No.456337

ゼロの藤甲軍1 - GO孟獲くん! -

ましさん

火計はいやだなぁ。
そうだハルケギニアに逃げよう。
孟獲殿よろしく。

2012-07-20 19:56:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1391   閲覧ユーザー数:1355

3世紀、漢の益州建寧郡。

 

宙に浮かぶ鏡の様なモノ。

それに一人の男が飲み込まれまいと抵抗している。

彼の名は孟獲(もうかく)。

西南夷の酋長である。

そして、それを呆然と見守る二人の男。

「なあ奚泥(ケイデイ)。これはアレか?」

「多分そうだろうね。土安(ドアン)」

「「使い魔召喚の門(サモンサーヴァントゲート)だな」」

 

二人は前世知識持ちの転生者である。

 

「どうする?助けるか?」

「いや無理だろ。それより僕たちも同行しようよ」

「……そうだな。万一にも孔明にやられたくねえし」

「三国志っても『STOP劉備くん!』だから大丈夫とは思うけどね」

この時、彼らの脳裏にあったのは保身である。

三国志演義で二人は孟獲の援軍として蜀軍と戦い、火攻めで焼き殺される役回りだ。

「向こうのほうが美少女が多いしな」

保身だけではないようだ。

「そうそう。こっちは少しベーコンレタスだし」

「兀突骨(ごつとつこつ)が何か妖しい目で見てくるんだよな」

いや、やはり保身のようだ。

「俺はテンプレでルイズがいいなぁ。くぎゅボイス聞きてぇ」

「いや土安。ジョゼフに呼ばれてイザベラのデコを愛でるのもいいよ?」

「奚泥。お前さん美中年とキスしたいのか? だとしたら付き合いを考えんとイカンのだが」

「契約するのは僕らじゃなくて孟獲様だし」

「それもそうだな。だったらヴィットーリオでもいいか。嫌がらせで」

孟獲の容貌は魁夷である。

嘗て孔明ら蜀軍は何度も孟獲を捕らえるが、引見する度に衝撃を受け、

その隙に6度逃走に成功する(=慣れるのに七回かかる)程である。

「おっと。急がないと『門』が閉まるよ」

「おう。それでは行くか」

言うなり二人は孟獲を『門』の方に押し込むように張り付く。

孟獲が何か怒鳴るが黙殺する。

 

そして『門』は3人を飲み込むと姿を消した。

このジョーカーを引き当てた担い手は誰なのか。

其れを知るものは中原には存在しない。

 

「おやおや。想定外ですね。しかし向こうさんはお気の毒様です」

いや何故か雑兵Aは知っているようだった。


 
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