No.456610 外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第8話BLACKさん 2012-07-21 07:18:14 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:1073 閲覧ユーザー数:1048 |
第8話 動き始める世界
翌日になり、クレインに聞くが、まだガンダラ要塞についての連絡は来てなかった。
そこでローエンに手配状態はどうなっているのかを見に行ってもらうことになった。
「ではローエン。よろしく頼む」
「かしこまりました」
「ローエン、どれくらいで戻って来るの?」
「そうですね。馬を使えば一日もあれば戻れるかと思います」
「それならもしかしたら明日にはみなさんとお別れかもしれないのよね」
「首尾よく進んでいればそうなるかもしれないな」
「それなら、エリー、ミラ。お買い物に行きましょう♪」
「お買い物? 行こう行こう!」
「決まりね♪ さっそく行きましょ」
ドロッセルとエリーゼはミラの腕をそれぞれ掴んでほぼ連行状態で連れて行った。
「まて、話がみえない」
「エリーとお買い物の約束したもの。明日お別れかもしれないのならチャンスは今日だけよね?」
「それはそうだな。行ってくるがいい」
ミラはそう言うが、エリーゼとドロッセルはお互いに顔を合わせて、微笑んだ。
「じゃあ、出発~」
ドロッセルとエリーゼは腕を大きく上げる。
「出発~」
「だから、なぜこうなるんだ? 私が行く必要はないだろう?」
ミラは二人に連行されてしまう。
「俺も一緒に行くぜ。何かあった時の荷物持つ、してやるからよ」
「ありがとう、秋山さん」
秋山も買い物について行くことにした。
ミラ達を見送ったジュード達。
「この今の幸せのために僕も決心しなければいけない……やはり、民の命をもてあそび、独裁に走る王に、これ以上従うことはできない」
「……反乱をおこすのか?」
「……戦争になるの?」
「ナハティガルの独裁は、ア・ジュール侵攻も視野に入れたものと考えられます。そして彼は、民の命を犠牲にしてでもその野心を満たそうとするでしょう。このままでは、ラ・シュガル、ア・ジュールとも無為に命が奪われる」
「僕は領主です。僕の為すべきこと、それは、この地に生きる民を守ること」
「……なすべきこと……」
ジュードは何度も言われる「なすべきこと」について改めて何か思う。
「そう。僕の使命だ。力を貸してくれませんか?」
「……ぼ、僕は」
「僕たちは、ナハティガルを討つという同じ目的をもった同志です」
クレインが手を差し伸べ、ジュードが手を取ろうとした時であった。
世界の時間が停止した。
「やれやれ……」
出かけていたはずの秋山は、いつの間にか秋山はクレイン達の側にいた。
その停止した世界の時間に秋山だけは動いていた。
時間を停止させたのは秋山本人である。
そして止まったクレインの前には当たりそうになる矢があった。
「こいつだな、クレインを殺す矢は……」
秋山は矢の威力を殺傷能力のないものへと変える。
「ま、一応……」
秋山は止まっているクレインの体の秘孔を突く。
「これで矢が当たっても大丈夫だし、毒があったとしても、しばらくの間は毒に耐えられる体にしてるからどう考えても問題なし。
さてとそろそろ戻るか。このままいたら突然すぎて驚かれるからな。まだ時止めと高速移動のことは言えんからな」
秋山は高速移動でその場から去っていく。
そして世界の時間は再び動き出す。
それと同時にクレインの体に矢が当たる。
「旦那さま!」
「クレインさん!」
「ちぃ!!」
アルヴィンは狙撃兵を射殺する。
「早く治療を!」
「う、うん……」
ジュードは急いで治療をする。
クレインが射られたのとほぼ同じころ、ミラ達は何も知らず(秋山は時止めと高速移動で元の位置に戻っている)に買い物をしていた。
「決めた。エリーには、これをプレゼントするわね」
「うわー。高そうー・ドロッセル君はお金もちだねー」
「あら、ティポったら」
「ありがとう、ドロッセル」
「うふ、どういたしまして」
「うむ……?」
ミラは一つのペンダントを見る。
「ミラ、そのペンダントが気に入ったの?」
「いや、私も同じような物をもっているのだ」
ミラはそのペンダントに付いているものを取り出す。
「うわー、ただのガラス玉だー!」
「とってもキレイな色ね」
それはガラス玉ではあったが、とてもキレイな青色をしていた。
「ミラ……どうしたんですか、これ?」
「昔、人間の子どもにもらった物だ」
「大切にしてきたのね。なら、失くさないようにしないとね」
「それじゃ、こちらのようにペンダントにして差し上げますよ」
店主が気をきかせてくれる。
「そうしてもらった方がいいわ。やってもらいましょう」
ミラの持っていたガラス玉をペンダントにしてもらう。
「これはなかなかよさそうだ。店主、感謝するぞ」
「わぁ、やめてください!」
後ろから突然声が聞こえてくる。
そこにはラ・シュガルの兵達がやって来て、民達に暴力を振るう。
「……抵抗するな。容赦せんぞ」
民達は怯えて、逃げていく。
「乱暴はおやめなさい! 一体なんのつもりです!
