No.460198

外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第23話

BLACKさん

この作品は別の人の影響で作った作品であり、作者(BLACK)のオリジナルキャラ「秋山総司郎」を第3主人公として、テイルズオブエクシリアの世界に来たらで書かれました。

秋山総司郎が今まで出てきた作品一覧(作品検索)。

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2012-07-27 06:38:11 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1223   閲覧ユーザー数:1202

 

 

 

第23話  命を燃やす時

 

 

 

 

 

ミラ達はガイアスたちと反対側に進んだ。

そしてしばらく進んでいると兵士達と遭遇した。

 

「一気に決めるぞ!」

「はい!」

「「刀射!!」」

 

秋山とドロッセルの共鳴術技(リンクアーツ)で敵を簡単に倒していった。

 

「お嬢様、カン・バルクの時も思ったのですが、いつの間にそこまでの力を……」

「みんなとはぐれてる時に、秋山さんに鍛えられたの」

「随分、鍛えたもんだな」

「すごいです、ドロッセル」

「そう?」

「俺がしごいた甲斐があったな」

「秋山さんが私を魔物と戦わせたんじゃないですか」

「それも一種のしごきだ」

「あれ?」

 

レイアが倒した兵士からあるものが落ちたのを見て、拾う。

 

「何これ?」

「通信機か?」

 

アルヴィンが貸してみろとばかりに手をだし、レイアはアルヴィンに渡す。

アルヴィンは通信機のダイヤルを回して無線を傍受しようとする。

 

「連絡を取り合うのに使うんだ」

『敵は既に侵入している……。戦闘要員は急行せよ……』

「すげー、声でてるー」

 

アルヴィンと秋山以外はとても驚いた。

リーゼ・マクシアにはここまでの機械文明がなかったのだから……。

 

「ははは…………」

 

その時、船が振動を始める。

 

「なんですか?」

「精霊がまた大量に消滅した……」

「クルスニクの槍を使ったってことか」

「急がないと!」

 

ミラは頷く。

幸いにも倒した兵士は地図を持っていたようで、その地図を奪う。

そして地図に従い、進んでいくと広いホールに出てきた。

 

「すごい……」

「わ、お城みたい!」

 

そのホールには巨大なシャンデリアがぶら下がっていた。

 

「私の屋敷よりも広い……」

「これで戦艦なの?」

「違うよ。このジルニトラは二十年前、エレンピオスの海を旅した旅客船だ。

二十年前に断界殻(シェル)の一部が破れた時に、こっちに来ちまったんだ」

「そんなことがあったの?」

「エレンピオスはクルスニクの槍もなく、どのようにして断界殻(シェル)を破ったのですか?」

「詳しいことは私も知らないが……」

「クルスニクの槍のオリジナルを、エレンピオス軍が開発したんだ」

「知っているのか?」

 

一同は歩きながら話を聞く。

 

「聞いた話だ。今あるクルスニクの槍は、それをマネしてつくったもんらしい」

「それって、精霊が欲しかったから?」

「エレンピオスは黒匣(ジン)に支えられて発達した世界だ。黒匣(ジン)と精霊は文明の要なんだよ」

「どうしてやめられないんですか? 精霊を殺すなら、やめるべきです」

「きっと、みんなアルヴィン君と一緒でウソつきで、野蛮なんだろー」

「俺、野蛮か~? でもさ、黒匣(ジン)がなけりゃ、何もできないんだよ、俺たちは」

 

アルヴィンはある場所で立ち止まり、皆も立ち止まる。

 

「俺たちには霊力野(ゲート)とやらはねーのよ」

「え、そうなの!?」

「だから、精霊術は使えない。マナを操るなんてマネできねえんだ」

「それで黒匣(ジン)を使っていたのか?」

「そゆこと」

 

立ち止まったアルヴィンが中央に続く扉の前に立とうとしたが、止まる。

 

「くそ、封鎖線を張りやがったな」

 

そこには赤外線のような防衛線が張られていた。

 

「なにこれー?」

「気をつけろ。触ったら、まっぷたつだぞ」

「こわー!」

「どうすれば……」

「こうする」

 

秋山はクリュサオルを取り出す。

 

「おいおい、発生装置でも壊さない限り無理だって……」

「その発生装置はその線を出してる横のやつじゃないのか?

