No.458545

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2012-07-24 13:35:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3754   閲覧ユーザー数:3541

 

 

 

episode28 私を弟子にしてください!

 

 

 

 

「・・う、うぅ・・・」

 

それからしばらくして、ラウラは目を覚ました。

 

目を開けると目の前には天井があり、保健室のものであると分かった。

 

「・・・・・」

 

ラウラは半身を起こして辺りを見回す。

 

 

 

「気がついたようだな・・ボーデヴィッヒ」

 

すると、ベッドの周りを囲うカーテンが開けられて、千冬が入ってきた。

 

「きょ、教官・・・」

 

「医者の話じゃ全身に軽い打撲をしているよだ。しばらくは痛みに耐えることだな」

 

「・・・・・・」

 

千冬は近くにあったイスを引き寄せると、それに座った。

 

「・・い、一体・・・な、何が・・あったのですか?」

 

「・・・一応機密事項なのだがな・・・・VTシステムは知っているな」

 

「は、はい・・・。ヴァルキリートレースシステムですね・・・しかし、あれはもう無いはずでは?」

 

「そうだ。アラスカ条約によって使用はおろか、研究、開発が禁止にされている代物だ。そうであればもう無いものだが、それがお前のISに組み込まれていた」

 

「・・・・・・」

 

「搭乗者の精神状態とダメージの蓄積で発動するようになっていたようだな・・・。いや、お前の場合は恐怖がそれを上回っていたことがVTシステムに何らかの変化を起こしたのだろうな」

 

「・・何らかの・・・変化?」

 

「あぁ。VTシステムの本来の姿と、恐怖の表れが合わさったことであのような姿に変貌したのだろう」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

 

「は、はい!」

 

ラウラはいきなり呼ばれたので、少し声が上ずった。

 

「お前は誰だ」

 

「わ、私は・・・」

 

 

 

 

「・・誰でもないのならちょうどいい。お前は今から・・・ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「・・・・・・」

 

「まぁ時間はたっぷりとある。その間を楽しめ」

 

「・・・・」

 

 

そして千冬はイスから立ち上がると、保健室を出ようとする。

 

 

 

「あ、あの!」

 

ラウラはとっさに千冬を呼び止めた。

 

「・・教えてくれませんか?」

 

「何をだ」

 

「・・・神風・・隼人のことです・・」

 

「神風か・・・お前はあいつを恐れていたんじゃないのか」

 

「は、はい・・・。少し前まで私は・・あの人を恐れていました・・・絶対的な力に・・怯えて・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・でも、私は気づいたんです・・・」

 

「何を?」

 

「・・・あの人は恐ろしいところはあり・・そして厳しく・・・・でも、根は優しい・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・VTシステムに取り込まれた間にも、あの人は私に声を掛けてくれました・・・。その時はなぜか安心感がありました・・・」

 

「・・・あいつが・・・なるほどな」

 

「・・・だから、知りたいんです。あの人のことを・・」

 

「・・・・知りたい、か」

 

 

 

 

 

「・・・私からは言うことはない」

 

「え・・・?」

 

「でもまぁ、あいつは昔からいろんな意味で問題児だったがな・・・。だが、とても他人思いのやつだ」

 

「・・・・・・」

 

「例えお前のように他人を見下し、力でものを言わせるやつでも、あいつは仲間としてお前を見ている」

 

「仲間・・・」

 

「・・そういう面では、あいつの魅力でもある・・な」

 

と、千冬は少し言いにくそうに言った。夕日に照らされているということもあるのか、少しばかり頬が赤らんでいた・・・

 

 

 

「・・・教官は・・・神風隼人に・・惚れているのですか?」

 

「馬鹿者。弟と同じ年で、それに生徒に教師が惚れるものか・・・」

 

と、少しばかり慌てて千冬は言う。

 

「・・・・・」

 

「まぁ、あいつのことを知りたいのであれば、自分で確かめてみるんだな」

 

そうして千冬は保健室を出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・ふふふ・・・ハハハハハハハ・・・・」

 

ラウラ八冬が出て行ってしばらくして、静かに笑い出した。笑うたびに体に痛みが走るが、ラウラは気にしなかった。

 

 

(ずるい人だ・・・・大事なところは言わずに逃げた・・・・)

 

そうであっても、今のラウラは清々しい気持ちであった。

 

 

 

(自分で確かめろ、か・・・)

 