ラ・シュガル軍は、この街から退去するよう領主から命を受けたはずですよ!」
そこにナハティガルの副官の男がやって来る。
「あなたは……?」
「シャール家の者です」
「ふん、何も知らぬ小娘が」
「これは王勅命による反乱分子掃討作戦。おとなしくしていただきましょうか」
「な、なんですって?」
「捕えなさい。謀反を画策した領主家シャールの者です」
秋山が前に立つ。
「捕えるなら、俺一人でいいだろ。指名手配したくても出来なかった、一番厄介な人物だぞ、俺は…」
「何を………」
秋山のものすごい気迫はラ・シュガル兵達を怯えさせる。
「俺だけにしろ。じゃないと……ここでお前達は命を失う。
それが嫌なら俺だけを捕えて帰れ」
本来脅迫すべき立場である兵士達は逆に脅迫されていた。
そして兵士達や副官はそれがハッタリではないことを肌で感じていた。
「わ、わかりました。あの男を捕えろ」
「言われるまでもない。俺から行くぜ」
秋山は両手を高く上げて抵抗しないとアピール。
そして秋山は連行されていった。
秋山はガンダラ要塞の牢に入れられた。
「そういや、手前の名前、まだ聞いてなかったな」
「私は、ラ・シュガル軍参謀副長ジランド」
「秋山総司郎だ。いい加減、覚えておくんだな」
「そうしますよ。ところであなたに伺いたいことがある。
あれの『カギ』はどこですか?」
「俺が知ってると思うか?
まあ、知ってたとしても言う気はさらさらない」
「でしょうね……」
ジランドが腕を上げると兵は牢を開ける。
「出ろ!」
「はいはい」
秋山はとりあえず牢を出て、通路に出される。
「もう一度問います。『カギ』はどこだ?」
「だから知らんって……」
「これを見なさい」
ジランドがあるものを取り出す。
それは秋山の左足に付いているものと同じだった。
「ふん」
ジランドがそれを通路にある術式の外に投げるとそれは爆発した。
「それをつけたまま、あの呪帯に入ると……ごらんのとおりです」
「お前は馬鹿か?」
「何?」
秋山はなんと自分の手で爆弾の付いた足を斬り落とした。
「!?」
「足の一本くらい簡単にくれてやるって……」
秋山は斬った足を呪帯の方に投げて爆発させた。
「おおっ!?」
ジランドは思わず後ろにこける。
「……だ、だがそのような状態で……戦おうなどと……」
「なんでこんなことが簡単に出来るか、わかってから言え」
秋山が手で斬れた足の部分をさするようにすると、足は元通りになる。
「なっ!?」
「治るからだよ。簡単に……」
「……ば、化け物め! 何をしているのです! やりなさい!」
ジランドはそう言って逃げていく。
「兵士さん達も大変だね。逃げたいのに逃げれない……。
ま、殺さないから安心して……倒されな」
秋山はそう言って高速移動で兵士達を倒した。
「さてと……とりあえずもう一度爆弾はつくっておくとして…………。
とりあえずジュードやミラ達も俺を探しに来るはずだから、制御室にでも行くとするか」
秋山はそのまま制御室に向かう。
今は全然手加減してないので、制御室には簡単にたどり着いた。
「ちゅう!」
秋山は制御室のガラスを破って入って来た。
「貴様!」
「あの程度は足止めとは言わんぞ」
「何をしている?」
そこになんとナハティガルがやってくる。
「ナハティガル王!」
「よう、おっさん」
秋山は手を上げて挨拶する。
「この者が?」
「はい。何故か兵士達が覚えられなかった者です」
「秋山総司郎、あんたをぶっ飛ばす仲間の一人ってくらいで覚えておいていいぜ」
「覚えておこう、だがお前と付き合っている暇はない」
そう言って、ナハティガルとジランドは裏通路から立ち去る。
「逃がすか!」
通路が閉鎖される前に、秋山は通路を通り抜けた。
「待ちな!」
「…………ゴーレムを起動させろ」
「はっ!」
ゴーレムたちが動き出す。
「ふぅ……少しは骨のある奴と戦えるようだが……、今の俺は大判ふるまい出来るほど、少しいい気分でな。
ありがたく思うんだな」
秋山は右手を振る。
すると右手は鞭のようにしなり、前に突き出す。
「潰れろ、『妄想心音(ザバーニーヤ)』」