起動させるスイッチが別にあったとしても発生させる装置自身を破壊すれば、おのずと壊れる!」

 

秋山は発生装置を無理矢理横から破壊し、封鎖線は消えた。

 

「マジかよ……」

「俺を塞ごうなどと笑止千万!」

「いくぞ!」

 

そして中央甲板を抜け、統合制御室へと進んだ。

 

 

統合制御室にはジランドが座っていた。

 

「ご苦労なこった。わざわざ……マクスウェルを連れて来てくれるなんてな。

アルフレド・ヴィント・スヴェント。裏切った理由を聞かせてもらおうか」

 

ジランドがアルヴィンの本名である、アルフレドの名を口にして問う。

 

「簡単だよ。あんたが昔から大嫌いだっただけだ」

 

ジランドは立ち上がる。

 

「一生、リーゼ・マクシアで過ごす覚悟ができたようだな」

「……関係ねえだろ」

「くくく」

 

ジランドの後ろから無数の術式が現れ、そこから氷の槍が飛んでくる。

 

「『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』!」

 

秋山が氷の槍を『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の剣などで防いだ。

 

「なっ……どうやった!?」

「微精霊の消滅は感じていない! どういうことだ??」

「ジランドォ!」

 

アルヴィンが銃を取り出し、撃つもジランドの前にはセルシウスが現れ、氷の壁を作り、ジランドを守る。

 

「なっ!」

「また、あの精霊さんっ!」

 

セルシウスは作った氷の壁を破壊して、それを氷の槍として飛ばす。

 

「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!」

 

『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』、投擲などに対しては無敵とされる防御壁。

秋山はそれを展開し、氷の槍を防いだ。

 

「あなたがマクスウェルとはな。ずいぶん姿を変えたな」

 

セルシウスの頬をジランドが叩く。

 

「俺の許可なく、口を動かすな」

「はい、マスター」

「ひどい……どうしてそんな人に従ってるの?」

 

ジランドがセルシウスの頭に手を置く。

 

「道具は主人に仕えるのが当然だろう?」

「精霊と人は一緒に生きていくものでしょ! それを道具だなんて!」

「こいつは精霊だが、ただの精霊とは少々違う。こいつは源霊匣(オリジン)だ」

「源霊匣(オリジン)……?」

「増霊極(ブースター)を使い、精霊の化石に眠っていたセルシウスを再現した。

こいつは、精霊術自体が形をなした存在だ」

「源霊匣(オリジン)のマナをお前自身が術として使ってるのか!?」

「くくく、だから道具だってんだ。納得したか?」

「あなた、最っ低!」

「手前、どんなものでも魂は宿るって言葉……まあ知らんからそんなことしてるんだよな!」

 

秋山は静かに怒りはじめていた。

 

「ティポを盗もうとしたのは、このためだったんですか!?」

「ああ、そうだ。もっとも、そいつを取ろうとしたのは失敗した。

だがお嬢さん。あんたには感謝しているぜ。

失敗した後も、そこから増霊極(ブースター)の研究に研究を重ねてできたんだ。

源霊匣(オリジン)が生まれたのも、リーゼ・マクシアが燃料になったのも、結果としてはそいつのおかげなんだからよ」

 

エリーゼは自分が完全に利用されたとして、うつむく。

 

「なんだ、嬉しくて泣きそうか?」

「あなたという人は!」

「許しません!」

「指揮者(コンダクター)。ジジイの出る幕はもうないぜ? それとも踊り足らないのか?

そこのお嬢さんも!」

「ええ。ジジイは、しぶといのが売りですので」

 

ローエンとドロッセルは武器を取って、構える。

 

「我が友を弄んだこと、決して許しません」

「私たちの代わりにあなたが踊るといいわ!」

「僕たちは負けない! 絶対!」

「ふん。なんの力も野望もないくせにのぼせ上がってるてめえを見てるとムカついてヘドがでるぜ。場違いなガキが!」

「あなたみたいな人が、力とか野望とか口にしないでよ! 僕は、あなたが間違っているのを知ってる!」

「もはやお前などと語る口はもっていないが……。最後に一つだけ問おう。お前とジュード達の違いがわかるか?」

「ハッ! 知るかよ」

「だろうな。だからお前は愚か者なのだ」

「そして負ける。それが愚か者ってやつだ!」

 

全員が戦闘態勢になる。

 

「そろそろ、マナの定時摂取のお時間だ。マクスウェル、お前だけは生かしてやる。だが……」

 

ジランドは自分の銃を取り出し、弾を入れる。

 

「他は皆殺しだ!」

「リーゼ・マクシアの精霊と人は私が守る!」

「ジランド、僕はお前を許さない!」

「生きて帰れると思うなよ! そして簡単に死ねると思うなよ!

