No.461993

超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス

さん

急がないと、夏が終わる……!
はやく終わらせないと……!

2012-07-29 21:17:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:778   閲覧ユーザー数:754

ーーーーーーーー第三章『邪悪のアニミズム』ーーーーーーーー

 

 

「ふぅ………」

 

冷たい水を浴びて、鏡を見る。

そこには見る者を不快感が襲う禍々しい刺青が左顔を覆うように広がっている。

これは俺が負の神様としての証だと空から聞かされた、並行世界を含めた全てのゲイムギョウ界に唯一存在する覇者(・・)としての呪い……特殊なマジックミラーのように内からは見れて、外は見えない特殊な包帯で隠しているようにしている。

あとはこの左腕、赤黒い血のような色の人ならなず魔の腕、俺の内なる化け物が顕現した形それは切り裂くように浮き出た鱗のようなもので績まれており、人間で絶対にありえない鋭い爪までも生えていてーーーその禍禍しさと凶悪さ、そして強固さは、まるでドラゴン(・・・・)のように思えた。

 

「俺のモンスター化(ベルゼルグ)の姿はドラゴン……だったかもしれないな」

 

鏡の前で静かに俺は息を吐いた。

最初は魔人のような邪悪さを感じる腕だったが、姿が変わっている。

それはきっと俺は完成形になったからだろう、この左顔のようにモンスターになっていた左手だけが完成した。

冥狂紅魔獣(べルゼルグ)終司神(エクリプス)は紙一重の存在なのだからこうなってしまったのも、仕方がないと済ますしかない。これは俺の愚かさと無謀さを象徴したものだからな……

 

『それもあるね~~』

「----っ!」

 

突然、響いた声に俺は思わず顔を上げ左右を見下ろしたがそこには誰もいない。

 

『ここだよ。ここ~』

「…………お前は誰だ……」

 

鏡の奥には何かが写っていた。

黒い瘴気のようなものが邪魔をして姿が確認できないが、そこには背筋が思わず凍ってしまうほどの妖しき九つの目が怪しげに光った。

 

『こんにちは~、』

「………こんにちは」

 

間の抜けた声に俺は警戒心を最大に緋壊螺を握る。いつどこで何が合ってもいいように

 

 

『デペアは天壌の邪悪龍(デスペリア・ベーゼ・ドラゴン)キャプテンはデペアって呼んでいるからデペアでいいよ~』

「……お前はどこから来た?何が目的だ?」

 

妖気を纏う九つの目は何度か、まばたきを繰り替えして俺を観察するようにじっと見つめる。

 

『デペアは君の()にいるよ~、目的はないよ~』

「中……だと!?」

 

こんな意味も分からない化け物みたいな奴が俺の中にいるとか、そんな話は聞いてない!

 

『デペアが化け物だけど、面と向かって言われると傷つくよ~~』

「お前……俺の思考を!」

『デペアはずっと君といた。君がこの世界に来る前からずっっっっと~~』

 

この世界が来る前?それは俺じゃない俺はまだ他世界に行ったことがない、だとすればお前は……!

 

「お前は、レイスの関係者か?」

 

俺が俺である前、この身がまだレイス(紅夜)だっところから居るとこいつは言っている。

それは、疑いようのない証拠となりレイスとなにか関係があると思われる!

 

『そうだよ。彼はデペアのキャプテンだよ~』

 

主従関係?ティシフォネ以外にも従者がいたのか

 

『それはちょっと、違う。デペアはキャプテンの使い魔だよ』

「使い魔……ねぇ、お前はどれほど強いんだ」

 

レイスは空と共にたくさんの世界を回ったことがあると聞いたことがある。

勿論の世界の中にはファンタジーな世界が合ってもおかしくはない。そう考えると別にゲームにありそうな使い魔も珍しくはない事実、空の従者三人の内の二人はドラゴン(いつもは人間に擬態)でもう一人は邪神(同じく人間に擬態)だったしな。因みに超強かった

 

『分かんない』

「……はっ?」

 

デペアという化け物は九つ目を同時に傾けた。

 

『デペアは危険で元々は討伐される筈だった。みんなデペアに近づけば死んでいくから。だから、天上の神々に殺される予定だったんだけど、キャプテンが「その力、人の為に振るってみないか?」って言われた』

 

思い出す様にデペアは語り始めた。

 

『デペアは人間に興味はない、けどキャプテンには興味が合った。だから、契約を交わしてデペアはキャプテンに力を貸してきた。……君にも興味が湧いたから話して見たかった。それだけ』

 

なんというかこいつは気分屋で、無責任だ。

自分の力すら把握してないと聞いたときは驚いたこいつはあれだ、バカなのか?

