No.461763

英雄伝説~光と闇の軌跡~  165

soranoさん

第165話

2012-07-29 13:12:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:842   閲覧ユーザー数:800

~封印区画・最下層・最深部~

 

リシャールが膝をおると同時に黒のオーブメントーー『ゴスペル』が妖しく光り出した。

「さすが、”戦妃”にカシウス大佐の子供たち……。だが……時間は稼げた。」

リシャールは自分を破ったエステル達に称賛の言葉を送った後、目的は達することができたので不敵に笑った。

「しまった……!」

「くっ……!」

それを見たエステルとヨシュアは『ゴスペル』を止められなかったことに無念を感じると同時に、『ゴスペル』が出す妖しい光にうかつに近づけなかった。

「……………」

「ふ、ふええ~!?」

シェラザードは何が来てもいいように警戒をし、ティータは慌てて声を出した。

「あっちゃ~……あれが本命だったようね………先にあっちを壊すべきだったわね……」

「何が起こるんですか~?」

カーリアンは『ゴスペル』を先に止めるべきだった事に後悔し、リスティは周囲を見渡して呟いた。そして地震が起こり、『ゴスペル』が妖しい光を周囲にまき散らすと遺跡内の照明がどんどん消えて行った。

 

『ゴスペル』の妖しい光は広範囲にわたって影響を与えた。

 

~封印区画・第3層空中回廊~

 

「しまった!『導力停止現象』か!」

遺跡内の異常にいち早く気付いた博士は思わず叫んだ。

 

~封印区画・最下層・最深部~

 

そして地震が終わると同時に『ゴスペル』も役目を果たしたかのように見え、妖しい光を出さなくなった。

「な、何だったの、今の……」

「導力停止現象なんだろうけど、今までのものとは違っていた……。まるで、何かが解放されたような……」

エステルの呟きにヨシュアは答えたが、実際に何があったかよくわからず困惑気味で答えた。そして突如部屋の床が光りに謎の装置に金色の光が宿ると同時に謎の声が響き渡った。

「……警告します……。全要員に警告します……」

「え……」

「あの装置が喋っているんだ……」

エステル達は聞き覚えのない声に驚いた後、ゴスペルが置いてある装置を見た。

「『オーリオール』封印機構における第一結界の消滅を確認しました。封印区画・最深部において『ゴスペル』が使用されたものと推測……。『デバイスタワー』の起動を確認……」

そしてエステル達の周りに建っていた4本の柱が地面へと収納されて行った。

「な、なによこれ!?一体何が起こるの!?」

「落ち着きなさい!いつでも戦えるようにはしておきなさい!」

慌てているエステルにカーリアンは双剣を構えて警告した。

「第一結界……『オーリオール』封印機構……。大佐、これはいったい!?」

「わ……わからない……。このような事態になるとは想定していなかった……」

唯一事情を知っていそうなリシャールにヨシュアは尋ねたが、リシャールも何が起こったかわからず戸惑いの表情を見せて答えた。そして装置はさらに伝え続けた。

「第一結界の消滅により、『環』からの干渉波、微量ながら発生……。『環の守護者』の封印解除を確認……。全要員は、可及的速やかに封印区画から撤退してください……」

機械的な声の警告がなくなると、エステル達の横にあった壁がなくなり、大きな空洞が出来た。そして空洞の奥から小さな赤い光がいくつか出て、リシャール達が連れていた人形兵器とは核が違う超大型の人形兵器と周囲を浮遊している人形兵器が現れた。

 

「な、なに、このブサイクなの……」

「気を抜かないで!こいつが『環の守護者』だ!」

人形兵器の見た目に呆れているエステルにヨシュアは警告した。

「これほどの人形兵器が地上に解放されたら、とんでもないことになるわ!なんとしてでも、ここで仕留めるわよ!」

「は、はい!」

シェラザードの言葉にティータは頷き、魔導砲を構えた。

「やれやれ……ちょっと面倒そうだけど、さっさと倒すわよ!リスティ、無理そうなら貴女は下がってていいわよ!」

「いいえ~、リスティも戦います~!」

カーリアンの忠告にリスティは首を横に振って答えた後、攻撃の構えをした。

「ゲート固定……導力供給完了……再起動確認……MODE:索敵行動……座標確認……『環の守護者』トロイメライ……索敵行動開始……」

 

未知なる存在、『環の守護者』がエステル達に襲いかかったが、相手の攻撃は単調であったので戦いのセンスがいいエステル達は相手の攻撃を何度か見て、慣れてくると攻撃の予測などできたので、隙を見つけて全員が集中攻撃を行った。メンバー全員でSクラフトや強力なアーツをトロイメライに命中させたのだが敵は倒れなかった。

 

「な、なんで倒れないの!?」

普通なら倒れているはずの攻撃を与えたつもりなのに全然弱っている様子を見せない、トロイメライを見てエステルは焦った。、

「まだ、何かするつもりだ!」

ヨシュアはトロイメライの様子がおかしいことにいち早く気付き、仲間達に警告した。そしてトロイメライは取り巻きの浮遊していた人形兵器を自らの手と合体させ、さらに足や手も伸び、頭の部分も変形して姿も戦闘向けに見える姿になった。

「MODE:完全殲滅(ジェノサイド)……『環の守護者』トロイメライ……これより殲滅行動を開始する……」

トロイメライは変形した後、エステル達に襲いかかった。後にクーデター事件と呼ばれる真の最終決戦がついに始まった……!

 

 


 
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