<月・詠拠点>
「ふあ~ぁ。はふっ。寝む・・・まだ来ないのかよ。結構待ってる気が済んだが。彼女を待つリア充野 郎の気持ちが少しだけ分かった気がするぜ。」
生まれてこの方彼女なんて一人も出来なかったからな。まぁ俺みたいな奴を好きになる奴なんて
居ないと思うけど。
「すいません!待っちゃいましたか?」
「いいのよ月。こいつはあくまで!護衛なんだから。」
「気にすんな。俺も今来たとこだからよ。」
・・・常識だろ?
月はいつもの豪華な服じゃなくて、軽い感じの服装だ。詠はいつもの軍師服だが、髪留めや
首飾りなど、ちょっとしたお洒落をしている。
それに比べて俺は、いつもとなんら変わらず。
「はぁ~。だから彼女出来ないんだよ俺・・・」
「どうしたんですか?」
「いや、月もいつもと違う可愛い服着て、詠も髪留めとかちゃんとお洒落してんのに、
俺はいつもと変わんねぇな~っと。」
「っ!ほらね詠ちゃん!」
「っ!なんでこういう所だけ敏感なのよ・・・」
詠がなんて言ったがよく聞こえなかったが、何テンション上がってんの月?
「話が読めないんだが?」
「今日は狼鬼さんと出かけるんだからいつもと違う服を着ようって言ったのに、
恥ずかしいから嫌だって聞かなくて。
それで、勝負することにしたんです。詠ちゃんはどうせお洒落なんてしてもあいつは気がつかない
って言うので、気がついてくれたら街で可愛い服を買って着替えるって。
そしたら狼鬼さんはちゃんと気がついてくれたので、詠ちゃん。約束だよ。」
成程。月は俺が気がつく方に賭けたってことか。
「ま、女性に気を配るのは男の仕事だからな。
遅くなったが・・・二人とも似合ってるぞ。」
そう言って笑顔で二人の頭を撫でる。
この位の高さって手が置きやすいんだよな。
「へぅぅ//」 「ああもうさっさと行くわよ//!」
というわけで
「やって来ました服屋!何着せようかな~」
「ちょっとあんたが選ぶんじゃ無いわよ!月が選ぶのよ!」
え?そうなの?流れ的に俺が選べるのかと。
「じゃあ狼鬼さんの選んだ服を選びますね。」
月!ナイスだ!
「ちょっと月//!」
さて、どうしたもんかな~
それから色々な服を月と詠に着せて遊んd・・・いい服を選んだ。
初めは詠のを選んでいたんだが、途中から月に自分のも選んで欲しいと言われたので選んでいる。
「月~これ着てみて。詠はこっち。」
月に渡したのは白のワンピース。何故この時代にあるのかは気にしちゃ駄目なんだろう。
ラーメンに炒飯もあるしな。
月はこう、清楚な感じがするからな。こういうシンプルな服が似合うと思った。
詠に渡したのは、なんと体操服にブルマという本当にここ後漢王朝かっていう物だった。
店主に聞いたところ。
ガチムチマッチョの男みたいな奴二人組みが、ここに訪れたときに作って行ったらしい。
他にも、メイド服や、スク水などを作っていって、作り方も教えてったらしい。
何もんだよそいつら・・・
「へぅぅ//あの~どうでしょうか//?」
「おお~。滅茶苦茶可愛いぜ!今までで一番可愛いと思うぞ。」
と、親指を立てながら言うと。
「へぅぅ//えっとじゃあ。これ買います。」
んで、詠は。
「うう~。こんなの恥ずかしくて見せられないわよ・・・」
更衣室から出てこない。
「お~い、詠!月はもう買うの決めたぞ~」
「ああもう!どうにでもなれ!」
なにやらブツブツ呟いていたがやっと出てくる気に・・・
「な、何よ。何か言いなさいよ//」
・・・ヤベェ。これは・・・
身長の割りには膨らんだ胸。ブルマと白のソックスの間から見える綺麗な足。
ロリなのに胸あってブルマに眼鏡とか・・・反則だわこれ。
ヤバイこれは惚れたわ//
「だから!何か言いなさいって!」
「・・・ああ、わりぃ。完全に見とれてたわ。いやマジで可愛過ぎお前。」
「な、な、何言ってんのよこの馬鹿//!」
ああ、ヤベェ。いつもはカッコイイ軍師でこういう時は滅茶苦茶可愛いとか
駄目だこりゃ。完全にドストライクだわ。
