No.456232

無題3

あおいさん

二人の名前もないんです

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2012-07-20 14:32:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:171   閲覧ユーザー数:171

「ねえ。」

 

なんだよ。

 

「他人の期待に応えるのってそんなに大切かしら。

 期待に添えなかったら嫌な顔をされるのは当然なの?」

 

いきなりどうした。

 

「自分の嫌なことでも求められたらしなきゃダメ?

 どうして他人との感覚が違うってだけなのに、

 変だとかおかしいとか言われなきゃいけないのよ。

 一般的でない趣味・思考だと集団から排他されるのは当然なの?」

 

少し前に似たようなこと言ってたな。

 

「それぞれの趣味・思考、感覚は違って当然でしょう。

 なのに自分の予想範囲外の考えだからって、一般的でないからって、

 それをおかしいと後ろ指を指すのは、それこそおかしいことでしょう?

 どうしてその集団に沿ったことをしなきゃならないのよ!」

 

「私は誰かの期待に応えるために、

 愉快にさせるために生きてるわけじゃないわ!

 なのに趣味が変わってるだの、

 思い通りの反応でないから、失望したような顔して。

 一体何なのよ!!」

 

興奮しすぎて日本語がおかしくなってるぞ。

それにしても表情が無い分、迫力があるな。

まあ、一回落ち着けって。

今のお前、すごく怖い。

 

「他人に合わせて笑っているのは疲れたの。

 他人の、普通の枠から外れないように、

 自分に嘘をつき続けることに意味はあるのかしら。

 私は、そこまでして、他人と在りたいとは思わない!」

 

おい、無視するな

疲れるならなんで一緒にいるんだ?

 

「そうすれば生活する上で平和に過ごせるからよ。

 煩わしいことを避けられる。

 集団に属していれば周りに変な目で見られることも、

 頼んでないのに気を使って声をかけられることもない。」

 

お前は一人でも平気って顔してるけどな。

 

「そうなのかしら。

 でも露骨に態度に出されると流石に堪えるわ。」

 

お前が自分を殺してまで必要だと思うなら、

他人に気に入られるように振る舞えばいいし、

そうでないならお前の好きなように振る舞えばいい。

 

「未遂に終わってるだけで、

 毎日自分を殺しにここに来てるんだけどね。」

 

そういえばそうだったな。

 

「貴方が引き留めてるんでしょう。」

「…ああ。

 話してすっきりした、聞いてくれてありがとう」

 

一方的に話してただけだろ。

 

「でも聞いててくれたでしょ。」

 

まあな。

 

「で、優しいあなたは今日は何かくれないのかな?」

 

今日は相談料として俺がもらう。

 

「ケチね。」

 

貰ってばかりじゃなくて、

たまには自分で持ってこい。


 
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