No.458993 外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第17話BLACKさん 2012-07-25 07:28:02 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:956 閲覧ユーザー数:940 |
第17話 王様と陰謀
一同はオルダ宮前に立つ。
「あれ? なんだか警備が手薄じゃない?」
「できれば、このまま突破したいところだね」
「だが、敵の本拠だ。慎重に行くべきだろうな」
ローエンは髭をなでながら考える。
「ローエン? どうしたんですか?」
「いえ……、ジュードさんの言うように……やってみませんか?」
エリーゼとティポは頭をがくしと下げる。
「おいおい。珍しくミラが慎重にって言ってんのに」
「考えがあるのか?」
「考えというほどではありませんが、どうでしょうか?」
「ローエンが言うなら、そうした方がいい気がする」
「軍師さんのいうことも聞いてみるとするか」
皆が一斉に駆け出す。
「何者だ、止まれっ!」
入り口前の兵士達は静止を呼びかける。
「おおおわったたたた!」
秋山が爆烈拳+秘孔術で簡単に蹴散らした。
「俺が先頭でいく!」
秋山を先頭に走る。
しかし増援が見当たらない。
「王様のいる場所なのに……不思議です」
「罠かもしれないぜ」
「罠上等!」
「すでにラ・シュガル軍はア・ジュールとの戦いに向けて動いているのかもしれません」
「戦いが迫ったら王宮の守りは厚くなるんじゃないの?」
「もともとイル・ファンは南北を要害に守られていますが決戦都市としてはつくられていません。
街の内部にまで突破されれば敗戦は濃厚です。
ですから、戦時下は兵の大半が街を離れ、海上の防衛とガンダラ要塞に配置されるのです」
「だから思ったよりも手薄か。俺たちみたいな賊紛いが侵入することを考えないてところを見ると、絶対に自信があるんだな。
じゃあ、その自信を叩き潰すとするか」
秋山達はオルダ宮内へと入った。
目の前には円型の魔法陣が配置されていた。
「オルダ宮の各所をつなぐ蓮華陣(ロータス)です。これを使わないと奥には進めません」
「さ、行こう!」
蓮華陣(ロータス)を使って移動する。
蓮華陣(ロータス)で移動した先には扉があったが、発光していた。
発光している理由は、魔法陣にあり、魔法陣から魔物みたいなものが出てくる。
「警備兵代わりか」
「突破するぞ!」
皆の協力で、その場を突破。
同じような場所が二か所あったが、すぐに突破した。
そしてラ・シュガルの城の玉座の間へと入った。
玉座の間にはナハティガルとジランドがいた。
「ネズミが侵入したようです。間もなく、ここへ」
「どちらだ? ……聞くまでもなかったな」
ナハティガルが聞くが、答えはすぐに出た。
ミラ達が入ってきたからだ。
「お前がマクスウェルか。こんな小娘だとはな……。
そしてそこの男、秋山といったか」
ナハティガルが秋山の方を見る。
「再起不能の大怪我をしたと聞いたが、まさか復活するとは…」
「あんなもん、俺にとっては再起不能の大怪我なんて言わないな」
「ガンダラ要塞のゴーレムを三体も壊しおって……」
「え?」
「秋山さん、そんなことを……」
「一体はどうしようもなかったが、もう二体は修復してガンダラ要塞に再配備されている」
「完全に壊しておくべきだったかな……」
(どんだけ余裕があるんだよ)
アルヴィンは秋山を見て、恐ろしく思った。
「……ナハティガル」
「貴様は槍のもとで待っておれ。マクスウェル狩りのあとは、北の部族狩りといくぞ」
「かしこまりました」
ジランドをその場を去る。
「イルベルト。主である儂に、本気で逆らうのか?」
「私の主はクレイン様、ただお一人だけです」
「あなたのせいでお兄様が……!」
「ほぅ……ではお前があのシャール家の妹か。
兄の仇討ちにでもきたか?」
「お兄様は無事よ。あの後なんとか一命を取り留めたわ。
けど、私はあなたを許すことは出来ないわ!」
「ふん。イルベルト、今なら許してやる。儂のもとに戻ってこい!」
「あの頃、あなたの内に見た王の器は、すっかりかげりをみせてしまった」
「ふん、儂以外に、王にふさわしい者など存在はせぬ」
「まだ、わかっていないようだな。人を統べる資質とは何かを」
「資質など王には無縁。王は生まれ出ずる時より王よ」
「だから、民を犠牲にしてもいいと?」
「そうだ。それが儂の権利だ。精霊も、今に支配してみせよう」
「おい、そこの傲慢爺王様」
秋山がものすごく侮辱的な言葉を並べる。
「王様が色々いるってのは知ってるさ。
だがな、人の嫌がることを平気でする奴が王様名乗っていいわけないだろ!」
「儂を愚弄するか」
「愚弄じゃないな。世界の理の一つを述べてるに過ぎない。
それにあんたの器じゃ、精霊は愚か、人の支配も出来ない。
友人であるはずのイルベルトさんがあんたの元に戻らないって言っているしな……」
「秋山の言う通り、人も精霊も、あなたなんかに支配されたりしないっ!」
「小僧が……マクスウェルとつるんですっかりつけあがりおって」
「僕のことはなんとでも言っていい。
でも、ローエンがどれだけ、あなたのことで悩んだのかも理解してあげられないの!?」
「ジュードさん……」
「民が悩むなど、当然! 貴様らに安穏と生きる権利などない!