この俺が血祭り確定にしてやるからよ!」

 

秋山の氣がいつも以上に上がる。

そして戦闘が始まる。

 

 

「片をつけてやるぜ、ガキども!」

「こっちもそのつもりだぜ、ジランド!」

「マスターはやらせません」

「どけ! セルシウス!」

「セルシウスは俺に任せな!」

「秋山さん! 私も援護を……」

「すまないな、頼む」

「ジランド!」

 

秋山とドロッセルがセルシウスと戦い、他はジランドの方に集中する。

 

「マスターは私が守る! 氷襲連撃!」

「突剣撃!」

 

セルシウスの拳とドロッセルのトンファーがぶつかり合う。

 

「むうううああああ!!」

 

秋山がジャンプし、上から大切断を繰り出そうとし、セルシウスは紙一重でそれを後ろにかわす。

 

「氷転爪!」

 

セルシウスが秋山の大切断の隙をついて、秋山の体に氷の爪を当てようとすると、秋山の姿が消える。

 

「何!?」

「残像だ! 竜巻旋風脚!」

 

秋山の竜巻旋風脚に吹き飛ばされるセルシウス。

 

「くぅう!」

「滑奪!」

「氷槍撃!」

 

ドロッセルはヘッドスライディングをするかのようにトンファーのある腕を前にセルシウスに向かっていき、セルシウスはそのままスライディングをして、二人の攻撃はぶつかる。

 

「ふっ」

 

しかしドロッセルの上には既にセルシウスの用意したつららがあり、つららがドロッセル目がけて落ちてこようとする。

 

「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!」

 

しかし『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』によりそれは防がれた。

 

「何!?」

「飛び道具は無駄だ!」

 

秋山がジランドの方を見る。

ジランドの戦い方はアルヴィンと似ているが、どこか違っている上にかなり手ごわいので皆が苦戦している。

 

「こいつを使うか」

 

秋山が一本の真っ赤な槍を出す。

 

「いきな、『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』!」

 

秋山の投げた『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』はものすごい勢いでジランドの心臓目がけて投げられた。

 

「マスター!」

 

それを察知したセルシウスがジランドの前に立つ。

 

「それを待っていた。

変われ! 『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』!」

 

槍の姿が微妙にだが、変わり、『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』はセルシウスへと命中した。

するとセルシウスの体は消滅していく。

それと同時に制御していた匣も消えていった。

 

「何!? どういうことだ? 何故、源霊匣(オリジン)が消えた!?」

「『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』は触れたものの魔力などを無効化させる。

つまり、そいつが精霊術そのものならその精霊術を無効化させたってことだ。

ちなみに最初に投げた時は『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』だった。

あの時はよほどの運がない限り、お前の心臓に突き刺さっていたぞ。絶対にな……」

 

秋山が不敵な笑みを浮かべる。

 

「貴様……! よくも俺の道具を!」

「精霊は手前の道具じゃねえ! それに道具を大事にしない奴にそんなこと語る資格はない!」

「黙れ! パーフェクトバニッシュ!」

「真空波動拳!」

 

秋山の真空波動拳がパーフェクトバニッシュのレーザーを相殺させる。

 

「なっ!? 俺の最大の技が……」

「手前の全力なんて所詮その程度ってことだ! アルヴィン! とどめはお前に任せる!」

「おう!」

 

アルヴィンがジランドの前に立つ。

 

「アルフレド……」

「こいつで終わりだ、ジランド」

 

二人が銃を構える。

 

「「ヴァリアブルトリガー!!」」

 

二人が同時に銃を撃つ。

しかしわずかにアルヴィンの方が早く、弾はジランドの体に命中。

だがアルヴィンも腕に弾をかすめた。

 

「ぐふっ!」

 

ジランドは血を吐き、その場に膝をつく。

 

「ようやく源霊匣(オリジン)を生み出せたってのに……くそ……」

「あんたの目的はせいぜい向こうのやつらに恩売って、のし上がるためだろ。

源霊匣(オリジン)とやらに何の意味があるっていうんだ」

「源霊匣(オリジン)は黒匣(ジン)とは違い、精霊を消費せずに強大な力を使役できる。

だから、人と技術に溢れた、エレンピオスには必要なんだよ」

「どういうこと……?」

「エレンピオスは精霊が減少したせいで……マナが枯渇し、消え行く運命の世界だ」

「…………」

「異界炉計画にそのような意味があったとは……」

「そんなの黒匣(ジン)を使い続けたあなたたちの自業自得じゃない……」

「源霊匣(オリジン)が広まれば、エレンピオス人もマナを得られる」

「今さら何を……二千年前、黒匣(ジン)に頼る道を選んだのはお前たちだ」

「俺じゃねえ!」

「…………」

「ああ、手前じゃねえな。けど、やっていいことと悪いことの分別くらい大人ならしろ」

 