 

そしてラウラはあの時VTシステムに取り込まれたときに聞こえた言葉を思い出す。

 

 

 

『恐怖を乗り越えろ』

 

 

 

(・・・もう私は・・あなたを恐れません・・・なぜなら・・・)

 

そしてラウラの頬が赤らむ・・・・

 

 

 

(・・あなたに・・・惚れてしまったんです・・・神風隼人・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘックションッ!!」

 

隼人は大きくくしゃみをした。

 

「・・誰かが噂でもしているのか?まぁいいがな・・・」

 

そうして隼人は自販機に小銭を入れると、お茶缶を買った。

 

「・・・どうも片手って言うのは慣れないな」

 

と、隼人は左手で缶を持つと、片手で缶のプルタブを開ける。

 

隼人は右腕を包帯で巻かれており、その上から包帯を首の後ろに回してぶら下げていた。

 

 

 

(・・・さてと・・・あんたに少しばかり聞きたいことがある)

 

そして隼人は壁にもたれかかって、お茶を一口飲む。

 

(そろそろだと思っていました・・・)

 

そして隼人の頭の中で神の声がする。

 

(今日現れたガンダムAGE-1についてだ。なんであれがこの世界にいるんだ)

 

(・・・・・)

 

 

 

 

 

(・・実はですね・・・あなたがこの世界に転生する前に、数人がこの世界に転生しているのです)

 

(何だって・・・?)

 

(あなたが言うAGE-1のパイロットもあなたよりも先に転生した人です・・・。ちなみに私が転生させた人です)

 

(・・あんたかよ・・・それで、一体誰なんだ)

 

(今は教えることはできません・・・・・ですが、とある姉弟に深く関わりのある人物です)

 

(とある姉弟だって?・・それって・・)

 

(・・・・)

 

(いや、言わなくていい。ある程度分かったから)

 

(そうですか)

 

(しかし、俺の前に数人転生したやつが居るって言ったよな)

 

(はい・・・。少なくとも私が転生させた人を含めると三人いると思います)

 

(思う?)

 

(・・残り二人は私が転生させたわけじゃないんです・・・。ですので、あなたの敵なのか、味方なのかは分かりません)

 

(そうか・・・。まぁ、それを聞ければいいさ)

 

(・・・・・あっ、そうでした・・。忘れるところでした)

 

(なんだ?)

                         アイズ

(あなたに言われた通りに細部を変更して設計した『1、5ガンダム』がようやく完成しました)

 

(本当か?・・ってか、本当にようやくだな・・・なんで遅くなったんだ?)

 

(すいません。こっちも色々と忙しかったもので、創造する時間あまり無かったもので、時間が掛かってしまって)

 

(・・まぁでも、いいタイミングだ。バンシィは修復中だからな)

 

(・・そうですね。二機目以降は外装のチェンジを行えば使用可能になります)

 

(・・と、言うと、コアは共通なのか?)

 

(はい。ですが外装自体の性能は異なりますので、全く同じというわけではありません。それに同じコアのほうがあなたにとってもいいはずです)

 

(まぁ・・・それはなぁ・・・)

 

(既にデータはISのコアに導入していますので、すぐに展開は可能です)

 

(そうか・・・。分かった。近いうちに試してみるか)

 

(満足いただけると思いますので・・・では私はこれで)

 

 

 

 

 

「・・・・って、言っても、まだ使えそうに無いけど」

 

そしてお茶を一気に飲むと、缶をゴミ箱に投げ入れると、その場を後にした・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜・・・・・

 

 

 

「よぉ隼人」

 

隼人は一夏に呼ばれた。

 

「一夏か」

 

「どうだった、右腕は?」

 

「あぁ。幸いにも骨は折れてなかったが、ひびが二箇所入っていたってよ。だからしばらくISの展開は控えろって。まぁバンシィも右腕の装甲がひしゃげてしまったから、しばらく展開は無理だな」

 

「そうか・・・。で、今から食堂に行くのか?」

 

「あぁ」

 

「俺もちょうど行くところだったんだ」

 

「そうか。そんじゃぁ行くか」

 

そして隼人と一夏は食堂に向かった・・・・

 

 

 

 

 

 

「あっ・・隼人、一夏」

 

そして食堂前でシャルロットと会った。

 

「シャルロットか。お前も飯を食いに来たのか」

 

「うん。隼人たちも今から?」

 

