No.459039 超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス燐さん 2012-07-25 11:47:48 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:969 閲覧ユーザー数:899 |
『グルルルゥゥゥ………』
「うぅぅ……」(おどおど)
「……………」
さて、俺の目の前ではとても困った状況だった。
ネプギアとユニとラムちゃんは獣ような唸り声で互いを睨み合っている。
ロムちゃんは俺の手を握り三人から放たれる修羅場のような空気にどうしたらいいのか分からなく混乱している様子だ。
温泉という和やかな雰囲気を根元からぶち壊すこの雰囲気にさて、どうしようと俺は頭を悩ませる。
アイエフ達はのんびりカルテしているし、空とケイブはいつの間にか持ってきたノートパソコンで東方というシューティングゲーム類で弾幕対戦している5pd.はそれを観戦している……つまり応援要請は出来ないということだ。
「おい、お前ら……」
『ギロッ』
「いえ、なんでもないです……」
ネプギアの達の眼光に僅か一秒で封殺され、俺はどうしてこうなったと考える。
そもそもの発展は………
『ここの近くのダンジョンに奥に鐘があるんだけど、それを二人で鳴らせばその二人の将来は明るくなるんだって』
と、空がネプギア達に言った瞬間、空気が変わったのだ。
まるで戦場を思わせる熾烈のこの三人は今でも女神化し争いそうで、俺は一体どうしたらいいいのか分からない。
二人の将来が明るくなるってなんで二人?別に三人でも四人でもいいだろう、だって俺達仲いいし
「そういうことじゃないんだよ……っと!」
「好きありよ」
「なんのこれしき!『ラストジャッジメント』!!」
空の扱う楽園の最高裁判長の幾つもの極太のレーザーが放たれるが、ケイブ先輩は楽園の素敵な巫女がありあえない動きで弾幕の躱しホーミング性がある弾幕で反撃をする。
「必殺のジャスティス・クラッシュ!!!」
「日本一、なんでもジャスティスつければ勝てるなんて幻想はがすとがぶち壊すですの!!!」
「仲いいですね~」
「そうね(ダメよ!アイエフここで波に流されたら私の封印した腕が……疼く!)」
………一番まともなはずのアイエフの思考が一部流れてきたような気がする……が、あえて無視しよう。この世には気にしたら負けなこともあるんだ。
「えっと……、」
「(うるうるうる)」
シューティングゲームで盛り上がっている空たち、カルタで騒ぐアイエフ達、今にも爆発しそうなネプギア達、泣きそうなロムちゃん……
「なぁ、ロムちゃん一緒に行く?」
「えっ……?」
「正直、このままじゃ日が暮れると思う」
俺の提案に悩みだすロムちゃん、その視線はラムちゃんを向いている。
二人は大の仲良しでいつも一緒だから一人で行くことに抵抗があるんだろうさて、どうしたものか……そもそも行かないという選択肢もあるから俺はこのままでもいいような気がする
『それは、ダメ!!!』
「うおぉ……」
お前ら俺の思考が辞めるのかと思うほど、シンクロ率100%で俺に訴える女神候補生達
「あのな、時間は有限なんだ。じゃんけんでもなんでもいいからとっとと決めてくれ……」
『それだ!!!』
……物事を決める基準がジャンケンという選択肢がお前らにはなかったのかよ……ため息を付きながらじゃんけんという実に平和な争いの傍観し、決着がつくのを俺は静かに待った。
ーーーーーーーー○●○ーーーーーーーー
「えへへっ」
「っで、勝ったのはネプギアと」
太陽のような笑みをしながら腕に抱き着くのは綺麗に伸びた桃色の髪で可憐の容姿なプラネテューヌの女神候補生であるネプギア、彼女はジャンケンの勝利者だった。
「これが、メインヒロイン補正です!」
「………はぁ」
女神化したと思うほどのハイテンションだと思いながら引っ張っていくネプギアに駆け足となる。
空が言っていた目的のダンジョンはそれほど遠くないと言っていた通り、直ぐに見つかった。
「それじゃ、入るか」
「はい!」
そのダンジョンは不思議な所だった。