その時であった。

 

「がああ……!」

 

ジランドが苦しみ、叫び始める。

 

「おい、大丈夫か!?」

 

あまりのことでアルヴィンが駆け寄る。

 

「俺が死んでもリーゼ・マクシアの運命は変わりはしねぇ!

お、俺たちの計画は断界殻(シェル)がある限り、続けられるぞ……ザマぁみやがれ。

ぐ、ぐあああああああ―――!」

 

ジランドは倒れた。

 

「死んじゃった……??」

「セルシウスを使った反動が出たのかもしれません」

「力を得るためとはいえ……高い代償だ」

 

アルヴィンはジランドの懐から金色の銃を取り出した。

 

「これは返してもらうぜ。ジランドール・ユル・スヴェント……叔父さん」

 

アルヴィンは死んだジランドの目を閉じさせた。

それはアルヴィンの最後の情けだったのかもしれない。

そこにガイアスたちがやって来た。

 

「すでに決していたか」

「一足先にな」

「でもなんだか、これじゃ……」

「リーゼ・マクシアのためにもアルクノアの野望は挫かなければならないんだ」

「うん……」

 

ミラが歩きだし、中心に設置してあった装置を起動させるとそこから。

そして四大精霊召喚の魔法陣を描くと、今まで封印されていた、イフリート、ノーム、シルフ、ウンディーネが姿を現した。

 

「お前たち、無事で嬉しいぞ」

「マクスウェル」

「こればかりはお前でも邪魔はさせない。破壊する」

 

ミラがクルスニクの槍を破壊しようとした時であった。

突然、強力な重力波が襲い掛かって来た。

 

「(ふざけるなっ!)なんだこの術は!」

「お、押しつぶされちゃいます!」

「ジランドの罠……!?」

「ババア! てめえの術はどうした! おっさん! てめえのパワーはどうした! なんとかしろ!」

「あ、ああん! 術が違いすぎるわ」

「わしの力でもここまでのものとなると……」

「ぐぬぬぬっ!」

 

ガイアスは何とか立ち上がろうとする。

 

「この程度の術、破ってみせる」

「破る……そうだ。クルスニクの槍を使うんだよ。あれは術を打ち消す装置なんだっ!」

「槍、か……!」

「けど、もうマナが残ってないんじゃ……」

「なら俺に任せろ!」

 

秋山は皆の前に立つ。

それも平然と……。

 

「秋山さん……大丈夫なんですか?」

「これくらいの重力波で俺を止めることは出来ない!

今こそ、俺の命を燃やす時だ!」

 

すると秋山の体が炎のように熱く、そして燃えていく。

 

「ウルトラダイナマイト!!!」

 

そしてクルスニクの槍に向かって走って行き、クルスニクの槍を持ち上げようとする。

 

「何をする気だ!」

「こいつを外に出す!」

「何故だ?」

「この重力の原因は……外だからだ!」

 

秋山はウルトラダイナマイトの状態でクルスニクの槍を持ち上げた。

 

「ミラ!」

「?」

「お前は生きろ! アルクノアの殲滅のためじゃない! 真のマクスウェルとして生きるんだ!」

 

秋山はクルスニクの槍を運んで、外へと飛んで行った。

外では……。

 

「…………」

 

ミュゼが空から船を押し潰していた。

そう、重力波の原因はジランドではなく、ミュゼだったのだ。

 

「ミュゼーーーーーー!!」

 

クルスニクの槍を運びながら飛んでくる秋山。

 

「クルスニクの槍と一緒に爆発しろおおおおおおおお!!!」

 

ミュゼの近くまできた秋山はクルスニクの槍をミュゼに向かって投げ飛ばす。

ミュゼはすぐに対処しようと術を展開。

それと同時にウルトラダイナマイトの力でクルスニクの槍に向かって突っ込んでいき、自爆した。

その大爆発はかなりのものであり、ジルトニアを大きく吹き飛ばしていった。

大爆発が止むとその場にはミュゼしかおらず、クルスニクの槍と秋山の姿はなかった。

 

「バカね」

 

ミュゼは飛び去って行った。


 
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