「あぁ」

 

「じゃぁ一緒に食べない?色々と話したいことがあるから」

 

「分かった」

 

そうして三人は食堂に入っていった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・でもなぁ・・・七人を一斉に相手をしているって言うのに、やっぱり隼人は強いよな」

 

「そうだね・・・。未だに信じられないよ」

 

「そうでもないさ。今回は新機能があったから勝てたんだ」

 

「新機能って言うと・・・あの大剣のリロード機能?」

 

「あぁ」

 

「あれなんだったんだ?あれをした後なんか威力が上がっているような気がするんだが」

 

「気がするじゃなくて、本当に上がっているんだ」

 

「え?」

 

「どういうこと?」

 

「あれはカートリッジシステム。ソード内に高密度に圧縮したエネルギーが入ったカートリッジを装填して、それを開放する事で威力を上げる機能のことだ」

 

「へぇ・・・」

 

「そういえばマガジンをソードに装填していたよね。あの中には何発入っているの?」

 

「六発だ。だが、最近できたばかりで、ソード本体にも負担が大きいから、一回の戦闘に使えるのはマガジン五個だな」

 

「なるほど・・・」

 

「でも、二回か三回リロードをしていたよね?あれって何の意味があるの?」

 

「あぁ。リロードをする回数を増やせば増やすほど威力が向上するんだ。その分カートリッジを消耗するが、うまく直撃をさせれば一撃でISを撃破することも可能だ」

 

「そんなに凄いのか?」

 

「あぁ。例えばリロード三回で零落白夜に匹敵する威力を持っている」

 

「げっ!?マジかよ!」

 

「・・って、言っても、零落白夜はバリア無効化攻撃だから―――――」

 

「威力とかそういう比較はできないけど、直接絶対防御を発動させるほどの威力はある・・・でしょ?」

 

と、隼人が言う前にシャルロットが言う。

 

「その通りだ。さすがだな」

 

隼人がそういうと、シャルロットは嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

「でも・・・それにしては・・・なんで今回あれを使わなかったんだ?」

 

「あれ・・?」

 

「・・・ほら、バンシィの装甲を展開するやつだよ」

 

「・・・・・・・・」

 

「あれを使えばまだ早く決着が着いたはずだろ・・・なのになんで・・・」

 

「・・・・答える必要は無い」

 

「え・・?なん―――」

 

 

すると隼人は一夏をギロリと睨んだ。

 

「な、なんでもない・・・」

 

一夏は身をすくませて、皿うどんを食べる・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

そして隼人は夕食であるから揚げ定食のから揚げを左手に持つ箸で挟もうとするが、なにやらぎこちない。

 

「・・やっぱり不自由だよな・・利き手が使えないのって」

 

「いや・・俺は両利きなんだが・・・左手は最近全然使ってなかったからな・・・。だからあの時の戦闘も少しやりづらかった」

 

「そうなんだ」

 

 

 

「・・・うぅ・・挟みづらい・・」

 

と、苦戦していると・・・

 

 

 

「・・・じゃ、じゃぁ・・・隼人」

 

と、シャルロットがもじもじして聞いてきた。

 

「なんだ?」

 

「・・そ、その・・もし食べにくかったら・・・僕が食べさせてあげようか?」

 

「え・・!?しゃ、シャルロット・・!?」

 

隼人は予想外のことを言われて驚く。

 

「な、なんで?」

 

「だって・・・ともて食べづらそうだから・・・僕に何か手伝えないかなって思ったから・・」

 

「へぇ・・シャルロットって優しいんだな・・。隼人、そうさせてもらえよ」

 

「あ、あのなぁ一夏・・・」

 

 

 

「・・そ、それに、甘えたいときは素直に甘えて良いって言ったのは隼人なんだよ。その本人がそんなことを言っていたら・・・」

 

「うっ・・・」

 

隼人は答えようにも言葉が詰まる。

 

 

 

「・・わ、分かったよ・・・。そうしてくれ」

 

「うん!」

 

そしてシャルロットは箸を持つと、から揚げを挟んだ。ちなみに箸の扱いも最初と比べると上達していた。

 

「それじゃぁ・・・あーん」

 

「あ、あーん」

 

そしてシャルロットが差し出したから揚げを隼人は食べた。

 

「どう?」

 

「・・う、うまい・・・」

 

「そ、そっか・・・」

 

 

 

 

 

