バスは早いせいか空いていた。
後ろの席に二人で座った。3人座れるの席に俺 は真ん中に座った。
また一人バスに乗ってきた。乗ってきたのはレ キだ。
名字は知らない。本人も知らないらしい。俺を 見たレキは
ストッ
隣に座ってきた。
「おはよう、レキさん」
たまに組むときがあるので挨拶をしとく。
「おはようございます。審治さん」
いつも通り表情を変えないレキ。
「お前は女性に対して敬語になるよな。私には タメ口のくせに。」
「不満か?」
「理由しだいだ。」
「理由は・・・・・無いな」
「何?」
疑問顔を後ろに一つに束ねた長い髪を揺らしな がら向けてくる。
「女性に敬語を使うのは。生まれ付きだ。お前 の場合は何かと
突っかかってくるから距離が近くなったから な。そのせいじゃないか?」
「私、そんなに突っかかってるか?」
「思い出してみろ」
「・・・・・・・」
思い出そうと思案顔になる火野。結構時間が掛 かりそうなので
外を見ようと隣を見たらレキがこっちを見てた 。
「レキさん?何か?」
「いえ」
相変わらずの無表情で前を向くレキ。
(口がへの字になってたのは気のせいか?)
「審治」
火野だ。今度は逆の方向を見る。
「思い出したか?」
「いや思い当たることが無い」
「・・・・・・・呆れて物も言えないとはこの ことか。」
「え!?私そんなに酷いことしたのか?」
「がんばって思い出せ。ついたぞ。」
火野とレキと別れた俺は教務科に向かった。
「失礼します」
「きたか~飛闇~」
居たのは蘭豹ではなく煙草を吸ってる尋問科の綴だった。
「あれ?綴先生?蘭豹先生は?」
「なんか用が出来たみたいだ。この紙渡せって さ~」
こっちを見ずに渡された紙には、
『校長から特別に許可をもらってSランクのま まにしといたで。』
きたねえ字で書かれていた。これ酒の匂いすん ぞ。大丈夫かこの学校。
「ランクはどうでもいいんだけどな」
独り言のつもりが聞こえてたみたいで綴がこっ ちに顔を向けてきた。
「どうでもよくねんだぞ~、飛闇~。ランクは 依頼の基準を作るために
大事なものなんだぞ~。わかったか~?」
「あつっ!?」
手の平に根性焼きされた。一瞬で火傷しなかっ たとはいえ、教師がすることか?
「話はそれだけですか?なら始業式に行かない といけないんですけど」
「お~いってこいや~」
教務科を出た俺は爆発音を聴いて屋上に向かっ た。
屋上から俺はキンジがセグウェイに襲われてい るのが見える。
「なにやってんだ?」
目が良い俺は双眼鏡無しで見える。
キンジがヒステリアスモードになってるのも分 かる。
そして、ツインテールの少女も一緒にいること も。
「もしかしてあの少女でなったの?」
その時、俺はまだセグウェイが活きてるのが見 えた。
「あの馬鹿!、仕方ねえ」
右手をセグウェイに向ける。
「座標確認、ロック完了。さあ、圧し潰れろ! 」
グシャッ!
セグウェイは上に重いものが乗っかったように 潰れる。
キンジと居た少女が目を見開いているのが見え る。
キンジも最初驚いたが、俺がやったと解ったの か笑みを浮かべた。
「後で殴るか。」
そう言う俺も笑みを浮かべていた。
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第3話