授業開始の鐘が鳴る。
それは生徒を「はぁ、また授業が始まっちゃうのかよ。マジありえないんスけどぉー」という気分にさせ、また先生を「はぁ、またあのバカ共に説明しなきゃいけないのか。マジありえないんですけどぉー」な気分にさせる。
そんな嫌な気分にしか人をさせない始業のチャイム。
しかし、そのチャイムをこよなく愛するクラスが一つあった。
「きりぃいいいいいいっつぅぅぅうううう!!」
「イーンチョー。うるさーい」
「あははっ。うるさいってさイーンチョー」
「ベハハハハ!!イーンチョーの教科書見ろよ!!ベハハ」
「うわっ。あの人間違えて弟さんの『かんじドリル』持ってきてるんですけど」
「……おい、普通数学の教科書と間違えるか?それ」
「れぇぇぇぇえええい!!」
「おいイーンチョー。礼すんのはいいけど、やっぱうるせェよ」
「…………着席」
「「「そこは叫べよ!!」」」
「はーいそろそろコント止めろよー授業始めっから。…じゃあみんな。『楽しいさんすう』の3ページを開けー」
「先生。持ってくる教材を間違えてます」
「僕らがやってるのは『楽しいさんすう』じゃなくて『苦痛を伴う鬼畜数学』です」
「はい山岸。お前減点。そこはボケるところじゃねェ。今の場合は真面目に『』」
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どこにでもありそうなとある学校のとあるクラス。
どこにでもありそうな光景が繰り広げられている……はずなんだけど。
そのクラスの先生は、ふと、時々思う。
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