「よく似合ってんぜ詠。それ買ったらどうだ?つか買ってくれ。」
「うう~・・・分かったわよ//」
そして更衣室に戻り着替えようとする詠。
「え~それ着てくんないの?そのまま行こうぜ~」
「馬鹿言うな!!」
そして二人共服を買い終わった頃にはもう昼だったので飯屋に行った。
「ふぅ~食った食った。ご馳走さん。」
「「御馳走様でした。」」
そしてお茶を一啜り。
「ズズッ。ふぅ~。いや~試しに着てもらった奴があそこまで似合うとは。
さすが、月と詠だな。」
「ああいうの、わんぴーすって言うんでしたよね。とっても可愛かったです。」
「ぼ、僕は、あれは気にいったけど・・・着るのはちょっとね。」
「買ったんだから着ろよ。箪笥の肥やしにしとくにゃ勿体ない。」
「分かってるわよ//」
まぁ偶に着てくれればいいんだけど。
その後も、甘味屋や雑貨店などを回り、楽しい休日となった。
<華雄・霞サイド>
「イテテッ。腹が!」
「さっきまで何とも無かったやないか。」
「今日は親父の命日で。」
「この前「あのクソ親父、さっさとくたばっちまえ」とか言っていなかったか?」
「・・・後は何か!」
「諦めろ。ジタバタしても、目の前の500人は居なくならないぞ。」
そう、今俺の目の前には俺の隊に志願した新兵500人が並んでいる。
事の発端は、
「あんたも一応うちの軍の将なんだし兵でも募ったら?」
この詠の一言だった。
どうせ俺みたいな奴の隊に自分から入ろうなんて奴居ないだろうと思って詠に任せたら、
こんなことに・・・
「まぁいくら狼気が強いからゆうても、将としてはまだまだひよっこやからな。
ウチと華雄でビシバシ鍛えてくから覚悟しいや!」
「そういう事だ。一人でも多く生き残れるように精進することだ。
取り敢えずほら。何か声でも掛けてやれ。」
そう言って俺の背中を押す華雄。
「はぁ~分かったよ。」
前に出ると全員俺の方を向き、姿勢を正す。
こういう時何言えばいいんだ?
「俺がこの隊を指揮する神崎狼鬼だ。これからテメェ等の隊長って事になるが、実際俺も
将としてはテメェ等と同じ新人だ。
まぁ、テメェ等無駄に殺さない様にすっから、テメェ等も死なない様に頑張ってくれ。
んで、こっちが俺等の指導係の。」
「張遼や!」 「華雄だ!」
「ええかお前等!これからはウチと華雄、そんでウチ等の部隊がお前等
トコトン扱いてやるから覚悟しいや!」
「「「「「「応!!」」」」」
「んじゃ、後よろしくな~」
え?ちょい待ち。
「ちょっと待て。お前らが調練やってくれるんじゃ無いのかよ!」
「ここでは一定の練度を保てれば調練の仕方などは率いる者の自由だ。
お前も自分の部隊に合った調練をしてみろ。将としてはおいおい鍛えるし、
部隊としてもある程度の力が無いと、私達の部隊と模擬戦した所で一刻持たないだろう。」
マジかよ、めんどくせー。
「ほなな~。一月後にウチと華雄の隊との模擬戦あるさかい。
それまでに一刻持つぐらいには鍛えてやりや。」
そう言って帰って行く二人。
一刻持つぐらいだ~。ちょっとムカついたぜ。
「テメェ等・・・悔しくねぇか?」
「「「「「「悔しいですっ!!」」」」」」
だよな。ここで悔しくなぇ奴は漢じゃねぇ!
「テメェ等!ここまで言われちまったんだ!勝てとは言わねぇ、だがあいつ等ちっとは
見返してやろうじゃねぇか!」
「「「「「「応!!」」」」」
まずは体力作りだな。
「これよりテメェ等を鍛え直す!これから城壁の上をまずは20周!行け!駆け足!」
「「「「「「応!!」」」」」
さて、やりますか。
一月後・・・
「ま、負けた~。くっそー、もう少し持つと思ったのによ!」
模擬戦の結果は言うまでも無く霞と華雄の勝ちだ。
何度も戦場くぐり抜けてきた奴等に新人が勝つなんて無理だが、もう少し粘りたかったぜ。
「いや、かなり頑張った方ではないか?少なくとも二刻は戦っていたぞ。」
「せやで。こんなに強うなってるなんて思ってもみなかったで。
一体どないな調練しとったん?」
え?どんな調練してたかって?
