第二十七技 決闘前に…
キリトSide
75層の街『コリアナ』には古代の闘技場のようなものがあり、どうやら勝負はそこで行われるらしいのだが…。
「なあ、アスナ。
「あははは…。多分だけど、経理のダイゼンさんだとおもうよ…」
俺達が目にしている光景とは、闘技場前に商人達が露店を開いてアイテムや食べ物を販売している。
まるでお祭り騒ぎだ。
「お~~~い、キリト~~~!」
む、聞き慣れたこの声は…。
「よっ! キリト。なんか大変なことになっちまったな」
やってきたのはクラインの奴だった。右手に菓子を持っていたのでちょっとムカついた。
「まったくだ。まさか、こうなるとは思わなかったぞ」
「はっはっはっ。何事も経験だぜ、キリト!」
「エギル、そういうお前もちゃっかり商売するんだな」
エギルの奴はすることはしっかりと行っている、たくましい限りだ。
「普段からこそこそしてるから、こうなるのよ」
「別にこそこそはしていないと思うけどな…。リズ」
声を掛けてきたのはアスナの親友で鍛冶屋を営んでいる
「リズ、ひさしぶり」
「ひさしぶりね、アスナ」
なぜみんな俺の事を心配していないのだろうか………やばい、心当たりがありすぎる。
「あの、大変なことになりましたね。キリトさん…」
そういって、後ろから俺に声を掛けてくれた少女がいた。
「俺の心配をしてくれるのはアスナと君だけだよ。シリカ…」
彼女はシリカ。ダガー使いでビーストテイマーでもある。
彼女の使い魔である〈フェザーリドラ〉のピナも一緒にいる。
その事で以前関わりができて知り合ったのだ。
「まあ、あまり心配されるのもあれだからな…」
俺はそう呟いた。こうしてみんな来てくれている時点で気に掛けてくれているのだろうしな。
「キリト! だいじょうぶか!?」
「大丈夫に決まってる」と言っていたのに明らかに心配している声はあいつだ。
振り返ってみると十中八九、あいつと仲間達がいた。
「はぁ。おまえは逆に心配しすぎだ、シャイン」
そこにいたのはお馴染み黒衣衆のメンツだった。
「だから言ったじゃないですかシャインさん。心配しすぎだって」
「そうですよ。キリト君は強いんですから。身も心も…」
「す、すまん。でも年長者だからな…。心配はするさ…」
ルナリオとティアさんはほどほどの心配ですましているようだ。
シャインの心遣いもありがたいものだ。
「俺は信頼しているからな…。キリトならなんとかするさ」
「……私も同意だ」
「はい。キリトさんなら勝ってくれます!」
「その通りね。心配よりも信用したほうがいい」
ハクヤ、ハジメ、ヴァル、カノンさんの四人は絶対的な信頼を置いてくれている。
少しむず痒くなってしまうな。そうやって黒衣衆の仲間と話していたら…。
「ヴァルくん! ひさしぶり」
「シリカ、ひさしぶりだね」
「リズ、しばらくぶりだな」
「う、うん…。ひさしぶり、ハクヤ///」
「クラインさん。おひさしぶりですね」
「おう。しばらくだな、カノン」
顔見知りのどうしで挨拶を交わし始める。
そういえばシリカはヴァルをとおして、リズはアスナをとおしてハクヤと共に知り合ったんだよぁ。
「これは驚いたぜ…。黒衣衆が全員集合かよ……」
「さすがのわたしもこれには驚いたわ……」
エギルはボス攻略戦以外では滅多にお目にかかれない黒衣衆の集合に、
驚きと感動が入り混じったような表情をしている。
アスナもエギルほどではないが驚いている。
そうこうしていると、さらに俺に近づいてくる集団がいた…。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
今回は原作と違い、キリト関連のキャラ達を登場させてみました。
加えて、最後にキリトに近づいてきた集団とは・・・。
前にこの作品を読んだ方々はわかると思いますw
新しく読まれている方々も楽しみにしていてください。
それでは・・・。
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第二十七話です。
今回はヒースクリフとの決闘までにオリジナルの話をいれました。
人によっては楽しめる内容だと思います。
それではどうぞ・・・。