儂のために命を費やせ! それが儂の民たる者の使命だ!」
ミラの目がこわばる。
「救いようがないな」
「ああ」
秋山は首を回す。
「あんたの答えは俺の怒りに爆弾を投げて燃やして、俺の闇を増幅させるだけだな」
「時間のムダだったようだな。今、すべてを終わらせてやる」
ナハティガルが自身の武器の槍を出す。
すると槍にマナが溜まって来る。
「クルスニクの槍が吸収したマナの部分転用よ」
「その力を得るために何人の人間を殺した? っても数えてないだろうな、あんたじゃ……」
「私は、あなたを同じ道を歩む友だと思っていましたが……どうやら、もう引き返す道はないのですね」
ローエンは剣を構える。
「お前みたいに考えられたら、どんだけ楽だろうな。だけどよ、正直つきあってらんねーわ。裸の王様さんよ」
「こんな人が自分たちの王様だなんて、信じられない! ぜったい、変わってもらうから!」
「カラハ・シャールの民たちを……お兄様を傷つけた罪、償ってもらいます!」
「ジュードやミラ……みんな……友達を……守ります!」
「やるぞー! 敵討ちだー!」
「あなたの野望も終わりだ! ううん、ここで終わりにしなきゃ!」
「覚悟しろ、ナハティガル!」
全員が武器を構える。
「最低でもこの場にいる全員は手前を王様だと認めないってことだ。
御退場願おうか!」
秋山が氣を高める。
「見せてやる。リーゼ・マクシアを統一する力を!」
ナハティガルと戦闘に入る。
「イルベルト。せめて儂の手で引導を渡してやろう!」
「できますか。あなたの歪んだ槍で」
「この槍で今まで戦ってきた! これからもだ!」
「もはや、語る余地なし!」
「そうとも! 戦場に言葉などいらぬ!戦いで語れぃ!」
「そうですね! ローエン・J・イルベルト……参る!」
「うおおおおおおおおお!!」
ナハティガルは槍を振り回す。
「爆砕斬!」
ナハティガルは槍を床に叩きつけると、床が岩のように砕ける。
「うあっ!」
「きゃっ!」
「きゃあ!」
ナハティガルの前にいたジュード、レイア、ドロッセルは砕けた岩に当たりそうになる。
「竜巻旋風脚!」
その隙をついて、秋山が横から竜巻旋風脚を放つ。
ナハティガルはもう片方の腕で竜巻旋風脚を防ぐ。
そして秋山の足を掴み、秋山を床に叩きつける。
「ぐぅ!」
「紫焔爆鐘!」
銃で撃とうとしたアルヴィンをナハティガルが斬る。
「のわっ!」
アルヴィンはなんとか剣で防ぐも吹き飛ばされてしまう。
「アルヴィン!」
エリーゼが詠唱で回復させようとすると……。
「瞬殺轟爆鐘!」
エリーゼを槍で刺そうとするところを、秋山がすぐに起き上がり、槍をわずかにずらし、秋山が槍を脇腹でつかむ。
「うおおおおお!!」
槍を掴んだ秋山をナハティガルは再び地面に叩きつける。
「くぅ……」
「フリーズランサー!」
既に詠唱をしていたローエンがフリーズランサーでナハティガルを攻撃する。
ナハティガルは秋山を追撃しようとしたが、槍でフリーズランサーを防ぐ。
「ブラックガイド!」
ガードをしていると同時に詠唱をしていたナハティガルは、ローエンの下に死神のようなものを召喚する。
「ローエン、危ない!」
すぐ近くにいたドロッセルが体で庇う。
死神の鎌はドロッセルの背中を切る。
「ああ!」
「お嬢様!」
「ヒール!」
レイアがすぐにドロッセルの傷を癒す。
「ライトニング!」
ミラがジャンプし、上からライトニングを放ち、ナハティガルに当てる。
「ぬう……。これで終わらせてやる!」
ナハティガルが力を溜める。
「猛覇槍」
ナハティガルが槍にマナを更に纏わせる。
「天上天下! 唯我独尊! デモンズランス」
ナハティガルが槍を床に突き刺す。
すると槍を中心に大爆発を起こす。
『うわああああああ!!』
『きゃあああああ!!』
全員が爆発に巻き込まれる。
「ふん」
爆発は止むとそこには倒れている皆がいた。
「死んだか」
ナハティガルがゆっくりと自分の投げた槍を掴もうとするが、一人足りないことに気づく。
「うん?」
ナハティガルが周りを見てみると、倒れているのは七人だった。
「あの男、秋山はどこだ!?」
「ここだよ」
なんと秋山はナハティガルの真後ろにいた。
さすがの秋山も無傷では済んではいなかった。しかし他のみんなと比べると軽傷だった。