「何やってんのよ、シャルロット!!」

 

すると鈴が声を上げて乱入してきた。

 

「何って?右腕が使えない隼人のサポート」

 

と、シャルロットはニコニコと笑みを浮かべて言うが、何やら悪意を感じる・・・・

 

「そりゃ見りゃ分かるわよ!ってか、それあたしの役目なのよ!」

 

「なんで?他人の鈴より義妹の僕がやったほうが隼人も楽でいいと思うよ」

 

と、またニコニコと笑みを浮かべるが、やはり何か悪意を感じる・・・・・

 

「くぅ・・・・それをいい事に・・」

 

と、ぐぬぬと鈴は悔しがる。

 

「だったら隼人はどうなのよ!?」

 

「俺に振るうなよ」

 

「どうなのよ?」

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「・・・すまん、鈴。シャルロットの言うことが正しいな・・」

 

「えっ!?」

 

鈴はショックを受けた。

 

ちなみになぜか「がーん」という効果音が聞こえてのは気のせい・・・なはず・・・

 

 

 

「隼人の裏切り者オォォォォォ!!」

 

そして鈴は声を上げて走り去って行った・・・・

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

隼人は少し気まずい気持ちだった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「ふわあぁぁぁぁぁ・・・・」

 

隼人は大きくあくびをして階段を下りていた。

 

「あぁ眠い・・・・なんで今日に限って眠いんだ・・・」

 

と、右目を擦って階段を下り終えると・・・・

 

 

「あっ・・・!」

 

すると後ろで何やら驚いた声がした。

 

「なんだ・・?」

 

隼人は後ろを向くと、目に映ったのは・・・・・ラウラがこっちに落ちてきていた。

 

「なっ!?」

 

隼人は驚いて一気に目を覚まし、ラウラはそのまま隼人に衝突して、そのまま隼人は背中を床に強く叩き付けた。

 

 

 

 

「・・・・・?」

 

しかし痛みより口に妙に生暖かいものが当たっているような・・・

 

 

(・・・なんだ・・・唇に生暖かいものが・・・ん!?生暖かい!?)

 

そして隼人は目を開けると・・・・

 

 

「っ!?」

 

わずか三センチという目の前にはラウラがおり、しかも唇を重ねていた・・・

 

 

しかも体勢的に隼人が下で、ラウラがその上に乗っかっている状態であった・・・・

 

 

そしてラウラは隼人の唇から離れると、その上にまたがるようにする。

 

「す、すいませんでした!師匠!足元をよく見ていなかったもので!」

 

 

「す、すいませんってなぁ・・・・ん!?師匠・・?」

 

そして隼人は隼人は頭の上に?を浮かべた。

 

「・・・俺の耳が悪くなければ・・・今俺のことを師匠と・・・」

 

「言いました」

 

「なにっ!?」

 

そして隼人は一気に起き上がると、ラウラはその反動で床に尻餅をつく。

 

「ど、ど、ど、どういうことだ!?さっきのキスといい!」

 

「・・・今のは事故ですよ・・・」

 

「・・・あ、あのなぁ・・・それで済ますほどの事じゃ・・・ってか、師匠ってどういうことだ!?」

 

「・・・それは・・・・少し私のわがままかもしれませんが・・・私は強くなりたいんです」

 

「・・・・なんだと?」

 

「・・以前の私のように力を求めるのではなく・・・師匠のように仲間を守れる・・・そんな風に・・・強くなりたいんです」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・だから、お願いします!あなたの弟子にしてください!どんな厳しい特訓にも耐えてみますから!」

 

と、ラウラは深く頭を下げた・・・・

 

 

 

「・・・・全く・・・面倒なことを言ってくるものだな・・・」

 

と、隼人は頭をボリボリと掻く。

 

「・・どんなに厳しくもつらい特訓にも泣き言一つ言わないか」

 

「はい!」

 

 

 

 

「・・・分かったよ・・。だが、そんなにいつも着ける訳じゃないが、それでもいいな」

 

「構いません。師匠がいなくても私はサボったりしませんから」

 

「そういう問題じゃないんだがな・・・まぁいいや」

 

「では、これからもよろしくお願いします・・師匠!」

 

「・・・・・・」

 

隼人は鼻で深く息を吐くと、ラウラと共に食堂に向かっていった・・・・・・

 

 

 

 

 

後書き

後半はちょっと強引だったかもしれない・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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