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魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? 〜過去に戻った高町なのは〜 【無印 After & A's Before】 第四十六話

新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。

任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。

なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!

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2012-07-20 14:12:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2591   閲覧ユーザー数:2442

「それで、どこに一度集まりますか?」

『今、海鳴南商店街の方に居るわ。手がかりが全くと言っていいほどないから適当に走り回ってたらここに着いたというか』

「なら近いですね。すぐにそっちに向かいますので、翠屋の前で待っていてくれますか?」

『分かったわ』

 

 

 私は家から走りながら、アリサちゃんが居る海鳴南商店街へと駆け走ります。

 

 昔の私なら走るのが苦手でしたから多分商店街まで行くのにかなり疲れていたでしょうが、今の私なら運動はほとんどかかせずにやっていましたので全然余裕です。

 

 それにしても急がないとすずかちゃんの身が危ないかもしれません。そもそもすずかちゃんが誘拐されるなんて想定外の出来事なんですから。

 

 

「商店街が見えてきましたね」

 

 

 数分後、私は海鳴南商店街へと着きますと、すぐに翠屋がある方へと向かいます。

 

 翠屋の店が見えてきますと、店の入り口付近でアリサちゃんが待っているのを見かけました。

 

 

「なのは!!」

 

 

 アリサちゃんもすぐにこちらの方に気づいたようで、私に手を振ってきました。

 

 

「どうやら、アリサちゃんには何の怪我もないようですね」

「えぇ、私は何ともなかったのだけど……」

 

 

 アリサちゃんは言葉の途中で落ち込み始めていました。まぁ、目の前ですずかちゃんを誘拐されて、何もできなかったことに悔やんでいるのでしょうね。

 

 

「とりあえず、どうしてこういう状況になったのか教えてくれませんか?」

「うん。えっとバイオリンの稽古が終わってから私とすずかちゃんは一緒に帰ろうとしたのだけど……」

 

 

 どうやら今日は運悪く歩いて帰る予定だったらしく、その途中でアリサちゃんがある者に目を惹かれてしまったようです。すぐにすずかちゃんの方へ視線を戻したのですが、その時にはすずかちゃんが近くにいなくなっており、周りを探してみるとすずかちゃんが何者かによって車の中に連れていかれるを見かけたらしい。

 

 その時にすぐにすずかちゃんを助けようと無意識に動いていたようですが、すでに遅かったらしく、アリサちゃんが車の前までに辿り着く前にその車は出発してしまい、すぐに魔法で居場所を探せるかもしれないと思って相手の思考を読み取ろうとしたようですが、車の速さで動いている人物の思考を読み取る事は出来なかったようで仕方なく車の後を追う事にしたのですが、さすがに人間の足では敵うわけがなく、遂には車の姿が見えなくなったらしい。

 

 まぁ、車を走って追うなんて不可能だという事は分かりますし、それでも走ったのは私でも分からないというわけでもありません。私でもそうしたかもしれませんからね。

 

 この世界で魔法を公に使えないし、すずかちゃんにも魔法を見せるわけにはいきませんので、正直に言うとかなりきついです。魔法を使えないとなると自力で探すしかありませんし、なるべく早く見つけないとすずかちゃんの身が危ないかもしれませんので、急がないといけません。どうにかしてすずかちゃんを見つける方法を探さなければ……

 

 

「そういえば、どちらの方向へ逃げたのかは分かるのですか? それによっては向かった方向が分かるかもしれませんし」

「えっと……確か海側だったかな? 方角的にそっち側だと思う」

 

 

 海側となりますと工場地帯っという事ですか。そこなら隠れる場所もあるかもしれませんが、虱潰しに探してもかなり多いので時間が掛かりそうですね。

 

 とりあえず、車が向かった方向が工場地帯だという事が分かりましたので、本当にそっちに向かったのかはわかりませんが行ってみようと思いました。

 

 

「分かりました。本当にそっちに居るのかはわかりませんけど、行ってみる価値はありそうですね。生憎そこまで遠い距離ではありませんしね」

「そうね。ヒントが少しあるのならば、行ってみた方が良さそうだね」

「そういうことです。それじゃあ、少し走りながら向かいましょうか」

 

 

 私はアリサちゃんと一緒に軽く走りながら、海鳴の工場地帯の方へと走っていきます。

 

 お兄ちゃんに深追いはするなと言われていましたが、そう簡単に私とアリサちゃんがすずかちゃんを見つけるのを諦めるわけがありません。すずかちゃんとは前の世界でも今の世界でも友達ですし、誘拐されたとなれば私たちが何もしないわけがないのですから。

 

 それから数十分しますと、私とアリサちゃんは工場地帯へと着きます。時間帯的に夜であるのでそれほど騒がしい音は聞こえてこなく、逆にものすごく静かな感じでした。

 

 

「これだけ静かだと、逆に見つけやすいかもしれませんね」

 

 

 物静かな工場地帯を見ていて、私はすずかちゃんが見つけやすいと思いました。

 

 本来ならば工場の音などで聞こえなくなってしまいますが、これだけ静かでもしすずかちゃんが捕らわれている場所の近くに居るのならば、声が聞こえて来たらどこに居るのか大体把握できると思ったのです。

 

 

「それではアリサちゃん、手分けして探した方が早く見つかるかと思いますのでここからは分かれて探しましょうか。アリサちゃんがもし何かに襲われたとしても、その時は魔法を使っても構いませんので。もちろん気づかれないようにですが」

「わかったわ。なのはも気を付けてね」

「えぇ、それではご武運を。見つけましたら念話で教えてください」

 

 

 それからアリサちゃんとは分かれ、すずかちゃんを探しにそれぞれ移動するのでした。

 

 歩き続けていても工場の音は全く響いてこなく、何か聞こえてきたらすぐにでも分かるぐらいでありました。

 

 しかし工場地帯は意外にも広いため、虱潰しに探すのは時間が掛かるぐらいで、もしここにすずかちゃんが居なければ時間の無駄になるぐらいで、そうなると今日中にすずかちゃんを見つけるのは難しいと思ったのです。唯一の手がかりであるため、この手がかりが違っていたら私たちの手では探すことは難しいのです。

 

 とりあえず他にすずかちゃんを探す方法がありませんので、特に耳を澄ましながら先へと進むことにしました。

 

 

「……見つかりませんね」

 

 

 そしてアリサちゃんと離れて一人になって探し始めてから約一時間後、結構探し回ったのですけどそれでもすずかちゃんが見つからないでいます。

 

 アリサちゃんの方にも念話がないという事は進展がないというわけでありますし、このままでは進展がないままですずかちゃんを見つけられることも出来ないかもしれないと思いました。

 

 絶対に工場内のどこかに捕らわれているのならば、絶対に見つけないといけないと私は思っていたその時でした――


 
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