とは言っても秋山はどんなに重傷を負っても、瞬間的に傷を治すことが出来る。
しかし今はそれをしていない。ただしていないだけである。
「輝く神の名の元に、お前を打ち砕く! ビックバン、パーーーーーーーーンチ!!!」
ナハティガルは振り返るも、ゼロ距離からのビックバンパンチが放たれる。
「ぐおおおおおおおおお!!!!」
ビックバンパンチにより、ナハティガルは大ダメージを受け、そのまま玉座に叩きつけられた。
「がはっ!」
ナハティガルは動けなくなる。
「ふぅ……」
秋山は倒れているジュード、エリーゼ、レイアのところに行く。
「とりあえずこれくえ」
それは体力を回復させてくれるアップルグミだった。
「ありがとう」
そして皆に治癒術をかけて、体力を回復させた。
その後、気力は秋山が持っていたオレンジグミで回復させた。
「バカ者どもが……儂を殺せばラ・シュガルはガイアスに飲み込まれるぞ……」
「それがどうした? 俺には正直関係ないな」
「ですが、王とて罪は償わなければなりません」
「関係あるか! ……クルスニクの槍があれば……儂は絶対の力を……」
「ナハティガル!」
体力を回復させたミラが剣を向ける。
「人の部を超えた力は世界そのものを滅ぼす。お前も同様だ」
「くっ…………」
「ミラ、待って! この人はローエンの友達だから……ローエンに……」
ミラはエリーゼに言われて、武器をしまう。
「ナハティガル……この国には民を導く王が必要です。
私もあなたと同じなのです。背負うべき責任から目を背けた……ナハティガル」
ローエンがナハティガルに近づく。
ナハティガルは何か悟った顔をした。
「まさかイルベルト、貴様……」
「私とあなたとで、もう一度ラ・シュガルの未来を……」
「貴様は儂の生み出した業まで背負って……」
「構いません」
「ローエン……」
ナハティガルは参ったという顔をした。
「ちっ……やれ」
「はい、マスター」
「!!」
秋山はその声が聞こえた。
「ちぃ!」
秋山は高速移動で動き、ナハティガルの横に立つ。
「ほわったぁ!」
そして玉座ごとナハティガルを蹴り飛ばした。
「ぐああああああ」
ナハティガルは飛ばされ、転がる。
それと同時に玉座のあった場所に大量の氷の槍が飛んでくる。
「なっ!?」
「今のは……」
「ナハティガルを狙ったものだ!」
「秋山さん、あなた……」
「妙な殺気を感じてな。今まで黙ってたが、俺はある程度高速移動が出来るんだ。
まあ連発は無理だけどな。念のために使わないといてよかったぜ。
せっかく改心しようとしてる王様をむざむざ死なすわけにはいかんからな。
ビックバンパンチで砕けなかったってことはそういうことだ。
っても、あのパンチをゼロ距離で受けたんだ。体の骨はいっちまってるな。
あの状態じゃ避けられないから俺がああするしかなかった」
「それよりナハティガルの治療をお願いします」
「はい!」
ジュードとエリーゼとレイアがひとまず治癒術をかける。
「うん? 玉座の後ろに蓮華陣(ロータス)があったのか」
「ごふ……そこから上に……行ける……」
ナハティガルは気を失った。
「ナハティガル!」
「とりあえず俺が病院へ運ぶ。お前たちは蓮華陣(ロータス)を使って行け。後で宮殿の外で会おう」
「ああ!」
ミラ達は蓮華陣(ロータス)を使って移動した。
「さてと……」
秋山がナハティガルの体の怪我を治す。
「いつもならこの時点で世界崩壊だが、この外史は恐ろしいな。
日常ならともかく、戦闘中などの他人の怪我を治しても問題ないとは……。
とは言っても完全回復させたらまたあんなことになる可能性もあるからな。ある程度、怪我は残しておいた。
後は……」
秋山がナハティガルを肩で抱える。
そして瞬間移動で移動し、ナハティガルを病院へと運んだ。
その後、ミラ達はクルスニクの槍が既に運ばれてることを知り、オルダ宮を出るのだった。
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この作品は別の人の影響で作った作品であり、作者(BLACK)のオリジナルキャラ「秋山総司郎」を第3主人公として、テイルズオブエクシリアの世界に来たらで書かれました。
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