「えっと、まずは始めは全身に重り着けたまま城壁の上を一日30周。んでその重りは調練以外でも 着け続けて、んで残りは恋と戦ってた。ひたすらに。」
「は?恋とかいな?」
「そう。基礎体力が付いてきたし、新兵って言ってもある程度は剣の使い方は知ってるから俺も
混ざってひたすら恋と戦った。
恋と戦ってると一つ間違えれば死ぬから皆死なない様に死ぬ気で戦ってたら、
本能的に強くなった。まぁ陣形の展開とかまだまだ遅いけどな。」
恋との戦いはもう理屈とか関係無しに、もう本能で戦うしかないからな。
これこそまさに、考えるな感じろ、だな。
「成程。些か無理をしすぎてる気もするが短期間に鍛えるには一番効率がいいのかもな。」
まぁそれよりも。
「二人共ありがとな。色々と。」
「ん、なにがや?ウチ等は何もしとらんで。」
「いや、後々考えたら、一刻もつ程度には、なんて挑発するような事二人が言う訳ないし、
あれ、兵のやる気を出すためにわざと言ってくれたんだろ?
それに偶に調練の様子見に来てくれてたし。
ホント、ありがとな」
そう笑顔で言うと。
「な、なに。気にするな//」
「せ、せや。華雄の言うとう通りやで。ウチ等は武しかあらへんし、後輩の面倒見んのは
当然よ//」
「武しかないなんて無いと思うぜ。二人共女性らしくて可愛いぜ。」
「「んなっ///」」
「・・・馬鹿な事言うな。霞、行くぞ。」
そう言って早足に帰ってしまった。
「う~ん。俺なんか不味い事言ったか?」
細かい事には敏感だが女心だけは感じ取れない狼鬼であった。
<恋・ねね拠点>
どうしてこうなった・・・
俺は偶の非番を楽しもうと思って街に出ただけなのに。
途中で恋とねねに会って、肉まんを食いたいが財布を忘れたらしく、
貸して欲しいと言われただけなのに。
何で俺の財布はこんなに軽いんだ・・・
そして恋。なぜ肉まんの追加を頼んでんだ。
「もきゅもきゅ。ごくん、美味しかった。」
「恋殿~。口元が汚れてますぞ~。」
クソッ。あんな可愛い顔されちゃ、何も言えないだろ!
おそるべし恋!
「ま、まぁ喜んで貰えて何よりだよ。」
「まぁ今回だけは同情してやるですよ。」
・・・ねねも苦労してんだな。だがな、同情するなら金をくれ。
「狼鬼、ありがとう。お礼する。」
そう言って俺の手を掴んで走り出す恋。
「ちょっとおい。どこ行くんだよ。」
「こら!ねねを置いていくなです!」
そうしてやってきたのは。
「恋のおうち。」
恋とねねの住んでいる屋敷。普通は将軍職に就けば城で暮らせるんだが、
二人は特殊で。
「ワンッ!」 「ニャー!」
とまぁ。犬猫をかなりの数飼っているので、城で飼える訳も無くここで飼っている。
「で、お礼って何してくれんだ?」
「一緒に寝る。」
「な、なんですとー!恋殿、お気を確かに。」
ねねは何こんなに焦ってんだ?
「寝る、眠い。」
そして俺の手を取り庭の木下まで行く。
成程。お腹が一杯になって眠くなって、俺も眠いだろうから、自分のお気に入りの場所で一緒
に寝ようって事になったのか。
何とも恋らしいお礼だな。
そんな事を思っていると、恋はもう寝る体制になっていて。
「のわっ!いきなり引っ張るなよ。」
腕を引っ張られそのまま仰向けに倒れ、恋は俺の腕を枕に寝始めた。
そうすると、ねねも恋にくっつき寝始め、動物達も回りを囲む様に寝息をたて始めた。
「寝んの早!つうかこんな寝顔する奴があの天下の飛将軍、呂奉先とわね。
可愛いな。」
動物達に囲まれ寝息をたてる恋の姿は、さながら童話の主人公の様だ。
「ねねももう寝てやがる。・・・なんつうか平和だな。」
平和。これもすぐに過ぎ去る。俺の知識通りならこれから黄巾の乱が始まる。
恋みたいな優しい奴が、そんな動乱に巻き込まれるのか。
恋だけじゃねぇ。月も詠も華雄に霞にねねも。
俺が守らねぇとな。
そんな事を考えながら恋の頭をそっと撫でてやると、気持ちよさそうな顔をして
俺の腕をさらに強く抱く。
俺の腕が胸の間に挟まってかなり役得な事に!
そうだな。俺の財布なんか安い位のお礼だよ。
「ありがとな、恋。」
そう言って俺も眠りについた。
あとがき
こんばんは荒紅です。
拠点のネタが浮かばない。
なんかかなり内容薄い・・・
・・・次回からはもっと内容のある拠点にしますので今回は勘弁を。
それではご感想などコメしてもらえるとありがたいです。
んじゃ
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今回は拠点です。