 

『えへへへっ』

 

結論、こいつはバカだ。

バカと喜ぶこいつはバカだ。

バカは決して褒め言葉じゃないからな……俺の思考と繋がっているような話なのだから、一つ問題を出してみようかな……デペア、1+1は?

 

『えぇぇ!?えっと、ふぅぅぅと…………』

 

悩み始めた九つ目は左右に視線を泳がし始めた、小学生でも速攻で答えれそうな問題に頭を抱えるこいつは果たして脅威と呼べれるのか?

四女神を圧倒的で倒したレイス、原初にして始原の闇とかいうティシフォネ、そして神殺しの頂点の空亡ちゃん……どれものが期待外れだが……

 

『⑨!』

 

こいつは少なくても、安心できそうだ。

 

 

 

ーーーーーーーー○●○ーーーーーーーー

 

 

「えぇ、ゲイムキャラの加護が無くてもそれが一時的なものなら、なんとかしてするわ」

 

凛とした声でこの地のリーンボックスの教祖である箱崎 チカは言い張った。

温泉旅行を堪能した俺達はこれからのことを決めるために一度、教祖を訪れていた。

残念ながらユニや、ロムちゃんラムちゃんは自身の大陸のためにシェア確保と言う建前でモンスター退治に言っているためこの場にはいない。

自身の宿命……嫌な言い方だが女神はどういう生き物だと空が言っている。それに逆らえば破滅か、自身の死が待っている。

シェアの量は人の数によるので、手に入る量も決められているようなもの故に四人の女神は己の存在維持のためにそれらを奪い取り合わないといけない関係であるが……互いの女神が仲がいいのでそんなことは無かった。

俺のシェア(存在する貯めの糧)は『負』そして、それは俺だけが保有することになるので人間がいる限り、俺が消えることは無い……なんか卑怯だな。俺は逆らっても存在続けることが出来るんだから……

 

「あっさり受けてくるのはこちらとして嬉しいけど、いいの?」

 

アイエフが動揺をしながらチカへ言った。

加護がなくなるということは支える者が無くなるということ、少なくても加護と言う至高の恩恵に依存しているゲイムギョウ界の人たちにとっては生命線を切られるに等しいのにチカはそんな非常識を常識として受け止めた。

 

「えぇ、構わないわ、私は教祖よ?こういう事態に重ねて女神が不在の場合のときに私が何もしないなんて、私を選んでくださったベールお姉様に顔向けが出来ませんわ……!」

 

自分に訴えるようにチカ小さく叫んだ、この大陸を背負う裏の柱であり大陸の最高責任者と呼べる教祖の称号は決して重くはない。

いや、女神より重い者なのかもしれない、協会関係者から向けられる不安と女神からの期待の両方を背負っているんだ。……重いに決まっている

 

「ただし、ベールお姉様を早く救助することが絶対の条件よ」

「……分かりました。元よりそのつもりです」

 

込められた思いはネプギアにも伝わったのか、ネプギアは深く頷いた。

………因みにネプギアの件だが……深く考えないことにした!!!

 

「ヘタレ」

 

うるさい!この金髪銀眼オカマ破壊魔野郎!!!

 

「紅夜、久しぶりに模擬戦する?」

「スイマセン、全て悪いのは俺です……」

 

稲妻を纏い始め拳を鳴らす空に、俺は自分でも反応できないスピードで土下座した。

 

「敗者は勝者に屈服するのが世の性ですの……」

 

あぁ、がすとの言葉が胸に沁みるよ……

 

「大丈夫、負けてもいつか勝つのが主人公クオリティだから!」

 

日本一よ、それが例え事実だとしてもそんなものを空気読まずぶち壊すのが、空なんだよ……理不尽だ。

 

「えっと、怪我すれば私が治すです!」

 

コンパの言葉が一番の癒しだよ……でも、それって怪我する前提だよね。

 

「コホンっ!」

「「「「バッ」」」」

 

チカと話していたアイエフがわざとらしく咳をするとみんなは一斉に軍人のように直立姿勢を取った。えっ?なに俺の知らぬ前になにか打ち合わせでもしてたのかお前ら?

 

「あと、一つ条件があります」

「なんでしょうか?私たちに出来ることなら……」

「実は、明日この国に根付いてしまったマジェコンヌ信仰者を取り除くために大掛かりなコンサートを計画しているのですが……」

「マジェコンヌ関係者が現れるかもしれないから、守ってほしいと?」

「えぇ、その通りです」

 

チカの条件に全員の視線が一度合わさる。

確かに無償に近い形でゲイムキャラの力を借りることができるんだし、そう考えれば別の護衛ぐらいは引き受けても問題はないはずだ。っと考えることは似ているらしく俺たちは頷いた。

 

「交渉は成立ね。それじゃよろしくね」

 

満足げにチカは頷いた。

 

 

 

 

 


 
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