゃね?
見た感じフェイト嬢もちょっとてこずってるみたいだし、波状攻撃もしくは同時にってとこですか。
(フェイト嬢はもう始めてるから、ご主人はそこからの砲撃をするということで)
「うん。じゃあ、みぃ君は下がって―――」
(ところがギッチョン、そうはいかないんですよ。
ぬこはご主人の使い魔……と言うか家族なんですから、お手伝いぐらいはしますよっと。
それに恭也さんたちから頼まれていることだしね、まぁ言われずともやるつもりだったけど)
「お兄ちゃんが……?」
(ま、その話はまた後で。フェイト嬢ががんばってるのにご主人は何もしないってわけにはいかんでしょ?)
「あ、うん!」
ぬこがそう言うと、ご主人はレイジングハートを構えて砲撃体勢に。
いつ見ても魔法少女と言うより魔砲少女だよなぁ。
魔法はパワーなの! とか言い出さないかしら。
ぬこはご主人の将来が不安でなりません。
とか何とかやってると、ご主人に向かって例の人面樹からつるのむち(笑)の攻撃!
(ふはは! ぬこバリア!)
ぬこの前でご主人に攻撃とかいい度胸だな!
ぶっ飛ばすぞ、ご主人が!
「お待たせ! 撃ちぬいて! ディバイン!」
その声が聞こえると桃色のビームが発射された。
フェイト嬢の方からも魔法が飛んできてるのでコレで終わるでしょ。
いやぁ、それにしてもコレで本格的にぬこも魔法デビューですな! ユーノに出番はないよ!
んで、仲良く? 封印もし終わったんだけど……ご主人たちはやる気満々です。
ま、ご主人はたぶんこのために美由希さんの練習見てたんだろうし……
というか、衝撃を与えちゃいけないみたいだとか言いつつ、そんな近くで今から暴れようとするのはいかがなものか。
そして、あぁ始まっちゃった……とか思っていたら。
「ストップだ! ここでの戦闘行動は危険すぎる!」
なんか黒いのが出てきて二人を止めました。というか、空気読め。
見た感じご主人より2,3歳上の少年ですねぇ。
「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせてもらおうか」
……厨二くさい組織の名前が出てきたな。
ほら、ぼくのかんがえたすごい○○的なね?
それは置いといて、ご主人はフェイト嬢と一緒に地上に降ろされています。
というか、ぬこたちは放置ですか?
「くっ、もう管理局が……! どうにかして逃げないと……」
なにやらアルフさんたちにとっては都合の悪い相手っぽいですね。
さて、ぬこはどうしたものか、基本的にご主人に手を出さなければどうでもいいんだけど。
……アルフさん、何しようとしてるんですか? って、あーーッ?! 撃っちゃった!
いくら無視されたからといっても撃っちゃまずいでしょ!
えっ? ご主人に当たらないように配慮はしてるって? ならばよし!
「フェイト! 撤退するよ、離れて!」
つまりはそういうことらしい。また、ご主人はちゃんとお話しできなかったなぁ。残念です。
んで、そのフェイト嬢はというとジュエルシードを回収しようとしているところです。
むむ、先ほどの少年が魔法を撃ってきましたな! だが、甘い!
(ぬこバリア!)
「なにぃっ!?」
おぉ、3枚抜かれた。しかし、このぬこバリアを抜くにはその3倍は必要だな!
ここで、ぬこバリア(笑)について補足説明をしておくよ!
このバリアは、ぬこがご主人からのお仕置きから逃れるために考案した完全に自衛のための防御魔法である。
そこっ、情けないとか言うな! 事実なんだからしょうがないだろッ!?
げふんっ、気を取り直して説明すると、これはご主人の魔砲に耐えるために通常のバリアを重ねているだけの親切設計なのだ!
まあ、実際のところこれより高度な防御魔法とかまだ使えないんで苦肉の策ではあるんですけどね。
ぬこに難しいことは分からんが、ユーノと相談した結果がコレだよ! 以上、説明終わり!
(というわけなんで、気を付けてお帰りくださいね?)
「……ありがとう。……助けてもらっちゃったし、これは君にあげるね」
(え?別にいいのに…)
そんなことを問答する暇もなく、フェイト嬢はアルフさんと一緒に逃げていきました。
そして、残されたぬこはなんか黒い少年にすごい目でにらまれています。
ハイパーめんどくせぇです。
「君もあの娘たちの仲間か?」
(ぬこ? ぬこはご主人の味方ですよ?)
「ふん! そのご主人とやらについていかなくてよかったのか?」
……なにやら勝手に勘違いしてるようです。
ホントの事を言ってもいいけど、面白そうなんでもうちょっと続けてみることにする。
(何を言ってるんだ? チミ程度の実力でぬこに勝てるわけないじゃない。
冗談はその格好だけにしてよね)
「な、何を言っている!」
(全身真っ黒とか、幹也さんだけだよ! それが許されるのは! 空○境界的に!)
「馬鹿にしてるのか!」
(Exactry その通りでございます)
「……いいだろう! 相手になってやる!」
こんな挑発に乗るなんて、冷静な風を気取っておいて、見た目通りガキっぽいのね。
「もうっ! みぃ君!! なにやってるの!」
(えっ、何って……あ、痛いです! ご主人! レイジングハートで叩かないでっ!)
「フェイトちゃんを助けたのはいいけど、何で嘘ばっかり言うの!」
(いや、別に実力云々以外は全部本音……痛い! ひげ引っ張らないでぇ!!)
「そんなこというのはこの口なの?」
ご主人にひげを引っ張られるぬこ。
慌てて許しを請うも、どうにも効果がない。というか、実はご主人楽しくなってきてません? 顔笑ってますけど!?
「いや、あの、そろそろ事情をだな……」
「諦めたほうがいいですよ。なのはたちはいつもあんな感じですから」
終始gdgdとして、実にカオスだった。
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