曲がりくねった道は無く、分かれ道もない両幅に小さく流れる川だけがあり直線の道だけが広がっていた。
「そういえば、こんなに二人っきりになるのは久しぶりになるかな?」
「……そうだね、みんなで一緒にいること多かったね」
小さく会話の中でネプギアは俺の手を掴んで離さなかった。
エクリプス……完全な負の神となった俺にとってはその対極に触れられているということに拒絶反応を起こして頭がうるさく警報音を鳴らすが絶対に口に出さない。
言ってしまえばネプギアが傷つくことが考えなくても分かる。
だから、俺はこの思いっきり握りしめてしまえば壊れてしまいそうな脆い彼女の手を優しく握り返した。
「---っ、お兄ちゃん……」
「何度も、言うけど俺はずっとお前の傍にいるよ」
それはずっと前から決めたいこと、どんなことがあっても俺はゲイムギョウ界に敵意を向けることはない。
ネプテューヌ、ノワール、ベール、ブラン、彼女たちが築いたこの世界を否定する要素なんてない。
そして俺は困っている人を放っておけないそれが身内なら尚更だ、俺は負の神それは誰かに譲渡しないと永遠に生きるとなる呪いにも似た不老の称号
俺自身、こんな重たい罪深い称号は俺で終わらせる気だから、俺の人生はゲイムギョウ界という世界が終る時だろうな。
その過程で、ネプテューヌ達は女神を引退するかもしれないネプギアが候補生でなく女神になってこの世界を治め、同じように引退し、新たな女神がゲイムギョウ界を治めるそんな
「---うん!」
向日葵のような表情でネプギアは明るく笑った。
俺も誘われるように笑った。
いつもは俺の隣にネプテューヌが居るはずだが……取り戻してみせるさ、希望を
「ん?終着点が見えてきたな」
薄暗い道に光が満ちた場所が見えた俺たちはそれを目指し歩み続けた。
「ーーーーあっ」
声を零したのは多分、俺とネプギア同時だろう。
まずはドーム型の空間が広がり、人が二人分で通れるぐらいの道幅そして透き通った左右に流れる川、ちょうどそのバックの壁は無造作に開けており、そこからはリーンボックスの自然が一望できる場所となっていた。
なにより空が言っていた鐘だがまるで新品のように綺麗でちょうど太陽の輝きを得て更にその輝きが増していく。
その光景はーーー見惚れるほど神秘的なものだった。
「…………行くか」
「うん……」
今更なんだが、ちょっと恥ずかしくなってきた。
ここはまるで恋人同士が更に一歩、進むための場所のような気がして俺とネプギアじゃ不釣り合いだと思うようになってきた。
俺はネプギアの兄貴分だしネプギアも俺を兄と慕ってくれるから、場違いだと思うがやはり女性はこんな場所が好きなんだろうか、恋に恋するという言葉もよく聞くし……そうなのか?
「鳴らすぞ……?」
「うん……」
ネプギアは顔を伏せていたが耳まで蛸のように紅潮している。
俺も多分、顔が赤いさっきから心臓がうるさい、頭痛はいつもの如くだが……
ゴーーーーン………
互いの手を重ねて一緒に鳴らした儚くて、長い、鐘の音はリーンボックスの自然に深く染み入る様に広がっていく。
「えっと、これでいいんだよな」
「…………」
今のネプギアの表情は俺には見えない伸びた髪が隠しているからだ。
俺はムズムズする気持ちを抑えながら、直ぐにこの場を離れようとしたとき、ネプギアが俺の手を引いた。
「んーーーーっ」
「っーーー!!!」
鼻息すら感じるほどの距離、彼女の感じる温かさが直に伝わり俺の意識は完全に停止した。
「っ、私は先に帰りますね。
走り去っていく背中、揺れる桃色の髪、俺はネプギアの姿が完全に消えるまでその場を動くことが出来なかった。
「ネプギア、お前は………」
俺は自分の唇に手を持って行く。
まだ、微かに残る彼女の体温、バクバクと爆発しそうな心臓
「俺を兄として慕っているんだよな……?」
闇夜に染まっていく夕空を見ながら俺はしばらくその場所で黄昏がれていた。
ーーーーーーー第二章『死霊のアベンジャー』終了
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恥ずかしいぃぃぃ
書いてて思わずこっちが赤くなってしまった!!!