フェイトと手を組む事が決まった。これで少しは楽になる。そして手を組んだ理由はもう一つある。それはフェイトのあの目だ。あの目は人形のソレと同じようだった。自分が生きる目的を他人に依存している。それはとても危険だ。いつか絶対に命を落とすだろう。だから手助けが出来ればと思い手を組むことにした。
それに、どことなく昔の自分を見ているような気がした。・・・俺も随分感情的になったもんだ。
・・・ははっ、今の俺を昔の戦友たちに診られたら笑われるだろうな。
「いらっしゃいませ・・・あ、今日も来たのね。席はいつもの場所でいいかしら?」
「ええ。」
「ではごゆっくりどうぞ~。」
今俺は翠屋にいる。もう常連だ。
しかし、若いなぁあの人。名前は高町 桃子さんというらしい。士郎さんの奥さんでパティシエだ。最初知ったときは本当に人間か疑ったもんだ。だって歳がさんじ「零冶君~~?」・・・ナンデモナイデス。
ちなみに俺は高町なのはが居ないときに来ている。あいつ、学校で会う度にやたら話しかけてくるんだよ。ここで会ったら絶対話しかけてくる。・・・別にアイツが嫌いなわけじゃないのだがどうも人付き合いというのは面倒だ。
『ツンデレ乙ですわ。』
おいクシャナそれはどういう意味だ!?ってかツンデレとかどこで覚えた!?
『ルナからですわ。』
[ちょっ!?クシャナ!?裏切りましたね!!]
ほぅ・・・ルナ、後でバラして人格を書き換えてやるから待ってろ。
[マ、マスター!?それだけはお許しを!!]
まったく、油断も隙も無い奴だな。ちなみにルナと仲間たちはお互いに会話ができるらしい。多分俺とリンクしているのが原因だろうと思うが詳しいことは分からない。
さて、いつものやつを頼むか・・・。
「士郎さん、いつものやつで。それと軽食を適当にお願いします。」
「あぁ、いつものね。・・・・はい、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
いつものやつとはただのキリマンジャロコーヒーのブラックだ。名前が好きなんだよ・・・キリマンジャロ。 ※作者は微糖派です。
さて、やっと久々に落ち着いて過ごせ「ただいま~。」なかった。
「おかえり、なのは。」
頼むから気づかないでそのまま部屋に行ってくれ!!!
「うん、今日はお客さんが少ないんだね?・・・あれ?あそこに座ってるのは・・・零冶君!?」
・・・終わったorz
そしていつの間にか名前で呼ばれているし。
「・・・ズズッ」
とりあえずコーヒーを一口。うん、美味い。
「あら、知り合い?」
「うん、同じクラスの子だよ。・・・ねぇお母さん。」
「はいはい、お店はいいから零冶君とお話してきなさい。」
おーーーーい!!!桃子さん!!なんてことしてくれやがるんですか!!?・・・俺の静かな一時が・・・orz
「うん、ありがとう!」
もう諦めるか・・・。
「ねぇ零冶君、あ!名前を呼んでもいいかな?」
今更だなおい。
「好きにしろ。」
「ねぇ零冶君、いつもこの店に来てるの?」
「あぁ、一応常連だ。」
「え!?そうなの?今まで見たことないけど?」
「・・・偶然だろ?」
本当はお前を避けてたんだよ!
「そうかなぁ?なんか避けられているような気がするんだけど。」
『感がいいですわね、あの子。』
・・・恐ろしいぐらいにな。
お客が少ないせいか、士郎さんや桃子さんまでもが会話に入ってきて他愛ない話しをしているうちに日が暮れてしまった。
「ん?もうこんな時間か。零冶君、今日は家でご飯を食べて行きなさい。」
いや、気持ちはありがたいんだが。
「ご両親の連絡先は分かる?私がお話しておくから食べてらっしゃいね。」
「いや、親はいない。」
「・・・ごめんなさい、悪いことを聞いちゃったわね。」
「気にしないで下さい。」
「それじゃあ、零冶君は今一人暮らしなのかい?寂しいんじゃ・・・。」
「いや、猫が二匹いますので、寂しくないですよ。それにもう慣れてますから。」
二足歩行で喋るけどね。
「そうか・・・なら尚更今日は食べて行きなさい。」
「そうよ、遠慮しないで頂戴ね。」
「そうだよ!食べていって欲しいの!ほらこっちだよ!」
「え?あ!ちょっ!?」
・・・連行されました。
2時間後・・・やっと解放された。高町家全員に質問攻めに遭った。その最中、高町兄にずっと睨まれていた。・・・どんな拷問?。
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第九話 翠屋