No.461766

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 167

soranoさん

第167話

2012-07-29 13:14:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:866   閲覧ユーザー数:822

~封印区画・最下層・最深部~

 

「はあはあ……。な、何とか倒せた……?」

「う、うん……。動けなくはしたみたいだ……」

リシャールとの戦いを含め、3連戦で疲弊したエステルとヨシュアはトロイメライが崩れて動かなくなるのを見て、安心し膝をついた。

「リスティ、疲れました~。」

「はうう~……」

「ハァ……なんとか終わったわね。」

リスティやティータ、シェラザードも疲弊した様子でその場で膝をついた。

「フフ……久しぶりに歯ごたえのある相手だったわ♪」

一方カーリアンだけは余裕の笑みを浮かべて、倒れているトロイメライを見ていた。

 

「『環の守護者』か……。どうやら、そいつの目的は『輝く環(オーリオール)』を封印していたこの施設の破壊だったようだな……。そして、『輝く環』の封印と同時に扉の中で機能を停止したのか……。『輝く環』をめぐって古代人同士が対立していたのかあるいは……。しかし……肝心の『輝く環』はどこに……」

エステル達との戦いから回復して立ち上がったリシャールは崩れているトロイメライを見て呟いた。その時崩れていたはずのトロイメライの手が動き始めた。

「なんと……まだ動けるのか!?」

それに気付いたリシャールは驚愕の表情でトロイメライを見た。そしてリシャールの言葉通りトロイメライは立ち上がってエステルをめがけて腕を振りかぶった。

「まだ動けたの!?」

カーリアンも同じように驚いた後、双剣を構えた。

「ヨ、ヨシュア……!」

「エステルッ……!」

ヨシュアは疲弊した体で無理やり立ち上がり、エステルの壁になりトロイメライの攻撃をエステルの代わりに受けようとしたところ、トロイメライの腕が攻撃されトロイメライは攻撃を一端やめ、自分に攻撃をした敵ーーリシャール大佐に体を向けた。

「……させんっ!」

「え……」

「た、大佐……!?」

意外な人物の援護にエステルとヨシュアは驚いた。

 

「君たちは今しがたこいつと死闘したばかりだ!私の方はもう動けるようになった!時間を稼ぐことくらいはできる!」

自らを犠牲にして自分達を逃がそうとするリシャールの言葉にエステルはすぐに頷けなかった。そしてリシャールは単独でトロイメライと戦い始めた。たった一人で無謀とも思われる戦いをリシャールは優勢に戦った。

「す、凄い……!」

「さすが、父さんの剣技を継いだだけはあるね……」

「へ~………やるじゃない♪あれならティファーナやリオーネ辺りだったら結構いい勝負ができるんじゃないかしら?」

リシャールの強さにエステルやヨシュアは驚き、カーリアンはリシャールの強さを見て、今は亡き戦友とリシャールが戦った時を連想した。

「何をしている!早く行け!!」

リシャールは自分の戦いを見て感心しているエステル達に早く逃げるように言った後、トロイメライに攻撃をし続けたが、敵の固い装甲への度重なる攻撃に刀が耐えきれず折れてしまいリシャールはそれに気付いて、無防備になってしまったところを敵の巨大な手に体ごと掴まれた。

「う、うおおおおおおっ!?」

「た、大佐!?」

「く……どうしたら!?」

リシャールの窮地にエステルとヨシュアは疲弊した自分達での助け方がわからず、焦った。

「カーリアン様~、なんとかならないですか~?」

「……できなくはないけど、下手したらあの捕まっている人間を殺してしまうかもしれないわ。」

リスティはカーリアンにリシャールを助けられないか尋ねたが、カーリアンは難しそうな表情で答えた。

「カーリアン殿!」

「……何かしら?」

トロイメライに掴まれているリシャールに呼ばれたカーリアンはリシャールを見た。

「できるのならどうか、私ごとこの守護者を破壊して下さい!……それが無理ならエステル君達を連れて、撤退して下さい!」

「そ、そんな!?」

自分を犠牲にしようとしているリシャールにエステルは悲痛な声を出した。

「諦めないで下さい、大佐!」

「私の事は気にするな!君たちとの勝負に敗れた時……私の命運は……尽きていたのだ!」

「そ、そんな……」

自分の命を諦めているリシャールにエステルは悲痛な表情で呟いた。

「だから……気にすることはない……。私の計画は失敗に終わったが……。最期に君たちを助けられれば後悔だけは……せずにすむ……」

リシャールが自分が死ぬことに観念した時、入口から男性の声が聞こえて来た。

 

「やれやれ……。諦めなければ必ずや勝機は見える。そう教えたことを忘れたか?」

そして男性は一瞬でトロイメライに近づいて攻撃した。

「せいっ!」

男性の一撃はリシャールを掴んでいる腕ごと、棒による強烈な一撃でへし折った。

「え……!」

「あ………!」

「まさか……!」

「先生……!」

「エステルのお父さん~………!」

「『剣聖』カシウス・ブライト……!フフ、相変わらずやるじゃない♪」

男性の姿ーーカシウスの姿を確認したエステル達は驚いて呟いていたが

「今だ!止めを刺せ!!」

カシウスの号令に今優先すべきことに気付き、全員は残る力全てを使って弱っているトロイメライに強力な集中攻撃をした。

 

「か、覚悟してください!い、行きます!やあぁぁぁぁぁ!」

「行きますよ~!超・ねこ、ぱんち……奥義!!」

「行くわよ、サンダ-ビュート!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はぁっ!!!」

「はぁぁぁぁぁぁ!!はっ!……漆黒の牙・斬の型!!」

「奥義!桜花乱舞!!」

5人の総攻撃を受けたトロイメライは体の到るところから爆発を起こしていた!そこに普段の雷とは異なり、暗黒属性の加護を加えた紫色に怪しく光る雷を棒に宿らせて、棒を構えたエステルがSクラフトを放った!

「ハァァァァァ!暗礁!雷波!無双撃!!」

エステルが放った雷波無双撃の上位技――暗礁雷波無双撃を止めに受けたトロイメライは体中が爆発が連続で起こった後、腕や足が爆発によって破壊され完全にバラバラになった…………!

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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