No.455677

恋姫無双 槍兵の力を持ちし者が行く 六話

ACEDOさん


 では、六話です。
 ちなみに、新キャラはマジ恋の京です。

2012-07-19 15:06:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5291   閲覧ユーザー数:4768

皆さんこんにちは。蒼です。趙雲達と別れて二年近くになります。

今まで何をしてたかと言うと、各国を回り、客将として雇ってもらい、その地方の商人と親交を持ったり、諸侯とその臣下の才能や、性格を観たりしていた。

そして、この二年で最大の収穫は、私兵が揃ったことだ。数は、騎兵が百二十名、その他に隠密が三十名、副官の司馬懿 仲達(真名は森羅。勿論女の子だった。)こいつらは賊に襲われた村の生き残りや、名家の鼻つまみ者などだ。勿論才のない者は入れてない。最低でも一介の将となんとか渡り合うレベルの武と、その他の特技を全員に持たせてある。

今は「紅蓮団」という名で傭兵まがいのことをしながら大陸を旅をしている。

ちなみに、「紅蓮団」という名は俺の個人的な趣味で付けた。やはり前世とはいえあの熱さとドリルは忘れられない。

 

「で、蒼様。次は何処に向かうのですか?」

 

今、俺達は一つの村を賊から守り、後から来た官軍に村を譲り、他の村に向かう所だ。

そして、何処に向かうか聞いてきたのが、副官の森羅だ。史実とは異なり、武もこの隊の中で俺の次であり、頭もいいので、軍師の役割をしている。

なんでも、司馬家の中が堅苦しく旅に出たらしい。

それを知り俺が勧誘した。今では、この隊の女房役になっている。

 

 「まったく、蒼様は。女房とは、恥ずかしいではないですか」

 

 「って、地の文を読むんじゃねーよ。ったく。で、次、何処に行こう?華林の所にそろそろ戻るか」

 

 ついでに、こいつらには最終的には華林につくことは言ってある。

 

 「ああ、曹操殿ですか、つまり陳留へ?」

 

 そう、今華林は陳留の刺史をやっていることは隠密を使って分かっている。しっかりと善政を布いているようだ。そうでないと俺が仕える価値がない。

 それにしても、森羅の華林に対する態度が敵対的に感じる。まあ目の前ではちゃんとするだろうし心配はしていないが。もう少しで仲間になるから仲良くして欲しい……と思うのは少し甘いか。

 

 「蒼様、帰る前に涼州に行ってみませんか?」

 

 「森羅が言うのだから、何かあるんだろう。で、どうしてだい?」

 

 「はい。そこに董卓がいます。隠密によると善政を行っているとか」

 

「本当に?」

 

 「本当です」

 

 マジかよ。董卓だよ?

 あの酒池肉林を体現してそうな人物だぞ?

 女でも何処かの封○演義の妲妃さんみたいに「董卓よ〜ん♪」とかいう図しか思い浮かばない。

 

 「董卓はどんな容姿なんだ?」

 

 「ま、まさか、まだ見ぬ女を毒牙にかけようと…」

 

 「違う!ふざけんじゃねーよ。今の世で善政を布くのは、優秀なお人好しか、優秀な野心家だけだ」

 

 「そういうことですか、董卓の才に興味を?」

 

 「まあな、前者なら仲間に出来る。そして後者なら…」

 

 「後者なら?」

 

 俺は笑いながら言う。正直あんまり良くない笑みを浮かべてるのは自覚する。

 

 「俺達の敵となった時に倒しやすいように下準備をしてやるよ。」

 

 「……蒼様、その笑みはなるべく控えて下さい。あなたの本質を知る我等ならまだしも、赤の他人なら引かれます。この傭兵稼業、本心からではないからとはいえ信頼されなければ続けていけませんから」

 

 まったく、よく出来た副官だよ。痒い所まで手が届くやつだ。

 本当良い女房役だな。

 

 「だから、蒼様。女房というのは、その、恥ずかしいです」

 

 「だから地の文を読むな!ったく、全員に通達。これより涼州に向かう。」

 

 「御意」

 

 森羅はこう言い残すと、休んでいる隊の皆に伝えて行った。

 董卓さんよ、待ってな。興味が湧いた。あんたがどんな奴か判断してやる。最近賊が増えてきた。乱世が近い証拠だろう。そろそろ帰らなきゃならねえ。

 待ってな華林、董卓の所に行ったら戻ってやる。

 

―side 森羅

 

私は隊の皆に涼州に向かうことを伝える為に皆の所に行く途中、さっきの蒼様の笑みを思い出す。

蒼様の性格はかなりひねくれている。

それを分かる人なら、あの笑みは面白いことを見つけた笑みだと分かるのだが、赤の他人が見ればただのいやらしい笑みだ。

 

私も初めて蒼様に会い、あの笑みを見た時もいやらしい笑みだと思っていた。

 

 

私は司馬家でかなり優秀だったと自負しているし、他の者からもそう言われていた。だが問題があった。司馬家は保守的だったのだ。私が新しい事を考え、提案しても反対され、次第に孤立し、司馬家の恥曝しと呼ばれるようになった。

 だから、旅に出ようと思い、自分を守る為の武を修め、旅に出た。私の新しい考えを受け入れる主を探しに。

 そこで出会ったのが蒼様だった。賊に多勢で来られ苦戦している所を助けて貰った。

 礼を言い、名前を言うと、あの笑みが出てきた。後で聞くと、面白い人材いたからという理由だった。

 警戒しつつ話していくうちに、彼が私の求めていた主だというのが分かった。

 それは彼が『常に前に進む人の住む国』を目指しているのを聞いたからだ。

 私はこの事を空を見ながら話す蒼様に見惚れ、また、仕えようと心に決めた。

 

 その後、私の真名を預け、また、蒼様も私に真名を預けてくれ、私は「紅蓮団」に入った。蒼様に全てをささげる覚悟で。

 

 

 しかし、蒼様には仕えるべき主がいるという。その名は曹操。彼女こそが自分が求める国を作る主だと。

 ただ、王の才に惚れたのならまだいいのだが、男として惚れているように見える。

 

 曹操、貴女には女として負けません。幼なじみという有利な立場にいるようですが、蒼様の心の一番になるのは、「紅蓮団」の副官、司馬懿 仲達です。

 

 


 
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