『妄想心音(ザバーニーヤ)』。それは対象となる人間の心臓の偽物を自分の右手に復元させ、それを潰すことで対象の持つ本物の心臓を潰す技である。
しかしそれは本来は人間に対してのみに有効で、ゴーレムは人間ではない。
だが秋山は『妄想心音(ザバーニーヤ)』に自分の改良を加え、魔物や機械などでも心臓や致命的となる部分をつくり出しそれを潰すことで殺す技にしていた。
秋山は妄想心音(ザバーニーヤ)でゴーレムの一体の心臓部分をつくり出し、右手で潰した。
すると潰されたゴーレムは機能を停止した。
「止まっただと?」
「次はこいつだ」
秋山はゴーレムの一体を見る。
「か~め~……」
秋山の掌から氣が溜められる。
それは波動拳とはまた違った氣の溜まり方だった。
「は~め~波ーーーーーーー!!」
かめはめ波がゴーレムの一体を飲み込み、飲み込まれたゴーレムは完全に消し飛んだ。
「次はどれにしようかなって……こいつでいいか!」
秋山の後ろから金色の壁が現れ、そこから大量の武器が出てくる。
「『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)!』」
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)と呼ばれた技で、後ろにあった武器がゴーレムに攻撃の隙を与えず、すべてゴーレムに当たり、ゴーレムは機能停止した。
「残り一つぅ!」
秋山が右の拳に力を込めようとした時であった。
「!!」
秋山はあることに気づいた。
(ジュード達が来る)
秋山は魂で誰がどこにいるのか感知できるのだ。
ここで手を止めずにやれば話が滅茶苦茶になる。
そう思った秋山は……。
「がはっ!」
苦しみ出したふりをする。
「くぅううう」
しかしゴーレムはそんなのお構いなしに秋山を殴り飛ばした。
「ぬおあっ!」
秋山は殴られ、倒れる。
しかもゴーレムは秋山の足にのしかかる。
「ぐああああああ!!」
いくら秋山が強く、死なない存在でも痛みは感じる。(痛覚遮断をすれば話は別)
「くううううう!! だあああああ!!」
秋山が氣でゴーレムを後ろに飛ばす。
「ふぅ……図らずもいい感じで怪我したな」
傍から見たらかなりの大怪我で、死んでいてもおかしくない。
しかし秋山はその気になればそんな大怪我もたちまちに治せる。
だがそれをしようとしない。
「秋山!」
そしてようやくジュード達がやって来る。
「秋山! 無事か!?」
「よう……」
血を流して倒れていたいる秋山を見つけて駆け寄るジュード。
「エリーゼ、早く治療を! 早く!」
ジュードは急いで秋山の体(主に足を)治癒術をかける。
エリーゼは秋山の無残な姿を見て思わず目を手で覆い隠すが、すぐに治癒術をかける。
「わー、グチャグチャだよー! 見たくなーい!!」
「なんで? なんでこんなことに?」
「あいつのせいだ……。それとミラ……、……ナハティガルを追っても無駄だ……。奴はもう逃げてる…………」
「喋らないで! 治療に専念できない!」
「悪い………」
秋山は黙ることにした。
秋山が黙ると同時に秋山が飛ばした最後のゴーレムが再び動き出す。
「ともかく、これ以上は無理だ。カラハ・シャールに戻ろう」
ローエンは馬車を見つけ、何とか全員を乗せ、そのままガンダラ要塞を脱出した。
脱出する中で、秋山は思う。
(とりあえず、ミラの怪我は俺に回って、クレインは死亡せずと……。
まあ流れは少しは変わってるけど、まだそんなに大きないか……)
秋山は大人しく寝ることにした。
Tweet |
|
|
1
|
0
|
追加するフォルダを選択
この作品は別の人の影響で作った作品であり、作者(BLACK)のオリジナルキャラ「秋山総司郎」を第3主人公として、テイルズオブエクシリアの世界に来たらで書かれました。
秋山総司郎が今まで出てきた作品一覧(作品検索)。
http://www.tinami.com/search/list?keyword= %E7%A7%8B%E5%B1%B1%E7%B7%8F%E5%8F%B8%E9%83%8E&genrekey=1
続きを表示